SIMフリーのスマートフォンを国内で使う場合、あるいは国内のスマホを海外で使いたい場合には「周波数帯」と呼ばれるものに注意しなくてはいけません。これが一致していないと、スマホ・携帯電話は契約済みのSIMカード刺し込んでも通話やインターネットに接続出来ません。
携帯電話用の周波数帯は「band(バンド)」とも呼ばれ、国内の各キャリアはそれぞれ割り当てられたバンドを利用しています。ドコモであれば、以下の周波数帯を現在運用していますので、ドコモから発売されているスマホ以外の端末を使うときは、下記バンドが利用できる仕様になっているか確認が必要です。
バンド数/周波数 | 通信速度(下り最大) | 特徴 |
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Band1/ 2GHz帯または2.1GHz帯 | 75 Mbps | ドコモで最もエリアが広いとされる主要バンド。2100MHz帯と書かれることが多い |
Band3/ 1.7GHz帯または1.8GHz帯 | 150 Mbps | 東名阪バンドと呼ばれる(大都市でのみ割り当てられることから) |
Band19 /800MHz帯 | 75 Mbps | |
Band21 /1.5GHz帯 | 112.5Mbps | |
Band28 /700MHz帯 | 2015年から利用開始されている新バンド。通信速度は不明。187.5Mbps ? |
docomoのLTEではバンド1,3,19,21の4つに対応した機種を「クアッドバンド対応」などと呼び、ドコモから発売された2013年冬~2015年春頃までのスマートフォンの多くが最大150Mbpsまで対応したクアッドバンド機種です。
Band28の新しい周波数帯に対応しているのはGALAXY Note Edge SC-01GやARROWS NX F-02G、そして2015年夏モデル以降のXperia Z4などとなります。
ドコモから発売されているスマホの白ロムなら、間違いなく国内のドコモ系MVNOで使う分には問題ありませんが、注意が必要なのはSIMフリー機種を利用したい場合です。
たとえば、国内では未発売のSIMフリー版Xperia Z3 Tablet compactを使いたいな~と思うのなら、型番を確認して対応周波数を必ずチェックしましょう。「SGP621」という型番なら以下のバンドで使える仕様となっています。
4G: LTE Band 1/2/3/4/5/7/8/13/17/20 / 3G: 850/900/2100 MHz / GSM: 850/900/1800/1900 MHz
こうして並べるとたくさんのバンドに対応しているようにも見えます。上記の表に登場した、LTE Band 1, 3には少なくとも対応するため、ドコモ系のSIMカード(サイズはnano)で利用できるであろうことが推測されます(実際にこの型番であればドコモ回線でLTEが使えます)。しかし、Band19,21,28のエリアでは利用できない可能性が高く、ドコモ版のスマホやタブレットより電波の掴みが悪い可能性もあるのです。
一方、2015年5月に発売されたASUSのZenfone2であれば、以下のバンドで使えます。
2100MHz(1)/1900MHz(2)/1800MHz(3)/1700,2100MHz(4)/850MHz(5)/800MHz(6)/900MHz(8)/1700MHz(9)/800MHz(18)/800MHz(19)/700MHz(28)
これならドコモのBand 1,3,19,28の4バンドに対応し、さらに余談ですがauのBand1,18, SoftbankのBand 1,8,ワイモバイルのBand 1, 3, 8に対応するため、ほとんどのキャリアでLTEを掴みます(auの回線では通話は不可)。
このようにSIMフリー機種を使う場合は、「如何に多くのbandを掴めるか?」というのが機種選びの一つのポイントでもあります。周波数帯に詳しくない方は、出来れば利用実績など調べてから購入検討するのが好ましいですが、「人柱になってやろう」という方はこのあたりの事情を考えてSIMフリー機種の輸入と利用テストを実施しているようです。