2018年11月30日より発売開始となっている完全ワイヤレスイヤホン GLIDiC(グライディック)の最上位モデル TW-7000がd払いのキャンペーンで安く買えたため、旧モデルのTW-5000から乗り換えてみました。
TW-7000はTW-5000に比べて、本体単体での連続利用時間が約3倍に伸びています。
旧モデルのTW-5000は、1万円以下の低価格帯の完全ワイヤレスイヤホンとしてはそれなりの性能を持っていて、コスパには優れるものの電池の持ち時間が短いという欠点がありました(これは初期の完全ワイヤレス製品・安物に共通の弱点です)。
関連記事:カナル型完全ワイヤレスイヤホンGLIDiC Sound Air TW-5000/5000s/TW-7000レビュー 利用可能時間と装着感
旧機種TW-5000では、1回の充電(本体のみによる再生)では音楽連続再生は最大でも3時間~3.5時間程度でした。これでも多くの完全ワイヤレスイヤホンと大差がない、一般的な水準ではあるのですが、2018-2019年の新製品では新しい接続技術により1回の充電で2倍・3倍の連続可動が出来るワイヤレスイヤホンが出てきています。
参照:[2019年4月版]完全ワイヤレスイヤホン 1回の充電で長持ちするイヤホンランキング
上記のランキングでもトップランク(2019年4月調査時点)となっている最大10時間再生可能なMAVIN Air-Xをすでに購入して使っていたのですが、この機種は管理人の所有する特定のPCのWi-Fiと干渉してしまう(設定をいろいろ変更しても改善できなかった。事象が発生するのは1台のPCのみで、その他のPCやスマホでは発生しない)ため、PCで使う用の電池が長持ちな完全ワイヤレス機種を求めて、追加購入することにしたのでした。
TW-7000はグライディックの完全ワイヤレスイヤホン製品の中では最上位(定価14,990円)とされていますが、価格的にはMAVIN Air-Xのほうがさらに上(定価19950円)であるため、旧機種および最新機種の上位モデルと比べてTW-7000の良いところ・悪いところ、気に入らないところ・使い勝手が悪いところなどを評価していきます。
GLIDiC TW-7000のスペック・機能
具体的な使ってみた感想をレポートする前に、TW-7000と比較する機種の主な機能・仕様を比較しておきます。それぞれ「完全ワイヤレスイヤホン」という同じカテゴリーの製品ではありますが、サイズの好みや予算の関係もあると思いますので。
項目 | GLIDiC TW-7000 |
GLIDiC TW-5000 |
MAVIN Air-X |
メーカー定価 (税込) |
14,990円 | 9,864円 | 19,950円 |
実売価格 (2019年5月時点) |
13,000円くらい | 7,000円くらい | 14,000円くらい |
本体サイズ (イヤホン) |
23× 19 × 24 mm 1個 約6.5グラム |
25 × 17 × 23 mm 1個 約5グラム |
25 × 15.4 × 22 mm 1個 約4.5グラム |
ケースサイズ (重量実測) |
80× 28 × 36 mm 43グラム |
42× 42 × 32 mm 36グラム |
50× 60 × 25 mm 50グラム |
利用可能時間 (本体/ケース併用) |
9時間/25時間 | 3時間/10時間 | 10時間/50時間 |
接続距離 |
10m |
10m |
30m |
外音の取り込み |
対応 |
非対応 |
非対応 |
ドライバーユニット | ダイナミック型 直径5.6mm |
ダイナミック型 直径6mm |
直径6mm |
Bluetooth規格 | Version 5.0 | Version 4.2 | Version 5.0 |
再生周波数帯 | 20-20kHz | 20-20kHz | 20-20kHz |
対応コーデック | SBC, AAC | SBC, AAC | apt-X,SBC,AAC |
音圧感度 | 90dB/mW | 104dB(±3)/mW | — |
*数値には個体ごとの誤差があります。より詳しいスペックは公式HPを参照ください。
GLIDiC TW7000とTW-5000の比較
GLIDiCのTW-5000とTW-7000では前項の数値スペックの比較でも判るとおり、実売価格で2倍の差による大きな性能・仕様が異なる製品です。
本体のケースの形状も正方形から縦長・楕円状に変わりました。重量としては7グラムほど増えており、旧機種には無かった充電ランプを搭載しています。
TW-7000の前面、開閉する側には白色のLEDライトが3つ埋め込まれており、これが本体ケースの充電残量を表しています。旧モデルの場合は充電ケースのバッテリー残量が判らなかったため、充電したつもりがケースのバッテリー容量が空→イヤホンも一緒に空になっている、というタイミングが確かに何度かあったため、これはとても良い改善です。
それぞれ充電はmicro USBを利用します。最近のスマホではType-C USB接続をする機種が増えているので、ここはできればType-Cであって欲しかったところですが・・・オーディオ業界の充電ではまだ新製品でもmicro USBが標準的であるため、仕方がないのでしょう。
TW-7000のイヤホン部分をケースにはめることで、すぐに充電が開始されます。10分の充電で最大2時間の音楽再生が出来るほどの急速充電にも対応しています(フル充電にはイヤホン約1時間、ケース約2時間が掛かります)。
TW-7000のイヤホン部分は、TW-5000よりも一回り大きくなっています。大きくなっても耳にフィットしやすいようにボディが特殊な形状になっており、顔に対して下になる部分が窄まっています。
イヤホンからのコントロールの方法も変わっています。TW-5000ではイヤホンのボディ外部にある大きなボタン(メーカーのロゴマークがある部分)を押すことで操作をしますが、TW-7000では本体横(顔に対して前部分)に小さなボタンが左右それぞれに設置されました。
管理人の所有するMAVIN Air-XもTW-5000と同じく「イヤホン本体を押す」ような操作であったため、TW-7000の操作方法はちょっと違和感を感じるところでもあります。
上記写真は左からTW-5000,TW-7000,Air-Xです。イヤホン本体のサイズ・形状はまちまちであるため、装着感も異なります。
GLIDiCのイヤホンはノズル部分がボディに対して垂直であるのに対して、MAVIN Air-Xは斜めになっています。個人的な好み・主観的な感想ではMAVIN Air-Xが一番付け心地は自然です。
TW-7000は耳が痛くなることも
TW-7000は前述のとおり、ボディ本体がやや重くなっているため、装着感を維持するためにボディがやや特殊な形状になっています。
上記のサンプル写真で示したように「耳珠(じじゅ)」と呼ばれる耳の出っ張り部分が、イヤホンの向き・差し込み具合によって当たってしまい、痛くなることがありました。
これは個人の耳のサイズ・形状にも依存するため、必ずしも全員が痛くなるという話ではないものの管理人の場合はイヤホンの差し込みが浅い状態で使うと、耳が痛くなりました。
私の場合はイヤホンをしっかりと置くに差し込む・イヤホンの向きを少し回転させることで違和感が改善しましたので、もし装着して痛みがある場合は装着具合を確認してみてください。
TW-7000の接続安定性
TW-7000ではBluetooth 5.0に対応し、安定した接続が可能になるとされています。
実際にTW-7000を装着して長時間の利用をしてみたところ、特筆するほど接続性が良いとも悪いとも感じないレベルです。
電源オン(ケースから取り出す)から音楽機器への接続はすばやく、3~5秒程度で繋がります(設定済みの機器の場合)。これは従来機種のTW-5000よりスムーズです。ケースから取り出して耳に装着している間に接続が終わらないことはまずありません。MAVIN Air-Xと比べてもTW-7000のほうがスムーズに感じます。
Bluetoothの接続可能距離はおよそ10mとされており、音楽機器から隣の部屋くらいの範囲ならば、ほとんど音が途切れることはありません。ただ、2部屋・3部屋と離れる・分厚い扉で隔てると途切れることがあります。
また、稀に10m以内に居ても、突如ノイズが発生して左の接続が切れることがありました(購入から1週間使って、1度だけ)。接続が不安定になってからしばらくする接続・切断を繰り返すような音がしたのち、何事もなく動作していたため、原因は不明です(イヤホンに干渉するような原因は無かったはずです)。
【追記】:購入後1ヶ月ほどで、さらに1度だけ接続が不安定になる現象が起きました。直前まで特に問題なくつながっていたものの突如左が切断状態・右も音が数秒単位くらいで途切れ続け、しばらく様子を見ても復帰せず、一旦ケースに戻して再接続することで解消しました(接続機器から離れておらず、電池残量は十分にある状態)。
人が多い環境での利用では、満員電車(通勤ラッシュほどではない)状態で使ってみても干渉・途切れることはありませんでした(他のレビューを見る限りでは状況によっては接続不安定になることもあり)。ちょっと人通りが多い程度・混雑しているイベント会場程度など、一般的な場所で不安定になることは今のところありません。
TW-7000の接続に不満を感じるほどではありませんが、接続の距離・安定性に関してはMAVIN Air-Xのほうが断然上です。TW-7000やTW-5000では確実に接続が切れる距離まで離れても、MAVIN Air-Xなら繋がります(最大約30mまで接続可能)。
MAVIN Air-Xでは独自の特許技術によって普通のBluetooth機器の3倍の接続距離を実現していますので、この点ではAir-Xの圧勝だと思います(ただし、私の場合はPCの接続とMAVIN Air-Xに干渉が見られたため、利用環境にも依存するでしょう)。
TW-7000の実際の電池の持ち具合
TW-7000ではTW-5000に比べて実に3倍となる、本体単体での最大9時間連続再生が可能とされています。
実際にパソコンやスマートフォンで利用していても、日常的な利用で電池切れになってしまうことはありませんでした。TW-7000は私にとって十分に長い連続稼働時間を持っていると感じています。
ただ、試しに充電をせずに連続接続・音楽再生を試してみたところ、PC接続4時間+スマホ接続2時間でバッテリーが100%→0%(電源オフ)まで減りました。利用中に何度か音量調整もしています”最大9時間”の数値には遠い結果です。
完全ワイヤレスイヤホンの駆動時間は利用環境・接続状況および再生コーデック・音質によって変わることがあり、”どんなふうに使っても9時間保つ”というものではありません。
管理人の試したところではGoogle Pixel 3で利用する場合(曲送り・音量調整操作あり)には1回の充電で5-6時間くらいが限界のようでした。
TW-7000の不満点・気に入らないところ
ここからはTW-7000を実際に購入して利用しはじめてから感じた、不満点・悪い点を挙げていきます。他機種と使い比べての評価であり、主観的な印象も含みます。
TW-7000はボタン操作がし辛い
TW-5000,MAVIN Air-Xのボタンを操作するときには「イヤホンを耳に押し込む」ような方向でボタンを押すため、指一本で操作が出来ます。一方でTW-7000ではボタンが横にあるため、「イヤホンを2本指でつまむ」ようにして操作しないと、イヤホンが耳から外れそうになることがあります。
イヤホンが耳に十分フィットしていれば横から指1本で押しても操作出来なくはありませんが、歩行中など不意に力が入りすぎた場合にポロっとイヤホンが抜けてしまうのが怖いです。
音量上げ下げにボタン2回操作
完全ワイヤレスイヤホンでは本体にボタンすら存在せず、コントロールはデバイス側で行う機種もありますので、操作ができるだけでも良しとすべきなのかもですが・・・TW-7000では音量の上げ下げにボタンの2回押しが設定されています。
音量の上げ下げは頻繁に行う操作なので、できれば1回の操作でコントロール出来て欲しかったです。
TW-7000のボタン操作に対する機能は以下のとおりです。
TW-7000では外音取り込みモード(Multi-communication mode)があるため、左1回押し操作に割り当てられています。マルチコネクションモードはハッキリと外の音が聞こえるようになる便利な機能ではありますが、よほど音楽音量を上げていなければイヤホンをしていてもそれなりに外の音は聞こえるため、個人的にはMulti-communication modeの切り替えを2回操作にして、音量調整を1回の操作で出来るようにしてほしかったな、と思いました。
ケース併用の利用時間が短め
一般的な完全ワイヤレスイヤホンでは、イヤホン本体を収納するケースが充電器を兼ねており、ケースで充電出来る回数を含めて「連続利用時間」と表現することも多いです。
TW-7000では本体単体で最大9時間、ケース併用で最大25時間とあるように、ケースで充電出来るのは2回程度です。TW-5000の最大10時間に比べればマシですが、MAVIN Air-Xの50時間(4回くらい充電可能)に比べると、ケースの大きさの割に利用可能時間が短く感じます。
TW-7000ではケースに電池残量表示LEDが搭載されたため電池切れにはすぐ気付るようになったため、ケースの充電が空で充電が出来ていなかったというトラブルは減りそうなので妥協は出来ます(Apple AirPodsもケース併用24時間程度)。
付属のイヤーピースは密閉度低め
TW-7000の本体には、各種サイズ(XS/S/M/L)のイヤーピース(イヤーチップ)が付いています。
イヤーピースはよくある柔らかく、薄い(たぶん)シリコンゴムで出来ており、ぴったりとイヤホンを装着するのに不備はありません。しかし、同梱のイヤーピースでは耳への密閉度は低く、音がやや安っぽく聞こえます。
そこで私は「Comply T-200」を追加購入して付け替えることによって、密閉感を上げて使っています(このあたりは好みの問題もあるので、同梱品で十分と感じるかどうかは人それぞれだと思います)。
上記写真のイヤホンについているのがComply,下が3セットで500円くらいで買った安いウレタン性のイヤーピースです。Complyのイヤーピースは指で押しつぶすと通常のイヤーピースよりも小さく、弾力があります(潰したあと、ゆっくりと戻る)。
Complyのイヤーピースはかなり高価(3セット購入で、1セットあたり800円弱)であり、耐久度もやや低いのですが、耳栓をしているような密着感で外の音を遮断して音楽が聞けるため、管理人のお気に入りです。
TW-7000に使えるComplyの製品は「200」という型番が付いているノズル経のものです。数字が大きいものだとすっぽ抜けるため(MAVIN Air用に使っている600系のイヤーピースは使えませんでした。)、適合したものを選びましょう。
TW-7000にノイズキャンセリングは無し
2019年以降、完全ワイヤレスタイプのイヤホン業界で人気の機能は「ノイズキャンセリング」です。従来オーディオ機器のノイズキャンセリングと言えば耳を覆うヘッドホンタイプが主流でしたが、2019年にソニーそしてアップルが従来機種よりも大幅にノイズキャンセリング性能を高めた製品を投入しました。
ソニーから発売中のワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」、そしてAppleの「AirPods Pro」ならば、周囲の騒音を逆位相の音波を発生させることで打ち消し、音楽・マイクの音を大きくせずに、クリアな音を聴くことが出来るようになりました。
ノイズキャンセリング性能を望む場合、GLIDIC TW-7000は機能非対応となりますので、別のモデルを購入検討する必要があります。
ただし、2020年時点においてソニー・アップルのノイズキャンセリングイヤホンはTW-7000より非常に高価です。
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TW-7000が安く買えるショップ・お得な買い方
2019年5月7日時点で、GLIDiC TW-7000を取り扱っているショップは多くありますが、おすすめはアマゾン+d払いの利用です。
☆「Amazon GLIDiC Sound Air TW-7000 アーバンブラック」/(12,570円 /2019年5月7日購入時点)→ (10,049円/2019年12月27日時点)
d払いを使うとdポイントがたくさん貰えるキャンペーンが随時開催されています。2019年5月時点では最大26%ものポイント還元もあるため、キャンペーン還元を加味してどこで買うとお得か比較してみると良いです。