3大キャリアでいち早く2017年夏モデルを発表したソフトバンクのハイエンドモデル、Xperia XZs(型番 602SO)を旧モデルのXperiaシリーズから買い替える価値があるのか、機能や性能面・スペックを比較してみましょう。
ソフトバンクモデルのXperia XZsは2017年5月12日予約開始、5月下旬発売予定となっています。事前予約のキャンペーン案内も出ていますので購入する場合は発売日前に注文することをオススメします。
データで比較
まずはXperia XZsから見てちょうど2年前の発売だった Xperia Z4(402SO)を含めたソフトバンク版のXperiaシリーズ、2016年冬モデルの現行モデル Xperia XZ(601SO)と合わせて、公式発表されている細かな数値データを見比べてみましょう。
機種名 | Xperia XZs | Xperia XZ | Xperia XP | Xperia Z5 | XperiaZ4 | Xperia Z3 |
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発売日 | 2017年5月下旬 | 2016年11月2日 | 2016年6月24日 | 2015年10月29日 | 2015年6月12日 | 2014年11月21日 |
画面サイズ | 5.2インチ | 5.2インチ | 5.0インチ | 5.2インチ | 5.2インチ | 5.2インチ |
解像度 | 1080×1920 | 1080×1920 | 1080×1920 | 1080×1920 | 1080×1920 | 1080×1920 |
重量 | 161g | 161g | 165g | 154g | 144g | 154g |
縦幅 | 146mm | 146mm | 144mm | 146mm | 146mm | 147mm |
横幅 | 72mm | 72mm | 71mm | 72mm | 72mm | 73mm |
厚さ | 8.1mm | 8.1mm | 8.6mm | 7.3mm | 6.9mm | 7.4mm |
電池容量 | 2900mAh | 2900mAh | 2570mAh | 2900mAh | 2930mAh | 3100mAh |
CPU | MSM8996 スナドラ820 | MSM8996 スナドラ820 | MSM8996 スナドラ820 | MSM8994 スナドラ810 | MSM8994 スナドラ810 | スナドラ801 |
RAM | 4GB | 3GB | 3GB | 3GB | 3GB | 3GB |
ROM | 32GB | 32GB | 32GB | 32GB | 32GB | 32GB |
メインカメラ | 1900万画素 | 2300万画素 | 2300万画素 | 2300万画素 | 2070万画素 | 2070万画素 |
サブカメラ | 1300万画素 | 1300万画素 | 1300万画素 | 510万画素 | 510万画素 | 220万画素 |
防水/防塵 | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ | ○/○ |
指紋認証 | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × |
4G LTE連続待受時間 | 700時間 | 710時間 | 530時間 | 500時間 | 550時間 | 940時間 |
これまでソフトバンクではdocomo, KDDIと同日か、それよりもやや遅いタイミングでXperiaシリーズが発売されてきました。しかし今回のXperia XZsについては国内最速での発表となっています(ただしおそらく発売日は3キャリア同時でしょう)。
Xperia XZsおよび旧シリーズのより詳しいスペックデータはソフトバンクの公式サイトにアップされていますので、細かい所が気になる人はチェックしてみてください。
Xperia XZsのデザイン
Xperia XZsはその名が示すように、Xperia XZの後継機種モデルであり、マイナーチェンジモデルとなっています。そのため外観はほぼ変化がありませんが、新しくカメラユニットが変更されたため、ちょっとだけカメラ部分が変わっています。
左が新しいXperia XZsのカメラ、右がXperia XZです。Xperia XZsのカメラリングは少しボディから出っ張ったデザインに変更されました。
真下から見た場合でも、やはりカメラレンズ部分が少しだけ飛び出ているのがわかると思います。最近のスマホでは多いデザインですが、旧モデルに比べてテーブルにスマホを置くと少しガタつくかもしれません。しかし、iPhone7に比べれば出っ張り部分は小さくなっていますし、ケースを付ければほとんど気になることはないでしょう。サイズ的に言うと、Xperia XZsのレンズ周りの高さは「8.1mm(最も厚い部分8.7mm)」と表現される+0.6mm分のことでしょう。
XZsではカラーラインナップは変更されています。ソフトバンク向けには海外モデルにはなかった「シトラス」も追加されています。ボディはXZ同様にアルミ合金素材の「ALKALEIDO」を採用。カラーはXZと変更があるものの質感は似ています。Xperia X Performance以前のシリーズから比べると新素材になりますので、どんな質感かを確かめたい人は、XZs発売前にXZをショップで見てくればOKでしょう。
SoCはSnapdragon 820のまま変わらず RAMはアップ
Xperia XZとXZsはスマートフォンの処理性能を左右するSoCにまったく同じSnapdragon 820を搭載しているため、パフォーマンス面ではあまり大きな違いはありません。一方、RAM容量はXperia史上最大の4GBを搭載しましたので、たくさんのアプリを同時に起動した場合などに効果を発揮するということです。
2017年現在の最高性能スマートフォン機種ではSnapdragon 835というチップが搭載され、RAM容量も6GBのハイエンドモデルもあります。Xperia XZsのパフォーマンスに不足を感じることは滅多にないとは思われますが、処理性能面で言えば他のハイエンドモデルのほうが上のこともあるでしょう。
関連記事:2017年夏ハイエンドスマホ用SoC Snapdragon835搭載機種を比較
進化したのは「カメラ」だけ?!
Xperia XZ → Xperia XZsでユーザーが実際に体感できるレベルで変化が見られるのはカメラだけかもしれません。
さらに旧モデルのXperia Z5 → Xperia XZへの変化時にもカメラにおいては「三位一体テクノロジー」や「レーザーAFセンサー+CMOSイメージセンサー+RGBC-IRセンサー」といった3つのセンサーを搭載しており、新しいカメラユニットを強調していました。XZsでは早くも新しいカメラ技術が搭載され、XZに比べてもさらに機能性がアップしているということです。
Xperia XZsでは画素数が1,920万画素に減っていますが、写真の質を決めるのは画素数だけではありません。レンズ・画像素子・ピクセルサイズ・画像処理エンジンなど、多くの要素が関係して「簡単にキレイな写真が撮れるかどうか」が決まります。
Xperia XZsでは新しく「Motion Eye(モーションアイ)」システムが搭載されています。
イメージセンサーにメモリを搭載することで、従来比約5倍*の高速データ読み出しが可能に。人間の目では追えない被写体の一瞬の動きを高精度にとらえます
新機能としては「スーパースローモーション」(1秒960コマのスローモーション)、「先読み撮影」が追加されました。
Xperia XZsの960fpsというコマ速度は、iPhoneのスローモーション機能である「120fps/240fps」の4倍に相当します。スローモーションの作例はYoutubeに海外モデルでの撮影例がたくさん出ていますので、動画サイトを探してみて下さい。以下のムービーは特にスローモーション機能がよく表現されています。
先読み撮影とは、ユーザー自身がシャッターを押すよりも前の被写体の動きを感知し、自動で最大4枚の写真を記録するというものです。
より詳しいカメラの説明はソニー公式サイトを参照ください。
☆「http://www.sonymobile.co.jp/xperia/softbank/xzs/camera.html」
Xperia XZsは買いなのか?
Xperia XZsは以上のようにXperia XZからRAM容量・カメラについては進化が見られますが、それ以外のスペックは2016年夏~冬モデルレベルで留まっています。2017年のハイエンド機種のトレンドから比べると、CPU/RAMともに一歩遅れを取っていると言えるかもしれません。
しかしながら、個人的にはXZの「Snapdragon 820+RAM 3GB」でも日常利用はもちろん高処理が必要なゲームも快適に動くくらい、十分なハイパフォーマンスだと思っています。ベンチマークアプリの数値だけなら、ソフトバンクから7月上旬発売予定のシャープ AQUOS R(スナドラ835搭載)のほうが上でしょう。
Xperia XZsに買い替えるかどうか検討すべき人は、
・ソニーの新しいスマホカメラセンサーを試してみたい
・Xperia XZのRAM 3GB メモリの少なさが原因で購入を見送った
・Xperia Z4, Z5, XPのバッテリーの持ちに不満がある
・Xperia Z3を使い続けるのは流石に無理がある
こんなふうに感じている人は新型モデルへの買い替え時期と言えそうです。Xperia XZsはXperia Z4の発売から約2年が経過しており、Z4から比べれば各性能が大幅にアップしていると言っていいです。Z4に無かった機能としては指紋認証システムが最も大きいものでしょう。
また、Xperia Z4,Z5に搭載されたSnpadragon 810は発熱・バッテリー消耗が他のSoC搭載機種より大きく、この世代から比べると電池が2割以上も長持ちするようになりました。Xperia X Performanceは同じスナドラ820なのですが、バッテリー容量が5インチモデルとしても小さめでしたので・・・
特にソフトバンクで初めて取り扱われたXperia Z3(401SO)は良機種ではありましたが、さすがに発売から2年半が経過したのでバッテリー性能の劣化や性能・機能の時代遅れ感が出てきています。Z3からの買い替えであれば、カメラやRAM容量の違いだけでなく、水滴が付いても誤タッチが発生しにくいディスプレイやAndroid 7.1の新しいOSも新体験となることでしょう。
なお、Xperia X Performance以前のスマートフォンから買い換える場合、Xperia XZ, X Compact(ドコモのみ), Xperia XZsでは充電に「Type-C USB」接続ケーブルが必要となります。所持していない場合は本体と一緒に購入するか、変換プラグなどを用意しましょう。
関連記事:2016年冬モデルXperiaを買ったらコレも買おう!オススメの激安microUSB→Type-C変換アダプター
2017年の最新スマホのトレンドとしてはSnapdragon 835・RAM 6GBの他に、「超狭額ディスプレイ」・「タッチ式指紋センサー」・「ダブルカメラレンズ」などがありますが、Xperia XZsはこの流行を取り入れていません。このような最新の機能性を欲する人にはXperia XZsはちょっと斬新さに欠けると感じるかもしれませんね。
カメラ以外の性能が2016年レベルであるXperia XZsは他のハイエンドモデルスマートフォンよりも低価格で提供される可能性があります。実際、SIMフリーモデルであればこの夏のハイエンドモデルである Galaxy S8/S8+よりXperia XZsのほうが1万円以上安く売られています。
あとは各社の販売価格も考慮して買い替えるべきかどうか考えてみると良いでしょう。ソフトバンクではXperia XZs専用の事前予約キャンペーンも実施していますので、新規・MNP・機種変更など契約したい種別のキャンペーンをチェックして最安値で買えるように適用条件の確認もお忘れなく。