2022年9月16日より日本で発売開始されたアップルの最新端末「iPhone 14」シリーズの5G通信に関する解説です。

2022年モデルのiPhone 14シリーズは高速通信規格「5G」に対応するiPhoneとしては第3世代目(iPhone12が初代)となる、iPhone史上最速のモデルです。

新しいiPhoneを使うとどのくらいの通信速度体験が出来るのか、どうやって5G通信を使うのか詳しく解説します。

iPhone 14の各キャリア最大通信速度

2022年9月時点、日本では各携帯会社が5Gによるネットワークを強化しており、iPhoneはもちろん現行モデルのスマートフォン新製品のほとんどが5G通信に対応し始めています。

一方で、「5G通信が使える=どのスマホでも同じ通信速度」というわけではありません

iPhoneやスマートフォンには、それぞれインターネット/通話に利用するための「周波数帯」が決まっており、さらにその周波数帯は契約している携帯会社・プランに依存します。

(各社の5G/4G利用周波数帯に関する解説はこちら)

上記の図のように、利用する電波の周波数が違う・それぞれに適合するスマホ・iPhoneの仕様・規格・技術の差により、iPhone14の場合も通信速度が変わってきます。

2022年9月時点において、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクはiPhone14シリーズの最大通信速度を以下のように明示しています。

対象モデル/
iPhone 14・ Plus
iPhone 14 Pro・Max
下り最大速度
(DL)
上り最大速度
(UL)
ドコモ 5G 4.2Gbps 218Mbps
SoftBank 5G 2.6Gbps 159Mbps
au 5G 4.2~3.7Gbps 218Mbps

*2022年9月22日時点。iOSのバージョンやエリアによって規格上の最大通信速度が変更される場合があります。より詳しい5Gエリアや通信規格に関する情報は公式サイトを参照ください。

日本のiPhone 14はミリ波非対応

2022年9月に発売されたApple iPhone14シリーズ(iPhone14/iPhone14Pro/iPhone14ProMax/iPhone 14 Plus)は、SIMフリー版もドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルが販売するモデルも、すべて5G通信に対応しています。

一方で、前項でも示した「日本の通信会社が使っている5G周波数帯」のうち、高周波数でより通信速度が速い・遅延が小さい・同時多数接続が可能となるミリ波には、日本で販売されるiPhone14シリーズは非対応となっています(海外では一部ミリ波に対応したiPhoneも存在しますが、日本で使うと電波法違反になる可能性があります)。

iPhone 14シリーズが対応する5Gは「sub6」と呼ばれる周波数帯を利用しており、2022年9月時点でミリ波対応のAndroidスマートフォンに比べて規格上の最高通信速度はやや劣ります。

(docomo AQUOS R7は最大4.9Gbps対応)

ミリ波・5G SA(スタンドアロン)に対応したiPhoneを待っていたユーザーは日本のiPhone14は見送り、iPhone 15以降に期待しましょう。

何らかの事情でどうしても「ミリ波対応のiPhone」が必要である場合、上記の通り日本向けモデルではsub-6の周波数帯にしか対応しないiPhone 14シリーズであっても、海外モデルでは仕様が違うロットもあります。

2022年モデルのアメリカ向けiPhone 14シリーズは、「5G sub-6 GHz and mmWave」に対応しており、ミリ波が使えます(日本の携帯会社・ネットワークで利用できることを保証するものではありません)。ただし、US版は物理SIMスロットがない(カード形状のSIMカードが使えない)という違いもあります。

ミリ波対応のiPhoneは海外から個人輸入したり、並行輸入品で入手可能です。

☆「アマゾン iPhone 14 Pro Max 6.7インチ 米国版 SIMフリー【eSIM専用】5G iPhone用 ミリ波対応

iPhone 14 Proをアハモで使う方法

iPhone 14シリーズは、ドコモの格安新料金プラン「ahamo」(アハモ)なら、5G通信を利用した快適なインターネットを利用できます。

アハモでは5G/4Gどちらも均一料金です。4Gの古いiPhoneでも5G対応の最新iPhoneを使う場合でもプラン変更は不要です(過去に使っていたドコモプランから変更→ 利用する機種によってはSIMカードの変更が必要になる場合があります)。

iPhone 14 Pro(SIMフリー)でアハモを利用するには、設定不要・SIMカードを差し込むだけで利用できます。

iPhone 14 Proでアハモ5G通信を試してみた

手軽に5G通信を使えるアハモのSIMカードを挿入し、iPhone 14 Proで実際の通信速度を確かめてみました。

アハモの通信品質はドコモのネットワークそのものです。

都心部の5Gミリ波も対応している場所でiPhone 14 Proのスピードテストをしてみたところ・・・

ギリギリですが1Gbpsの通信速度が出ました。規格上はこの4倍以上のスピードが出る可能性もありますが、実効速度としてはこんなところでしょう(通勤時間帯ではないものの、夜でも人が多い駅前で測定)。

1Gbpsのスピードとは、1秒あたり125MBのデータを転送できるスピードです。一般的な動画配信サービスで映画1本分の容量は1~2GB程度ですので、映画の全編ダウンロードも十数秒程度で終わるくらいの速度です。ミリ波には非対応なiPhone14でも実用上で「通信速度が遅い」と感じることはないでしょう。

もしiPhone14のネット速度を「遅い」と感じたのであれば、”iPhoneが悪い”のではなく”契約している会社(ネットワーク・回線)が悪い”と考えるべきです。

特に格安SIMサービス/MVNOではiPhone14の本来のスピードを発揮できない可能性があります。iPhone14の5G通信・高速通信を体験したくて機種変更したのなら、3大キャリアか回線品質が高いサブキャリア(OCNモバイルONE/ワイモバイル/UQモバイル)のいずれかにMNPすることを推奨します。

【キャリア別MNP予約番号発行手順】
他社からドコモへ」/(公式HP)
他社からauへ」/(公式HP)
他社からSoftBankへ」/(公式HP)
他社からワイモバイルへ」/(公式HP)
他社からUQ mobileへ」/(公式HP)
他社から楽天モバイルへ 」/(公式HP)
*転入出元により、予約番号不要の「ワンストップMNP」が利用できる場合があります

[5G実測データあり]iPhone14ミリ波対応モデルは?ドコモ・au・ソフトバンク各社の最大通信速度・スピードテスト