2019年6月1日からドコモの携帯電話(ガラケー)向けの料金プランが変わりました。

現在契約できるドコモの携帯電話専用の基本料金プランは「月額1320円のケータイプラン」のただ一つとなっています(旧プランをすでに使っているユーザーはそのまま古いプランを使うことも可能)。

従来のドコモガラケー(FOMA用)では「バリュープラン/ベーシックプラン」という大きな区切りの他に無料通話の量に応じてタイプSS/タイプS/タイプM/タイプL・・・などなど、”たくさんの基本料金プラン”が存在していました。

しかし、今は選ぶべき基本プランは「ケータイプラン」の一つだけです。

このケータイプランにはインターネット利用に必要なデータ容量100MBとspモード相当の利用料金が含まれています。追加のオプション・料金を支払わなくても基本料金1200円だけでケータイでネット利用・メールが使えます。


(実際にケータイプランを利用している回線の請求状況)

ここでは”1200円の中で使える100MB”の目安を紹介していきます。

ちなみに、ソフトバンクにもこの「ドコモケータイプラン」と類似した「ケータイ100MBプラン」というものが存在します。

基本料金はソフトバンクよりドコモのほうがちょっぴり安くなっています(2021年3月時点)。

(参考)ケータイプランには”パケットパック”は存在しない

これまでのドコモユーザーには馴染み深いものですが、スマートフォン用のプランであれば最近は単に「ギガ」とも呼ばれる、データ通信の利用可能容量を選択することが旧プランでは一般的でした。


(古いドコモのデータ容量プラン)

スマホ用であれば”2GBまで”や”5GBまで”、家族用の大容量パックとして”20GB”や”100GB”プランなんてのもありました。

しかし、ドコモのケータイプランにはこのような”ギガ”を選ぶオプションはありません。ケータイプランで選べるのは”100MB”が含まれた基本プラン一つだけです。

高速通信オプション(GB)を追加で購入する/上限を超えた場合に自動で追加する”スピードモード”というオプションは存在しますが(解説は下記で行います)、ドコモケータイの利用者は「100MBで使える容量」を目安として、ケータイプランの基本料金だけで収められるのか・ギガの追加購入が必要になるか・あるいはケータイプランではなく”ギガライト/ギガホ”のスマホプランを選ぶべきなのか、良く確認してプランを選ぶことで携帯料金の節約をしましょう。

ドコモ Xiケータイではスマホと同じ「ギガホ/ギガライト」でケータイを使うことも出来ます。ケータイでテザリング(PC/タブレットのネット接続)をしたい場合などに向けた選択肢ですが、通常ケータイ端末だけでギガホの容量(30GB)も通信させることは考えにくいため、ほとんどの現在のガラケーユーザーは「ケータイプラン」あるいは「ギガライト」を検討すれば十分のはずです

”100MB”ってどのくらい?

ガラケーユーザーで基本的に通話とメールのみを利用してきた場合には”パケット容量”と言われても、なかなかその容量で何が出来るのかイメージがわかないと思います。

先ず大前提として、ケータイプランの「100MB(メガバイト)」という容量はあくまで”ケータイでの利用”を想定したものであり、スマホ用のサービスを使うにはかなり少ない容量であることを把握しておきましょう。

”MB”(メガバイト)は、1バイトの100万倍の容量であり、他の単位外換算をすると、

100MB=102,400KB(キロバイト)=104,857,600B(バイト)=819,200パケット=0.097GB(ギガバイト)と同じ意味です。

スマホ用に使われる”ギガ”から比べて、ケータイプラン1200円に含まれる容量は0.1GB足らずということになります。

この100MBで出来ることの目安は、

・ウェブページの閲覧:約100ページ
・動画視聴:約30分(低画質)
・Facebookの閲覧:約100フィード
・「アマゾンプライムビデオ」の動画:低画質で約40分(1時間あたり約0.14GB)/最高画質で約3分(1時間あたり約1.8GB)
・LINEの音声通話:約5.5時間(10分あたり3MBくらい)
・LINEのビデオ通話:約20分(10分あたり50MBくらい)
・LINEトーク(テキスト送信):約5万回(1回あたり2KBくらい。スタンプ・画像などを使うともっと消費が増えます)

このような容量です(2019年夏時点で販売されているドコモケータイではP-01JとF-02JのみLINEアプリが利用可能です:参照)。

LINEのテキストのみのメッセージ送信であれば、100MBという容量は十分なデータ量です。

ウェブサイトの閲覧は見るサイトによって大きく必要な容量が変動しますが、携帯電話サイズのサイトなら100回や200回は見ることが出来るはずです(スマホ・PC用にたくさん画像を使ったサイトだと数十回程度で100MBに到達することもあります)。

アプリのダウンロード・動画閲覧には向かない

100MBあればユーチューブの動画も低画質に設定すれば30分くらいの再生が出来ます。ただし、高画質に設定してしまうとほんの数分で使い切ってしまう程度の容量、とも言えます。

また、スマホ用のアプリの場合、かんたんなツール系アプリを除くとゲーム系・3D機能を使うアプリは1個で1GB(1024MB)以上の大容量データ通信が発生するため、ケータイプラン(100MB)内でのダウンロードはほぼ不可能・高画質な動画閲覧には不向きです(ドコモケータイではそもそもアプリのダウンロードは基本的に出来ません)。

ドコモのXiケータイは最速100Mbpsを超える速度で通信できるLTEに対応しており、SIMカードを差し替えることでスマホ機種でも使うことができちゃいますが(SIM入れ替え・指定外デバイスについてはこちらを参照)、スマホで普通に使いたい場合はスマホプランへ変更してください。

普通のスマホプランと同じようにケータイプランで通信を利用するとあっという間に100MBを使い切って速度規制状態(128kb)になりますので注意が必要ですが、そもそもケータイで動画を見たりアプリを使う人は殆ど居ないはずなので、それほど問題ないでしょう(ガラケーをハードに使いこなす人なら、自分で適切なプラン選択・Wi-Fi利用によるパケット節約術を身に着けているはずなので)。

Xi携帯はFOMA携帯よりも通信量が増えます

FOMA携帯とXi携帯は「通信方式が違う」/「3Gと4Gの違い」ということは多くのユーザーが理解していると思います。3Gよりも4Gのほうが通信スピードが速くなり「短時間でたくさんの通信をしてしまう」ことも、容易にイメージ出来ると思います。

しかし、もう一つ注意してほしい点として、この2タイプの携帯では同じメール・同じウェブサイトを開いた場合であってもXiケータイのほうがFOMAガラケーよりも多くの通信を必要とするケースがあります。

同じものを見るのであれば、通信量は同じなのでは?と思うかもしれませんが、これはドコモが公式にアナウンスしている内容です。

<従来機種よりもパケット通信量が多くなるもの>
・ドコモメールの1回あたりの送受信*・WEBの閲覧*・電話帳のクラウド利用 など
(同一のメール送受信・WEBページ閲覧においても、従来機種よりパケット量が多くなります)

どうして通信量が増えるのか明確な理由は記載されていませんが、おそらくFOMA/iモード契約向けに表示されるページよりもXiケータイ用のページ/メールにはデータ量が大きな画像や情報が多く転送される仕様になっているのでしょう。

とはいえ、FOMA時代と現行のXiケータイ向けの「1パケットあたりの料金」は昔よりもずっと安くなっていますので、単純に「FOMA→Xiに変えると同じ使い方でも通信量が増えて携帯料金が高くなる」というものではありません。

比較:旧プラン「ケータイパック」

2019年5月31日をもって新規申し込み受付は終了している、旧ドコモ携帯電話専用料金プラン「ケータイパック」を現在利用中のユーザーは機種変更時に「プラン変更をしない」を選べば、引き続き旧プランのまま新しいガラケーを買うことも出来ます。

旧プランの「ケータイパック」では、10MBまでの容量であれば月額330円で利用できて、その後は0.03円/KBで上昇~4,640円で最大2GBまで使えるというプランでした。

現行のケータイプランが100MBで低速化するのに対して、ケータイパック(旧)は2GBまで止まらずに高速通信を使えます。

ただし、ケータイパック(旧)で100MBまで使うだけで3,000円近くの料金になってしまうため、旧プランで料金を安く抑えるためには”殆ど携帯でネットは使わない”テクニックを知っている必要があり、思わず少しネットにつないだだけのつもりでも数千円の請求になってしまうリスクがありました。

一方、旧プランの場合は月々サポートを適用できたため、現在月々サポートを受けてケータイパック(旧)を使っているのであれば ”新料金プランのメリット”と”月々サポートがなくなるデメリット”を天秤にかけて選ぶ必要があります。

旧プランから新プランに変えるともとに戻すことが出来なくなるため、月サポを適用している場合はとりあえず割引期間が終わるまでは様子見をして、月サポが切れてから変更するのも良いでしょう。

参考:新料金プラン対応)ドコモガラケー2019年最新機種シャープSH-02Lの機種変更料金・維持費シミュレーション

スピードモードで”ギガ”を追加する場合

ドコモのケータイプランでは100MBを使い切ってしまった場合に高速通信速度に戻す事ができる”スピードモード”という、自動容量購入・1GB追加購入オプションが使えます。

1GBの追加購入費用は1,100円で、My docomoから追加購入・またはスピードモードの事前設定によって1GB~10GBまで自動速度解除が出来ます。

毎月100MBでは絶対に足りないと分かっているユーザーは、予めスピードモードに「1GB」を追加設定しておけば、1,124MBまで速度低下が起こることはありません。

料金は1GB追加されるごとに料金が掛かるため、もし10GBまで使うと基本料金とあわせて1万円以上もの請求になってしまいますが、上限を決めておく(1~10GBまで1GB単位で任意設定。携帯側でのアラート設定)ことで、使いすぎによる高額請求を防ぐ事が出来ます。容量を使わない場合は、追加料金の発生もありません。

関連記事:ドコモのXiケータイ(SH-01J,P-01J)でパケット料金を抑える方法・不要な通信をさせない設定

ドコモの新しい「ケータイプラン」は月額1,200円という安い料金に設定されていますので、料金内で出来ること・使えるサービスは限定的です。しかしながらスマホプラン(月額2980円~)に比べれば1人だけの利用でも格安で最低限携帯電話としての機能を使うことが出来ます。

今後FOMAガラケーはますます入手が困難になり(ドコモショップでの通常購入は在庫がないため、ほぼ出来ません)、FOMAサービス自体が2020年代のどこかで終了してしまうため、それまでにドコモの新型ケータイ・新料金プランで安く済ませる方法を理解し、機種変更しておくことをおすすめします。

FOMA携帯からのドコモの新型ケータイの購入、ケータイプランへの加入は公式ウェブサイトから行うと事務手続き手数料がタダで取替可能です(店頭では必ず手数料が掛かります)。店頭よりも安く・早くドコモガラケーを取り替えたい人は、下記ウェブ手続きの流れをチェックして申込みをおこなってください。

ドコモ新料金1200円ケータイプラン 100MBで何が出来る?データ容量の目安