NTTドコモは2019年2月8日より、2017年冬モデルとして発売した8富士通製のスマートフォン arrows NX F-01Kを通常価格から8.7万円値引きし、機種変更でも一括648円で買えるように割引の改定を行いました。
ドコモでの発売から1年が経過していますが、F-01Kの直接の後継モデルは2019年春時点でも登場しておらず、F-01Kは最新型といえます。
F-01Kは「発売当時の時点ではハイスペック」なモデルであり、国産スマホであることを考慮すると9万円弱という価格設定も止む方無しという水準でしたが、発売から1年以上が過ぎたということもあり、在庫処分に踏み切ったということになります。
一方では、富士通はドコモ向けに廉価モデルのarrowsブランドスマホ「arrows Be F-04K」を2018年夏モデルとして投入しており、かなりの人気となりました。
このarrows NX F-01Kとarrows Be F-04Kは、それぞれ定価が大きく異なるシリーズです。F-01Kは88,128円であるのに対して、F-04Kは半額以下の33,696円でした。
もともとの価格が違うため、この2機種は性能が異なります。2019年2月時点でどちらも「お得に買えるスマホ」であることは間違いないものの、機種変更した場合の料金システムさえも違いますので、どちらが自分に向いているかよく考えて購入比較をする必要があります。
F-01KとF-04K「性能」の差
arrows NXとBeでは、スマートフォンの「性能」を大きく左右するCPU (SoC)チップから違いがあります。処理性能はarrows NXのほうが高く、arrows Be F-04Kは低めです。ゲームを快適に遊びたいなら、arrows NX F-01Kを選ぶことを推奨します。
具体的には、arrows NX F-01Kには高性能なQualcomm SDM660、arrows Be F-04Kには低価格スマホ向けのQualcomm SDM 450が使われています。一般的に、
SDM800番台:最高クラスの性能
SDM600番台:ミドル~ハイスペッククラスの性能
SDM400番台:ロー~ミドルクラスの性能
SDM200番台:エントリースマホ、ガラホ向けの性能
となり、数字が大きいほうが性能が高く、同じシリーズの番台でも数字が大きいほうがより新しく性能が高い傾向にあります(一部新旧・性能の高さが変則的になっているシリーズもあります)。
arrows Be F-04Kでは高い処理性能が求められる3Dアニメーションを多用したリズムゲームをプレイしようとすると、処理が若干カクつきます。同じゲームをarrows NX F-01Kでプレイするとスムーズに遊べるというケースが実際にありました(参照:[実機レビュー]ドコモの割れにくい国産頑丈スマホ arrows NX F-01Kの使い勝手をチェック )。
ただし、F-04Kでゲームが遊べないという意味ではありません。軽いパズル・レースゲームなどもそれなりにスムーズに遊ぶことは可能で、あくまで「F-04Kは最高峰~高性能のスマホと並べて比較すると処理が遅い」だけであり、実用レベルで我慢出来ないほど動きが遅いゲームばかりではありません。
また、arrows NX F-01Kは”2017年冬~2018年春時点でハイスペック”ではありましたが、2019年春時点の最高性能スマートフォンに比べると、処理性能にかなり差が出ていることも確かです。2018年モデルの最高峰のSDM 845を利用したスマホだとF-01Kの2倍くらい高い性能を持ったスマホも少なくありません。
*今使っているスマホのベンチマークスコアを測定し、比較してみてください([無料]Antutu Benchmarkのver6→7の換算目安)。
また、2機種の違いはCPUだけではありません。
項目 | NX F-01K |
Be F-04K |
参考用 (旧 NX) F-02H |
発売日 | 2017.12.08 | 2018.05.25 | 2015.12.04 |
画面 | 5.2インチ FHD |
5.0インチ HD |
5.4インチ WQHD |
サイズ(縦×横 ×厚さ) |
149×72 ×8.1mm |
144×72 ×8.3mm |
154×75 ×7.9mm |
利用可能時間 | 120時間 | 130時間 | 99.6時間 |
電池容量 | 2,580mAh | 2,580mAh | 3,390mAh |
CPU | スナドラ660 | スナドラ450 | スナドラ808 |
RAM | 4GB | 3GB | 3GB |
ストレージ | 32GB | 32GB | 32GB |
カメラ (メイン/サブ) |
2300万画素 /500万画素 |
1220万画素 /500万画素 |
2150万画素 /240万画素 |
重さ | 154グラム | 146グラム | 164グラム |
F-01KはフルHDで綺麗なディスプレイを採用しています。F-04Kのディスプレイは解像度が小さいのですが、そのぶんバッテリー消費が少なく電池が長持ち・軽量です。
どの項目を優先するかは人それぞれですが、全体的にF-01Kのほうがスペックは高く・F-04Kは低価格スマホ級であると理解しておけば良いでしょう。
F-04Kのカメラは1220万画素となっており、画素数は少ないですが新しく一眼レフカメラに使われる技術を取り入れることで、暗い場所でも比較的綺麗な写真が撮れるように進化しています。これはF-01Kには使われていないため、カメラはF-04Kのほうが使いやすいかもしれません。
☆「ドコモウィズ arrows Be F-04Kの機能・スペックをすべて見る」→ 2019年夏モデルとして後継機 arrows Be3 F-02Lが発売中です
機種変更時の「初期費用」の差
arrows NX F-01Kとarrows Be F-04Kの機種変更契約時・購入時に必要な料金を比べていきます。ここでは機種の本体代金を先払い(一括購入)した場合で比較します。
項目 | arrows NX F-01K | arrows Be F-04K |
事務手数料 | 2,160円→0円 (ウェブ手続き限定*) |
2,160円→0円 (ウェブ手続き限定*) |
頭金 | 0円 (ウェブ手続き限定*) |
0円 (ウェブ手続き限定*) |
端末代金 | 一括648円 | 一括33,696円 |
支払総額 | 648円 | 33,696円 |
*事務手数料・頭金を無料でドコモスマホを契約する方法は「ドコモオンラインショップ 事務手数料完全0円」を参照下さい。店頭契約時には上記から3千円~1万円近く本来不要な手数料が取られますので、手数料を節約した人は必ずウェブ手続きを利用して下さい。
購入時に端末代金を分割にしない場合、より安く買えるのは性能が高いarrows NX F-01Kです。2019年2月7日以前であればF-01Kの購入価格は8.8万円でしたが、2月8日の値引き実施により、このような価格差となりました。
続いて月額負担額の差をチェックします。
機種変更時の「月額料金」の差
ここでは最も料金の安い機種変更向けプランとして、子回線(家族とパケットをシェア)を想定したプランを紹介します。下記以外のプラン構成の料金は「ドコモ公式 料金シミュレーションサイト」を使って下さい。最新プランに合わせて料金を簡単に算出出来ます。
初期費用はF-01Kのほうが安くかったのですが、月々の維持費・支払料金はF-04Kのほうが圧倒的に安くなります。
F-01Kは買う時に安く、F-04Kは買ったあとに安くなるという特長があるため、
長く同じスマホを使う人 → F-04Kを買うと安くなる
短期間でスマホを買い替える人 → F-01Kを買ったほうがお得
といえます。
F-01K/F-04K 総額支払いはどっちが安い?
より具体的に利用継続月ごとに比較をしてみると以下のようになります(端末代を購入時に一括払いした場合)。
継続月 | F-01K | F-04K |
0ヶ月 | ¥600 | ¥31,200 |
1ヶ月 | ¥2,380 | ¥31,480 |
2ヶ月 | ¥4,160 | ¥31,760 |
3ヶ月 | ¥5,940 | ¥32,040 |
4ヶ月 | ¥7,720 | ¥32,320 |
5ヶ月 | ¥9,500 | ¥32,600 |
6ヶ月 | ¥11,280 | ¥32,880 |
7ヶ月 | ¥13,060 | ¥33,160 |
8ヶ月 | ¥14,840 | ¥33,440 |
9ヶ月 | ¥16,620 | ¥33,720 |
10ヶ月 | ¥18,400 | ¥34,000 |
11ヶ月 | ¥20,180 | ¥34,280 |
12ヶ月 | ¥21,960 | ¥34,560 |
13ヶ月 | ¥23,740 | ¥34,840 |
14ヶ月 | ¥25,520 | ¥35,120 |
15ヶ月 | ¥27,300 | ¥35,400 |
16ヶ月 | ¥29,080 | ¥35,680 |
17ヶ月 | ¥30,860 | ¥35,960 |
18ヶ月 | ¥32,640 | ¥36,240 |
19ヶ月 | ¥34,420 | ¥36,520 |
20ヶ月 | ¥36,200 | ¥36,800 |
21ヶ月 | ¥37,980 | ¥37,080 |
22ヶ月 | ¥39,760 | ¥37,360 |
23ヶ月 | ¥41,540 | ¥37,640 |
24ヶ月 | ¥43,320 | ¥37,920 |
*両機種とも同じサービスプランを契約した場合。便宜上日割りなし、docomo with割引を1ヶ月目から適用するとして計算しています。
それぞれの初期費用(端末代金)と月額料金を合算して比較すると、20ヶ月まではF-01Kのほうが安く、21ヶ月目で総額総額が逆転します。
ここで、arrows NX F-01Kは購入から最短13ヶ月で次の機種変更をすることが可能となりますので(詳しくは「端末購入サポート割引の仕組み」を参照)、13ヶ月~20ヶ月以内にスマホを買い換え続けるなら性能も高く・料金も安いF-01Kを買うほうが賢いといえるでしょう。
ドコモの端末購入サポートは「12ヶ月の継続契約を約束して、一括割引を受ける」というルールがあるため、1年未満で解約・機種変更をすると高額な解除料が発生するので注意が必要です。
逆に、スマホを買い換えるのが億劫で、壊れない限り同じスマホをずっと使い続けたいと考えるのなら、21ヶ月目以降はどんどん月額料金の安さが効いて、F-04Kを買ったほうが節約になります。
なお、「ドコモの学割(2019年版)」が使える場合、docomo withとの併用は出来ませんがF-01Kの端末購入サポートとは併用が可能になるため、また料金のお得さが変わってきます。学割が使える場合はF-01Kのほうがお得度がアップしますので、より性能が高く早く機種変更出来るF-01Kを買うほうが良いでしょう。
まとめ
arrows NX F-01Kはより高性能で一括価格(初期費用)が安く、1年以上~2年未満のタイミングで買い替えを予定しているのならお得です。本来9万円近いハイスペックモデルであり、富士通の高性能スマホはドコモだけが販売しているモデルでもあるため、値下げされた今が買い時といえます。
arrows Be F-04Kは処理性能こそ低めですが、古いスマホに比べれば最新の機能を取り入れることで十分に実用的な機能・性能を持っています。月額料金が最安308円~と格安で維持する事ができるため、長く同じ機種を使い続けることを前提にすれば、節約効果が大きくなります。
なおarrows NX F-01Kは「在庫限りのスペシャル価格」として提供されています。これまでやや割高感すらあったarrows NXシリーズが2019年2月に値下げされたことでようやくお得になったため、F-01Kを手に入れるなら今のうちです。