NTTドコモは2019年中に現在の割引サービス「月々サポート」および「docomo with」の新規受付を終了し、新しい料金プラン体系を発表する見込みです。これにより、ドコモガラケー(特にFOMAガラケーユーザー)の携帯買い替え・スマホデビューに掛かるコストが値上がる恐れが出て来ました。
従来、ドコモで携帯電話を購入すると、購入した機種に応じた「月々サポート」という月額割引が適用され、購入から24ヶ月間分は料金が安くなり、「機種分割代金-月々サポート=0円負担」でFOMA携帯から機種変更できるガラケーが2019年3月時点でも存在します(→2019年3月0円ドコモガラケー P-01Jの購入レビューはこちら)。
ドコモの長期利用者にとってはお馴染みとなったこの月々サポートが、総務省による「端末販売/料金分離」の義務化によりガイドライン違反となり、2019年中の新プラン登場と同時に消滅することが予想されます。
新プランでは「基本料金が2~4割程度安くなる」ことも予想されていますが、月々サポートが無くなることでかえって「機種代金+基本料金の合計」が割高になる可能性があります。
詳しくは「2019年分離プラン改悪 ドコモスマホ “料金4割値下げ”でもdocomo with廃止で料金が高くなる可能性大」の記事でも解説していますが、もともと安めの料金に設定されているプランの場合、月々サポート・docomo with割引による節約効果のほうが「4割値下げ」よりも大きくなることが予想されます。
一方では、ドコモ古いFOMAガラケーを2019年現在も利用中の場合、今後FOMAサービスが終了する(3G停波)ことも確定しており、料金の話は関係なくとも「FOMAガラケーが使えなくなる」日が近い将来やってきます。
関連記事:ドコモFOMAガラケーの完全終了は2020年代半ばに 3G停波に伴い旧型ガラケー利用不可に
FOMAサービスの終了については2019年時点ではまだ日程的な猶予があるはずながら、先に月々サポートの終了が予期される2019年春時点で、「いつFOMAガラケーを買い換えるべきなのか」を買い換えなければいけなくなる時期・要因・理由別に解説していきます。
1:「月々サポート終了」の影響で買い換える場合
2019年3月時点で、FOMA携帯から買い換える事ができる最安ドコモガラケー P-smart P-01Jであれば、月々サポートを適用して0円負担(月々の基本料金もかけ放題でずっと月額1,200円~)で買い換えることが可能です。
ここで、月々サポートがもし終了してしまい、別の機種割引が追加されない場合には機種代金負担額が大幅に値上げされることになります。
P-01Jの機種変更イメージ | 月々サポートが使える場合 | 月々サポートが使えない 新プラン(予想) |
P-01Jの 本体負担額 |
定価:31,104円 割引:▲31,104円 =合計0円 |
定価:31,104円 割引:無し =合計31,104円? (1,296円/月×24回) |
基本料金 | カケホーダイライト (5分のかけ放題プラン) 月額1,296円 (spモード、パケット無しOK) |
4割安くなった新プラン およそ月額780円? |
機種変更時の 最安料金負担 |
月々1,296円~ (機種代+プラン料金-月サポ) |
月々2,076円くらい? (機種代+プラン料金) |
(2019年3月時点、税込)
ドコモケータイの基本料金が仮に4割安くなったとしても、現在の月々サポート(P-01Jの場合1,296円引き)の効果よりも値引き幅は小さく、FOMAガラケーからの買い替え最安料金は総合で6割も値上げされる可能性もあります。
もちろん、ここで計算した「4割安くなった新プラン」やら「端末代金負担31,104円」がそのまま実現するかどうかは不明です(2019年3月時点で、公式に発表された具体的な新料金プラン情報は一切ありません)。新プランでは月々サポート利用不可による大幅値上げを打ち消すための、何らかの割引や優遇も出てくるはずです(例えば「月々サポート」ではなく「機種代金そのものを安くする」とか)。新旧プランで生じるコストの差額をきっちりと打ち消してくれる・あるいは今以上に安くなる可能性もゼロではありませんが、、、それをドコモおよび携帯業界に期待していいのかどうかは、長く携帯電話を使い続けてきた長期利用者の方は、なんとなく予想が出来るはずです。
将来のことは判りませんが、やはり現在の月々サポート適用で0円機種変更を出来るチャンスを逃さないほうが無難でしょう。
月々サポートの終了予定日は2019年3月時点では明かされていません。新プランの登場と同時にすぐ打ち切られるかどうかも未定です。他社の例を見るとソフトバンクでは2018年時点でドコモで言う月々サポートに相当する「月月割」の分離プランを2018年夏に発表→2019年1月31日に完全終了させたため、ドコモの2019年新プラン発表&月々サポート終了発表の後も、一定期間ならば月々サポートを使って機種変更が出来る可能性もあります。ただし、あくまで「可能性」に過ぎません。
確実にドコモの月々サポートが使えるのは2019年3月中、4月~5月頃も多分大丈夫です。5月~6月になると例年ドコモでは夏モデルの新製品・新サービス発表を行うことが多いため、6月~9月頃までには確定した「月々サポートの終了日」が判明するでしょう。
上記はすべて2019年春時点の予想・推測にすぎません。しかし、公式発表がされてから慌てない・間に合わないということがないように、事前に動いておくことをオススメします。詳しい月々サポートの最新情報はドコモ公式HPをご覧ください。
2019年6月以降のケータイ用新料金プランについての詳しい解説は下記ページを参照下さい。
☆「2019年FOMAガラケーからドコモ新料金「ケータイプラン」に変えた場合の月額料金・年間総額表示を計算」
2. FOMA携帯の修理/サポート面の影響
古いFOMA携帯を2019年時点でも使い続けている場合、月々サポートの終了や新料金プランに興味がない場合にもFOMAガラケーから買い換える必要性が出てくるのは「携帯が故障した場合/サポートが終了した場合」です。
2016年時点でドコモではFOMAガラケーの新規開発・生産を打ち切っており、すでに2019年時点でドコモショップでFOMA携帯を購入することはほぼ不可能なはずです。これは単にスマートフォンの利用者が増えたため生産・販売を切り替えたというだけでなく、FOMA用の部品を確保することが難しくなったことも原因とされています。
ドコモ携帯の修理にはもちろん専用の部品が必要とされ、それぞれ携帯電話を作ったメーカーによる保守サービスも古い電話から次々と終了しているのが現状です。
例えば、2013年冬に発売されたNECのFOMA携帯 N-01Fは2019年5月をもって修理サポートが打ち切られます。
☆「いつまで使える?ドコモFOMAガラケーのサポート・修理受付終了時期一覧」
比較的新しい(FOMA販売最終頃の)機種であれば2020年近くまでドコモ公式に修理を受け付けているガラケー機種もありますが、古い機種の多くはもう公式ですら修理が出来ないモデルが出てきています。公式修理が出来なくなったモデルは、さすがにもう買い替え時期です。
FOMA携帯が壊れたときにドコモの公式修理を使いたいという希望があるのなら、N-01Gの修理打ち切り予定である2021年3月が最終ラインになるでしょう(N-01G自体をドコモウェブショップで買うことはすでに出来ません)。
3. 旧型携帯向けサービスサポートの観点
ドコモではスマートフォン・新型ケータイ向けの接続サービス「spモード」への移行およびスマートフォンサービスの普及により、かつて栄華を誇った「iモードサービス/コンテンツ」が衰退し、徐々にサービス終了をさせてはじめています。
例えば、2019年2月にはiモードのdカード用アプリが終了しており、以下のサービスがすでに使えなくなっています。
dカードアプリ(iモード)提供終了時期に伴い、下記メニューがiモードケータイからご利用いただけなくなります。
カード情報の設定
カード情報の更新(有効期限更新、dカード mini枠更新)
dカード miniの入会申込
機種変更(カード情報のお預け、お受け取り)
各種お問い合わせ(dカード miniアップグレード設定、dカード mini解約)
iモード/iアプリを使ったサービスは今後もどんどん少なくなっていくでしょう。使っていないものばかり・代替が効くものであれば良いのですが、お気に入りのサービスがiモード携帯・FOMA携帯で使えなくなる前にスマホデビュー・新型携帯へ買い換えるというのも一つの契機になるでしょう。
iモードのサービス自体がすぐに打ち切られるという可能性は低く、少なくともFOMAサービスが継続している間は維持されるはずです。
また、古いガラケー・スマホではセキュリティ上の問題で、いくつかのウェブサイトが閲覧できなくなってくるという問題もあります。
関連記事:ドコモ 公式オンラインショップで古いスマホ(OS)からのアクセス遮断 セキュリティ強化策
同じような問題はドコモ以外の携帯会社のガラケーでも発生します。これは機種・サイトの設定によって利用可否が変わるため一律ではありませんので「FOMA携帯ではいつかネットが見られなくなる」ということが確定したものではありませんので、機種ごと・サービスごとのサポート情報を参照ください。
4. FOMAサービス終了による影響
FOMAサービスの終了は古いFOMAガラケー・3Gスマホのすべてに影響します。
3Gサービスのみで通信・通話を行う旧タイプのドコモガラケー・ドコモスマホは、3G停波と同時にその機能が失われます。
2019年春時点でFOMAサービス・3Gサービスの終了予定は”2020年代半ば”とだけ予告されており、具体的な月日は未発表です。一方で、auの場合は2022年3月末に3Gサービスを終了させることを公式発表していますので、ドコモでも3G停波の数年前には確定した日程を案内するはずです。
前項までの①「月々サポート終了の前に」、②「修理サポート終了の前に」、③「サービスサポート終了の前に」、というタイミングよりも先にFOMAの完全終了がやってくることはありえません。
①~③までの要素をすべて無視しても、最終の「FOMAサービス提供終了」は、FOMA専用ガラケー・スマホが通常利用出来るデッドラインになります。
もしFOMAプラン・サービス終了日まで機種変更/プラン変更を行わなかった場合、ドコモでは通話もメールも出来なくなってしまう・回線/電話番号が強制解約されてしまうことになりますので、どんなにFOMAガラケーのまま粘ったとしても”2020年代のどこか”までに機種変更手続きをしなければならないと覚悟を決めておきましょう。
オンライン機種変更でFOMA携帯事務手数料無料
ドコモのFOMA携帯から新型ケータイやスマートフォンに買い替えを行う場合、契約種別の変更(FOMAからの変更)事務手数料が掛かります。
この事務手数料を支払いたくない場合には、ウェブで申し込みを行えば事務手数料が完全無料になります。
ドコモオンラインショップでの機種変更でも2019年3月時点で販売されているケータイはすべて送料無料(定価が2500円以上のため)となり、契約待ち時間もゼロで購入が出来るため、FOMA携帯からの買い替えを希望しているのならウェブ注文の活用をオススメします。
ウェブでの注文に掛かる時間は初めての方がじっくりと確認しながら進めても20~30分程度、慣れている人なら10分も掛からず機種変更が出来ます。携帯ショップに連れて行くのが難しいFOMAユーザーの家族がいる場合にも、代理委任状を書く手間が省けるウェブ手続きが便利です。