対象となるユーザーの割合はごく限られた数値になる見込みですが、古いドコモスマートフォンを使い続けているユーザーは注意が必要です。

NTTドコモは2019年1月11日より、契約事務手数料を無料で機種変更することができる公式のウェブサイト「ドコモオンラインショップ」において、セキュリティの強化を目的としたアクセス制限を順次開始します。

制限対象となる端末・ネットワークの組み合わせだとサイトへアクセスすることが出来なくなりますので(ドコモ契約者以外のユーザーも同様)、事前にソフトウェアのアップデート・機種変更をしておくことを推奨します。

Wi-Fi接続でアクセス出来なくなる機種

・Android 4.4以前のOSを搭載したスマートフォン、タブレットなど

Android OS 4.4とは、「Kitkat(キットカット)」というコードが付けられていた2013-2014年頃に発売・利用されていたスマートフォンに搭載されたオペレーションシステムのバージョンです。

ちなみに現在ドコモで公式に販売されているスマートフォン・タブレットであれば、すべてTLS1.2に対応していますので問題ありません。

Android 4.4よりも新しいOSのバージョンは、

・Android 5.0 Lolipop
・Android 6.0 Marshmallow
・Android 7.0 Nougat
・Android 8.0 Oreo
・Android 9.0 Pie

などがあり、2018年冬モデルならばAndroid 8.0-9.0が初期搭載されています。

セキュリティ強化によってオンラインショップが使えなくなるスマートフォンのリストはドコモの公式サイトに掲載されています。

☆「NTTドコモ-セキュリティ強化に伴うウェブサイト一部閲覧不可について

今回ドコモの公式サイトへのアクセス制限を実施する理由は、暗号化方式の「TLS1.2」(Transport Layer Security)を主導入(古いセキュリティ方式「TLS1.0, TLS 1.1」を廃止)するためです。

TLS 1.2に対応した環境でドコモオンラインショップへアクセスし、セキュリティ情報を表示させるとTLS1.2という技術が使われていることが判ります(2019年1月時点)。

ドコモのオンライン機種変更時にはdアカウントでのログイン・契約者情報として氏名・住所・支払い情報など、重要な個人情報を入力する必要があります。送受信する際に暗号化することで、転送中の情報を傍受・流出するリスクを下げることが出来ます。

新しいOSへアップデート出来ない古いスマートフォンの場合、この「TLS1.2」へ対応できないため、セキュリティ上の観点から該当の端末(ブラウザ)からWi-Fi接続を行った状態ではオンラインショップの注文ができなくなる見込みです。

発売当時にAndroid 4.4以前のOSが搭載されているスマートフォンであっても、Android 5.0(Lolipop)以降へバージョンアップできるモデルであれば、2019年1月11日以降もドコモオンラインショップへアクセスが出来ます。

Android 5.0へアップデート出来ない・アップデートが提供されていないスマートフォンは、買い替え時期です。ただし、Android 4.4以前のバージョンでドコモオンラインショップを利用したい場合は「Wi-Fi接続をオフにしてspモードでアクセス」することで、今後も利用継続が可能です。

1月11日以降アクセスできなくなる通信種別

・Wi-Fi接続

2019年1月11日に実施されるドコモオンラインショップのアクセス制限では、「TLS1.2に対応できない端末によるWi-Fi接続からのアクセス」が遮断されます。逆に言えば、Wi-Fi接続ではなくモバイルネットワーク(spモード)を介すことで引き続きアクセスが可能です。

もし1月11日以降も古いスマホ・古いOSのままどうしても使い続けなくてはならないという理由があるのなら、Wi-Fi接続を切り、spモードに切り替えてアクセスを試みて下さい。

2019年2月以降に使えなくなる環境

2019年1月11日に実施される変更のほか、2019年2月にもパソコンによる古いブラウザからのアクセスが遮断されるようになります。

パソコン:Internet Explorer 7.0以前のブラウザ、Google Chrome 29以前のブラウザ、Firefox 23以前のブラウザ

こちらはOSの種類・バージョンには依らず、利用するブラウザ依存のセキュリティ対応可否によります。TLS1.2へ対応した新しいブラウザを入れることで引き続き利用が可能になる見込みです(ブラウザの設定でTLS1.2が無効になっている場合はアクセス出来なくなります)。

ちなみに2019年1月9日時点の各ブラウザの最新バージョンは、

・Internet Explorer :11
・Firefox:64.0
・Google Chrome :71.0

などになっています。TSL1.2に非対応のバージョンは相当に古い環境になっているはずです。ドコモのオンラインショップがどうこうではなく、さまざまなセキュリティホール・システムの古さ・遅さが改善されるはずですので、早急に更新することをオススメします。

ドコモの店頭で必要になることがある頭金(3千円~1万円程度)や事務手数料(2千円・3千円)を無料で機種変更をすることができるドコモのオンラインショップですが、過去に1億円分以上のiPhone Xを不正注文されてしまった事件もあり、セキュリティ強化を図っています。

より安全に使えるようにするための旧暗号方式からのアクセス遮断となりますので、ユーザー側もブラウザ・OSをアップデートすることで出来る限りの対策・自己防衛をすべきです。

OSやブラウザのアップデートを安定性が確認できるまで少しの間見送るということはありますけれど、上記で制限されるような極端に古い環境を使い続けることは危険ですので、該当の古いスマホ・ブラウザを使っている方はそろそろ買い替えをしておきましょう。

ドコモ 公式オンラインショップで古いスマホ(OS)からのアクセス遮断 セキュリティ強化策で