2024年、スマホのズームはこの次元に到達しました。

↓↓↓

 

上記は天体望遠鏡などを使わず、実際にスマートフォンだけで撮影した写真です(ウェブ用に画質を落としています。どの機種を使ったかは後述)。純正のカメラ機能だけで撮影可能で、アプリなどは一切必要ありません(*ただし標準カメラアプリによる補正・画像処理が行われている可能性はあり)。

歴代iPhoneで最も優れたカメラ性能を持つとアップルが豪語するiPhone Proシリーズのカメラ性能を、同じくカメラ性能に関しては比類なき高次元をいくファーウェイのハイエンド P30 Pro / P40 Pro、そしてついでにGoogleのPixel Proシリーズ、Xperiaの1/5シリーズ(追加でiPhone SE2(2020), AQUOS R5G、P40 Pro, iPhone12Pro Max, Xperia 5 II、 iPhone 13 Pro, Xperia 1 III/1 IV、AQUOS R6, 2022年新機種などの作例あり)を用いて、「どのスマホが一番綺麗に月/スーパームーンを撮れるか比べてみました。

iPhone 11 ProのカメラはiPhone 11 Pro Max、Xperia 1のカメラ性能はXperia 5、Pixel 3のカメラはPixel 3/3XL/3a/3a XLと同等ですので、それぞれのカメラ性能と比較する場合にも参考になると思います。

2020年モデルのカメラでは旧来モデルに比べて光学倍率の高いレンズ・桁違いに大きな画素数・大型のセンサーを搭載したモデルも増えています。

2021年モデルでは、さらに大型のセンサー・ズーム性能を持たせた新型も登場しました。

2022年モデルも引き続きセンサーの大型化・高画素化が進みました。

2022年モデルのiPhone 14 Proシリーズ以降、iPhone史上最高の4800万画素カメラを採用するなど、数年前の水準から比べて画質面でも飛躍的な向上を見せています。

 

スマホカメラの性能は1年~2年程度でも格段にアップしつづけており、新型のカメラユニットを使ったスマホの実力は気になるところでしょう。

カメラの仕様比較

今回利用した4台(+α)のスマートフォンのうち、Pixel 3はシングルカメラ、Xperia 1とiPhone11 Proはトリプルカメラ、P30 Proはクアッドカメラです。

モデル 標準カメラ(広角) 超広角カメラ ズームカメラ 深度測定カメラ
Pixel 3 1,220万画素 無し 無し 無し
Xperia 1 1,200万画素 1,200万画素 2倍相当
1,200万画素
無し
iPhone 11 Pro 1,200万画素 1,200万画素 2倍相当
1,200万画素
無し
P30 Pro 4000万画素 2000万画素 5倍相当
800万画素
あり

各カメラのイメージセンサー・F値なども知りたい場合には「スマホカメラのセンサーサイズ一覧 センサーの大きさ比較/画素数・F値データ」を参照下さい。

最新モデル 標準カメラ(広角) 超広角カメラ ズームカメラ
iPhone 15 Pro
4800万画素
1,200万画素
3倍相当
1,200万画素
iPhone 15
4800万画素
1,200万画素
無し
iPhone 14 Pro
4800万画素
1,200万画素
3倍相当
1,200万画素
iPhone 13 Pro
1,200万画素
1,200万画素 3倍相当
1,200万画素
iPhone 12 Pro
1,200万画素 1,200万画素 2.5倍相当
1,200万画素
Xperia 1 III
1,220万画素 1,220万画素 2.9倍-4.4倍
1220万画素
Xperia 1 II
1,220万画素 1,220万画素 3倍相当
1,220万画素
Xperia 5 III
1,220万画素 1,220万画素 2.9倍-4.4倍
1220万画素
Xperia 5 II
1,220万画素 1,220万画素 3倍相当
1,220万画素
P40 Pro 5000万画素 4000万画素 5倍相当
1200万画素
AQUOS R5G
1,220万画素
4,800万画素
2倍相当
1,220万画素
AQUOS R6
2,020万画素
無し
無し
AQUOS sense6
4800万画素 800万画素
800万画素

さらに新型モデルもガンガン作例を追加しています。

最新モデル 標準カメラ(広角) 超広角カメラ ズームカメラ 深度測定カメラ
Xiaomi 14 Ultra
5,000万画素
5,000万画素 5,000万画素/
5,000万画素

AQUOS R8 pro
4,720万画素 無し
無し
あり
Xperia 1 V 4,800万画素
1,200万画素
1,200万画素
無し
Pixel 7 Pro
5,000万画素 1,200万画素
4,800万画素
無し
Xperia 10 IV
1,200万画素
800万画素 2倍相当
800万画素
無し
Xperia 1 IV
1,220万画素 1,220万画素 3.5-4.9倍相当
1,220万画素
あり
Xperia 5 IV
1,220万画素 1,220万画素 2.5倍相当
1220万画素
無し
AQUOS sense7
5030万画素
800万画素
無し
無し

このように、それぞれのiPhone・スマホに搭載されたカメラレンズには随分と違いがあります。これが「月を撮る」場合にどのような画質として反映されるのか、実際に撮り比べた写真を見てみましょう。

iPhoneで月を綺麗に撮影する方法

まずは「iPhoneで普通に月を撮る」方法・調整方法を解説します。

iPhoneには「月撮影モード」のような専用の機能がないため、「写真」モードで撮影を行います。

iPhoneのカメラレンズを満月に向けると、おそらく画面全体がかなり明るく写るはずです。ここで明るすぎる画面を、手動で暗くすることが出来ます。

画面全体が明るすぎる場合には、画面上で月の中心(最も明るい場所)を1回タッチします。

すると、上記のように黄色の四角い枠が出てくるはずです。続いて、この枠の横にある太陽・光っているライトのようなアイコンをタッチします。

このライトのアイコンをタッチしたまま、指を下にスライドさせると、画面全体の明るさを暗く調整できます(上にスライドさせると、より明るくすることも出来ます)。

iPhoneのカメラで月が明るくなり過ぎている場合は、この手順で最大限まで明るさを下げることでキレイな丸い状態の月を撮影できます。月以外の風景・背景を入れて撮影したい場合は、それぞれの明るさに合わせて調整することで、明るすぎる/暗すぎる不自然な写真を調整することが出来ます。

iPhone 11 Proで撮影した月

iPhone 11 Proのカメラで最大ズームにして撮影したところ、ただの白い丸になりました。前述の方法を使ってマニュアルで明るさを目一杯下げても月面の模様・クレーターを観察することは難しい状況です。

iPhone 11 Pro/iPhone 11 Pro Maxでは光学2倍相当のズームレンズを搭載しています。価格が安いiPhone 11にはズームレンズは非搭載であるため、月を撮影するようなケースではiPhone 11 Proが最も適しているはずなのですが、さすがに光学2倍程度のズームでは月面の様子などは確認出来ません。

iPhone 11 Proのカメラでは一般的な夜景はとても綺麗に撮影することが出来ます。

(実際にiPhone 11 Proで撮影した夜景)

しかし、月のような小さな対象を拡大してしまうとディティールまで写し撮るには力不足を感じました。

新望遠レンズ搭載 iPhone 12 Pro Maxで月を撮る

2020年モデルのiPhone 12シリーズのうち、最大の望遠レンズを搭載したiPhone 12 Pro Maxでも満月を撮影してみました。

iPhone 12 Pro・iPhone 11 Pro /11 Pro maxまでのモデルでは望遠レンズは光学2倍相当であったのに対して、iPhone 12 Pro Maxだけは光学2.5倍・35mm判換算で65mmの望遠レンズが使われています。

また、iPhone 12 Pro Maxでは新しくスマートHDR 3にも対応し、明暗の差があるような場面でもキレイに写真を補正出来る機能があります。

歴代iPhone最高峰の望遠機能があるはずのiPhone 12 Pro Maxで2020年11月の満月を撮影してみると・・・

↑ こうなりました(ナイトモードが自動で働きました)。

背景の雲もくっきりと写り、まるで昼に太陽を撮影したかのような明るさになりましたが、iPhone 12 Pro Maxを用いても月面の模様を撮るにはやはりズーム倍率不足でした。

なお、ナイトモードをオフにして可能な限り明るさを抑えて撮影した場合は、iPhone12 Pro Maxのカメラでも前項のiPhone 11 Proと同じくただの白い丸にしかなりませんでした。

iPhone 12 Pro Max/iPhone 13 Pro/iPhone 14 Proで月の模様を撮れるとしたら、夕暮れ時で完全に暗くなる前/夜明け前に明るくなる前のタイミングなら、月と背景の明暗差が小さくなり、月面の様子が見える写真になる可能性があります。

前述の通り、2019-2020年モデルの最新iPhoneを用いても月の表面を撮影するには倍率が足りず、満月やスーパームーンといった大きめに月が観測できる日であっても、クレーターや模様をiPhoneで撮影することはほぼ不可能です。

それでも「iPhoneで月をズームで撮りたい」と考える場合は、物理的にレンズを追加するしかありません。

上記はiPhone 12 Pro Maxに、野鳥観測などで使うフィールドスコープを追加して撮影しました。光学倍率さえアップさせればiPhoneでも月面クレーターが撮れます。

ただし・・・

iPhone12で月面を綺麗に撮影しようとすると、こんなに大げさな装備になります。

この装備なら、iPhone 14 Proで皆既月食で暗くなった月の表面模様すら写し撮ることが出来ます。

このような強引な方法を使えば、iPhone単体では今後数年~十数年後の新型でもおそらく不可能なレベルで綺麗な月を撮れるようになります。

上記は「三脚」+「微動雲台」+「セレストロン Hummingbird 9-27x56mm ED Micro Spotting Scope」+「スマホ固定用ホルダー」という組み合わせです。最大で27倍の光学ズーム機能が上乗せされますので、iPhone 12 Pro Maxの光学レンズと合わせて50倍超のズームを可能とします。

このズーム倍率になると三脚無しでは手ブレが大きく、手持ちのままでは月の撮影は困難です。また、微動雲台(少量の上下左右の向きを調整するための台)無しでは、視野の調整は難航します。

ここまでやってiPhoneで月を撮影する価値があるかどうかは何とも言えませんが、iPhoneを使った撮影のバリエーションを試したい人は、フィールドスコープや天体望遠鏡を活用すればズーム性能が低いiPhoneでも月が撮れます(セレストロンの単眼鏡は非常に高価&高品質です。もっと安価なものでも似たようば高倍率のレンズはありますので、初心者向けモデルから始めることをおすすめします)。

☆「アマゾン Hummingbird 9-27x56mm ED Micro Spotting Scope
☆「Vixen 天体望遠鏡/フィールドスコープ/撮影用アクセサリー 三脚アダプター 微動雲台 3562-01

iPhone+サングラスで月面模様が撮れるかも?!

前述の「iPhone 11 Proで撮影してもただの白い丸になる」理由は、月が明るすぎてiPhoneの標準カメラアプリでは明暗調整が出来ないことに起因しています。

そこで、強制的に明るさをカットすればどうにかなるのでは?と思い至り、デジタルカメラ等で使うNDフィルター(減光フィルター)をiPhoneの前にかざして月を撮影してみました。

すると・・・

iPhone 11 Proでも月面の模様がなんとなく写りました! iPhoneでは物理的な光学倍率が足りないため綺麗に見えるとは言い難いながら、アプリなどを使用せずとも、月面模様が撮れます(ただし、フィルター越しであるためピントがなかなか合わず、撮影は困難でした)。

今回利用した減光フィルターは以下のものです。

☆「K&F Concept 減光NDフィルター 77mm 可変式  ND2-ND32

減光フィルターは品質の良いものだと結構な値段です。減光フィルターを持っていない場合にお手軽に試したいのならサングラスなどで光量を減らしてやれば、iPhoneでも月面模様が写せる可能性があります(色が薄いサングラスだと難しいかも)。

iPhone 13 Proならもっと月を綺麗に撮れる?

2021年9月24日より発売開始となる新型iPhone 13 ProおよびiPhone 13 Pro Maxには、従来機種よりもズーム倍率が高い望遠レンズが搭載されます。

iPhone 13 Proシリーズ(無印・miniには非搭載)の望遠レンズは過去最大の焦点距離77mmになります。この焦点距離が長い(大きい数字)であるほど、月を大きく撮影することが出来ます。

→実際にiPhone 13 Proで撮影してみましたが、やはりiPhoneでは月は白い丸にしかなりませんでした。

ズーム倍率が足りないというより、明るさの調整が十分に出来ない(月が明るすぎるため)ことが原因でしょう。なお、動画モードにすると多少は月面模様が見えます。

(動画モードで撮影したムービーを切り取ったもの)

広角カメラ・超広角カメラも光を多く取り込むことが出来るセンサーを搭載しているため、一般的な夜景を綺麗に撮るならiPhone 13 Pro/iPhone 14 Proシリーズへの機種変更をオススメします。

待ってました!2022年iPhone 14 Pro/15 Proで月撮影

2022年モデルのiPhone上位機種「iPhone 14 Pro」および「iPhone 14 Pro Max」・2023年モデル iPhone 15 Proシリーズでは、史上最高の4800万画素カメラを搭載しました。

4800万画素モード(Apple ProRAW/設定方法はこちら)で月を試しに撮影してみました。

48MPモードで撮影した場合、高画素ではありますが月が明るすぎて引き続きただの白い点にしかなりませんでした。

iPhone 14 Proで月を撮る場合、ズームレンズ(3倍)・明るい空の時間帯に見える月ならば、ある程度月面の模様が見えるようになりました。


(iPhone 14 Proで撮影した月)

(iPhone 15 Proで撮影した月)

なお、純正アプリでは不可能なマニュアル調整によってさらに明るさを下げて撮影するテクニックを使えば、もう少し綺麗に月を撮ることが出来ます。

アップルの純正カメラ マニュアル設定

上記はどちらも同じiPhone 14 Proで撮影した写真です。iPhone 14 Proなら月面模様を捉えるだけのポテンシャルはあります(iPhone 14 Pro/15Proでも状況次第で純正カメラアプリでも模様が映る場合あり)

続きを読む →紹介[実機レビュー]iPhone 14 Proで月は綺麗に撮れる?/作例のマニュアルカメラ利用紹介

ズーム無しでも結構キレイ!iPhone 15で月模様が撮れる

2023年モデルのスタンダードモデル iPhone 15および大画面版 iPhone 15 Plusには望遠レンズは非搭載ながら、メインカメラが4800万画素にアップグレードされました。

望遠レンズがないためiPhone 14 Pro/15 Proなどの上位モデルにはズーム性能は及ばないものの、4800万画素から高画質状態で切り出すことで光学2倍相当の綺麗なズームアップ処理がされるため、従来の機種よりキレイに月が撮れます。

ズームレンズが無いiPhone 15でも、明るさを目一杯下げて撮影すると月の模様が映ることもあります(明るすぎて白い丸にしかならないパターンも多くあります)。高倍率ズームカメラ搭載機種には勝てませんが、iPhone 15でも月の撮影が楽しめるようになったのは劇的な進化です。

続きを読む:実機レビュー/iPhone 15のズーム性能評価・比較

さらにiPhoneで月・星を綺麗に撮るアイテム

iPhoneで月を写真で綺麗に撮りたい・ムービーで撮りたい場合に、星空撮影用の「赤道儀」というアイテムを使った方法もあります。

赤道儀とは、月や星が空で動くスピードに合わせてカメラや天体望遠鏡を自動で動かすことで、月や星を自動追尾して光がブレないようにする道具のことです。

赤道儀には用途・機能によってさまざまな形状・タイプのものがありますが、iPhone・スマホで使うのなら、持ち運びが簡単なポータブル赤道儀で良いでしょう。

上記は、ビクセン(Vixen)というメーカーのポータブル赤道儀・ポラリエという製品です。一見デジタルカメラのような見た目ですが、中にはモーターが入っており、カメラを接続することによって自動で月や星を追尾させることが出来ます。

天体望遠鏡で月や星を見たことがある人なら判ると思いますが、高倍率のレンズ・カメラで星をみると、日周運動によりみるみるうちに星が動いていく・ズレていくのが分かります。自動追尾無しではいったんフレームから見失ってしまった星を探すのも大変ですので、赤道儀があると便利です。

赤道儀はこのように、カメラ・レンズを駆動部分に接続して使います(一般的なカメラの三脚用1/4ネジで取り付けることが出来ます)。

ビクセンのポラリエの場合、広角から100mm程度までの望遠状態をカバーするとされているため、スマホのズーム機能なら十分追尾出来るはずです(高倍率にしすぎると追尾の精度が足りず、ブレが生じます)。

上記は実際に赤道儀にスマホと単眼鏡(セレストロン Hummingbird 9-27x56mm ED Micro Spotting Scope)を接続して、プレアデス星団を狙って30秒間撮影(iPhoneではなく、長時間露光が出来るAndroidスマホのマニュアルモードを使って撮影)したものです。赤道儀を使わない場合には星が動いて線状になる光が、ポラリエを使うことで点の状態になり、くっきりと映るようになります。

赤道儀を使うことで月をズームアップして撮影する場合にも、ずっとフレームに月が入り続けるため、撮影が楽になります(月単体を撮る場合には長いのシャッタースピードが必要無いため、赤道儀は無くても十分撮れます)。

本格的な赤道儀(天体望遠鏡や大型のカメラも載せられるもの)は重量も重くなりますが、ポータブル赤道儀ポラリエの本体は約800グラム、乾電池2本で動きます。持ち歩くことが前提のスマホと相性は良いでしょう。

赤道儀とiPhoneを組み合わせる・写真を合成することでパンフレットなどに使われているような幻想的な星空写真も撮れるようになるかもしれません。

*ポラリエをスマホで使うためには、三脚+自由雲台も必要です。今回撮影に使った雲台は以下のものです。

☆「Vixen ポータブル赤道儀 星空雲台ポラリエ

☆「Neewer ロープロファイルボールヘッド 360度回転式三脚ヘッド

Pixelシリーズで撮影した月

Pixel 3はズームレンズを搭載していないため、月を撮るとiPhone 11 Proよりもぼんやりとした画質になっています。Pixel 3シリーズでは暗い場所での撮影でも明るく仕上げる事ができるという特性はありますが、Pixel 3を始めとする夜景モードでは微細な描写は難しく、ズームレンズが無いPixel3ではこれが限界です。

なお、”月”の表面を撮りたい場合にはPixel3, Pixel 4シリーズはあまり向きませんが、「星」の撮影ならPixelに強みがあります。

Pixel4で使える「天体写真機能」(3シリーズでもアップデートで利用可能になっています)を利用すると、上記のように無数の星がスマホで撮れます

Pixelシリーズでは2021年モデル上位のPixel 6 Proでは光学4倍相当・デジタル20倍ズーム Pixel 7 Proなら光学5倍・デジタル30倍ズームによってかなり綺麗に月の模様を撮ることが可能です(ズームレンズがないPixel 6/7だと真っ白の丸にしかならないことがあります)。

(Pixel 7 Proで実際に撮影した月)

この他、Pixelの天体撮影ではおよそ4分間、最大9枚の写真を自動で合成するという技術を使っているため三脚などを利用して固定した撮影テクニックが必要となりますが、本当にびっくりするくらい星が撮れます。天気の良い、澄んだ空気・暗い場所で撮れば天の川も撮れます。

関連記事:[作例付き]Google Pixel 4で夜景モードから天体写真機能をオン/星空撮影をする方法 必要な機材・環境・設定方法

Xperia 1で撮影した月

Xperia 1の場合、明るさをマニュアルで最も暗い状態に調整しても、上記のように画面がかなり白く仕上がりました。オートモード撮影をすると本当に真っ白になってしまい、月の撮影には使えません。

ここからパソコン上で明るさを再調整しても、月面の様子は全く写っていません。

Xperia 1のズームレンズも光学2倍相当であり、明るさ調整の不味さを無視しても、月を撮るのは難しそうです(マニュアルモードを使って微調整をすれば、もう少しまともに撮る事はできます)。

Xperia 5 IIで撮影した満月

2019年モデルのXperia 1に比べてズーム倍率が2倍→3倍(焦点距離70mm相当)にアップした2020年冬モデル Xperia 5 IIで満月を撮影してみたものが下記です。

Xperia 5 IIではZEISSレンズを採用することで色再現や透明感などがより美しく撮影できるようになっているものの、満月を撮影するとゴースト・フレアが発生します。また、月撮影ではフォーカスがうまくあわず(明るさが足りません、とアラートが出てシャッターが切れない)、月のズーム撮影には向いていません。

2021年モデル Xperia 1 III/5IIIで撮影した月

ソニー・Xperiaファンの皆様、おまたせ(?)しました。2021年夏、ついにXperiaスマホでも月面模様が撮れるカメラ搭載モデルの登場です。

2021年モデルのXperia 1 IIIとXperia 5 IIIでは望遠レンズに世界初となる光学式焦点距離可変レンズを採用することで、70mm-105mm(35mm換算)の望遠を可能としました。

Xperia 1 IIIの最大ズームを利用すると、これまで確認が困難であった月面模様が写るようになっています。

ただし、Xperiaカメラのオートモードには月を撮影するような専用設定が無いため(2021年7月時点の最新ソフトウェアで確認)、月模様を撮りたいならマニュアルでのシャッタースピード・ISO設定が必要です。

Xperia 5 IIIでもほぼ同じ画質で月の模様が撮れました。

詳細は以下を参照ください。

関連記事:[レビュー]エクスペリアがついにここまで来た。Xperia 1 IIIの新望遠カメラで月面模様が撮れる

2022年モデル Xperia 1 IV/5IVで撮影した月

カメラズームがさらに進化したXperia 1 IV実機でも、月を撮ってみました。

Xperia 1 IVの望遠レンズは光学5.2倍相当-デジタル併用最大15.6倍相当です。ズーム用のセンサーが小さくなった(Xperia 1 IIIは1/2.9″→ 1 IVは1/3.5″)ことでXperia 1 IIIに比べて劇的に進化したとは言い難いながら、マニュアル設定を使うことでXperia 1 IVでも月面模様を撮ることが可能です。

関連記事:Xperia 1 IV実機レビュー

2022年秋モデルのXperia 5 IVの望遠レンズは旧モデルからやや劣化し、60mm(光学2.5倍)相当にズーム性能が下がりました。しかし、それでもマニュアルモードならかろうじて月面模様が見えます。

望遠レンズの物理的・数値的なスペックは落ちていますが、画像処理技術や瞳AFなどのソフトウェア面での進化がXperia 5 IVのメリットです。

関連記事:Xperia 5 IV実機レビュー

2023年モデル Xperia 1 Vで撮影した月

2023年モデルのXperia 1 Vはメインカメラのみ「2層トランジスタ画素積層型」という新しいセンサーを採用しました。

広角レンズで撮影すると上記のように月が明るすぎて真っ白になってしまいますが、Xperia 1 IVと同等のズームレンズ+マニュアルモードで調整してやれば・・・

このとおり、美しい月の模様を写し取ることが出来ます。

Xperia 10 IVで撮影した月

ミドルスペックの2022年最新機種 Xperia 10 IVでも月を撮ってみました。

Xperia 10 IVでは光学2倍相当のズームカメラが搭載され、カメラモードに「月モード」もあります(上記はマニュアルモードで撮影)。最大ズーム(デジタル10倍)でぼんやり模様が見えるような、見えないような・・・

2022年モデルでもまだエントリー(Aceシリーズ)やミドルモデルのXperiaでは月面模様を綺麗に撮影することは非常に困難です。

P30 Proで撮影した月

P30 Proでは光学5倍相当のズームレンズを搭載しており、スマホとは思えないほどの望遠撮影機能があることは有名です。

今回の撮影比較でも、その結果が明らかになりました。P30 Proを月に向けると、「ムーン」としてAIが月撮影をしていることを自動で認識し、明るさを最適に調整してくれます。その結果が以下の写真です。

P30 Proで撮影した月は、月面のクレーターの様子まで判るほど、くっきりと月を撮ることが出来ます。他社のスマホとは別次元のクオリティです。

さすがに”天体望遠鏡で観察したレベル”(100倍以上の望遠レンズ利用時)とまではいきませんが、月の模様の濃淡・隕石跡が伸びている様子なども観察可能です。

P30 Proではデジタル併用で50倍ズームまで拡大することが出来ますので、iPhone 11 ProやXperia 1の10倍とは全く大きさが違います。

しっかりと手を動かさないように意識していれば三脚無しでも月を撮れますが(上記の写真は実際に三脚を使わず、手持ち撮影しています)、さすがに50倍まで拡大すると手ブレが大きくなり、かなりの明るさがないと拡大写真を撮るのは難しいでしょう(ズーム撮影用の被写体として月は十分に明るいです)。

今回比較した機種のうち、Pixel 3は2018年モデルであるため、最先端モデルに比べるとややカメラ性能に開きが出てきています。Googleは2019年10月15日に新型モデル Pixel 4を発表する見込みであるため、カメラ性能を追求したい人はPixel 4シリーズの登場を待つのもありかもしれません。

関連記事:2019年Pixel 4/4XLスペック&新機能情報 日本発売日や価格・Pixel3との違い/デュアルSIM仕様など

irumo

2020年モデルP40 Proでも撮ってみた

上記のP30 Proの後継モデル、2020年 P40 Pro 5Gで月面を撮影してみました。

P40 Proの望遠カメラは光学5倍相当の「スーパーセンシング望遠カメラ」が搭載されています。

全く同じ状況でP30 Pro, P40 Proで撮り比べた画像が以下のものです。

月面の写真を撮る場合、P40 Pro 5Gを用いてもP30 Proと同等、あるいは若干ノイズが少なく撮れるようですが、極端な画質の差は感じられませんでした。

P40 Pro 5Gではメインカメラの画素数・センサーの大きさは向上しており、ズームに関しても場面によってP30 Proを上回る解像度が感じられる部分もあります。

続きを読む → [P40Pro実機レビュー]Googleサービス非対応でも最強カメラ&eSIMも使えるDSDVスマホ スペック&性能評価

2024年LEICAカメラ Xiaomi 14 Ultraで撮った月

日本市場では発売されなくなったファーウェイのかわりに、XiaomiのLEICAブランドスマホカメラ「Xiaomi 14 Ultra」が技適付きでグローバル販売されています。

Xiaomi 14 Ultraの最大の魅力は1インチセンサーを積んだメインカメラですが。望遠レンズも2つ搭載されています。

本記事の冒頭で掲載した月の写真がXiaomi 14 Ultraで撮影したものでした。「スーパームーン」モードで撮影すると簡単にきれいな月模様が見える写真になります。

関連:Xiaomi 14 Ultra購入レビュー

iPhone 11 Proでスーパームーンを撮ってみた

前項までの月撮影比較は通常の月が出た日に撮影したものです。続いて、満月が普段よりも大きく見えるスーパームーンでも撮り比べてみました。まずはiPhone 11 Pro の場合です。

スーパームーンの満月で普段よりも明るめに見える月も、iPhone 11 Proでは月面の模様は全く写りません

iPhone SE2で撮影したフラワームーン

2020年4月発売の最新型iPhone SE (第2世代)でも満月を撮影してみました。

iPhone SE2に搭載されたカメラは2017年モデルのiPhone 8と同等です。ポートレート機能撮影など一部の機能が旧世代より向上していますが、ズームレンズは無いため、やはり全力でズームをしても「ただの白い丸」になりました。

AQUOS R5Gで撮影した満月

シャープ製のスマートフォンとしては初の4眼レンズとなった2020年夏フラッグシップモデル AQUOS R5Gでも満月を撮影してみました。

AQUOS R5Gの場合、デジタル併用で最大16倍まで拡大出来るものの、月の表面は真っ白にしか撮影できませんでした(オートモード利用時)。AQUOS R5Gでは旧モデルに比べてカメラ性能が向上し夜景撮影に強くはなりましたが、ズームレンズは2倍相当(35mm換算時52mm相当)ですので、残念ながら月面を撮影するにはまだ倍率が足りませんでした。

1インチセンサー AQUOS R6で撮影した月

前述のAQUOS R5Gに比べておよそ5倍の大きさである1インチセンサー・LEICAのズミクロンレンズを搭載した2021年最新モデルAQUOS R6でも月を撮影しました。

AQUOS R6にはズームレンズが無いため、月は白い丸にしかなりません。

AQUOS R6は通常の広角夜景写真なら綺麗に撮影することが出来るようになりました。しかし、高倍率ズームレンズを搭載したモデルに比べると望遠性能が劣るため、月面模様を撮影するのは困難です。

AQUOS R8 proで撮影した月

2023年モデルの最新機種、AQUOS R8 proでも月を撮ってみました。

AQUOS R8 proでは新開発の高画素・1インチセンサーを搭載しています。ズームレンズは非搭載ながら、マニュアルモードを使うとほんのり月面模様を写し撮ることが可能です(オートだと白い点にしかならない)。

格安で大きめセンサー搭載AQUOS sense7で撮った月

2022年冬モデルとして登場したシャープ製格安スマホシリーズの新型、AQUOS  sense7ではメインカメラのセンサーが1/1.55″インチまで大型化しました。もちろん最新・最上位モデルには及ばないものの、旧世代・並の格安機種よりも大きく・高画素なセンサーで望遠専用レンズが無くても、それなりのデジタルズームを可能としています。

AQUOS sense7で月を撮影する場合、オートモードだと真っ白の丸にしかなりません。しかしsense7では上位モデルと同じくマニュアル設定が出来るため、50MPモード+シャッタースピードとISOを調整すればギリギリ模様が見えました。

広角レンズの焦点距離から強引にデジタルズームをかけているため、さすがに高画質とは言い難いながら、ズームレンガが無い機種でも月の模様が見えるのは驚きです。

AQUOS sense7のカメラは標準状態では12.5MPモードになっています。月面模様を撮りたい場合は50MPモードに切り替えて、シャッタースピードを短く、ISOを最小にすればOKです。

sense7と同じセンサー AQUOS R8で撮影した月

CPUがハイエンドクラスにアップ、カメラ性能はAQUOS sense7と同じ2023年モデル AQUOS R8でも撮ってみました。

AQUOS sense7での撮影時に比べて少し解像度が上がっているようにも・・・見えなくもありません。

AQUOS R8には広角レンズはありますが、ズームレンズは非搭載であるため、月面模様の撮影に向いているとは言い難い仕様です。しかし、上記の通り高画素モード+マニュアル調整が可能なので、それなりには撮影可能です。

2021年モデルOPPO Reno5Aでも月面が撮れる

「カメラで選ばれたい」とメーカーが推している2021年夏モデルの格安スマホ OPPO Reno5 Aでは、ズーム専用レンズが無いにも関わらず、高画素カメラにより月面模様の撮影が可能です。

OPPO Reno5Aで月の表面を撮りたい場合、オートモードではうまくいきませんでした。

OPPO Reno5Aはデジタルズームで20倍まで拡大出来るものの、オートだと明るすぎて月面模様は写りません。そこで、プロモード(マニュアル)にして撮影してみると・・・

クレーターの細かい様子までは確認できないのですが、ズーム10倍で月面模様が写りました(ISO設定100,シャッタースピード1/125秒に設定)。

Reno5Aはメインカメラが6400万画素の高品質のものであるため、デジタルズームで強引に拡大+マニュアルで適切な明るさ調整をしてやれば月の模様を確認出来ます。

関連記事:“カメラで選ばれたい” OPPO Reno5Aの写真性能評価・レビュー

AQUOS sense6でも月模様が見える

電池のもちが良いことで評判のシャープ製 AQUOS senseシリーズ2021年冬モデルも、カメラ性能が大きくアップしました。

上記はAQUOS sense6で実際に撮影した月です。AQUOS sense6のズームは2倍相当であるため高画質とは言えませんが、ぼんやりと月の模様が撮影可能になりました。ただし、手ブレ補正が弱いため、手持ちだと細かく画面が揺れてしまって撮影はやや困難です。

関連記事:[実機レビュー]ドコモAQUOS sense6 SH54B買うときに注意するポイント

おまけ:皆既月食が綺麗に撮れるスマホ/カメラ

2022年11月8日、日本では皆既月食が観測されました。同時に天王星食も起こる数百年ぶりの天体ショーを楽しんだ人も多いと思いますが、皆既月食をスマホで撮影できる設定や機種について解説します。

上記でいくつもの例を示した通り、まずiPhoneでは皆既月食の撮影は非常に困難です。

月が欠けていく最中であれば、「マニュアル設定アプリ」を利用した方法+iPhone 13 Pro/iPhone 14 Proシリーズなら月面の模様を半月~三日月状になるまで追跡出来ます。

しかし、完全に月が影に入り、赤褐色になった状態だと明るさが足りず、マニュアル設定をしてもノイズが大きすぎ/シャッタースピードを長くするとぶれてしまうため、綺麗に撮影することは難しくなります。

(iPhone 14 Proで撮影した皆既月食中の様子)

純正カメラアプリでナイトモードが働くと上記のようにオレンジ~赤い丸になります。新型のiPhone 14 Proをもってしても模様までは見えませんでした。

前項までに解説した高望遠性能カメラを搭載した Pixel 7 Proなどの上位機種なら、月が欠けていく最中までは綺麗に撮れます。

 

(Pixel 7 Proで撮影した皆既月食)

昨今の高倍率望遠レンズ搭載のスマホなら「月モード」として、月を撮るために最適化した設定を自動で設定してくれる機種もあるのですが、月食で暗くなった月を判定することは難しいようです。さらにスマホに限らず望遠レンズは標準/広角レンズに比べて”暗いレンズ”であるため、皆既月食で薄暗くなった月を綺麗に撮ることは物理的に困難でした。

皆既月食で赤褐色になった月をきれいに撮りたいのなら、望遠鏡や双眼鏡のレンズを追加するか、普通に高倍率のデジカメを利用したほうが圧倒的に綺麗に写真を残せます

(iPhone 14 Pro+ミニ望遠鏡で撮影した例)

皆既月食が発生するタイミングは計算により事前に分かるため、天体ショーを記憶だけなく記録に残したいのであればスマホ用スコープ等を購入して準備するのが最善です。

小型の望遠鏡(月だけなら初心者用・子供用のキットで十分)+スマホセット用のアクセサリーが付いたものなら月を綺麗に撮れるはずです。

☆「アマゾンでスマホ用望遠レンズをみる

[iPhone15Pro月撮影] アイフォンで月を綺麗に撮る方法-Pixel,Huaweiスマホと撮り比べ(2024年モデル比較随時追加中)

Tagged on: