docomoとauから2016年夏モデルとして発売されて人気となったGalaxy S7 edge(docomoモデル SC-02H, auモデル SCV33)と2017年モデルの最新Apple端末 iPhone 8  Plusは同じディスプレイサイズ(5.5インチ)です。

Galaxy S7 edgeは1年以上前のモデルになるため、気の早い人はそろそろ買い換えを考えているかもしれません。また、中古で買うのなら比較的安く購入することも出来るため、新しいiPhoneと型落ちしてお買い得度のあるGalaxy S7 edgeで購入を迷っている人向けに、それぞれの特長と大きく異る点をチェックしてみましょう。

2016年時点での5.5インチモデル比較もあります →  5.5インチ新ライバル iPhone7 Plus,Galaxy S7 edge, Xperia Z5Pのスペック・機種変価格比較

iPhone8 PlusとGalaxy S7 edgeスペック比較

まずはデータ上の比較をしましょう(docomoモデルの場合)。

項目 iPhone8 Plus
Galaxy S7 edge SC-02H
公式ページ 公式サイトで見る 公式サイトで見る
定価 100,440円 93,960円
実質価格  43,632円 一括15,552円
画面 5.5インチ
Retina HD
(1080×1920 px)
5.5インチ
SuperAMOLED
(1440×2560 px)
高さ 158.4 mm 151 mm
78.1 mm 73 mm
厚さ 7.5 mm 7.7 mm
重さ 202 g 158 g
ワイヤレス充電
CPU A11 Bionic MSM8996
RAM/ROM 3GB/64GB
(256GB)
4GB/32GB
防水/防塵 IP67 IPX5/IPX8 IP6X
カメラ 12メガ
f/1.8,2.4
デュアルピクセル
1220万画素 f/1.7
テレビ 非対応 フルセグ対応

*auモデルのSCV33はすでに公式サイト「au Online shop」では販売が終わっているため、データはドコモモデルを基準にしています。より詳しいデータは各公式サイトを参照ください。

デザイン・大きさ比較

iPhone 8 PlusとGalaxy S7 edgeはどちらも画面サイズは5.5インチであるため、ディスプレイの表示面積は似ていますが、手に持った感触はかなり異なります。

iPhone 8/8 Plusでは従来モデルから背面パネル素材がガラスに変更され、艶があり滑らかな手触り・見た目になりました。Galaxy S7 edgeも同じくフレームがメタル素材・背面がガラスパネルになっています。

どちらもハイエンドモデルらしく高級感のあるデザインはとても綺麗です。特にiPhone 8 Plusでは従来モデルのゴールドカラーとはガラっと印象が変わりました。

iPhone 8 PlusはRetina HDディスプレイ、フルHD相当の解像度1080×1920ピクセルであるのに対し、Galaxy S7 edgeは有機EL 2K解像度 1440×2560 ピクセルです。解像度的にはGalaxyの方が上ですが、どちらも十分に綺麗です。

ディスプレイのサイズは同じですが、Galaxy S7 edgeではディスプレイパネルの隅を湾曲させることで表示サイズを大きくしたまま横幅を狭くしています。そのため他の同じ画面サイズのスマホに比べて小さめであり、持ち易いことが大きな特長となっています。

Galaxy S7 edgeはiPhone 8 Plusに比べて横幅が約5mm, 高さは約7mm小さく、持ち心地は大きく異なります。

2台を重ね合わせるとこのように、明らかにサイズが違うことが判ります。本体の重量もiPhoneに比べて22%も軽く、Galaxy S7 edgeの大画面さを感じさせないサイズ感が人気の理由にもなっていたのでしょう。


iPhoneのディスプレイパネルもエッジ部分は2.5Dガラス仕様になっており、角が丸くなっています。Galaxy S7 edgeは左右両方が「Edge」デザインによりヌルっと曲がったガラスは特徴的です。

iPhone 8 PlusもGalaxy S7 edgeもディスプレイ下にホームボタン・本体下部にスピーカー・接続端子があるのは同じですが、iPhoneでは7シリーズから3.5mmイヤホンジャックが廃止されています。今は「Air Pods」のようなワイヤレスイヤホン/ヘッドホンを使うか、Lightning-3.5mm変換アダプタなどを使う方法になりました。ワイヤレス機器を持っていない場合はイヤホンジャックがあった方が便利なような気もします。

iPhoneではLightning(ライトニング), Galaxy S7 edgeはmicro USBのインターフェイスという違いがあります。2017年のスマホでは表裏のないType-C USBのインターフェイスを採用するスマホも多いため、異なるケーブルタイプの機種から買い換える場合は注意が必要です。

本体の厚みはどちらも薄型。iPhone 8 Plusの方が0.2mm薄くなっていますが、管理人の場合はどちらの機種にも全画面タイプのガラスフィルムを装着しているため、差は感じられません。

カメラレンズ部分はiPhoneもGalaxyも少し出っ張っています。保護ケース・ジャケットに入れている場合は問題ありませんが、裸の状態で平置きすると傷が付かないかちょっと心配になります(硬質で傷のつきにくいカメラレンズが使われていますが、傷が絶対につかないわけではありません)。

iPhone 8 Plusは歴代の5.5インチiPhoneの中でも重く、ずっしりとした感じがあります。軽量でコンパクトなスマホが好みな人には、ちょっとオススメ出来ないレベルです。この点においてはGalaxy S7 edgeの軽量さ・持ちやすいデザインは大きなアドバンテージだと感じました。


カメラの撮影時やライト代わりになるフラッシュはiPhone 8 Plusの方が広角に光が散乱される印象です。

処理性能の違い

Galaxy S7 edgeにはSnapdragon 820という2016年モデルの最高峰チップが使われましたが、iPhone 8 Plusにはさらに高速処理が出来る A11 Bionicチップが採用されました。RAM容量はGalaxyの方が上ですが、ベンチマークテストアプリで測定される総合スコアはiPhone 8 Plusは史上最強レベルとなっています。

   Ver6.3 iPhone 8
Plus
Galaxy
S7 edge
iPhone7
(2016)
トータルスコア  218727 148678 160377
3D トータル 76290 59808 43749
3D Garden 36163 23419 16403
3D Marooned 40127 36389 27346
UX  トータル 73685 47956 51241
Data Secure 9583 8733 8503
Process 16434 5260 10392
Strategy Games 26372 8809 22849
Image Process 6532 21194 4804
I/O Performance 14764 3960 4693
 CPU  トータル 53840 31141 52665
 Mathematics 16437  12173 20328
 Common Use 18767  8676 18098
 Multi-Core 18636  10292 14239
 RAM   14912 9768 12722

*iOSとAndroid用のアプリで全く同じ評価をしているかどうかは不明なので、ベンチマークスコアはあくまでお遊びレベルの参考程度にするのが良いでしょう。

iPhone 8 PlusではAR(拡張現実、Augmented Realityの略)アプリに対応させるために最適化が図られた最新のA11チップが使われており、2016年モデルのiPhone7/7 Plusに比べて処理速度が25%アップ・GPUは30%アップしたということです。ベンチマークテストの結果でもちょうど3割くらいスコアがアップしていますね。

ただし、Galaxy S7 edgeでもiPhone7でもすでにどんなアプリでも十分にスムーズに、高速に処理出来るだけの性能となっていると思います。ベンチマークテストの結果では確かにiPhone8 Plusの数値はずば抜けていますが、その差を実体感する機会に遭遇することはなさそうです。

カメラの比較

iPhone 8 PlusとGalaxy S7 edgeのカメラは、甲乙付けがたいレベルでどちらもスマホカメラとしては抜群に高品質だと言えるでしょう。ただし、この2機種には機能面で大きな違いもあり、撮影状況によって画質に差が見られる例を紹介しましょう。

まずGalaxy S7 edgeのカメラについて、この機種のメインカメラは2016年当時「一眼レフカメラのデュアルピクセル技術を初めてスマホに搭載した機種」として、従来のスマホ機種を超える高画質な写真が撮れるモデルとして人気になりました。

実際にGalaxy S7 edgeで管理人が撮影してみたところでも、特に暗い環境や夜景・ライトアップシーンで他機種よりも綺麗な仕上がりになるという印象があります。

上記はライトアップされた機関車をGalaxy S7 edgeで撮影したものです(クリックすると大きなサイズで見ることが出来ます)。手持ちでのオート撮影でここまで綺麗に撮れるのかと思ったものです。オートフォーカスが速く、そして暗い状況でも強いのがGalaxy S7 edge以降のハイエンドモデルの特長になっています。

一方で、iPhone 8 Plusではメインカメラが2つのレンズで構成されており、1つは広角(広い範囲を写すことが出来る)レンズと、もう一方は望遠(ズーム用)レンズがついており、光学2倍相当のズームが出来るようになりました。

iPhone 8 Plusのズーム作例については以下の記事を参照ください。

☆「[レビュー]iPhone8 Plusの光学2倍ズームの画質は綺麗か?30倍ズームのコンデジとカメラ対決

また、iPhone 7 Plusからの進化点としてはカメラセンサーに新しくソニーのメモリ積層型イメージセンサーを使っているということです(センサーに関する情報は公式で発表されたものではありません)。

ここからはiPhone 8 PlusとGalaxy S7 edgeで実際に同じ被写体を撮影したものを見ていただきましょう。

*以下の画像はクリックすると拡大出来ます。データ容量が大きめですので、モバイル回線でご覧になる場合はパケット通信容量の消費量に注意してください。

作例 iPhone Galaxy
照明付きの
標準状態
照明オフ
低照度
2倍ズーム *光学ズーム *デジタルズーム

*画像は一部トリミングをしていますが、色合い・スムージングなどの加工処理は行っていません。iPhoneはスクエア・Galaxyはオートモードで設定をいじらず撮影しました。

スマホを同じ距離に置いて撮影しています。iPhoneの方が標準状態でも少し大きく写ります(35mm換算でiPhone 8 Plusは38mm, Galaxy S7 edgeは26mm)。

写真の色合いの違いは好みの問題もありますが、Galaxy S7 edgeではやや青味がかった色合いになりました。

照明を消して暗い環境で撮影した場合、画像を拡大するとiPhoneもGalaxyもかなりのノイズが見られるものの、スマホ画面のサイズで見ている場合には実用レベルです(写真はそこそこ明るく見えますが、実際には照明を消すだけでなく遮光カーテンを引いてかなり暗い状況にしています)。

ここで、Galaxy S7 edgeに「プロ」モードという、細かい撮影設定を変えることが出来る機能が付いていますので、暗所撮影用にカスタマイズして撮ってみたものが以下となります。

拡大しないと違いは判らないと思いますが、シャッタースピードを4秒まで伸ばすことでノイズが大きく軽減されています。

Galaxy S7 edge, iPhone 8 Plus, そしてプロモード状態でのGalaxy S7 edgeの3つの写真を拡大して見比べてみましょう。

オートモード状態での比較ではややiPhone 8 Plusの方がノイズが目立つようです。葉っぱの白い部分の輪郭がGalaxyでははっきりと滑らか。iPhone 8 Plusの広角レンズもf 1.8の明るいレンズではありますが、Galaxy S7 edgeは本当に暗い環境に強いと改めて感じました。

プロモードを設定した写真ではもう全くレベルが違う鮮明さになっているのが判るはずです。

iPhone 8 Plusでは、暗い環境で動いている被写体を撮影するのはかなり厳しいです。

水族館で高速で泳ぎ回るペンギンを狙ってみたのですが、水面や背景は綺麗に写し取れているものの、上に居る元気の良いペンギンはブレてしまっています。上記はたくさん撮影した中でもそこそこ上手く撮れたほうなのです(´∀`;) この時の設定はISO-100, 露出時間は1/9秒となっています。

水族館で生き物を撮る場合、一眼レフで撮るなら1/100秒~くらいの設定が必要でしょう。暗い環境での撮影に比較的強いiPhone 8 Plusでも、水族館で失敗なく撮影するのは非常に困難なレベルです。スマホカメラとしては十分ですが、過剰な期待はしないほうが良いでしょう。

でも、動きの遅い金魚ならこんなに綺麗に撮れます。

iPhoneには標準カメラではこのような細かな調整をすることが出来ないため、こだわり派の人にはGalaxyの方がいろんなシーンに対応することが出来る高機能性を魅力的に感じるのではないでしょうか。

ただ、今回のプロモードではスタンドで固定して撮影しているからこそ4秒間の長いシャッタースピードを確保出来るのであて、手持ち撮影では絶対にこのような綺麗な写真は撮れず、ブレブレの写真になってしまうはずです。iPhoneは難しいことを考えずに簡単に綺麗な写真を撮る(しかもデータサイズが小さめ)ことが出来るのは間違いないので、Galaxy S7 edgeとiPhone 8 Plusで圧倒的にどちらかが優れている、と断定できるほどの差があるとも思えませんでした。

個人的な感想で言えば、

・iPhone 8 Plusのズーム機能は2倍でも便利
・暗い環境ではGalaxyの方が若干綺麗に撮れる
・Galaxyはプロモードでいろんな設定で遊べる
・iPhone 8 Plusでは「ポートレートライティング」で遊べる

このような機能面・性能面での特徴がそれぞれにあるので、どの点を自分が重視するのか考えて選ぶのが良いでしょう。

また、今回はGalaxy S7 edgeを使いましたが、2017年秋・冬モデルとなるGalaxy Note 8では、iPhone 8 Plusと同じく望遠レンズカメラが追加されていますので、Note8ではさらに楽しく綺麗なカメラ撮影体験が出来るようになりました。お値段はかなり高めですが、こだわり派の人はGalaxy note 8も検討してみるべきでしょう。

☆「au Galaxy’s比較 Note8(SCV37)/8(SCV36)/8+(SCV35) スペックと価格一覧

ホームボタンの違い

iPhone8/8 Plus, Galaxy S7 edgeはディスプレイの下にホームボタンが配置されている点は同じですが、機能・仕組みにも少し違いがあります。


iPhone Xではホームボタンが無くなるという新しいデザインになりますが、iPhone8/8 Plusは従来通りディスプレイの下にボタンがあり、変わらない使い勝手の良さを維持しています。

iPhoneでは7/7 Plusからホームボタンを物理的に押し込むのではなく、TapTicエンジンを内蔵した感圧式の擬似クリックを行うことになります。物理ボタンではなくなったことでボタンに隙間がなくなり、故障率が減りそうです。iPhone7を購入した直後は不思議な感覚でしたが,慣れてしまえば快適に使えます。

一方、Galaxy S7 edgeのホームボタンは普通の物理式ボタンです。バック・メニューキーもディスプレイの中ではなくタッチ式で画面外にあるため、広い表示領域が確保されています。

なお、Galaxyシリーズの新型ハイエンドモデル Galaxy S8/ S8+/ Note 8からはこの前面ホームボタンがなくなり、背面に移動しました。

前面の物理ボタンが使いたいという人はあえてGalaxy S7 edgeを選ぶという選択肢もありかもしれません。

両機種ともワイヤレス充電対応

2017年モデルのiPhone8/8 Plus/Xでは新しくワイヤレス充電(Qi)に対応しました。

ワイヤレス充電の規格はiPhoneでもAndroidスマホでも同じであるため、Galaxy S7 edge用に買ったつもりの充電器(レビュー:GalaxyS8/S8+が急速充電出来る純正ワイヤレス充電器 EP-PG950を安く買う方法)で充電が出来ています。

前項ではLightningケーブルとmicro USBによる接続の違いについても触れましたが、Qi対応のワイヤレス充電器を持っていれば、ポンっとおくだけで充電が出来て快適です。

ワイヤレス充電器はたくさんのアクセサリーメーカーから発売されており、それほど価格も高くない製品もありますのでiPhone8シリーズやGalaxyスマホ(ドコモ Galaxy Feelはワイヤレス充電非対応です)を買ったらぜひ試してみましょう。

まとめ

iPhoneとGalaxyスマホではOSが違うため、システム面での使い勝手はかなり異なります。細かな違いを挙げ始めたらキリが無いほどに違いがありますが、機能面で似ている部分もあります。

2機種の価格相場としては、管理人が購入した時点でiPhone 8 Plus 64GB SIMフリーモデルが9万7千円であるのに対し、Galaxy S7 edge SCV33を3万円ほどで買っています。

Galaxy S7 edgeは2016年モデルであり、現在はGalaxy S8/S8+が後継機種としてiPhone8/8 Plusの直接のライバルということになるわけですが、型落ちしたS7 edgeもまだまだハイスペックと言って差し支えない高性能さを誇っています。

もうGalaxy S7 edgeを新規で購入することは在庫が少なくなってきているため難しいかもしれませんが、中古白ロムならまだまだ綺麗な状態の在庫がありますので、値段重視ならGalaxy S7 egdeもオススメ出来ます。

Galaxy S7 edgeの中古を安く買いたい場合、ゲオモバイルの通販サイトで良くキャンペーンをやっていますのでオススメです。

☆「ゲオモバイル Galaxy S7 edge在庫一覧

iPhone8/8 Plusの各キャリアの販売情報は下記ページを参照ください。

5.5インチ大画面スマホ iPhone8 PlusとGalaxy S7 edgeを実機比較 カメラや処理性能の違い

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