2022年6月10日に発売されたソニーの初心者向けスマホ Xperia Ace III (エクスペリア エース マークスリー/ワイモバイル向け型番 A203SO)を買って使ってみた感想・評価を解説します(2022年10月15日より、ワイモバで値引き強化施策が始まっています→2023年11月、さらに値下げされました)。

Xperia Ace3は、ワイモバイルおよびau、d社から発売されているシンプルでコンパクトな格安スマホです。ソニーの2022年最新スマートフォンは、最も高いモデル(Xperia 1 IV)の販売価格は19万円を超える代金が設定されていますが、Xperia Ace 3なら実売価格は1万円以下で購入できます(価格・キャンペーンは本ページ下部でで解説)。

(Xperia 1 IVとXperia Ace3実機)

もちろん高価なスマートフォンに比べると格安スマホであるXperia Ace3の性能・機能は控えめですが、旧モデル(Ace2)に比べて大幅に性能がアップしたXperia Ace3は”携帯電話機”として必要十分な機能と納得のお値段が魅力です。

ここでは実際にXperia Ace3を購入して感じた評価と、Xperia Ace3を買うべきユーザー/別機種を選んだほうが良いと感じるかもしれないXperia Ace3の欠点・デメリットなどを中心に紹介します。

Xperia Ace3の持ちやすさ・デザイン評価

Xperia Ace3の大きなメリットの一つは、他モデルに比べてコンパクトで持ちやすいサイズ感です。

Xperia Ace3のボディは本体重量162グラム、横幅69mm。片手で操作がし易いサイズです(比較参考:iPhone11 本体重量194グラム/横幅75.7mm)。

ボディ(背面~横枠)の素材は樹脂系で軽く、細かい凹凸がある特殊な加工です。メーカーサイトには「高級感のある表面仕上げ」とされていますけれど、はっきり言って素材が安っぽい(実際安価な)ので高級というレベルには感じられません。シンプルなプラスチックカバーよりマシ、という程度。

しかしこの加工の効果で指紋は付きづらく、細かな傷が付いても気にならない点は素晴らしいです。

Xperia Ace3はスマホ本体も安いですから、本体を保護する目的でケースを使う必要は無いでしょう。十数万円もする高いスマホは持ち歩くことすら怖いと感じるユーザーもいるかもですが、気軽に使えるデザインと高耐久ガラス/防水防塵性能は魅力です。

Xperia Ace3の電池持ち評価

Xperia Ace3を購入する、バッテリーが劣化した旧機種から買い替える大きなメリットの一つとしてXperia Ace3の電池持ちは高評価です。

Xperia Ace3はボディの大きさに比して大容量のバッテリーを搭載しているため、他機種よりも電池持ちが優れています。

auが公表しているデータで比較すると、

機種 連続待受時間
Xperia Ace III 約730時間
Xperia 1 IV
(2022ハイエンド)
約450時間
Xperia 10 IV
(2022ミドルスペック)
約830時間
Galaxy S22
(2022ハイエンド)
約240時間
Xperia 10 II
(2020ミドルスペック)
約680時間

2022年モデルのミドルスペック機 Xperia 10 IV (5000mAh)には少し劣りますが、他の最新高性能モデルよりもXperia AceIIIのほうが電池は長持ちです。

高性能モデルは機能が高い反面消費電力も大きくなってしまうため、機能を使いこなせない人にとっては宝の持ち腐れどころではなく、電池持ちに関してはデメリットにすらなり得ます。

Xperia Ace3はソニー独自の充電仕様(いわたり充電)にも対応しており、「携帯電話なのだから電池持ちが重要」と考える人にはXperia Ace3は向いています。

Xperia Ace3の5G通信/デュアルSIM評価

Xperia Ace3は「Aceシリーズ」で初の5G通信対応&eSIM対応になりました。

各社のXperia Ace IIIは「Sub6」と呼ばれる周波数帯の5G通信に対応しており、最大で1Gbps以上の通信速度が出る可能性があります。

Xperia Ace3を購入検討するユーザーで「とにかくネットが速くないと困る」という人は滅多に居ないと思われますが、アプリや画像の読み込みは従来機種より速く感じられるかもしれません。

それよりも、Xperia Ace III (ワイモバイル向け A203SO/au向け SOG08)はnano SIM+eSIMによるデュアルSIM仕様になった点が便利です。eSIMは現行モデルのiPhone (2018年以降)ならすべてのモデルが対応している標準かつ人気の機能です。

Xperia Ace IIIには専用ピン無しでSIMカードを入れ換えられるスロットが搭載されており、外部ストレージとしてmicroSD/microSDHC/microSDXC(最大1TB)にも対応します。

このスロットにnano SIMカードとSDカードを入れつつ、さらにダウンロードタイプのeSIMで2個めの電話番号を入れられます。

eSIMを使うメリットは、オンラインで申し込み→物理SIMカードの発行/配送を待つこと無くすぐに使い始められることや、低価格なeSIM専用格安プランを追加することで料金の値下げ/通信障害発生時に別会社の携帯回線を利用可能な状態にしておくことが出来ることなどが挙げられます。これはスマホの初心者・上級者に関わらず、安く・快適にスマホを使うために便利な機能といえます。

2022年時点でeSIMはソフトバンク・ワイモバイル・au・UQモバイル・楽天モバイル・アハモなど、多くの料金プランで契約が出来るようになっています。

かつては「デュアルSIM利用」(2つのSIMカードを同時に使うこと)や「eSIM契約」は一般ユーザーの利用率は低かった機能ながら、今はXperia Ace3のような格安モデルでも利用できるサービスとなっていますから、Xperia Ace3に機種変更したタイミングでeSIMのプランを追加契約検討してみるのも良いでしょう。

Xperia Ace3はSIMフリーですので、いろんな通信会社の組み合わせで利用可能です(対応周波数・バンドの組み合わせによる動作可否は各社HPの記載を確認してください)。

Xperia Ace3の処理性能・動作速度評価

旧モデルのXperia Aceシリーズと比べた場合、この「処理性能の向上」がXperia Ace3にとって最も劇的に変化した部分となります。

Xperia Ace3は初心者向けの格安スマホながら、最新のCPU(SoCと呼ばれます)であるQualcomm社製 Snapdragon 480 5Gが採用されています。

旧世代のXperia Ace IIではよく海外メーカーの最安機種に使われるMediaTek社のHelio P35というチップを使っていたため、その性能はスマホとして稼働するギリギリのレベルという印象でした。

Xperia Ace II→ Ace IIIの処理性能はベンチマークテスト(処理性能を数字で表すことの出来るアプリ)の結果上では2倍くらいにアップしています。

Xperia Ace IIIのAntutuベンチマークテストスコア(ver 9/Lite)の総合スコアは約30万点です。これは機種代金が2倍以上も高いXperia 10 IV (Snapdragon 695 5G)の70~80%くらいのスコアです。

2022年モデルのXperia3兄弟をコストパフォーマンスで比較するなら・・・

機種名/機種代金 Antutuスコア Antutuスコア÷価格
=コスパ値
Xperia 1 IV /約190,000円 1,000,000点 約5.3点/円
Xperia 10 IV /約60,000円 400,000点 約6.7点/円
Xperia Ace III/約30,000円 300,000点 約10点/円

*価格は現時点のざっくりとした相場であり、実際の割引によって上下します(Antutuベンチマークアプリはリスクアプリとして認識されているため、通常利用はオススメしません)。

Antutuベンチマークテストのスコアが高ければ良いスマホ、コスパ値が悪ければ買うべきではない、という意味では決してありません。しかしながら、Xperia Ace IIIは”価格の割りに性能が高い”ことは明らかです。

例えば3Dのキャラクターが踊るリズムゲームをXperia Ace2とAce3でプレイしてみると、最高画質モードにした場合の滑らかさは段違いでした。Xperia Ace2ではところどころキャラの動きが鈍く、ガタツキが見られた動作もXperia Ace3のほうが明らかに滑らかに動きます。

もちろん料金の安いスマートフォンですから、10万円を超えるような最新高性能機種ほどの快適さはなく、3Dゲームやオンラインゲームで多数のグラフィックが同時表示されるような重いゲームは厳しい可能性があります。スマホゲームを極めたいユーザーには物足りない性能ですが、通話・メール・SNSアプリ・動画アプリ利用くらいの普段使いならXperia Ace3でも十分という評価です。

とくにこれまでシニア向けスマホ・初心者向けの低価格モデル(定価2~3万円程度)の古いスマートフォンから買い替えるのであれば、Xperia Ace3のほうが処理性能は格段にアップしていると感じられる場面もあるはずです。

また「カンタンホーム」を設定することで、初心者向け・シニア向けによく使うアプリ・機能、電話相手をすぐに見つけられる大きな文字表示に変えられます。スマホの操作が難しそうだという人も、カンタンケータイを使う感覚でスマホに慣れていくことが出来るはずです。

Xperia Ace3のカメラ評価

Xperia Ace3のカメラは、レンズが1つだけ搭載された”シングルカメラ”であり、性能は低め。他社の高級なスマホのようにキレイな写真を撮ることはやや困難ながら、Xperia Ace3のカメラレンズはボディから飛び出ていないというデザイン性の良さがあります。

今となってはカメラレンズがスマホボディの平面から飛び出るデザインが当たり前のようになってきましたが、フルフラットなXperia Ace3は本体をテーブル上においてもガタガタと揺れること無く、またレンズを傷つける可能性も低いと言えるでしょう。

Xperia Ace IIに存在していた深度測定用のカメラレンズもXperia Ace IIIにはありませんが、「ポートレートぼけ効果」として、人物撮影時には背景のボケ味を調整する機能はあります。

その他、Xperia Ace IIIには特別なカメラ機能はありませんが、AIによるシーン撮影(夜景・料理・風景・ソフトスナップなど)機能やオートHDR機能調整なども利用可能です。

それなりに明るいライトアップスポットでの撮影写真なら、スマホ画面で見る限りは十分にキレイな写真を撮る事もできます。

Xperia Ace IIIのカメラ評価は、カメラ機能を重視したいユーザーにはオススメできない/写真は撮れれば何でも良いという人なら問題ないでしょう。

Xperia Ace3の特価情報・キャンペーン

Xperia Ace3は格安スマホなので本体の定価も安い設定であり、キャンペーンや割引を使うことで実質0円以下で買うチャンスすらあります。

価格、キャンペーンの利用可否は契約の種別・選ぶプランによっても変わりますが、主なキャンペーンを列挙すると以下のようになります。

購入ショップ 価格/キャンペーン
ドコモ 定価:34,408円
MNP時:一括17,908円
au 定価:33,415円
MNP/オンラインショップ割:一括11,415円~
UQモバイル 定価:33,415円
MNP/オプション加入時:一括11,415円~
ワイモバイル 【2022年10月15日~】
定価:31,680円

MNP特価:一括1円
+3000円相当ポイント(ヤフー主催)
/機種変更でも11,160円

(オンラインなら事務手数料も無料)
【2023年11月15日~】
機種変更 一括6,980円
(【ワイモバイルオンラインストア 機種変更特別キャンペーン】から注文可能)

*2022年6月21日調査時点(YMのみキャンペーン情報更新)、期間限定キャンペーンを含む。割引には各種条件があります。詳しい料金プラン/最新情報は各社HPを参照ください。

2022年格安スマホXperia Ace3購入レビュー・評価 機変でも7千円~安く買える初心者/シニアスマホ