2021年6月発売予定のSonyスマートフォン Xperia 10 III(エクスペリア テン・マークスリー) /型番 au向けSOG04、ドコモ向け SO-52B(ASO08899/ASO08860/ASO08873/ASO08857/ASO08886)と、旧モデル Xperia 10 IIの違い・比較・レビューと評価をお届けします(発売日・公式価格情報を追加しました)。


(Xperia 10 III実機)

2021年モデルのXperiaはついに低価格モデル Xperia 10 IIIも5G対応となりました。

最新のXperia 10 IIIはただ最大の通信速度がアップしただけでなく、処理性能やバッテリー容量も大幅アップしています(詳細は後述)。

一方では、これまで4Gプランを利用してきたユーザーが機種変更をして5G通信を使いたい場合には料金プランの変更が必要となります。

現在受け付けが終わっている4Gプランから5G対応プランに変更すると、旧体系の料金プランに戻すことが出来なくなります。

今回Xperia 10 IIIへの機種変更で初めて5Gスマホ/5Gプランを契約してみようと考えている場合は、新型のXperia 10 IIIを購入すべきか、4Gスマホである型落ちのXperia 10 IIをあえて選ぶべきか、しっかりと検討をすることを推奨します。

Xperia 10 IIIとXperia 10 IIのサイズ・大きさ違い

項目 Xperia 10 III Xperia 10 II
ディスプレイ 6.0インチ 6.0インチ
縦幅 154mm 157mm
横幅 68mm 69mm
厚み 8.3mm 8.2mm
重量 169グラム 151グラム

Xperia 10 IIIとXperia 10 IIのボディは、若干の数値差はありますが似たような大きさです。

ディスプレイは全く同じ 6.0インチの有機ELトリルミナスディスプレイ(フルHD+)です。わずかに縦・横のフレームが細くなっていますが、手で持った感触はぼぼ同じと考えて良いでしょう。

指紋認証センサーはどちらも本体の右横にある電源ボタンに内蔵されています。

ただし、本体の重量はXperia 10 IIIのほうが18グラムも重くなっています。このXperia 10 IIIの密度が高くなった原因は、電池容量の増大にあります。

大幅にアップしたXperia 10 IIIの電池容量

本体のボディサイズはほとんど変わらないXperia 10 IIIが旧モデルより重くなった理由は、内蔵されたバッテリーの容量が大きくなっているためです。

Xperia 10 IIの電池容量は3600mAhであったのに対して、Xperia 10 IIIの電池は4,500mAhです。

この容量は従来のXperiaシリーズの電池に比べて最も大きなものです(旧世代のXperia 5は3140mAh、Xperia 1は3330mAhでした)。

Xperia 10 IIに比べて動画再生可能時間は25%アップ(約16時間→20時間)しています。従来のXperiaよりも劣化しづらいバッテリー充電技術が使われており、長く使うことを前提とした仕様になっています。

ただし、5G通信エリアで待受・利用する場合には4Gエリア利用時よりも電池消耗が早くなるため「スタンバイ可能時間」は4500mAhという容量から感じられるものより短くなる可能性があります。

Xperia 10 IIIの処理性能(Snapdragon 690)

Xperia 10 IIIは5G通信に対応したチップセット Snapdragon 690 5Gを搭載しています。

このSoCはミドルレンジ向けのパーツであるため、2021年モデルの最高峰CPU Snapdragon 888搭載モデルと比べてしまうと処理性能は劣るものの、旧型のXperia 10 IIよりも随分と性能がアップしています。

Xperia 10 IIに使われていたSoC Qualcomm Snapdragon 665に比べて、Xperia 10 IIIのSDM690ではCPU/GPU性能ともにアップしています。

Antutuベンチマークで言えばXperia 10 IIは約18万点(ver8系、当サイトの実測値)であるのに対し、Xperia 10 IIIはAntutuスコアは約27万点前後になる見込みです。

Xperia 10 IIでは3Dアニメーションが多用されたゲームアプリの処理にややモタツキが出る場面もありましたので、Xperia 10 IIIではよりスムーズな動作が期待出来ます(実際のアプリの動作状況はアプリとシステムの相性の問題もあるため、一律ではありません)。

ただし、前述の通り2021年夏ハイエンドモデルと比べるとXperia 10 IIIの性能は半分以下の処理スピードであるため、ゲーム目的でサクサクと動くスマホを期待する場合は最上位機種 Xperia 1 IIIの購入をオススメします。

Xperia 10 IIIとXperia 10 IIカメラの違い

カメラの仕様 Xperia 10 III Xperia 10 II
超広角 800万画素
F 2.2
1/4.0″
16mm相当
800万画素
F 2.2
1/4.0″
16mm相当
広角 1200万画素
F 1.8
1/2.8″
27mm相当
1200万画素
F 2.0
1/2.8″
26mm相当
望遠 800万画素
F 2.4
1/4.0″
54mm相当
800万画素
F 2.4
1/4.0″
52mm相当

Xperia 10 IIとXperia 10 IIIはどちらも超広角・広角・望遠レンズというトリプルカメラ仕様です。

各カメラともにセンサー・画素数は変わっていません。しかしメイン(広角)カメラではF値が1.8へ変更され、より明るい写真(おもに夜景撮影などに効果)が撮れるようになっています。

(Xperia 10 IIで実際に撮影した写真)

Xperia 10 II/Xperia 10 IIIは、夜景モードに対応しています(旧型にあった低照度モードではなく、夜景専用のモードがあります)。他社のカメラ性能が非常に高い機種に比べるとXperia 10 IIの夜景モードはまだまだ低品質でしたが、Xperia 10 IIIでは明るいレンズになった分だけ品質の向上が期待出来ます。

Xperiaの夜景モードは「強引に暗い場所を明るく撮影する」というより、明るい光を白飛びさせず、暗い場所を明るめに調整する機能が強く、他社の夜景モードを搭載したスマホより自然な夜景撮影が可能となっています。

ズーム性能に関しては光学2倍相当であり画素数・センサーサイズとも小さいため、価格相応のレベルです。他社の光学5倍・10倍レンズ、大型センサーを使ったスマホとは勝負にならないでしょう。

Xperia 10 IIIとXperia 10 II通信速度の差

5Gに対応したXperia 10 IIIと、4GまでのXperia 10 IIでは最大通信速度には大きな差があります。

Xperia 10 III
docomo SO-52B
受信最大 2.1Gbps/送信 218Mbps
Xperia 10 II
docomo SO-41A
受信最大 500Mbps/送信 75Mbps
Xperia 10 III
au SOG04
受信最大 2.1Gbps/送信 218Mbps
Xperia 10 II
au SOV43
受信最大 479Mbps/送信 75Mbps

5Gエリアでの最大受信速度は、Xperia 10 IIに比べて約4倍にアップします(最大速度は通信エリア・規格・通信状況によって異なります)。

2021年春時点ではまだ5Gエリアで使える場所は限定的であるものの、2年後・3年後には5Gで使えるエリアがかなり広がっているはずですから、5G対応スマホを買うタイミングだと感じたのなら、Xperai 10 IIIをこの機会に手に入れるのも良いでしょう。

逆に、「まだ5Gなんて必要ない/居所地が5G圏内になるのは暫く先だろう」と感じる場合には、5G通信をオンにしておくと電池消費が増えるため、初めから4GだけのXperia 10 IIやその他4Gスマホを今は使っておくという選択肢もあります(通信設定によりXperia 10 IIIも4G優先にすることが可能なはずです)。

Xperia 10IIIの基本対応サービス

以下、Xperia 10 IIIの主要な基本使用・サービスをピックアップしています。

OS Android 11
CPU Snapdragon 690 5G
RAM 6GB
ROM 128GB
外部ストレージ micro SDXC 最大1TB
防水/防塵 対応 IPX5/IPX8, IP6X
おサイフケータイ 対応
3.5mmオーディオジャック 対応
ワンセグ/フルセグ 非対応
ワイヤレス充電 非対応

*Xperia 10 IIIの対応サービス・仕様の詳細は各公式サイトを参照ください。

☆「ドコモ版 Xperia 10 IIIの実機レビューはこちら

Xperia 10 IIIと10IIの価格差

国内のXperia10III 発売日は2021年6月18日です。

キャリア/モデル Xperia 10 III Xperia 10 II
ドコモ SO-52B
51,480
SO-41A
41,976 円
au SOG04
53,985円
SOV43
43,945円

(2021年6月14日時点の定価)

Xperia 10 IIIは旧モデルよりスペックアップしているため、販売価格はXperia 10 IIよりも数万円程度高くなる可能性があります(予想価格は5~6万円台程度)。一方で、同じSnapdragon 690Gを搭載したシャープの人気スマホ AQUOS sense 5Gは3万円台を実現しているため、ソニーがこれに対抗する価格設定をして4~5万円程度で出して欲しいところです。

Xperia 10 IIに比べて処理性能・電池容量が大きくアップ、RAM/ROMも増えていますので4万円以下を期待するのは難しいラインでした。

Xperiaの低価格スマホとしてはドコモの人気格安機種となっている Xperia Ace2があります。

Xperia 10IIIに比べて半額以下で買えるXperia Ace2という選択肢がありますので、5Gやカメラ性能にこだわらないのならSO-41Bがお手軽な機種変更候補となります。

関連記事:[実機レビュー]2万円の格安スマホXperiaAce2を買って感じたデメリット・欠点・弱点を評価

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2021年夏モデルXperia10III(SOG04)とXperia 10II違い サイズと性能・カメラ・価格比較

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