NTTドコモの2021年夏モデルハイエンドスマートフォンとして2021年4月22日に発売日を迎えたGalaxy S21 (型番 SC-51B)の実機レビューです。
Galaxyシリーズのスマートフォンは日本でも毎年新モデルが追加されています。今回ドコモから発売されたGalaxy S21およびGalaxy S21 Ultra(SC-52Bの利用レポートも後日追加予定)では、ボディのデザインが大幅変更されています。
従来モデルのデザインよりもスタイリッシュで、処理性能もアップした5G対応のドコモモデルGalaxy S21 SC-51Bのデザインやサイズ感、処理性能を実際に使ってみて感じた評価を交えて紹介します。
なお当サイトでは旧モデルのGalaxy Sシリーズ・Noteシリーズも歴代機種をずっと使い続けてレポートをしています。
Galaxy S21 Ultraや他モデルの実機レビューを先に見たい方はこちら → 歴代スマホ実機レビューのまとめ一覧
Galaxy S21の基本機能・スペック
Galaxy S21 SC-51Bの主な仕様・スペックは以下のとおりです。
ディスプレイ | 6.2インチ フルHD+ 有機ELパネル リフレッシュレート最大120Hz |
ボディサイズ | 152mm×71mm×7.9mm |
カラーラインナップ | ファントムバイオレット/ファントムグレー/ファントムホワイト |
重量 | 171グラム |
CPU | Snapdragon 888 |
RAM | 8GB |
ROM | 256GB |
外部ストレージ (micro SDカード) |
非対応 |
メインカメラ | 広角1200万画素(1/1.7インチ) 超広角1200万画素(1/2.5インチ) 望遠6400万画素(1/1.7インチ) 光学約3倍、デジタル併用最大30倍ズーム |
フロントカメラ | 1,000万画素 |
5G通信 | Sub-6対応 |
電池容量 | 4,000mAh |
生体認証 |
画面内蔵指紋認証/顔認証 |
Galaxy S21 SC-51Bは旧モデル Galaxy S20と同じ6.2インチのAMOLEDディスプレイを採用しています。ただし、解像度がQuad HD+(3200×1440 pixel)からフルHD+(2400×1080 pixel)に変更されています。
また、メモリ(RAM)も旧機種では12GBを搭載していましたが、Galaxy S21では8GBにスペックダウンされています。一方で、ストレージ(ROM)については2倍の256GBを搭載しています。
Galaxy S21のドコモ版 SC-51Bでは5G通信には対応します(ミリ波には非対応)。2021年4月時点での最大受信速度は4.2Gbpsのハイスピード通信が出来ます。
Galaxy S21 SC-51Bではこのように一部の性能を旧機種/最上位モデルより抑えることで製造コストを下げ、ドコモではGalaxy S20の発売時価格より少し安く提供しています。
より性能が高いGalaxy S21 Ultra(SC-52B)もドコモでは選ぶことが出来ます。
GalaxyS21の外観レビュー・評価
GalaxyS21ではボディの大きさこそ従来機種とそれほど変わりないものの、カラーやデザインを大きく変更したオシャレ感の強いスマホなりました。
ディスプレイの前面は、パネルの上部中央にインカメラ用のパンチホールが空いたデザインです。
ディスプレイガラスが従来機種では左右縁近くがカーブしていたのに対して、Galaxy S21はフラットに変更されました。
ガラスをカーブさせるデザインは、手でスマホを持ち上げた時に手触りが良い・スリムになることで持ち易さを向上させる一方で、全画面表示時に見たい画像が曲面で見づらくなる/誤タッチしやすくなる/ガラスフィルムが貼りづらいといったデメリットもありました。
ここは好みの問題もありますが、エッジディスプレイよりフラットディスプレイのほうが良いという人には嬉しい変更となっています。
NTTドコモでは3色、ファントムバイオレット・ファントムグレー・ファントムホワイトを扱っています。当サイトではファントムグレーを入手したためグレーカラーの特徴を細かく紹介していきます。
正面から見た場合のGalaxy S21のデザインは特別に面白みがあるものではありませんが、背面のデザインはスタイリッシュです。
Galaxy S21の背面は光を反射しないマットなコーティングになっており、指紋が目立たないデザインに変更されました。サラリとした肌触りで、ケース無しで使いたくなる見た目です。
カメラ部分には3つのレンズがついており、レンズ3個を一纏めにしたパーツデザインが特徴的です。この3連カメラのパーツ部分だけがボディからやや盛り上がってしまいましたが、個々のレンズパーツが飛び出るよりもガラスが傷つかずに済むデザインと言えそうです。
このカメラレンズを覆うパーツはステンレス素材のサイドフレームとひと続きのデザインとなっており、Galaxy S21の特徴的な見た目を演出しています。
ボディの下にはType-C USBの接続端子とスピーカー、SIMカードスロットがあります。
右側面にはボリュームキーと電源ボタンが配置されています。
左側面にはボタンはなく、シンプルなデザインです(Galaxy S21には物理キーのBixbyボタンはありません)。
2年前に発売されたGalaxy S10と比較すると横幅1mm・縦幅2mmほど大きくなっています。旧モデルからの買い替えであれば、それほど違和感無く機種変更出来るでしょう。
Galaxy S21は旧モデルと比べるとやや重い171グラムとなっています。6.2インチサイズのスマホとしては比較的軽量であるため、6インチ前後のサイズ感を求めているユーザーには妥当な持ち易さを実現した一台と言えるでしょう。十分な大画面を確保しながら171グラムというほどほどの重量におさめた、バランスの良さもGalaxy S21を選ぶメリットです。
より大きな画面を求めているのなら、6.8インチサイズのGalaxy S21 Ultraもあります。
Galaxy S21 Ultraも基本デザインは似ていますが、ガラスパネルはエッジカーブ型です。ただし、ボディ重量はGalaxyS21よりも3割以上重くなっているため、巨大スマホが好きな人以外には向かないかもしれません。
☆「ドコモ公式サイト Galaxy S21 Ultraの詳細」
Galaxy S21の処理性能レビュー
Galaxy S21には2021年最高峰モデルのスマートフォンが多く採用している「Qualcomm Snapdragon 888」というSoCが採用されています。
SDM888はGalaxy S21シリーズの3台(S21+/S21 Ultra)とも同じチップを使っているため、基本的な処理性能は似たようなものとなっています。
RAM容量はGalaxy S20の12GBから8GBへと減りましたが、Galaxy S21でもあらゆるゲームが快適に遊べる処理性能を有しています。
Galaxy S21のantutuベンチマーク結果
Galaxy S21 SC-51Bにて、有名なベンチマーク処理評価アプリ Antutuベンチマークを利用してみました。
SC-51BのAntutuスコアは約70万点です(ver8系の場合。最新のアプリバージョンはver9もあり、新バージョンとはスコア基準が異なるため注意してください/現在セキュリティの問題から、Antutuアプリの一般利用は推奨しません)。
CPUスコアは約19万点、GPUスコアは約30万点となっており、旧機種のスコアを大きく上回っています。
一方で、Galaxy S21で高速処理性能を続けるとボディが熱くなりやすい傾向にあります。
Galaxy S21の発熱状況の評価
前項のAntutuベンチマークでは、アプリ利用中にスマホの最大性能をテストするため、アニメーションや計算処理を連続で行います。このときのGalaxy S21の様子をチェックしていると、ボディがかなり発熱していることに気づきました。
ベンチマークアプリを動作させて5分後、ディスプレイガラス面は40度を超える発熱状況となっています。
同時刻において、ボディの背面下部は35度前後になっており、スマホを手で持った感触としては「生ぬるい」くらいであるものの、発熱が起きやすいカメラパーツの横は・・・
ベンチマーク測定中、約6分後に最大45℃程度まで発熱しています。この時点で手で触れるとかなり熱く感じられました。
スマホが発熱した状態だとAntutuベンチマークアプリのスコアもやや下がり、65万点程度と表示されることもあります。
この発熱傾向はSnapdragon 888に共通しており、旧モデルのハイエンドモデルよりも高処理性能時に熱が生まれやすいようです。
ただ、スマホが40℃を少し超える程度であれば持てないほど熱いわけでもなく、パフォーマンスは十分に発揮されます。40℃を大きく超える状況を長時間継続させるとディスプレイやバッテリーに悪影響が出る可能性もありますが、ベンチマークアプリを3連続(約30分)で測定してもフリーズやアプリ停止、機能制限などは発生しませんでした。
スマホの発熱が気になる場合は、涼しい場所での利用・連続利用を控えるなどの工夫をすれば問題なく使えるはずです。
Galaxy S21のカメラ評価
Galaxy S21には超広角・広角(標準)・望遠の3つのカメラを搭載しています。
Galaxy S21/S21+のカメラは旧モデルのGalaxy S20と同等(画素数・センサーもすべて同じ)です。
望遠レンズは6400万画素の高画素なものをデジタル的に拡大することで、光学3倍相当のズームと表現しています。
一方で、Galaxy S21ではSnapdragon 888による高速処理で画像処理を行うため、旧モデルより若干の画質向上をしています。
Galaxyシリーズのカメラ機能である「シングルテイク」では、1度のシャッターで静止画・ショートムービー、フィルター効果付き写真など複数のモードで写真を残すことが出来ます。
なお、上位のカメラ性能を求めるならGalaxy S21 Ultraには1億画素カメラ・10倍光学カメラなどを搭載しており、S21より綺麗に写真が撮れます。特に高倍率ズーム時は明確な差が感じられます
関連記事:[実機レビュー]安くなったGalaxy S21 Ultraを購入して感じた進化点・物足りない点 Sペン・100倍ズームカメラ
Galaxy S21の総合評価・まとめ
実際にGalaxy S21 SC-51Bを使ってみて、また旧シリーズ・上位モデルのGalaxy S21 Ultraなどと使い比べてみて感じた、SC-51Bの良いところ・物足りないところをまとめてみます。
【Galaxy S21 SC-51Bの長所】
・ディスプレイガラスがフラットになった
・小さすぎ、重すぎないボディサイズ
・指紋がつきにくく、おしゃれなデザインに
・Snapdragon 888でゲームも快適な処理性能
・5G対応スマートフォンとしては若干安い
120Hzの滑らかなディスプレイとSnapdragon 888が搭載された最新モデルだけあり、ゲームが非常に快適に遊ぶことが出来ます。
ディスプレイとケーブル一本でつなぐことでパソコンのように使える「DeXモード」もあり、高い処理性能を活かしてガンガン使うことが出来る十分な機能性がGalaxy S21シリーズで最も安いSC-51Bでも体験出来ます。
一方で、他機種と比べたGalaxy S21の不満点もあります。
【Galaxy S21 SC-51Bの短所】
・連続利用時に発熱しやすい
・カメラ性能はほどほど
・ミリ波に非対応
・ROM 256GBモデルしかない
・「安い」と言っても格安ではない
特に夏場、気温が高い場所でスマホの連続利用(カメラやゲーム利用時)にはスマホの発熱が気になる可能性があります。
カメラ性能は決して低いわけではありませんが、カメラ性能に特化した最新モデル(Galaxy S21 UltraやP40 Pro+、Find X3 Proなど)に比べると斬新な性能・機能は少なく、面白みは感じられない場合があります。
また、Galaxy S21はmicro SDカードが使えない仕様になっています。その分だけROM(本体ストレージ)容量は256GBと大きなものを採用していますが、256GBでは足りない/256GBも必要ないユーザーには他に選択肢がない状況です。
ドコモのミリ波(n257)に関しては2021年春-夏時点ではまだ利用できるエリアが限定的であるため、さほど大きな問題ではないものの「どうせならミリ波対応の最高5Gスマホが欲しい」というのであれば、Galaxy S21ではなくGalaxy S21 UltraやXperia 1 IIIならミリ波に対応したモデルがドコモでも購入出来ます。
Galaxy S21はグローバル価格で旧モデルより200ドル(約2.2万円)値下げされて発売されました。一方で、ドコモの販売価格は256GBモデルしか選べないことも影響して、Galaxy S20に比べて格安といえるほどには値下がっていません。
ドコモのSC-51B販売価格は99,792円です(2021年4月22日時点)。旧モデルは10万円超え、他の5G最高峰モデルはやはり10~15万円程度のスマホが多い中、比較的安く買えるハイエンドモデルとしてGalaxy S21を選ぶメリットがあります。
☆「ドコモ公式サイト Galaxy S21 SC-51Bの価格・割引」
なお、ドコモではもっと安い5GスマホのGalaxy A51や、2万円台から機種変更出来るスマホもありますので、用途・目的によって機種を選んでみてください。
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