夏も本番となり、日本各地で花火大会が催されていますが、花火鑑賞のお供に夏モデルの最新スマホXperia 1シリーズを使うとどんな写真が撮れるのかレビューをしていきます(以下では2023年モデルのXperia 1 V/Xperia 10 IV等で綺麗に撮る方法も解説しています)。

Xperia 1(えくすぺりあわん)シリーズは、Xperiaスマホの最上位モデルであり、下位モデル(5/10)よりも優れたカメラ機能を有しています。初代Xperia 1からトリプルカメラ~最新のXperia 1 V (マークファイブ)では新しく・大きなセンサーを採用するなど、カメラは毎年アップグレードされています。

花火の写真を昔の携帯電話やスマホで撮影しても、なかなか綺麗に撮影することは難しいと思います。花火大会のポスターやチラシで使われているようなキレイな花火を撮るには、一眼レフカメラ/デジタルカメラ+三脚の本格装備が必要でした。

(これは「ソニーデジタル一眼カメラ“α”」で撮影したもの)

デジカメがあれば上記のような写真も簡単に撮れるのですが・・・2019年のソニースマホでどのような花火撮影が出来るのか、解説していきます。

ワイド・ズームカメラで会場のどこからでも撮れる

Xperia 1シリーズには標準カメラのほか、広角(ワイド)カメラと望遠(ズーム)カメラが搭載されています(ズーム倍率は世代により異なる)。

人気の花火会場では打ち上げ場所から近い場所・良いアングルの場所を確保するには難しく、花火の全体を写すには近すぎる・遠くから花火を見るケースも多いでしょう。

そこでXperia1のカメラを切り替えて使えば、すぐ近くで打ち上げられる花火も遠くの花火も1枚の写真に収めることが可能になります。

以下、Xperia 1で実際に撮影した花火の写真となります。

(クリックで拡大)

仕掛け花火ならば「ナイアガラの滝」として数百メートルにも及び長い距離で点火される花火もダイナミックに撮ることが出来ます。黄色で囲った枠が通常のカメラで撮れる範囲(画角)であり、ワイドカメラに切り替えることで観客人の様子まで含めて、会場の盛り上がりを残す事が出来ます。

上記の写真はブログ用に画質を圧縮していますが、明るい花火の種類であれば十分に綺麗に撮れます。

撮影はすべてオートモードで行っています

画像はスマホで撮影したそのものの色合いで、加工やフィルターは使っていません。

普通に「カメラを起動→シャッターを押す」というだけで、この程度の写真なら古いXperia 1 (2019年・初代)でも簡単に撮れます。より新しいXperia 1 II~Xperia 1 Vなら、もっとキレイに撮れるはずです。

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先読み撮影でベストショットを(2019年モデル)

Xperia1(初代)には花火撮影に有利に働く、「先読み撮影」という機能が搭載されています。

あえて解説するまでもなく機能の名前から察することが出来ると思いますけれど、先読み撮影ではユーザーがカメラのシャッターを押したタイミングよりも少し前の写真を自動で保存しておく機能です。これが花火撮影時にも自動で動作することがあります(オート設定でも、毎回ではありませんでした)。

花火が大きく開くタイミングを図ってシャッターを押すのはなかなか難しいものです。先読み撮影が行われた場合には後から写真フォルダで確認・先読みで保存された写真・実際にシャッターを押したタイミングの写真それぞれを保存するか、ベストショットを選んで1枚だけ保存するかを選ぶことが出来ます。

Xperia 1では連写撮影(バースト撮影)も出来ますが、あまりにも多くの枚数を保存しすぎるとあっという間にデータ容量がいっぱいになってしまいますから、先読み機能をうまく使って必要な画像だけを残せるのは便利です。

さて・・・上記の写真を見て、スマホ上の小さな画面で見ている限りでは、それなりにくっきりと撮影出来ているように見えますが、やはり拡大すると本格的なデジタルカメラで撮影したもののような仕上がりにはなりません

それも当然で、Xperia 1のオートモードで撮影するとシャッタースピードはせいぜい1/8秒(0.125秒)程度であり、プロがデジカメで花火撮影をするような設定(F値は大きな値に・シャッタースピードは数秒~、あるいは複数の写真を合成する)とは大きく異なっているからです。短いシャッタースピードでは良いデジカメを使ってもやはり迫力のある花火写真は作れません(連発で打ち上がっている花火なら短いSSでも撮れる)。

(*最新のXperia1シリーズにはこの先読み撮影は搭載されていません。上記の通り、先読みで花火を必ずうまく撮れるというわけでもないので、後述の方法での撮影をオススメします)

Xperia 1シリーズはマニュアルモードも使える

Xperiaでより綺麗な花火を撮りたいのなら、モードを「マニュアル」(Xperia 1 IIからは「Photography Pro」)に切り替えることで、プロが撮影するような花火を撮ることも出来ます。

Xperia1ではシャッタースピードを最長で30秒まで伸ばすことが出来ます。シャッタースピードを長くすると手ブレをしてしまいますので、Xperia1でもっと綺麗に花火を撮りたいのなら三脚は不可欠となります。

ISO値は64から3200まで設定できます。花火撮影時には一番小さな値にしておき、明るさにあわせて(写真が暗すぎる場合は数字を大きくしていく)変更してみてください。

また、AF(オートフォーカス)もマニュアルに切り替え、何発か同じ位置に上がる花火の様子を見ながらフォーカスの調整をしておき、そこで固定して撮ります(オートフォーカスだと逆にピントが合わないことがあるため)。

F値(絞り)はスマホカメラでは調整が出来ませんので、Xperia1で出来るマニュアル設定は「長めのシャッタースピード+小さなISO値+マニュアルフォーカス」を基本とし、あとは必要に応じてEV/ホワイトバランス調整をして明るさと色合いを変えていくことで、花火の火花が長く連続している写真も撮ることは可能です。

画質という面では流石に高級なデジタルカメラとはさすがに勝負になりませんが、綺麗に加工・適切な設定をすることで、スマホで見る程度ならば十分にキレイな写真を作り出すことも不可能ではありません

(Xperia 1で撮影したデータを加工した写真)

上記は実際にXperia 1だけで撮影した写真データを使っています。煙が多く霞んでしまっていたため、コントラストや色合いを調整し、ド派手にしてみました(加工にはパソコンソフトを使っています)。

Xperia 1で花火を簡単に綺麗に撮れるか?と言われるとスマホの機能・性能の限界があるため、お手軽な撮影方法(オートでそのまま撮るだけ)では「それなり」なレベルとなりますが、広角とズーム・マニュアルモードを使い分けることによって古いXperiaスマホよりは圧倒的に綺麗に、印象的な写真を撮ることが出来るようになっています。

Xperia 1でもっと花火を綺麗に撮る方法

上記のXperia 1シリーズによる花火撮影の作例は広角側・通常カメラともに、かなり明るくコントラストの強いキレイな写真が撮れることはわかりましたが、もっとガッツリと花火撮影に取り組みたい場合にはやはり「三脚の利用」が必要です。

☆「Fotopro トラベル三脚 X4I-E」+「スマホ用三脚ブラケット」を装着した場合

Xperia 1のマニュアルモードを使って長いシャッター時間を利用すると、手持ち撮影では絶対に手ブレします。他社スマホでも夜景モードを使うと手ブレをほとんど起こさず”夜景”ならば撮ることが出来ますが、デジカメの長時間露光とは仕組みが異なるため、花火はあまりうまく写りません(火花の線が長くならない)。

スマホで本格的な花火写真を撮るには、写真合成・HDR撮影ではなく、Xperia 1のマニュアルモードのように設定からシャッター時間を伸ばす必要があり、スマホ本体を全く動かさないように固定しなければなりません。

上記三脚使用例のように、デジカメ用の三脚にスマホを固定することが出来るアイテムは非常に安価で手に入りますので、スマホ固定用の拡張アイテムを買って三脚に取り付ければ、キレイな画質・光の筋がある花火写真が撮れます。

管理人が実際にXperia 1シリーズに(他の機種でもほとんどのスマホでも)使っている、花火撮影向きの小型三脚も紹介しておきましょう。

これはアウトドアブランドの「コールマン」とカメラアクセサリーメーカー「Velbon」が作った超小型・軽量の携帯三脚です。小型のカバンにも入るほどのコンパクト形状+わずか182グラムという軽量な仕様で、自撮り棒・カメラ三脚としても使えるというものです。

Xperiaスマホを上記のように挟み込み、付属するブルートゥースリモコンでシャッターを押すことが出来ます(Xperia 1シリーズで動作することを確認済み)。三脚の足を伸ばせば84センチまで高くなるので、花火を座りながらラクに撮影出来ます。

この三脚はアマゾンで買えます。

☆「amazon Velbon(ベルボン) スマホ・カメラ三脚 Coleman(コールマン) セルフィーマルチスタンド」/管理人が持っているのは「カメラねじ付きスマホスタンド」というタイプ

過去に花火をスマホで撮影した写真に満足できなかった方は、この夏はXperia 1に機種変更して花火鑑賞に行ってみるのも良いでしょう。”簡単に超キレイな花火写真が撮れる”とは言えませんが、多彩な機能を使いこなしてワンランク上の花火写真が撮れるようチャレンジしてみるのも、また一つの楽しみになると思います。

新型ハイエンドXperia 1 V/Xperia 5 IV/ 10シリーズの場合

本稿初執筆時の2019年モデルXperia 1の後継機である、Xperia 1 II/Xperia 1 III/ Xperia 1 IV/Xperia 1 Vあるいは小型モデルのXperia 5 II/Xperia 5 III/IVの場合、Xperia 1の時代には無かったソニースマホ新機能「Photography Pro」によって、さらに花火を綺麗に撮影出来ます。

Xperia 1(2019年)に比べて、より新しいIIシリーズ以降のハイエンドモデルではメインカメラのセンサーが大きくなっているため、花火撮影や夜景撮影の画質は大幅に向上しています。

(同じ環境でも、新型のほうが明るく・鮮明に撮れる)

2023年最新型Xperia 1 Vでは従来より大きなカメラセンサー+2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサーを採用し、花火の撮影により性能を発揮できる仕様となっています。

そして、最新のXperia上位スマホでは暗い場所での撮影に適したマニュアルモードが使えるようになりました。

ソニースマホのハイエンドクラス機種でのみ使える「Photography Pro」アプリを使うと、花火撮影に適した設定を一眼レフ・ミラーレスカメラのようにマニュアルで指定することが出来ます。

Photography Proを使って花火を撮影したい場合、前項で解説したとおり三脚が必須です。花火の火花が散る様子を撮影するには数秒~十数秒以上シャッターを開きっぱなし(シャッター時間を長く)に設定することが一般的であるため、撮影中にスマホを動かさない工夫・設備が必要です。

関連記事:Xperia 1IIIで夜景を綺麗に撮れる方法と設定-Photography Proを使ったプロカメラの撮影

Xperia 10 III/10 IVなどで花火撮影をする場合

Xperiaのハイエンドモデルではなく、値段の安いミドルスペック「10」シリーズでも、花火撮影をそれなりに綺麗に行えるモードがあります。

(Xperia 2022年モデル 10 IV)

Xperiaの比較的新しいミドルモデル Xperia 10 III(2021)/Xperia 10 IV(2022)では、シャッタースピードを通常よりも長めに設定できる「ナイトモード」と、マニュアルモードも対応しています。

Xperia 10 IVなどのミドルスペックモデルでは最大露光時間は1秒となっています(2022年8月時点のソフトウェア)。そのため、大きな花火だと火花が長く落ちるシーンをすべて撮影するのは難しいかもしれません。しかし、花火が開くタイミングでうまくシャッターを押せば、簡単に色鮮やかな花火が撮れます(マニュアル設定を使う場合、三脚必須)。

関連記事:Xperia 10 IVレビュー

ミドル機種のスマホカメラで三脚を使って(マニュアルモードで)満足に花火撮影が撮れなかった場合は、残念ながらそこが限界かもしれません。花火のような明暗の大きな撮影には、カメラセンサーの大きさ・ズーム性能がもろに反映されるため、カメラ性能が高いハイエンドモデルには及ばないことがあります。

NTTドコモでは2023年8月7日より、2022年モデルのハイエンド機種「Xperia 1 IV (SO-51C)」をオンラインで機種変更でも77,000円値引きを開始します。高嶺の花だった上位Xperiaを実質3.3万円~程度の負担で入手できる大チャンスとなるため、この機会に買い替えをして、次の花火大会に備えましょう。

☆「ドコモのお知らせ- 8月7日以降の割引変更について

[レビュー]Xperia1シリーズで花火写真は綺麗に撮れるか?カメラ機能を花火大会でチェック(Xperia1V追加)

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