発表時点で世界最小・最軽量とされた楽天モバイルの自社回線で使える独自スマートフォン「Rakuten mini」(らくてんみに)に、2020年4月新色の「クリムゾンレッド」が登場しました。

楽天モバイルの自社回線サービスは同社が販売するスマートフォンのみが動作保証対象機種になっており、他社が販売するスマホ・iPhoneでの利用が想定されていません(実際には保証対象外の機種でも動作報告が多数あります。詳しくは「2020年4月正規サービス開始 楽天モバイル自社回線で使えるスマホ・iPhoneはどれ?利用・対応周波数(Band)/eSIMの設定」を参照)。

楽天モバイルでは2020年4月18日時点において、楽天モバイル自社回線サービスに対応した11機種のAndroidスマートフォンを販売中です(販売中の11種以外にも、SIMカードの入れ替えで動作が確認された旧モデルがいくつかあります)。

Rakuten miniはこの11種類のスマホ中でももちろん最小&最安のスマホです。

楽天モバイルの自社回線サービスを利用するにあたり、この超小さなオモシロ端末を買って使ってみたい・とにかく安くRakutenで使えるスマホを手に入れておきたいというユーザーも少なくないと思います。

スマホ機種に詳しい人であればすぐに気づくことでもありますが、Rakuten miniは良くも悪くも、普通のスマホとは一味違う端末です。Rakuten miniを購入するのであれば、その特殊な仕様を理解しておく・いくつか気をつけたほうが良い点もありますので、購入前の参考に注意点をピックアップして紹介します。

☆「楽天モバイル(MNO) 対象機種一覧はこちら

楽天ミニのスペック・仕様

Rakuten miniは指でつまめてしまう程にコンパクトでありながら、ちゃんと「スマートフォン」として動作する、小型デバイスです。

「本体が小さいこと」に起因する操作性・画面の見やすさなどについては誰でも普通のスマホとの違いを理解して購入検討をすると思いますが、Rakuten miniには他社の一般的なスマホとは他にもいくつか注意すべきユニークな点があります。

主なスペック Rakuten miniの仕様*
本体サイズ 106.2×53.4×8.6 mm
本体の重さ 79グラム
画面の大きさ
(解像度)
3.6インチ
(HD/1280×720)
電池容量 1,250mAh
待受可能時間 約160時間
連続通話可能時間 約5.4時間
CPU Snapdragon 439
RAM 3GB
ストレージ容量 32GB
おサイフケータイ 対応
防滴/防塵 対応(IPX2/IP5X)
SIMスロット 無し
(eSIMのみ)

(*より詳細なスペック・対応機能は楽天モバイルのサイトを参照)

まず、Rakuten miniの良い点でもあり、使い勝手としてイマイチと感じるかもしれないポイントとして、Rakuten miniは3.6インチという非常に小さなディスプレイパネルを採用しています。

昨今ではスマートフォンのディスプレイパネルはどんどん大きくなり、画面が6インチを超える機種も当たり前のようになっています。それに比べて、Rakuten miniのサイズは非常に小型です。

小型のデバイスとして人気だったアップルのiPhone SE(第1世代、4.0インチ)よりもRakuten miniのほうが圧倒的に小さいサイズです。2020年4月24日に発売される iPhone SE(第2世代)は4.7インチとさらに大きくなっています。

関連記事:[4月24日発売]Apple DSDS対応iPhone SE(第二世代,2020)の価格・iPhone8との違い-コスパが良いと言えるか?

小型のスマートフォンが好みというユーザーも少なくないと思いますが、Rakuten miniの小型さは、歴代のiPhoneでいうとiPhone 4s時代(3.5インチ)にまで遡ることになります。


(写真左が4.0インチiPhone SE, 右が3.5インチiPhone 4s)

スマートフォンのディスプレイサイズは、そのままスマホの操作性に影響を与えます。「持ちやすい」という意味では小型のスマホが好みの方も多いはずですが、大きめのスマホ画面に慣れたユーザーがいきなり3.6インチサイズのRakuten miniに機種変更すると、そのギャップに使いづらさを感じる可能性があります。

Rakuten miniの画面に表示されるアイコンや文字、キーボードなども当然画面サイズに合わせて小さくなります(表示文字のサイズは変更も出来ます)。1画面に表示される情報量が少なくなりますので、情報収集の効率は下がるかもしれません。

iPhone SE(第2世代)が4.7インチへ大きくなってしまったことを残念に感じたユーザーがRakuten miniへ機種変更を検討したくなったというケースもあるはずです。「画面が小さいことのデメリット<本体が小さいことのメリット」を感じられるのなら、Rakuten miniは楽天モバイル自社回線対応端末の中でも圧倒的に小さなスマホですので、買ってみる価値はあるでしょう。

Rakuten miniは電池持ちが弱い

Rakuten miniはスマートフォンとして、普通にアプリやツールが動く程度にスームズな操作が可能であり、スマホの利用頻度が少ないユーザーにとっては楽しい端末です。

しかし、スマホをハードに使う・携帯電話/メールを頻繁に使いたい場合には、Rakuten miniの電池容量の小ささに起因する問題が生じます。

Rakuten miniに搭載されたバッテリーは1250mAhであり、これは最近の折りたたみガラケーより小さな電池です(たとえばドコモの最新ガラケー 富士通 F-03Lの電池は1680mAh)。他スマホの平均的数字と比べれば半分以下~1/3程度でしょう。

その小さな電池で、小型とは言えスマホのディスプレイを点灯させ、さまざまなシステム・アプリを動かすわけですから長く電池が持つことを期待するのは無茶な話です。

楽天モバイルが公称する数字では、LTE接続時の連続待受時間が約160時間とされています。つまり、全くスマホを操作しない状態で1週間保つかどうか、というレベルです。

スマホの電池持ちに関しては比較する対象機種によってバラツキがあるので表現が難しいところですが、例えば2019年モデルで非常に電池がよく持つことで有名なAQUOS sense3(楽天版はAQUOS snese3 lite)の場合、4000mAhの大容量電池を搭載することで、LTE接続時の連続待受時間は最大910時間、連続通話可能時間は約48.8時間にも及び、Rakuten miniの5~6倍は電池がよく持ちます。


AQUOS sense3は5.5インチのディスプレイ・本体重量もRakuten miniの約2倍となる166グラムです。Rakuten miniのウリである「小型さ」とはかけ離れた機種ですが、「スマホの電池長持ち」を優先するのなら、AQUOS sense3 liteを選ぶことをオススメします。

Rakuten miniでは全く使わない・操作しない状態に置いて1週間ほど待受が出来ますが、通勤通学時間・昼休み・帰宅後にネットを見たり・アプリで遊んだりするのなら、毎日の充電~1日に2回くらいの充電が必要になる可能性があります。

いつでも充電が可能な環境に居る、モバイルバッテリーなどを持ち歩いて充電することが出来る、Rakuten mini自体がサブ端末(他のスマホを別途持ち歩いている)であるような場合には電池持ちの悪さは気にならない人もいるはずなので、「Rakuten miniでどんなことをしたいのか/どのように充電・バッテリーの運用をするのか」をよく考えて検討することを推奨します。

SIMスロット無し-楽天モバイル解約後の使い方が限定的

Rakuten miniの「小さいこと」以外で最も尖った仕様の一つは、SIMカードスロットが存在しないことでしょう。

Rakuten miniは「eSIM」という仕組みが本体に内蔵されており、一般的なスマホにある「SIMカードスロット」がありません。つまり物理的なSIMカードを入れて、他社携帯回線で使うことが出来ません

普通のスマホであれば、SIMロック解除をする/同系列のMVNO(格安SIMサービス)などに乗り換えることなどで、機種購入・契約した携帯会社以外でも使えるモデルが一般的です。Rakuten miniも「SIMロック」はされていませんが、2020年4月時点において、国内ではeSIMサービス自体が限定的であり、Rakuten miniをそのままドコモ・au・ソフトバンクなど大手キャリアで使うことは不可能です。

2020年4月時点において、楽天モバイル以外に一般向けeSIMプランを提供しているのはIIJmioのeSIMサービスくらいです。

関連記事:「IIJmie eSIMデータプランゼロ」通常の格安SIMとの違い/スマホ料金節約のコツ

IIJのeSIMプランではRakuten miniの公式動作確認はされていませんが(2020年4月18日時点)、データ通信だけであれば接続可能です(eSIMのプロファイル導入、APN設定が必要)。しかし、IIJmioにはeSIM用音声SIMプランはありませんので、通話は不可能です。

そもそも、Rakuten miniは楽天モバイル以外の国内キャリアが使うVoLTEに対応していません

Rakuten miniが対応しているバンド(周波数帯)は、楽天モバイルの自社回線用のBand3のほか、パートナー回線であるau用のB18/B26を含めていくつかの国内で利用される周波数帯に対応するものの、eSIMのみで契約が必要というハードルがかなり高い状況です。

楽天モバイルの自社回線サービスでは、現在先着300万人まで年間無料で使えるキャンペーンがあり、これを目当てに契約しているユーザーも多いと思いますが、1年の無料期間が終わった後のことを考えると・・・ということです。

無料期間後もずっと楽天モバイル自社回線契約を続ける、あるいは使い終わったら中古として売却するのであれば問題無いでしょう。しかし、他社携帯回線でも使いたい・他の格安SIMサービスと回線を入れ替えながら使いたい、という用途は難しくなります。

また、楽天モバイル以外にも携帯電話回線を契約している場合に、万が一楽天モバイルの回線がシステム障害・通信障害があったときにも、他社のSIMカードを入れて使うということも出来ません(複数回線を契約しているようなユーザーであれば、SIMカードを入れられるスマホもたくさん持っているでしょうけれど)。

将来的にeSIMを使ったサービスが増える可能性もありますので、必ずしも「Rakuten miniは楽天モバイルやIIJmioでしか使えない」という意味ではないものの、”物理SIMカードが使えない”ことは制約となりやすいでしょう。

Rakuten miniはもともと本体価格が2万円という安い機種ですので、携帯会社を乗り換えて長くずっと使い続けたいというユーザーは少ないかもしれませんが、「eSIMでしかモバイル契約ができない」という特殊な仕様になっていることを前提に手に入れるべきかと思います。

Rakuten miniの対応周波数問題

2020年6月、楽天モバイルが販売したRakuten miniにおいて、ロットによって対応可能な周波数帯(バンド)が異なるモデルが混在しており、大問題となっています。

特定の時期以降に発売されたRakuten miniは国内でも使われているBand 1に対応しておらず、総務省の認証を受けた工事設計と異なる可能性があり、そのまま利用すると電波法違反の恐れがあります(現時点では総務省・楽天モバイルそれぞれ調査中の状態であり、今後どのような対応が取られるかは不明)。

対応しているバンドは製造番号(IMEI)によって調べることが可能です。

関連記事:楽天モバイル公式サイト-Rakuten mini対応バンド

Rakuten miniがお得に買えるキャンペーン(終了)

*miniのキャンペーンは終わりました。実施中の他キャンペーンをご利用ください。

☆「楽天モバイル公式サイト キャンペーンをみる」/キャンペーンは予告なく終了・変更する可能性があります

iPhone SEより小さな楽天モバイル専売 Rakuten mini新色レッド発売-購入前に覚悟したほうが良いこと