2023年モデルのApple新型 iPhone 15およびiPhone 15 Proを購入したので、実機でズーム性能比較をしてみます。
2023年モデルのiPhone 15シリーズのうち、iPhone 15 Proには光学3倍相当・iPhone 15 Pro Maxには光学5倍相当の望遠レンズが搭載されました。
一方で、iPhone 15/iPhone 15 Plusには望遠レンズは非搭載であるものの、メインカメラを4800万画素へ高画素化することで、望遠レンズ無しでも光学2倍に相当する画像処理で綺麗なズーム写真が撮れるとしています。
この2023年モデルの最新iPhoneのズーム性能を、旧モデルのiPhoneシリーズ・2022年モデルの望遠性能特化スマホであるGoogle Pixel 7 Pro、Galaxy S22 Ultraと比較してみました。
旧モデルのiPhoneから買い替える際の目安、Androidスマホの望遠特化モデルにどれくらい新しいiPhoneが近づけたのか、参考にしてみてください。
iPhone 15ズーム性能テストの条件・結果
今回iPhone15/iPhone 15 Proのズーム性能比較を行うにあたりiPhoneだけの比較では芸がないので、以下の比較用スマホ10台を用意しました。
それぞれのズームカメラ性能は以下の通りです。
機種名 (年式) | 機種の望遠性能 |
iPhone 15 Pro (2023) | 光学3倍望遠カメラ |
iPhone 15 (2023) | (望遠レンズ無し) 4800万画素カメラ |
iPhone 14 Pro (2022) | 光学3倍望遠カメラ |
Galaxy S22 Ultra (2022) | 光学10倍望遠カメラ |
Google Pixel 7 Pro (2022) | 光学5倍望遠カメラ |
iPhone 12 Pro Max (2020) | 光学2.5倍望遠カメラ |
iPhone 12 mini (2020) | (望遠レンズ無し) 1200万画素カメラ |
iPhone 11 Pro (2019) | 光学2倍望遠カメラ |
iPhone X (2017) | 光学2倍望遠カメラ |
iPhone 8 Plus (2017) | 光学2倍望遠カメラ |
これらの機種を使って、全く同じ位置からズーム状態にして撮影をしました。
作例では約2m離れた場所から、A4サイズのカラーチャート用紙+鉱物標本を三脚に乗せて撮影しています。
iPhone 11 Proの標準カメラ(1倍)で撮影した場合、上記の黒枠が写真の全体図→中央付近を最大にズームアップしたもの(モデルによって同じ大きさに見えるようにトリミング・拡大したもの)が以下の作例です。
では、ご覧ください。
iPhone 15 Pro | iPhone 15 |
iPhone 14 Pro | iPhone 12 Pro Max |
iPhone 12 mini | iPhone 11 Pro |
iPhone X | iPhone 8 Plus |
Galaxy S22 Ultra | Pixel 7 Pro |
*トリミング(切り出し)・拡大以外の加工は一切していません。
作例の見方・注目ポイントとして、中央の鉱物標本に書かれた漢字「紫水晶」、その上にある縦のストライプ模様(左に行くほど間隔が狭くなっていく)の帯がきれいに見えるかどうかを、じっくり見てください。
【紫水晶】の文字がはっきり読める:Galaxy S22 Ultra/Google Pixel 7 Pro
【紫水晶】のうち、”紫”がやや潰れる:iPhone 14 Pro/iPhone 15 Pro
【紫水晶】の”水”はぎりぎり読める:iPhone 12 Pro Max
【紫水晶】の文字が潰れ、不自然になる:iPhone 15
【紫水晶】の文字がかなり滲む:iPhone 11 Pro
【紫水晶】の文字はほぼ読めない:iPhone X/iPhone 8 Plus
【紫水晶】の文字は全く読めない:iPhone 12 mini
という評価になります。
縦ストライプがくっきり分かれて見える:Galaxy S22 Ultra/Pixel 7 Pro/iPhone 15 Pro/iPhone 14 Pro/iPhone 15
縦ストライプが左側がぼやけて見える:iPhone 12 Pro Max
縦ストライプが半分以上ぼやけて見える:iPhone 11 Pro/iPhone 8 Plus
縦ストライプがほとんど全部滲んで見える:iPhone X/iPhone 12 mini
上記の通り、iPhone 15 ProとiPhone 14 Proは同じ光学3倍相当のズーム性能があるため、画質に大きな違いは見られません。カメラ自体の物理的仕様が同じでも画像処理やレンズ品質などが変わっていると写真の仕上がりに影響が出る可能性もありますが、今回の比較ではiPhone 15 ProとiPhone 14 Proのズーム性能に大きな違いは見られませんでした。
新カメラとなったiPhone 15のズーム性能は、望遠カメラを搭載していないiPhone 12 miniはもちろん、光学2倍相当のiPhone 11 Pro以前のモデルよりもズーム性能が高いという印象です。iPhone 15とiPhone 12 Pro Maxを比べた場合、iPhone 15では画像処理によって強い補正が掛かるため、縦のストライプ帯はiPhone15のほうがキレイに見える一方で、漢字・英字の文字は不自然な形状に加工されているように見えます。
今回のような光学倍率が物を言う場面において、iPhone 15 Proの3倍程度では、光学5倍・10倍の望遠カメラを搭載したGoogle Pixel 7 ProとGalaxy S22 Ultraには遠く及ばないという印象です。これらに対抗するには、iPhone 15 Pro Max(光学5倍相当の望遠カメラ搭載)を使うしかないでしょう。
ということで結果の要点をまとめると、
・iPhone 15 ProとiPhone 14 Proのズーム性能はほぼ変わらない
・iPhone 15のズーム性能は旧型の2倍望遠カメラ搭載機を上回る
・iPhone 15 Proでも他社の超高性能望遠カメラ搭載機には及ばない
となります。
望遠用の専用レンズを搭載しないiPhone 15でも、昔のiPhoneに比べればかなりズーム性能が良くなったと感じられるはずです。
iPhone 15のズームでは、くっきり・はっきりとは言い難いながら満月の模様も撮れます。
(実際にiPhone 15で撮影した月)
iPhone 15はポートレートも進化
ズーム性能以外の点では、「フォーカス機能と被写界深度コントロールが使える次世代のポートレート」という機能にiPhone 15は対応しており、iPhone 12 miniと撮り比べてみると・・・
iPhone 15/iPhone 14 Proなどでは正確に小鳥のオブジェ全体を認識してポートレート(ぼかし)が適用されるのに対して、iPhone 12 miniだと細かい部分(上記の写真ではくちばしの部分)が不自然にボケています。カメラレンズだけでなく、画像処理技術が向上しているようです。
また、ポートレートモードでは撮影後にボケ具合を変更(F値を変更)・フォーカス位置を変えることすら出来ます。
一方で、「スマホで最高峰のズーム性能が欲しい」と考えるならiPhone 15 Proではまだトップとは言えず、Android機種の最高級モデルを買うか、iPhone 15 Pro Maxを手に入れることを検討する必要があります。
2023年9月時点でiPhone 15 Pro Maxは非常に高価&品薄となっています。2023年9月22日時点で楽天モバイルの公式サイトには即納在庫が一部あります(注文のタイミングにより納期は異なります)
カメラのズーム性能をどの程度重視するかは人それぞれですので、iPhone 15でも十分と考えるか、最強のiPhone 15 Pro MaxやハイエンドAndroidを選ぶか、間を取ってiPhone 15 Pro/14 Proを買うべきか、各自で判断してみてください。
SB予約ページ:https://www.softbank.jp/online-shop/special/products/lineup/iphone
ドコモ予約ページ:https://onlineshop.smt.docomo.ne.jp/products/iphone/index.html
アハモ予約ページ:https://ahamo.com
KDDI予約ぺージ:https://www.au.com/mobile
楽天予約ページ:https://network.mobile.rakuten.co.jp/product/iphone/
楽天(市場経由)予約ページ:https://www.rakuten.ne.jp/gold/rakutenmobile-store/product/iphone/