NTTドコモより発売中の2020年モデルスマートフォン シャープ AQUOS zero2(SH-01M)のカメラ性能を実機で試し撮り&他機種との画質や機能の比較を行ってみます。

AQUOS zero2 SH-01Mは2020年3月31日までの「機種変更 SPECIAL割引」の対象となっており、発売されたばかりのハイエンドモデルとしては安く機種変更が可能です(割引は期間限定で実施される見込みです)

ドコモでは初の「zero」シリーズ取り扱いとなったSH-01Mには、背面に2個のレンズ・デュアルカメラが搭載されています。今どきのスマートフォンではカメラレンズが3個や4個くらい付いていることも当たり前の時代となっており、「デュアルカメラ」なAQUOS zero2は、はっきり言って「カメラ機能特化」の他社スマホにカメラ性能ではやや魅力に欠けるところでしょう。

AQUOS zero2は「軽さに特化したスマホ」であるがゆえ、たくさんのカメラレンズやセンサーパーツを内蔵することがコンセプトに反してしまいます。

AQUOS zero2を購入検討する際に「最高のカメラ性能」を求めるユーザーは少ないと思われますが、とはいえ、やはり昨今では「デジカメ並にきれいな写真が撮れる」ことがハイエンドモデルでは当たり前ですので、AQUOS zero2もある程度の水準のカメラ性能を期待したいところです。

そこで今回は同じくシャープから発売中の2019年モデル・格安スマホの AQUOS sense3 (SH-02M)を比較対象にして、格安スマホとハイエンドなAQUOS zero2には明確にクオリティに違いがあることをチェックしていきます。


(左 AQUOS zero2, 右 AQUOS sense3)

この2機種はドコモでは2019年冬~2020年春モデルとして同時に発表された機種であり、どちらも「デュアルカメラ」を搭載しています。しかし以下のカメラテストで示すように、そのカメラ性能にはかなりの開きがあります。

AQUOS zero2 SH-01Mに比べて本体価格が半額以下であるAQUOS sense3 SH-02Mに性能の差があるのは当たり前ですが、価格とカメラ性能のバランスを重視したい方は、良くカメラの仕様・クオリティを見比べて選ぶことをオススメします。

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SH-01M/02Mのカメラスペック比較

まずは実際の写真作例を見る前に、根本的なAQUOS zero2とAQUOS sense3のカメラの機能的な違いを比べておきましょう。

カメラレンズ AQUOS zero2
SH-01M
AQUOS sense3
SH-02M
標準カメラ 1220万画素
F値 1.7
センサーサイズ 1/2.5″
1200万画素
F値 2.0
センサーサイズ 1/2.8″
望遠カメラ 非搭載 非搭載
広角カメラ 2010万画素
F値 2.4
センサーサイズ 1/2.7″
(125°相当)
1200万画素
F値 2.4
センサーサイズ 1/2.8″
(121°相当)

AQUOS zero2もAQUOS sense3も「標準カメラ」+「広角カメラ」という2種類のカメラが搭載されていますが、それぞれのカメラのパーツは全く異なります。

標準カメラの画素数こそ1220万画素と1200万画素という近い数字となっているものの、センサーサイズ・カメラの明るさはAQUOS zero2のほうが優れたユニットが採用されているため、zero2のほうが暗い場所でキレイに写真が撮れます。

また広角レンズについても、よりパノラマに撮れる(同じ場所にスマホを設置した場合、より広いエリアが1枚の写真に入る)のはAQUOS zero2です。

このカメラの仕様の違いがはっきりと分かる例をいくつか撮影してみました。

AQUOS zero2の標準・広角レンズの画角と画質

まず、AQUOS zero2に搭載されている2個のカメラの役割の違いをチェックしてみましょう。

上記は標準カメラにて撮影した写真です(ウェブサイト用に写真サイズは小さく圧縮してあります。ここでは「画質」ではなく「どのように写っているか」に注目してください)。

ここで、スマホ・撮影サンプルを動かさず、カメラを広角モードに切り替えてみると、以下のように画面が変わります。

標準カメラに比べて、上下左右の広いエリアが映り込む写真を撮ることが出来るのがAQUOS zero2の超広角カメラです。

AQUOS zero2の広角カメラを使うと、上記の背景に写っているマス目を見れば分かるように、中央から離れる位置ほど歪みが生じます(魚眼レンズのように周囲が曲がる)。これは一般的な広角レンズを搭載したスマホと同じですが、他社製品ではこの歪みを自動で補正する機能を持っているスマホもあるのですけれど、AQUOS zero2には自動補正設定などは無いようです(2020年3月時点のソフトウェアバージョン時)。

超広角レンズの仕組み上、このような歪みはスマホでも通常のデジカメでも生じるものです。この広角レンズ独特の歪みを生かした撮影を楽しむべきところですので「歪みがあるから良い/悪い」という評価はありません。ただ、撮影後に別途ソフトウェアなどで写真を補正することは出来るかもしれませんが「歪みがない写真がすぐに欲しい」という人にはAQUOS zero2は向かないかもしれません。

ここで「標準カメラと広角レンズの画質の差」について、以下のような違いもあります。

(画像をタップすると拡大出来ます)

上記は、前出の広角・標準カメラで撮影した写真から、中央近くの一部を切り抜いて拡大比較したものです。ひと目で分かると思いますが、同じ距離で撮影して同じ撮影対象を比べる場合は標準カメラのほうが広角カメラよりも画質が圧倒的にキレイです。

画素数としては標準カメラが1220万画素・広角カメラが2010万画素となっていて、広角カメラのほうが画素数が多い分だけ微細な部分まで撮れるようにも感じるところですが、広角モードにすると「同じ撮影対象の画質」は標準カメラより大きく劣ります。

広角レンズは風景をダイナミックに写す・広角レンズの歪みを生かした印象的な写真を撮る・標準カメラでは入りきらない(撮影対象から離れて撮ることが出来ない)パノラマ的な写真を撮れるという利点がありますが、画質がすごく良いわけではないため、うまく使い分けを行いましょう。

AQUOS zero2の夜景・暗所撮影に対するカメラ性能

昨今のスマホカメラでは、「夜景モード」として、夜景やライトアップをものすごくキレイに撮れるスマホが増えています。

AQUOS zero2 SH-01Mの場合、他社の「夜景モード」のような夜景専用の画像処理を行う機能はありません(2020年3月時点)。ただ、それでも古いスマホ・格安スマホと比べるとカメラ自体の性能が高いため、暗い場所でも明るめに撮影が出来ます。

上記は非常に暗い場所で、AQUOS zero2(左)とAQUOS sense3(右)のオートモードで撮影した写真の比較です。sense3ではぼんやりとしか映らないおもちゃのドアが、AQUOS zero2ならくっきりと分かるまでに明るく撮影出来ています。

オートモードではなくマニュアル設定を行うことにより、シャッタースピードを調整することで、もっと明るく撮影することも出来ます。

SH-01Mのシャッタースピードの範囲は1/50k(0.00002秒)から最大5秒まで選ぶことが出来ます。長いシャッタースピードを選択する場合には手ブレが起きやすくなるため、三脚が必要になります。

オートモード同士でAQUOS sense3と比較した場合には明るい写真が撮れるAQUOS zero2ですが、やはり他社の「夜景モード」を搭載した機種には劣ります。

先程のAQUOS zero2/sense3で撮影した暗所サンプルを、iPhone 11 Proの夜景モードで撮影すると以下のようになります。

AQUOS zero2では比較的明るい色であったミニチュアハウスの扉の枠が分かる程度でしたが、iPhone 11 Proならフラッシュを付けたかのように明るい写真をライト無し・三脚無しで撮れるのです。

AQUOS zero2の場合はカメラモードに「おすすめプラス-残像」というモードがあり、これを使うと若干夜景もキレイに撮れるようになりますが、シャッタースピードを伸ばすことになるため長い残像を撮るにはやはり三脚が必要になります。

一般的な夜景・ライトアップを撮る程度であればAQUOS zero2でも十分にきれいな写真が撮れます。しかし、極端に暗い場所で驚くような明るい写真を撮りたいのなら、iPhone 11 ProやP30 Pro(HW-02L)、Google Pixelシリーズのスマホなどを選んだほうが良いでしょう。

ドコモのAQUOS zero2は機種変更でも結構安い

ドコモのAQUOS zero2 SH-01Mと同等の性能をもつ機種は他社でも発売されています。au版は「SHV47」、SIMフリーモデルは「SH-M13」、ソフトバンクでも取り扱いがあります。

2020年3月19日時点において機種変更でもっとも安くAQUOS zero2が買えるのはドコモです(公式の割引・キャンペーンのみを考慮した場合)。

キャリア 購入負担額
ドコモ版 SH-01M 通常価格87,912円
– SPECIAL割引19,800円引き
→ 機種変価格 68,112円
au版 SHV47 機種変価格 82,100円
SB版 機種変価格 95,040円
SIMフリー版 ビックカメラ価格 115,170円
10%ポイント還元
→実質負担 103,653円

(*2020年3月19日時点、各税込み。クーポンやその他キャンペーン割引を使う場合には価格が異なることがあります)

もともとの定価自体はドコモも他社も似たような水準での提供となっていましたが、2020年3月18日の機種変更向け値引き「SPECIAL割引」が追加されたことにより、発売直後のハイエンド機種としては異例の安さで機種変更が出来るようになりました。

☆「NTTドコモ AQUOS zero2 SH-01Mの価格・スペックをみる

SPECIAL割引第二弾(19800円引き)は2020年3月31日までの限定となっていますので、SH-01Mへ機種変更希望の方はお早めにどうぞ。

他社の場合は新規・MNP向けであれば割引価格でAQUOS zero2を購入できるチャンスはあります。

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