2019年冬モデルのソニー・ハイエンドスマートフォン Xperia 5(えくすぺりあふぁいぶ)のドコモモデル(SO-01M)/auモデル(SOV41)およびソフトバンクモデルと、夏に購入した2019年夏モデルXperia 1 (SO-03L)の実機レビューによる各モデルの性能・違いと、実際に最新Xperiaを使ってみて感じた良いところ・物足りないところ(Xperia自体に感じた評価と、他社ハイエンド機種に比べて感じた印象)を詳しくレビューしていきます。
2019年冬モデルのXperia 5はauとソフトバンクの発売日は2019年10月25日、ドコモは遅れて11月1日に設定されています。また、販売価格が大きく携帯会社によって異なるため、購入時に注意してください。
当サイトで公開中の旧Xperiaスマホのレビューが見たい場合は下記ページを参照下さい(全機種実際に入手してレポートしています)。
「モバイルびより 実機レビューリスト」/掲載中の機種:Xperia 1/Xperia Ace/Xperia XZ3/Xperia XZ2 Premium/Xperia XZ2/Xperia XZ2 Compact/Xperia XZ Premium/ Xperia XZ1/ Xperia XZ1 Compact/ Xperia X Compact
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Xperia 1とXperia 5の主な違い
2019年冬モデルのXperia5は外観を見ても判るとおり、基本的に「Xperia 1を少し小さくしただけのモデル」です。細かな仕様変更もあるのですが、非常に多くの機能・性能が重複しています。
Xperia 1とXperia 5の違いとして注目すべき点は、本体のサイズのみ(縦幅・横幅・厚さ・重量)、と言っても過言ではないほどです。
Xperia 1とXperia 5の大きさの違いは実際に手にとって見れば、すぐに判るほどサイズダウンされています。
具体的な数字として比較すると、まず縦に9mmも短くなります。
Xperia 1/5では、ディスプレイの比率が「21:9」という、一般的な他社のスマホに比べてかなり縦に長い、特殊なパネル比率を採用しています。この「21:9」という比率こそがXperia・ソニーの提供する一つの魅力であるため、Xperia 1→5の違いで本体のサイズが多少小さくなっても、根本的な魅力は減りません(もちろん画像・動画再生時の迫力という点では大きなXperia 1のほうが上)。
「21:9」という比率はXperia1と5で共通であるため、縦に短くなったぶんだけ、横幅もスリムになります。
Xperia 1も「6.5インチディスプレイ」というわりには横幅の細い72mmというサイズでしたが、Xperia 5は68mmにまで削られています。
6インチオーバーのディスプレイを搭載しながら横幅が60mm台というスマホは、かなり珍しいはずです。例えばApple iPhoneの横幅だと、
・iPhone 11 Pro(5.8インチ):横幅 71.4 mm
・iPhone XR (6.1インチ) :横幅 75.7 mm
・iPhone 8 Plus (5.5インチ):横幅 78.1 mm
・iPhone 8 (4.7インチ) :横幅 67.3 mm
・Xperia 5 (6.1インチ) :横幅 68 mm
・Xperia 1 (6.5インチ) :横幅 72 mm
このようになっています。iPhoneだと5インチにも満たないモデルの横幅と、Xperia 5の横幅が同じくらい、Face ID導入後の最新iPhone Xシリーズの5.8インチモデルとXperia 1が同程度となり、最新Xperiaシリーズのグリップ感の良さをイメージ出来ると思います。
本体の重量も約178グラム→164グラムまで軽くなりました。スマートフォンの”軽さ”に関しては2019年冬モデルのシャープスマホ「AQUOS zero2」が驚異の超軽量スマホ(試作機段階で140グラム台前半、2020年春発売)を出す予定のため、Xperia 5が最も軽いというわけではないものの、6インチ級のスマホとしてはかなり軽めに感じるはずです。
Xperia 1・Xperia 5は横幅が共通して細いデザインになっているため、いずれも一般成人男性であればなんとか片手でディスプレイの逆サイド側まで指が届くと思います。管理人の場合だとXperia 1で逆サイドまで片手持ちのまま親指を動かしてタッチしようとするとやや不安定になりますが、Xperia 5ならば余裕を感じます。
ただ、いずれも縦方向にはかなり長いため、片手で持ったままスマホ全体のタッチすることは難しいでしょう。上記写真のように左下あたりを基準にスマホを持つと、右上どころか左上端にも親指は届きません。
また、ディスプレイのパネルが4K HDR対応 有機EL → フルHD+ HDR 有機ELへ変更されています。目視で4KとフルHD+の差を感じる場面はあまりないと思いますが、4K HDRムービーをそのまま高画質再生が出来るのはXperia 1だけです。
(有機ELパネルのiPhone XとXperia1の21:9比率動画再生比較)
Xperia 5は確かに「Xperia 1より小さい」ものの6インチを依然として超えています。Xperia 5は”小型スマホ”ではありませんので、”大きなスマホは好みではない”という方は、Xperia 5ではなくXperia Aceをオススメします。
続きを読む▶5.0インチ ミドルスペックスマホ Xperia Ace (SO-02L)実機レビュー
Xperia 5のカメラ性能
Xperia 5の性能カメラは、トリプルレンズ仕様のXperia1と全くの同等です。従って進化点・劣化点はありません(ソニー担当者の話によれば提供時点でのソフトウェアバージョン・製造パーツ・ロットの違いは若干あるかもしれないとのこと)。
Xperiaシリーズでは初となるトリプルレンズ仕様となったXperia 1、そしてそのカメラと同じXperia 5のカメラは、歴代のXperiaと比べれば画質・機能ともに良くなっています。Xperia 1とXperia 5のカメラで出来ることも基本的に同じで、ズームイン/アウトの切り替え・フィルターやモードの利用など、操作も全く同じです。カメラのレンズ位置は中央から左上隅に変更されました。
Xperia 1/5の標準レンズで撮影するとこのような写真に仕上がる距離において、Xperia 初搭載の広角・16mmのレンズに切り替えると・・・
全く同じ位置・場所から撮影した場合に、写真に映り込む場所が広がり、広角レンズならでは独特でダイナミックな表現が出来るようになります。広角レンズを使うと景色が少し歪みますが、それをあえて利用した効果を楽しめるのは旧モデルからの大きな進化点です。
Xperia 1/5ではF値の小さい、明るいレンズを使うことにより、暗い場所での撮影や夜景も綺麗に撮れるようになりました。
デジタルカメラメーカーとしてのソニーならではの、「瞳オートフォーカス」や「Cinema Pro」という、専用の動画撮影アプリもXperia 1と同様にXperia 5でも使えます。
Xperia 1とXperia 5のカメラは、これまでのシングルレンズ・デュアルレンズ(Xperia XZ2 Premiumではモノクロカメラでした)であった古いXperia スマホから機種変更するのであれば、きっと大きな進歩・楽しいカメラ機能を体験出来ると思います。
ただし、Xperia 1/Xperia 5のカメラ性能を他社のカメラ機能に特化させた最新モデルと比べてしまうと、Xperia5程度のカメラでは、はっきり言って他社の最上位モデルには画質も機能も劣ります。
その事例は下記のような作例ページを参照下さい。
☆「[iPhone11 Proカメラレビュー] 月面が撮れると有名なP30 Pro HW-02Lと撮り比べ(Pixel3, Xperia1とも比較)」
☆「ソニーXperia1の広角カメラ歪み DxOmark111点・109点超高性能スマホと比較」
Xperia 1のカメラ性能評価は、DxOmarkによれは「94点」止まりです。カメラの品質に関しては個々の好み・感じ方・撮影の状況・ソフトウェアのバージョンアップによる向上などもあるため、DxOmarkのスコアがすべてというわけではありませんが、夜景撮影やズーム撮影など多くの状況でXperia5の写真クオリティは、他社トップスマホに劣って感じるのは確かです。
2019年11月時点の他社スマホ評価スコアでは、
・Galaxy Note 10+ 117点
・P30 Pro 116点
・Galaxy S10+ 113点
・Google Pixel 4 112点
・P20 Pro 109点
・iPhone 11 Pro Max 117点
・iPhone XS Max 106点
・iPhone XR 101点
・IPhone X 97点
・Galaxy Note 8 94点
・Xperia 1 (≒Xperia 5) 94点
このように、Xperia 5のカメラ品質(ズームや明暗差、ポートレート写真の正確さ、ノイズの少なさなどを総合評価するもの)では、2年前のAppleやSamsungのスマホカメラ水準に留まっています。
あえて他社のスマホと撮り比べるということをしなければ、十分Xperia5でも携帯カメラとしては綺麗な写真・便利な機能を使えますので、このあたりの判断・他機種との比較は「スマホのカメラに何を求めるか」という、個々の基準に従って選ぶことをオススメします。
参考:Xperia 1 (SO-03L)のカメラはフリーズ発生あり
2019年夏にXperia 1 SO-03Lを購入後、管理人の端末個体では写真撮影時に画面がフリーズすることが何度かありました。2019年10月時点、最新のソフトウェアでもフリーズが発生しています。
再現条件が不明瞭なのですが、カメラの広角・標準・ズームの切り替えを頻繁に行い、連続で写真を撮り続けている場合などに発生することが多い印象です(単発で写真を撮る場合には発生したことはなく、わざと連続撮影をしてフリーズさせようとしても再現出来ない)。Xperia1のカメラフリーズについては多くの報告例があり、ソフトウェアアップデートで修正もされています(2019年8月19日提供のアップデートで、超広角レンズのフリーズは修正されました)。
フリーズした場合は電源長押しの強制終了、再起動をすれば直っています。旧ソフトウェア時点ではカメラ撮影中に電源が落ちる(自動で再起動)こともありました。
Xperia 5もXperia 1とほぼ同じソフトウェアを使っているため、カメラ撮影時の不具合発生には注意が必要かもしれません。
参照:NTTドコモ – Xperia 1 SO-03Lの製品アップデート情報
Xperia 5は本体ストレージ(容量)が小さい
国内向けのXperia 1およびXperia 5の本体ストレージ(ROM)は、各社モデル向けすべてが「64GB」です。従来のXperiaスマホでは16GB/32GBといった容量のモデルもあり、Xperiaでは64GBモデルが標準的ながら、今どきのスマホとしては64GBはかなり少ない容量と言えます。その分だけXperia 5は他社スマホより少し安いのですが・・・(価格については後述)。
他社の最新スマホなら、
・Galaxy Note10+:256GB
・AQUOS zero2 :256GB
・P30 Pro :128GB
・LG G8X ThinQ:64GB
となっており、ソフトバンク向けLG最新機種も64GBですので、Xperiaだけが少ないわけではないものの、本体にたくさんの写真やアプリを保存したい人にはやや物足りないかもしれません。
Xperia 1・Xperia 5では外部ストレージとしてmicro SDXC最大 512GBまで対応しますので、容量が足りない場合には別途SDカードを購入すれば問題ないでしょう。
Xperia 5の処理性能はXperia歴代最高峰
Xperia 1とXperia 5には、Snapdragon 855(SDM855)と呼ばれる、Qualcomm社製のCPU・基盤チップ(SoC)が搭載されています。これは他社の最高峰モデルのAndroid(2019年春~冬モデルあたり)が採用するチップと同一であるため、Xperia 5も十分に高い処理性能を持っています。
Xperia 1とXperia 5の処理性能は全くの同等であるため、進化・劣化点はありません。
RAM(メモリ)も十分な6GBを搭載しています。Xperia 5の縦長2画面を活かしてアプリを2個同時に動かしても、あらゆるゲームがサクサクと動く水準です(アプリの動作はバージョンや相性による)。
Antutuベンチマークのスコアでいうと、Xperia 1/Xperia 5はおよそ35万点前後(ver 7基準。ドコモ版Xperia 1/5は現在Antutuベンチマークアプリに非対応です。インストールしようとするとアプリのパッケージをシステムが自動消去します)。他社Androidスマホではもう少し高いスコアを出す機種もありますが、体感で大きく処理能力に差を感じる場面は少ないはずです(処理性能の差よりもインターフェイスの違いによる表示差のほうが大きくなるため、日常的な操作における他機種との比較にはあまり意味がありません)。
Xperia 1とXperia 5の価格差
ここがXperia 1とXperia 5の違いで、「本体のサイズ」に次ぐ重要なポイントです。
日本国内においてXperia 5の販売価格は会社によって大きく差があり、安く買える会社と高い会社が存在します。
発売日時点の公式価格による比較は以下の通りです。
キャリア/モデル | Xperia 1 (6.5インチ) |
Xperia 5 (6.1インチ) |
ドコモ | 103,752円 | 87,912円 |
au | 104,399円 | 90,720円 |
ソフトバンク | 105,600円 | 116,160円 |
(各税込み。ソフトバンクのXperia 1の価格は10月18日付けで改訂されています)
発売日時点の価格設定では、ソフトバンクだけXperia5の本体価格が2万円以上高く設定されています。2019年10月時点の各社新料金プランではおよそ横並びの状態ですから、単純にソフトバンクでXperia 5を購入すると維持費自体が高くなる恐れがあります。
ただし、各社乗り換え優遇の還元やキャッシュバックがあるため、それぞれの会社で機種変更するより他社へ乗り換え(MNP)したほうがキャンペーンや特典でお得に購入できることもあります。実際の「料金プラン+本体代金」の負担額は各社で見積もり・シミュレートが必要です。
Xperia 5の発売記念キャンペーン
Xperia 5の発売を記念し、ドコモ・au・ソフトバンクで実施中の各キャンペーン情報をまとめておきます(実施時期や適用条件に注意してください)。
ドコモの場合 | オンライン限定先着2万名 ポップソケッツグリッププレゼント |
auの場合 | 特に無し |
ソフトバンクの場合 | 「スマホを買ってPayPayもらえちゃうキャンペーン」 もれなく5000円分還元/購入期間:発売日〜2019年11月30日まで |
詳しくは各社HPを参照下さい。