NTTドコモ2019年冬モデルのハイエンド機種 ソニー Xperia 5(SO-01M)とGalaxy Note10+(SC-01M)の実機をじっくり利用してみて感じた、それぞれの機種の魅力・メリット/デメリットを評価していきます。
Galaxy Note 10+へ買い替えのタイミングであるユーザーは2年前のモデルであるGalaxy Note8 SC-01KやGalaxy S8/S8+など、あるいはもう1世代前のGalaxy S7 edgeあたりもまだ現役で使っている方もいらっしゃるかもしれません。
(左からGalaxy Note9/Note8/S8/S7 edge)
Xperia 5の場合は、同じく2年周期での機種変更を想定するとXperia XZ1(2017年冬)やXperia XZ1 Compact, Xperia XZ Premium, Xperia XZsなどを発売当時に購入したユーザーはそろそろ買い替えのタイミングです。
(型落ちのXperia X Compact, Xperia XZ Premium)
Galaxy Note10+もXperia 5も、従来モデルに比べて性能や機能が進歩しているのは当然として、サイズ感・デザインが大きく変わっています。いずれも時代の最先端を感じられる端末ではありますが、実際に旧モデルを使った経験のあるユーザーが使い込んでみると「使い勝手が旧シリーズから変わっていて、好みが分かれるかも」というポイントもありましたので、詳しくレポートします。
[スポンサード] |
6インチ超えの超大画面スマホ
まずXperia 5とGalaxy Note10+に共通するポイントとして、どちらのモデルもディスプレイサイズが6インチを超えた大画面スマートフォンとなっています。
今どきは「6インチ以上」という大きさのスマホは珍しくもないものの、2~3年前の一般的なスマホでは”ファブレット”と呼ばれ、スマホとタブレットPCの中間サイズの特殊なモデルという印象が強かったと思います。
(左 Galaxy Note10+,右 Xperia 5の実機)
2019年最新モデルのドコモ向けGalaxyとXperiaは、以下のようなサイズ展開となっています。
・Galaxy Note 10+ SC-01M :6.8インチ
・Galaxy S10+ SC-04L/05L:6.4インチ
・Galaxy S10 SC-03L:6.1インチ
・Xperia 5 SO-01M:6.1インチ
・Xperia 1 SO-03L:6.5インチ
・Xperia Ace SO-02L:5.0インチ
ここで、2~3年前の旧モデルに比べて大きくディスプレイサイズの「インチ」数が増えていると感じると思います。しかし、Galaxy Note10+もXperia 5も、ベゼルレス・薄型/細型のデザインに変更することで、従来機と比較しても持ち易さ・操作性は損なわれていません。
例えば、Galaxy Note10+と1年前のGalaxy Note9 (6.4インチ)を比べると、ディスプレイサイズは0.4インチ大きくなっていますが、縦の長さは全く同じです。
これは上記のイラストを見ても判る通り、最新の技術によって「ディスプレイパネルに穴をあける」ことが出来るようになったため、インカメラ部分をホール状にしてディスプレイパネル内に配置して、ディスプレイ領域を最大限に広げています。Galaxy Note8とGalaxy Note9のデザインはそっくりでしたが、Note10+ではこんなに進化しています。
Xperia 5の場合には、ディスプレイに凹み(ノッチ)や穴を開けることなく、スマホボディ・ディスプレイを縦長にすることで、横幅は細いままに、パネルを大きくしています。
Xperia 5の場合は横幅68mmと細くデザインされており、スマホの薄さも相まって持ちやすさは歴代のXperia Premiumシリーズ(SO-04J/SO-04K)を圧倒的に上回ります。特に2018年夏のXperia XZ2 Premiumに比べると、超スリムです。
過去のXperiaファンであれば、4.6インチサイズだったCompactや、5インチ前後のスタンダードサイズから6.1インチのXperia 5へ機種変更すると、その大画面さと持ちやすさを実感出来ると思います。
(左Xperia 5, 右 2016年 Xperia X Compact)
Galaxyの場合はS10/S10+もありますので、ベゼルレス技術を生かしたデザインとは言えGalaxy Note10+の6.8インチは大きすぎると感じるのであれば、ドコモSC-03L/SC-04L/SC-05Lのハイエンドモデルに取り替えるという手もあります。
ドコモ2019年夏モデルのXperia Ace SO-02Lも人気はありますが、Xperia 1/5とは異なりAceは中価格・ミドルスペックモデルである点に注意してください(Xperia 5とは処理性能に大きな差があります)。
関連記事:2019年6月1日発売 4.5万円のドコモスマホXperia Ace SO-02Lスペックや価格・質感レビュー/Compact機種と比較
処理能力・メモリ・ストレージの違い
Xperia 5 SO-01MとGalaxy Note10+ SC-01Mはどちらも「ハイエンドモデル」にカテゴライズされる端末ですが、物理的なスペックにはやや差があります。
まず、スマホのCPU/処理能力に大きく関係するSoCは両端末共に「Snapdragon 855」を採用しています。
SDM855を搭載したスマホは2019年夏~冬モデルの最高峰モデルであり、ありとあらゆるゲームが十分スムーズに遊べる水準、と言っていいでしょう(実際に個別アプリがスムーズに動くかどうかは、相性やバージョンによって異なるため、各社にお問い合わせください)。
Antutu Benchmarkのスコアでいうと、Galaxy Note10+ SC-01Mは46万点(ver8)を記録しています。2年前のGalaxy Note8 SC-01Kのベンチスコアは27万点(同じアプリverで測定)でしたので、およそ1.7倍も処理能力がアップしたことになります。
*ドコモモデルのXperia1/Xperia 5は2019年11月時点でAntutu Benckmarkアプリをインストール・測定することが出来ないため、当サイトでは未検証。Xperia 5およびXperia 1も同じSoCであるため、処理速度面では似たようなものでしょう(Antutuスコアだと40万点前後を想定)。
しかし、メモリー(RAM)とストレージ(ROM)には、大きな差があります。
項目 | Galaxy Note10+ SC-01M |
Xperia 5 SO-01M |
メモリー(RAM) | 12GB | 6GB |
ストレージ(ROM) | 256GB | 64GB |
海外モデルではストレージが異なるモデルを複数販売することもありますが、ドコモでは上記の仕様に固定されています。
Xperia 5のメモリーは6GBであり、2~3年前のスタンダードXperiaスマホでは3GBや4GB程度であったことを考えると大きく増えていますが、「2019年のハイエンド仕様」としては、やや少ないと感じます。
特にストレージ(本体保存容量)に関してはXperia 5は旧態依然として64GBしか積まれていません。microSDカード(外部ストレージ)などによってデータを移すことが出来るとは言え、今どき64GBはかなり少ない印象です。動画やゲームアプリをたくさん保存しなければ64GBでも十分と言えますので、何を優先するかは人それぞれです(Xperia5はコストを削減して作られているため、後述するように価格にも差があります)。
よりハイパフォーマンスな、最高ランクのスマホを使いたいと考えているのならXperia1/5よりGalaxy Note10+のほうが良いかもしれません。
Galaxy Note10+/Xperia5の機能的な違い
次はGalaxy Note10+とXperia5において、機能面において根本的に「出来る/出来ない」が分かれる部分について解説します。
GalaxyとXperiaはそれぞれSamsungとSonyが作っているスマホですので、当然その機能やシステムは同じではありません。
システムのベースとなっているAndroidスマホという点で「同じような事ができる」こともたくさんあるのですが、物理的に搭載された機能が全く同じわけではありません。
具体的にそれぞれの機種で使えるサービス・非対応な機能を列挙してみると、以下のようなものがあります。
機能 | Galaxy Note10+ SC-01M |
Xperia 5 SO-01M |
セキュリティ (生体認証) |
指紋認証(画面内) 顔認証 |
指紋認証(本体右) |
ワイヤレス充電 | ワイヤレス充電対応 (ワイヤレス給電可能) |
非対応 |
バッテリー | 4,300mAh 45W急速充電対応で約60分 (要専用アダプタ利用) |
3,000mAh 急速充電で約130分 |
テレビ機能 | ワンセグ非対応 | ワンセグ/フルセグ対応 |
内蔵スタイラスペン | 新型Sペン対応 | 非搭載 |
*Xperia5でも「Smart Lock」の一部として顔認証がありますが、精度は劣ります。
XperiaスマートフォンではXperia XZ2・XZ3にはワイヤレス充電に対応したモデルもありましたが、2019年モデルのXperia 1/5/Aceはすべておくだけ充電非対応になっています。
Galaxy Note10+なら、Qi充電器を用意すればワイヤレス充電が出来ます(ワイヤレス充電器は同梱はされていません)。
さらに、Galaxy Note10+を電源としてワイヤレス給電(ワイヤレスパワーシェア)により、他のデバイスを充電することも可能です。
(GalaxyでiPhoneを充電する様子)
一方で、Xperia 5は最近非対応なスマホも増えてきたワンセグ・フルセグに対応しています。
Galaxy Noteシリーズと言えば、やっぱり「Sペン」です。スマホ本体にペンを収納できるというだけでなく、最新のNote10+用では加速度センサーを内蔵することで、「ペンを上・下に振る、右・左回しで円を描く」といった動作(エアアクション)を認識して旧モデルよりも豊富なリモートコントロールが可能となりました。
上記以外にも細かい機能の差はたくさんありますので、「この機能が使いたい」というこだわりがあるユーザーは、対応機種を選ぶ必要があります。
SO-01M,SC-01Mの全対応機能や仕様については公式HPを参照ください。
☆「NTTドコモ Xperia5 SO-01M スペックとサービス」
☆「NTTドコモ Galaxy Note10+ SC-01M スペックとサービス」
Galaxy Note10+とXperia 5 カメラ性能の違い
スマホ選びにおいて「カメラ機能を重視したい」というのであれば、Galaxy Note10+とXperia 5には、その性能にやや差があります。
Galaxy Note10+は4眼レンズ、Xperia 5は3眼レンズとなっており、いずれも「超広角」+「広角(標準)」+「望遠」が使える点では共通しています。どちらも古いスマホに比べればとてもキレイな写真が撮れます。しかし、はっきり言って画質面・画像処理面ではGalaxy Note10+のほうが優れている点が多いです。
特にGalaxy Note10+では動画撮影時の手ブレ補正が効果的で、Galaxyのサンプル動画を見るとその差がよく解ります(動画に関する紹介は1分10秒くらいから始まります)。
モバイルカメラの評価で定評のあるDxOmark社のスコアでは、Galaxy Note10+はシリーズ歴代最高の117点(iPhone 11 Pro Maxと同スコア)であるのに対して、Xperia 1(5も同じカメラを搭載)は94点(2年前のGalaxy note8やiPhone 8 Plusと同スコア)に留まっています。
Xperia 5には「Cinema Pro」という、ソニーのプロ仕様のテレビカメラ撮影で培われた動画撮影アプリが使える・映画のようなワイド画面で視聴できるという違いもありますので、”カメラの性能”以外の部分も選ぶ要素にはなり得ます。
カメラの写真にもGalaxyとXperiaではAIによるフィルター・調整の違いもかなりありますので、Xperiaの写真が好み、というのであればXperia5も悪くはないと思います(Xperia 5と同じカメラを搭載したXperia 1の花火写真作例はこちら)。
Galaxy Note10+とXperia5の価格の違い
Galaxy Note10+ SC-01MとXperia SO-01Mは以上のように「ハイエンドモデル」同士ではあるものの、仕様・機能が大きく異なるだけでなく、ドコモの販売価格にも大きな差があります。
2019年11月13日時点における、ドコモ公式販売価格は以下のとおりです。
機種負担額 | Xperia 5 SO-01M |
Galaxy Note10+ SC-01M |
36分割支払い時 | 月々2,442円 | 月々3,366円 |
一括払い時 | 総額87,912円 | 総額121,176円 |
スマホおかえしプログラム の利用(2年で端末返却)時 |
実質58,608円 (2442円×24回) |
実質80,784円 (3366円×24回) |
(それぞれ税込)
ドコモの公式価格では、Xperia 5のほうがGalaxy Note10+よりも3.3万円ほど安く設定されています。月々の負担としては924円の差となります。
本ページで比較したとおり、上記の価格差にも表れているようにXperia 5よりもGalaxy Note10+のほうが全体的にスペックは高く、Note10+はまさに「最高峰のスマホ」と言えるでしょう。
一方のXperia 5は、2019年夏モデル ”Xperia 1のコンパクトモデル”という位置づけであるため、Xperia 5は「ソニーの最高峰」ではありません。
(左Xperia 1, 右 Xperia 5)
Xperia 1とXperia 5の「サイズ」に関しては好みが分かれるところなので”大きいXperia 1が良い/コンパクトなXperia5が良い”など、どちらの意見があっても良いと思いますが、本体の価格はXperia 1よりXperia 5のほうが1.6万円ほど安いため、価格とサイズ感を重視するのならXperia5がオススメです。大きなサイズが好きなら、Xperia1も継続して販売されています(公式オンライン在庫は2019年秋頃より欠品が多くなっています)。
ドコモモデル Galaxy Note10+ SC-01MとXperia 5 SO-01Mは、ドコモの公式オンライン機種変更手続きを行うと事務手数料無料・頭金無料で入手が可能となっています(2019年12月1日より、ドコモショップ店頭で初期設定を行う場合は一部有料サポートとなりますので、店頭に行く際はご注意ください。ウェブ購入→自宅配送 or 店頭受け取りだけなら、事務手数料無料です)。
より詳細なスペック面・旧機種との比較レポートを読みたい場合は下記ページも参照ください。
参照:Xperia5(SO-01M/SOV41)とXperia1実機比較レビュー 良いところ・悪いところ 違いの総まとめ
参照:2019年Galaxy Note10+ 6.8インチとは思えない使いやすさレビュー 進化したベゼルレスデザイン・スペック比較