2023年10月1日より改定された楽天モバイルの約款や、iPhoneやスマートフォンの購入申し込みがキャンセルされるルールやパターンを解説します。

楽天モバイルでは最新のiPhone 15 Pro Maxやスマートフォン各種を割引販売していますが、ルールを守らず契約・iPhone購入をしようとすると注文がキャンセルされたり、損害賠償請求が来る可能性があります。


一般的・常識的な利用をしていればトラブルに巻き込まれることは通常ありえないものの、何らかの手違いでルール違反をしてしまわないように、楽天モバイルでの契約・iPhone購入で気をつけるべき重要なポイントを正しく理解しておきましょう。

*以下の解説は2023年10月1日時点のルールに基づいています。契約・販売条件は予告なく変更される可能性があるため、詳しくは各自で公式HPの記載を必ず確認してください。

2023年10月1日の約款変更

まず、2023年10月1日から改定された内容は以下のとおりです。

楽天モバイル通信サービス契約約款:第15条および16条(当社が行う契約の解除等)
9 契約者が、本サービス利用の意志が無いにも関わらず本契約を締結したことにより、当社に損害が生じた場合、当社は、契約者に対して、別途当社が損害相当額として定める金額の支払いを請求することができます。また、本項に該当すると当社が合理的に判断した場合、当社は原則として本サービスの支払い手段として契約者が登録している支払い手段により当該損害金の徴収を行うものとします。

という項目が追加されています(詳細は公式HP参照)。

楽天モバイルでは回線通信やその他サービスの利用意思がない・利用実態がない状態で契約・解約を行うと、それに応じて楽天モバイル側が定める被害相当額を請求することに同意ことが契約に含まれることになりました。

具体的な「被害相当額」が何円なのかは現時点では記載はありません。楽天モバイルを利用無いことによる「被害」を常識的な範疇で想像すると、

・契約申し込み/解約に関わるコスト(システム・サーバー・審査に関わるものなど)
・製品販売に関わるコスト(商品の送料や特別割引/特典に関わるものなど)

などがありそうです。

楽天モバイルでは「ZERO宣言」として回線契約時の事務手数料を無料にしていますが、他社では契約事務手数料として3,850円が掛かるのが一般的です。

他社ではオンライン契約でも手数料が掛かるサービスもあり、システムの構築・保守にも実際にはコストが発生しています。サービス利用意思の無い悪質ユーザーが負担をかけることに対して損害賠償を請求することは(金額の多寡はともかく)考えられなくもありません。

また、楽天モバイルでは回線契約を前提としたたくさんのキャンペーン特典やスマホ割引などもあり、その特典・割引のコストを賠償請求することは過去にも他社ではありました(例えばd社の「端末購入サポート解除金」みたいなタイプ)。

スマホ・iPhoneの大幅割引が適用される契約については、その割引額・特典額相当の請求が発生する可能性があるかもしれません。

iPhone購入・契約がキャンセル/拒否される例

楽天モバイルでは特定の製品に対して購入制限・契約制限が設定される場合があります。

例えば、楽天モバイルでは1ID(1人)あたり同時に最大10回線まで契約が可能です。しかし、以下の注意事項もあります。

ただし、短期解約を繰り返すなど、当社所定の条件に該当する場合には10回線未満の既契約数であったとしてもご契約いただけない場合があります。 ※新規でのご契約ができない、またはお申し込みをキャンセルさせていただく可能性があります。

楽天モバイルでは、短期契約を繰り返す場合に、いわゆる「ブラックリスト」入りする可能性があることを告知しています。公式で書かれている通り短期契約を「繰り返す」ことがトリガーとなる可能性が示唆されているだけであり、通常の利用範囲では短期契約だけを理由にした契約拒否はありません。

また、楽天モバイルでは特定の製品の購入に関して販売上限が設定されているものがあります。

例えば2023年10月1日時点では、iPhoneシリーズに関して以下の条件があります。

・対象機種①(おひとり様1点限り購入可能):iPhone 15 Pro Max、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Plus、iPhone 15
・対象機種②(おひとり様2点まで購入可能):iPhone 14 Pro Max、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Plus、iPhone 14、iPhone 13 Pro Max、iPhone 13 Pro、iPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone SE(第3世代)、販売終了製品 (iPhone 12)、楽天モバイル公式 楽天市場店における訳あり品(外装不良)
・対象製品①を1点、対象製品②を2点、合計3点のご購入は可能です。

楽天モバイルでは楽天モバイルの公式サイト・楽天市場店・店舗でもiPhoneの販売を行っていますが、同一IDで制限対象機種の上限を超えてiPhoneを購入しようとすると、キャンセルされます(同時購入だけでなく、過去の通算で判定)。

さらに、楽天市場の場合はクーポン(割引)の利用回数にも上限があります。

キャンペーンを問わず、過去に1度でもクーポンを使用しiPhoneを購入されたことがある場合、クーポン適用対象外となります。 2度目以降の場合も、クーポンを利用して注文完了できますが、キャンセルとさせていただきますのでご了承ください。

逆に言えば、クーポンを使わなければ(割引前の価格なら)2度め以降の購入ができる機種もあります。

もし自分用と家族用のiPhoneを楽天モバイルから購入したいと考える場合には、家族分もまとめて同一IDで買うのではなく、各個人でIDを作成して購入する/楽天モバイル以外のSIMフリーiPhone販売店から端末だけ購入するなど、上限に引っかからないよう対策を行う必要があります。

ルールを守っている限りは楽天モバイルから損害賠償請求や契約拒否をされることは無いはずですので、おトクに契約できるチャンスを上手く活かしてスマホ代を節約しましょう。

2023年10月1日~楽天モバイル 利用意思のない契約に損害相当額請求の可能性-キャンセルされる条件など