AQUOS sesne8やXperia 10 VI(mk6)をはじめとする2023年モデルから発売されている「値段はほどほどで、それなりに性能が良いスマホ」に使われるCPU(SoC)チップ Qualcomm Snapdragon 6 Gen1を搭載したスマホのまとめ・比較の詳細を解説・実機レビューおよび価格・セール情報をまとめて解説します。
Qualcomm Snapdragon 6 Gen 1 チップは2022年冬に発表されたスマホ/モバイルデバイス用のパーツであり、主に日本では2023年春以降~2024年に発売されるスマートフォンに使われています。
(SHARPのスタンダードモデル AQUOS sense8実機)
Snapdragon 6 Gen 1のパーツナンバー(型番)は「SM6450」です。このチップからSnapdragonの命名ルールが変わっており、旧世代チップ「Snapdragon 695 5G」の後継にあたります。
旧世代のSnapdragon 695 5Gは日本でも発売されたミドルレンジモデルの2022~2023年モデルの多くに使われました。そして、2024年以降はこのSnapdragon 6 Gen 1を使ったスマホも増えてくる可能性があります。ただし、近年ではMediatek社のCPUをつかったミドルレンジも増えたため、6Gen1を使った機種は2024年春時点ではまだ少なめです。
Snapdragon 6 Gen 1は5G通信に対応したスマホに使われており、主にミドルスペック(低性能と高性能の中間)帯のスマートフォンに採用されています。
ハイエンド(10万円~):Snapdragon 8 Gen 1/2/3
ミドル~ハイスペック(6~10万円):Snapdragon 7 Gen 1/2
ミドルスペック(5~8万円):Snapdragon 6 Gen 1
エントリーモデル(3~5万円):Snapdragon 4 Gen 1/2
(*価格はざっくりとした目安。上記より高い/安いモデルもあります)
Snapdragon 6シリーズのチップは2024年春時点で「Gen1」まで登場しています。
2024年時点で日本のスマホ販売価格はどんどん値上がり、最上位のハイエンドモデルは20万円超えも珍しくありません。ハイエンドには手が出ない/でもエントリーモデルよりも高性能・多機能で「最上位機能にこだわらず、実用として十分な性能のスマホ」を求めているユーザーは、Snapdragon 6 Gen 1を使ったスマホなら価格と性能に満足できる可能性が高いでしょう。
Snapdragon 6 Gen 1のスペック/仕様
スマートフォンのSoCは、そのチップの特性・仕様によって対応できる性能・機能がおよそ決まります。Snapdragon 6 Gen1の”チップ”としてスペックは以下のとおりです。
Snapdragon 695 5G/項目 | 主な仕様 |
パーツナンバー |
SM6450 |
CPU | 最大 2.2GHz/64-bit |
AI Engine | Adreno™ GPU Kryo™ CPU Hexagon™ Processor |
5Gモデム | Snapdragon™ X62 5G Modem-RF System |
下り最大通信速度 | 2.9Gbps |
GPU | Adreno™ GPU |
プロセス | 4nm |
ディスプレイ | 最大FHD+/120Hz |
*より詳しい仕様・実際のスマホでの対応はメーカーHPなどを参照ください。
Snapdragon 6 Gen1搭載スマホのスペック
Snapdragon 6 Gen1を搭載したスマートフォンには値段と機能のバランスが良い機種があります。
1世代前のSnapdragon 695 5Gに比べてCPU/GPUの処理性能が向上しているため、ゲーム性能などもアップしています(CPU性能は30%前後アップしています)。
シャープ AQUOS sense8(実機レビュー)
ディスプレイ (解像度) |
6.1インチ IGZO OLED (2432×1080) 90Hz |
生体認証 | 指紋認証 (本体横) +顔認証 |
サイズ | 縦:153 mm 横:71 mm 厚さ:8.4 mm 重さ:159グラム |
カメラ | 5030万画素 (1/1.55″センサー) +800万画素(広角) |
バッテリー | 5000mAh | SIMスロット | nano SIM+eSIM |
充電速度 | — | おサイフケータイ | 対応 |
CPU | Snapdragon 6 Gen1 |
防水/防塵 | IPX5/IPX8/IP6X対応 |
RAM/ROM | 6GB/128GB | 価格 |
5~6万円台~ |
AQUOS sense8は2023年モデルとしてドコモ・au・SIMフリーモデルなどが発売されたミドルレンジ機種の定番です。
旧世代のsense7から引き続きカメラ機能と電池持ちの良さが好評です。sense7と比べてスペック的に大きな変更とは言えないものの、新CPUのおかげで動作が安定・電池容量も更に増えた正統進化機種です。
OSのバージョンアップは最大3回、セキュリティーアップデートも5年に設定されており、長く安心して使えるスマホとなっています。
関連記事:AQUOS sense8実機レビュー
ソニー Xperia 10 VI
ディスプレイ (解像度) |
6.1インチ 有機EL (2520×1080) |
生体認証 | 指紋認証 (本体横) |
サイズ | 縦:155 mm 横:68 mm 厚さ:8.3 mm 重さ:164グラム |
カメラ | 4800万画素 +800万画素(広角) |
バッテリー | 5000mAh | SIMスロット | nano SIM/eSIM |
充電速度 | — | おサイフケータイ | 対応 |
CPU | Snapdragon 6 Gen 1 |
防水/防塵 | IPX5/IPX8/IP6X対応 |
RAM/ROM | 6GB/128GB | 価格 |
未定 |
Xperia 10 VIは2024年7月以降、順次発売予定です。ドコモ・au・ソフトバンク・SIMフリーモデルがあります。
本機種は旧世代「V」と比べてCPUの変更により動画連続再生時間が約10%伸びたとされています。
カメラ関連では望遠レンズがなくなりました(メインカメラはVから変更なし)。
Xperia 10 VIはVと同様にフロントステレオスピーカーを搭載/micro SDXCカードによる外部ストレージにも対応しています。
Xperia 10 VIの価格はミドルレンジとしては高めで、想定価格は7万円以上です。旧世代のXperia 10 VはSBで早めに投げ売りされたため、Xperia 10 VIも値下げされてからが本番でしょう。
日本向けモデル以外のSnapdragon 6 Gen1搭載機種
*以下のモデルは2024年5月時点で国内向けモデルが発売されていない機種情報です。発売国・エリアによって搭載されるSoCが違う場合もあるため、購入時には注意してください。
realme 12 pro
honro x9b
honor magic6 lite 5G
vivo V30e
vivo iQOO Z9x
moto g stylus 5G (2023)
honor x50 など
Snapdragon 6 Gen 1搭載機種でグローバルモデルの場合、およその価格目安は200ドル~400ドル前後で販売される廉価モデルが多めです。
Snapdragon6 Gen 1のAntutuスコア目安
スマートフォンの処理性能をわかりやすくスコアリングするアプリ「Antutu Benchmark」のSnapdragon Gen 1のテスト結果目安を解説します。
Snapdragon Gen1 5Gを搭載したスマホのAntutuスコアはおよそ50万~60万点前後になります(アプリバージョン 10.x系の場合。機種・測定環境によって若干の前後があります)。
Antutuベンチマークのスコアと搭載CPUの目安を比較表にしてみると、以下のような感じです。
Antutuスコア (ver 10.x) |
搭載CPU/目安 |
200万点前後 |
Snapdragon 8 Gen3 /2024年の最高峰機種 |
140万~160万点 |
Snapdragon 8 Gen 2 /2023年の最高峰機種 |
100万~120万点 |
Snapdragon 8 Gen 1 /2022年の最高峰機種 Goolge Tensor G3 |
80~90万点 |
Google Tensor G2 Snapdragon 888 /2021年のハイエンドクラス |
70~80万点 |
Snapdragon 7 Gen 1 Google Tensor G1 Snapdragon 865 /2020年のハイエンドクラス |
55~60万点 |
Snapdragon 6 Gen 1 Snapdragon 778・ Snapdragon 855 /2019年のハイエンドクラス |
40~45万点 |
Snapdragon 765 5G・ Snapdragon 695 5Gの水準 /2021-2023年のミドルクラス |
35~40万点 |
Snapdragon 690 5G /2021年のミドルクラス |
30~40万点 |
Snapdragon 480 /2022年のエントリーモデルクラス |
*数字は目安です。モデル・測定環境によって同じCPUを搭載していてもスコアが上下することがあります。
Snapdragon 6 Gen 1の処理性能は5年位前のハイエンドモデルと同程度、最新のエントリーモデル/旧世代のミドルレンジよりはワンランク上という評価です(あくまでベンチマークスコアでの比較です。スコアはモデルによって多少差があります)。
2022年~2023年モデルに多かったSnapdragon 695搭載機(及びそれ以前の600番代)から機種変更するのであれば、ある程度の性能向上を感じられるでしょう。
一方でSnapdragon 6 Gen 1の性能はスマートフォン全体では高い部類ではありません。1~2世代前のハイエンド機種と比べてしまうとまだまだ性能は見劣りするため、ゲーム優先のユーザーは注意が必要です。しかし、この程度の性能でも多くのゲームアプリはスムーズに動く水準には達しています。新しいCPUはさまざまな最適化・新エンジンによって、動作が快適になる場合もありますので「このチップではゲームが遊べない」ということはありません。
必要以上に処理性能が高くないことは、日常的な利用時のバッテリー消耗を抑え、発熱の心配も少なくなります。
*各アプリの体感動作は、アプリのバージョン・スマホのソフト処理により異なります。同じSoC/同程度のベンチマーク結果でも体感が変わることがありますので、アプリ個々の動作状況は各メーカーにお問い合わせください。
Snapdragon 6 Gen1搭載スマホで安いのは?
日本向けに発売されている・発売が予定されている各Snapdragon Gen 1の値引き・セール・安売り情報をいくつかピックアップしておきます。
まず定価での比較をしてみましょう。
モデル | 本体定価* |
AQUOS sense8 SCG11 (au) | 59,800円 |
AQUOS sense8 (楽天) | 63,800円 |
AQUOS sense8 SH-54D (ドコモ) | 62,150円 |
AQUOS sense8 SH-M26 (SIMフリー) | 56,980円 |
Xperia 10 VI | 未定 |
*価格は公式サイトまたは主要量販店等の発売日時点の価格設定を参照しています。実際の価格はショップにより異なる可能性もあります。価格は随時追加します。
Snapdragon 6 Gen1スマホ安売り情報
Snapdragon 6 Gen 1搭載スマホを安く買えるセールは、以下のようなものがあります。
IIJmio(SH-M26)/乗り換え特価 34,800円~(2024/06/03まで)
☆「IIJmio 公式サイトで最新情報・キャンペーン情報をみる」
各キャンペーン情報は記事執筆時点のものです。内容は変更されることがあるため、必ずIIJmio公式サイトで正しい情報をご確認下さい。