2022年秋モデルのソニー製スマートフォン Xperia 5 IV (型番SO-54C/製品コードASO48372・ASO48369・ASO48343・ASO48330・ASO48356)を入手したため、実機レビュー・評価を公開します(2023年3月、値下げ情報追加)。

Xperia 5 IV (えくすぺりあ ふぁいぶ まーくふぉー)は、”Xperia 5”シリーズの第4世代モデルです。Xperiaのモデルには以下のようなシリーズ命名法則があります。

Xperia 1シリーズ:大画面ハイエンドモデル
Xperia 5シリーズ:コンパクトハイエンドモデル
Xperia 10シリーズ:ミドルレンジモデル
Xperia Aceシリーズ:格安スマホ
(およびプロフェッショナルモデルの「Pro」モデル)

2022年モデルのXperia 5 IVは名前から判るとおり、2019年から4回目のマイナーチェンジモデルを繰り返している定番機種です。

2022年 Xperia 5 IV(本機種)  
2021年 Xperia 5 III
2020年 Xperia 5 II
2019年 Xperia 5

当サイトでは過去のXperiaシリーズもすべて入手してきた経験から、最新型のXperia 5 IVで魅力的に感じられる新機種やメリット、他シリーズと比べて買う価値があるかどうか、スマホ選びに重要なポイントに絞って評価をしていきます。

旧モデルのXperia 5シリーズ、他のXperiaスマホのレビューを先にみたい方は「実機レビューリスト」のページか閲覧可能です。

Xperia 5 IVの特長・メリット

2022年モデルのXperia 5 IVは、はっきり言って前世代 Xperia 5 IIIからの進歩・進化はやや少なめな”マイナーチェンジモデル”です。

しかし、4年間続くアップグレードの結果、Xperia 5 IVは”ユーザーが求める機能をコンパクトに詰め込み、洗練を続けたスマホ”という印象が一層高まっています。

Xperia 5 IVの特長を挙げると、

Snapdragon 8 Gen1による超高処理性能
片手で持ちやすいサイズと重量
歴代最大の5000mAhバッテリー
ドコモモデルもデュアルSIM/eSIM対応
ワイヤレス充電に対応
フルステージステレオスピーカー搭載
最大輝度アップで屋外で見やすいディスプレイ

などなど、ハイエンドモデルらしい性能が満載です。”マイナーチェンジ”と先程評価しましたが、決して”旧モデルから変わっていない”わけではなく、使い勝手・利用体験が向上する進歩があります。

Xperia 5 IV限定パープルカラー・デザイン

今回はドコモのオンラインショップだけで購入できる限定カラー、Xperia伝統の「パープル」のデザインを評価します。

Xperia 5 IVのパープルカラーは、過去のシリーズにあったパープルに比べてややシックで暗めのマットカラーです。旧モデルの鏡面反射仕上げとはかなり雰囲気が代わり、光の当たり具合によってはグレー(灰色)っぽくも見えます。背面パネルにガラスのような光沢は無く、指紋が目立ちにくいコーティングがされています。

ドコモのXperia 5 IVは全5色があります。

・パープル 【オンライン限定】
・ブルー 【オンライン限定】
・エクリュホワイト
・ブラック
・グリーン

Xperia 5シリーズは歴代シリーズでずっと約6インチの細長ディスプレイを維持しており、片手で持ちやすい大きさです。

引き続きXperia 5 IVではノッチ・パンチホールなどのディスプレイ切り抜きを行わず、インカメラはディスプレイ上部の縁に配置されています。

カメラレンズはやや本体から飛び出していますが、他社のカメラ機能特化製品よりも出っ張りは控えめです。本体右(ディスプレイ面を表にした場合)には音量ボタン+指紋認証センサー内蔵の電源ボタン、そしてカメラ用の物理シャッターボタンがあります。

本体の上には3.5mmイヤホンジャックの差込口もあり、有線イヤホンも使えます。

Xperia 5 IVは物理nano SIMカードとeSIMカード、そしてmicro SDカード(最大1TBまで)の同時利用も可能です。これまでドコモモデルのXperia 5シリーズではデュアルSIM機能が削除されてきましたが、今回初めてドコモ版 SO-54CでデュアルSIM対応となりました(2022年夏モデル Xperia 1 IVもデュアルSIM対応)。

Xperia 5 IVは旧モデルからデザインはほぼ変わっていないため、特別に斬新さ・目新しさを感じる部分はありません。旧モデルを使いやすい・持ちやすいと感じていたユーザーは、これまでの使い勝手そのままの印象でXperia 5 IVへ機種変更出来るはずです。

Xperia 5 IVのゲーム性能・Antutuスコア

続いてXperia 5 IVの処理性能・ゲーム性能について解説します。

Xperia 5 IVにはQualcomm Snapdragon 8 Gen 1を搭載、RAM 8GBの大容量メモリーを搭載しているため、ゲームのプレイにも向いています。

Snapdragon 8 Gen 1は2022年春~夏頃に発売された多くのハイエンドモデルが採用しているCPUチップと同じものです。そのため、ありとあらゆるゲームアプリが快適に動作する水準といえます。

Xperia 5 IVのメモリー(ROM)は8GBです。メモリーが大きいほどたくさんのアプリを同時に起動してもスムーズな動作をすることが期待できます。ソニーの上位モデルXperia 1 IVはRAM 12GB、他社の多くのモデルもRAM 12GB~ゲーミングスマホでは16GBや18GBといった超大容量モデルも存在しますが、RAM8GBでもゲームは普通に動作します。

Xperia 5 IVのAntutuスコアはおよそ90万点~95万点程度(ver9系、当サイトの実測値)です。

このAntutuベンチマークのスコアと搭載CPUの目安を比較表にしてみると以下のようなポジションになります。

Antutuスコア(ver.9.x) 搭載CPU/目安
[Xperia 5 IVはココ]
90万点~100万点前後
Snapdragon 8 Gen 1
/2022年の最高峰機種
70万点~80万点前後 Snapdragon 888
/2021年のハイエンドクラス
60万点~70万点前後 Snapdragon 865
/2020年のハイエンドクラス
50万点~55万点前後 Snapdragon 855
/2019年のハイエンドクラス
35万点~40万点前後 Snapdragon 765 5G・
Snapdragon 695 5Gの水準

/2021-2022年のミドルクラス
30万点~35万点前後
Snapdragon 690 5G
/2021年のミドルクラス
25万点~30万点前後 Snapdragon 480
/2022年のエントリーモデルクラス

RAM容量がさらに大きいモデルだと100万点を超える同世代の機種もあるため、Xperia 5 IVがナンバーワンということはありません。しかし、特に他社ハイエンドモデルに見劣りする部分はないといえます。

Xperia 5 IVに搭載されているSnapdragon 8 Gen 1チップは、その高い処理性能のために発熱をしやすい傾向にあります。

この発熱問題はXperia 5 IVでも同様であり、連続利用・高負荷をかけ続けるとスマホ本体の温度が上昇します。

室温20度の屋内にてXperia 5 IVで4K動画撮影を連続で行ったところ、20分程度の利用で本体温度は最高45度くらいまで上昇する症状が確認出来ました。Xperia 5 IVでは主にカメラ部品がある本体の上部に熱が集中しやすく、40度を超えたボディ上部を素手で触るとかなり熱く感じられます。

一般的にスマートフォン本体温度が一時的に40度~45度程度になるくらいの発熱は、何の問題もありません。手で触ってかなり熱く感じられても、短時間の利用であれば問題ありません。Xperia 5 IVの発熱箇所ではない本体ボディ下部などが40度を超えることはまず無いため、長時間の連続ゲーム利用も出来るでしょう。

他社のスマートフォンに比べても、Xperia 5 IVで特に発熱が早い・温度が高くなりすぎるという印象はありません。上記の動画撮影テスト時も、20分を超えてもカメラ機能が止まる・フリーズするなどのエラーはありませんでした。

ただし、高発熱状態が続くとパフォーマンスの低下・発熱部位に接触し続けると低温やけどをするおそれもありますから、熱を感じられる場合は可能な限り利用を中止することを推奨します。小休止を行えば、すぐに温度は下がります。

「発熱しないスマホ」が欲しいなら、ハイエンドモデル(Snapdragon 8系統)のスマホは買わない方が良いでしょう。少しの熱も許せないユーザーはミドルスペックのXperia 10 IVか格安スマホのXperia Ace3をオススメします。

Xperia 5 IVのカメラ評価

Xperia 5IVのカメラレンズ・センサーの仕様は以下の通りです。

Xperia 5 IV
レンズ(焦点距離)
カメラ仕様
標準カメラ
(広角/24mm)
1220万画素
1/1.7インチセンサー
F1.7
超広角カメラ
(16mm)
1220万画素
1/2.5インチセンサー
F2.2
望遠カメラ
(60mm)
1220万画素
1/3.5インチセンサー
F2.4

Xperia 5 IVには3つのレンズが搭載されています。カメラの仕様・センサーについてXperia 5 IVに使われているパーツは2世代前(Xperia 5 II)からあまり変わっておらず、旧シリーズと比べた場合には特筆すべき点はありません。

望遠(ズーム)性能に関わる焦点距離が旧型・現行のXperia 1 IVよりも短く、他社の高倍率ズーム性能に対応したスマホと比べると、Xperia 5 IVのややズーム性能は低めとなっています。

(Xperia 5 IVで撮影した月)

画質はあまり高くないものの、Xperia 5 IVでも月の模様がほんのり見えるくらいなら撮影可能です(マニュアルモードでの設定が必要)。

Xperia 5 IVのレンズは0.6倍~1倍(標準カメラの基準)~2.5倍の光学倍率に相当します。他社には光学3倍・5倍、10倍といった高倍率のズーム専用レンズを搭載したスマホもあるため、Xperia 5 IVのズーム性能は際立った機能とは言えないという評価です。

とは言え、3年以上古いスマホや低価格スマホに比べればXperia 5 IVのカメラ性能は優れており、安いXperia Ace/Xperia 10シリーズに比べれば格段に綺麗でプログレードの写真撮影を可能とします。

(Xperia 5  IVで撮影したイルミネーション)

Xperia 5 IVではオートモードでさまざまな状況に合わせて最適な設定が適用されますので、基本的には何も考えず撮影すれば綺麗に写真が撮れます。

ただ、より高画質・より映える写真を撮影したいのであれば夜景や暗所での撮影はマニュアルモード(プロカメラ)・画像編集機能の利用をオススメします。

以下の写真はXperia 5 IVを利用してオートモードとマニュアル設定+画像加工処理を施したものです(写真をタップで拡大出来ます)。

オートモード
SS:1/4秒
ISO:1250
プロモード
SS:4秒
ISO:64

*どちらもウェブページ用に画質を落としています。オリジナルはもっと格段に高画質です。Xperia 5 IVカメラの本気を確認したい人は往復送料無料で貸出できる「ドコモ公式サイト-kikito」でレンタルして撮影にチャレンジしてみてください。

実際の見た目という意味ではオートモードの明るさが近いものの、カメラ写真雑誌で見かけるような美しい夜景写真を再現するなら、マニュアルモードでシャッタースピードを長く・ISO低く、そして画像加工で明度やコントラストを調整したほうがそれっぽくなります。このあたりはカメラの写真撮影知識が必要となりますが、ソニーのデジタルカメラを使ったことのあるユーザーなら、Photography Proアプリを使いこなせるはずです。

ボディの横にシャッターボタンが付いていますので、コンパクトデジタルカメラで写真を撮るように、スマホを横にしてシャッター半押しでピントをあわせる→撮影するという体験も出来ます。

Xperia 5 IV/1 IVは人間や動物の瞳を認識してピントを素早く合わせる「瞳AF」に対応しています。

上記のような猫のフィギュアの瞳ですらAIが正しく認識して、動く生き物でもピントが合い続けます。人や動物をよく撮影するのなら、Xperiaのカメラは便利に感じられるはずです。

Xperia 5 IVのバッテリー評価

Xperia 5 IVの大きな魅力の一つは、このバッテリーの進化にあります。

Xperia 5 IVには歴代最大の5,000mAhのバッテリーが搭載されています。この容量は6インチ級のスマートフォンとしても大容量であり、以下のように優れた電池持ち性能を持っています。

2022年ドコモ最新モデル 連続待受時間(4G LTE)
Xperia 5 IV 約410時間
Xperia 1 IV 約390時間
Galaxy S22 約220時間
Xperia 5 III 約330時間
Xperia 1 III 約330時間

*ドコモ公称の利用可能時間目安より。

上記の通り、Xperia 5 IVはSamsungの大きさが近い他社スマホの2倍近い連続待機可能時間を実現しています。1世代前のモデルに比べても2割以上伸びており、電池持ちが良い高性能スマートフォンを探しているのならXperia 5 IVは向いています。

Xperia 5 IVの主なスペック・機能

2022年モデルのXperia 5 IVの数値的な機能や特徴を挙げておきます。

ディスプレイ
(解像度)
6.1インチ
有機EL
(フルHD+)
リフレッシュレート 120Hz
サイズ 縦:156 mm
横:67 mm
厚さ:8.2 mm
重さ:172グラム
カメラ 1220万画素
+1220万画素(超広角)
+1220万画素(望遠)
バッテリー 5000mAh SIMスロット nano SIM+eSIM
ワイヤレス充電
対応
イヤホンジャック
対応
充電速度 急速充電 おサイフケータイ 対応
CPU Snapdragon 8 Gen 1
防水/防塵 対応
SDカード
最大1TBまで対応
生体認証
指紋(本体横)
RAM/ROM 8GB/128GB 定価
 137,280円

Xperia 5 IVはハイエンドらしく多くの機能に対応・歴代シリーズでは最先端の機能にアップグレードされたモデルといえます。

Xperia 5 IVを買うべき人は?

以上で解説したとおり、Xperia 5 IVは”コンパクトで高性能”である、バランスが取れたスマートフォンです。2022年11月時点で、より高いお金を出せばXperia 5 IVよりも高い性能・綺麗な写真が撮れるスマホ・便利な機能を持つスマホも存在しますが、以下のような利点がXperia 5 IVにはあります。

ゲームも遊べる高性能機種が欲しい
プログレードのカメラアプリを使いたい
電池持ち+比較的小型なスマホが欲しい
格安スマホでは満足できない

このような点に惹かれるのなら、Xperia 5 IVが向いています。

【追記】2023年3月17日より、ドコモ公式オンラインサイト限定割引としてXperia 5 IV SO-54Cは機種変更を含めて22,000円オフが適用されます(終了日未定)。

☆「ドコモ公式サイト Xperia 5 IVの価格・値引きをみる

Xperia 5 IVの値引きクーポン配布

Xperia 5 IVを安く買えるクーポン情報です。

以下のサイトから、ドコモの公式サイトでXperia 5 IVの機種変更値引きクーポンが取得できます(2022年11月時点確認)。必ず取得してから機種変更してください。

*クーポンは対象者のみ獲得できます。対象者以外は割引できませんのでご了承ください。

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