携帯業界の主流がすっかり「スマートフォン」一色になってしまい、従来の通りの意味での「ガラケー(フィーチャーフォン)」はその姿をそのままに、「ガラホ」あるいは「ガラスマ」などと呼ばれる「スマートフォンと同じ仕組みで通話・ネットに繋がる機種」へ変貌しようとしています。

上記の画像はドコモから発売中のシャープ製ケータイ SH-01Jです。どこから見ても外観は昔ながらの折りたたみ携帯電話なのですが、その実態はスマートフォンと同じシステム「Android」が搭載されています。

実際に管理人もSH-01Jを購入して使っていますので、以下ではその使い勝手を従来のガラケーと比べながら解説していきます。

ドコモでは従来通りの「iモードケータイ」の生産・出荷を2016年末に終了させており、2017年2月時点ではもう作っていません(*シニア携帯・キッズ携帯を除く)。今はまだギリギリ買える機種の在庫が残っていますが、在庫がなくなれば、それでおしまいとなります。

関連記事:ドコモのガラケー機種変更 2017年2月時点で買える機種・価格一覧

ドコモのiモードケータイ販売終了にあわせて、スマートフォンデビューをしよう!というのなら「はじめてスマホ割」を使うことが出来ますので2年間は大幅な割引でお得に使える制度があるものの、それでもやっぱりまだ「ケータイ」に拘りたい人は「ガラホデビュー」をしてみるのはいかがでしょうか。

今回はiモードケータイ → spモード/ Xi対応の 高性能携帯に買い換えると何が変わるのか解説してみたいと思います。

これから解説する内容はドコモのオンラインショップで購入すると貰える【AQUOS活用ガイド】を一部参考にしています。ガラホを買ってからどんなふうに使えば良いのか説明書が欲しいという人は、ウェブで注文して限定冊子を貰いましょう → 「オンラインショップ限定 冊子同梱アクオスケータイ SH-01Jを注文する」/2017年3月31日まで

高音質通話「VoLTE」が使える

VoLTE (読みは「ボルテ」・Voice over LTEの略)とは、比較的新しいスマートフォンや6/6 Plus以降のiPhoneシリーズで利用できる高音質な通話システムのことです。

詳しい技術的な話が気になる方はドコモの公式ページ(docomo-VoLTE/VoLTE(HD+))あたりを読んで頂くとして、従来のFOMA(3G)通話に比べて低周波・高周波数側の両方に幅広い音声を伝えることが出来る技術をガラホ(2017年2月時点のドコモ対応機種は「SH-01J」/「P-01J」の2機種)でも使うことが出来ます。

従来の携帯電話でも話は聞き取れるし・・・と思うかもしれませんけれど、SH-01Jではさらに「でかレシーバー」という機能を搭載し、通常の携帯電話向けスピーカーよりも約1.5倍の大きな音で声を聞く事も出来ますので、携帯電話で声が聞き取りづらいという人は最新のAQUOSケータイに買い換えると会話を正確に、より現実感のある声質で行えるようになります。

ネット速度が数倍にアップ

あくまで理論値での比較ということにはなるものの、従来のFOMAケータイではデータダウンロード速度は最大で14.4Mbpsだったところ、Xi(LTE)に対応したSH-01J/P-01Jでは桁違いのスピードが出るようになります。

通信方式 ダウンロード アップロード
LTE(Xi) 最大112.5Mbps 最大37.5Mbps
3G(FOMA
ハイスピード)
最大14.4Mbps 最大5.7Mbps

Xi対応のガラホ機種なら大きめの画像が掲載されたウェブページもさくさく表示出来ます(実際の通信速度は電波状況・通信エリア・混雑状態に依ります)。旧ケータイ向けのウェブページよりも豊富なコンテンツを短時間でダウンロード出来て、ケータイで撮った写真の送受信も快適になります。

(*ガラホの中でもFOMA通信専用の旧モデルSH-06G/F-05Gの場合はLTE通信には対応していません)

LINEアプリが使える

LINEは使おうと思えば従来のガラケーでも一部機能のみなら使えるそうですが、ガラホでは専用のアプリが初めから入っています。

自宅や勤務先にいる間でWi-Fi環境があるのなら、モバイル通信を使わずにいくらでも無料でメッセージ交換・通話・ビデオ通話も出来ます。

ただ、SH-01J/P-01Jに入っているLINEアプリはスマートフォンで利用できるものとは違い、「有料スタンプ」は購入できないようにされています。間違ってスタンプを買ってしまう心配はありませんが、豊富なスタンプが使いたくてLINEをやる場合は普通のスマートフォンを買ったほうが良いかもしれません。

Wi-Fi(無線LAN)でインターネットに繋げる

これも古いガラケー機種でも出来る機種が無かったわけでは機能ながら、1世代前のSH-06Gでは利用が出来なかったWi-Fi接続によるネット利用がSH-01JおよびP-01Jでは利用可能です。

自宅や仕事場だけでなく、公衆Wi-Fiサービス(予め登録が必要な場合が多いです)などにガラホを接続すれば、携帯回線のパケット通信料金を気にせずインターネットが楽しめます

パケット定額プランに加入していれば料金が青天井になることはありませんが、低価格な価格変動型プラン(ケータイパック)に加入する場合はWi-Fiをどんどん活用していきましょう(自宅でWi-Fiを使うためには無線LAN装置およびインターネット回線の契約が別途必要です)。

テザリングでルーター代わりに

AQUOSケータイ SH-01J, P-Smart P-01Jではソフトウェアアップデートによりテザリング機能が使えるようになりました(2017年4月時点)。

SIMカードを挿入していないスマホやタブレット、パソコンなどを新型ケータイを仲介してWi-Fi, Bluetooth, USBテザリング(利用できる種類は機器ごとに異なります)によりネット接続が出来ます。これまで「ガラケー+パソコン+ルーター」という3台持ちをしていた人は新型ケータイに買い替えることにより、ルーターを持ち歩く必要がなくなります。

ルーターとケータイで別々に基本料金を支払うよりも節約できる可能性がありますので、モバイルルーターが無いと困るけど料金を安くしたいというユーザーにはメリットがあるでしょう。

*ケータイのパケットプランからデータ通信容量を使うことになりますので、利用量に応じたプラン契約が必要となります。節約目的であれば「従量制ケータイパック(詳しくは後述)」を選ぶのも良いですが、テザリング機能を頻繁に使う場合はよく考えてプランを選択しましょう。

使い方はほとんど「ガラケー」のままに

Androidをベースにしたことで「システムの基盤」は全くの別物になっているものの、だからといってガラケーとガラホでは使い方が全く異なるというわけではありません。むしろ、電話をかける・メールを送る・読む・カメラを使うといった基本的な機能は、あえてガラケーと全く同じ操作で出来るように簡易化されています。

文字の入力も従来のテンキーのまま、数字ボタンを繰り返し押すことで入力・変換も出来ます。SH-01Jの場合はテンキーエリアをタッチパネル(どちらかと言うとマウスパッド)にようにつかう「タッチクルーザーEX」という機能もあり、インターネットブラウザやLINEアプリで画面を素早くスクロールさせるような利便性も兼ね備えています。

ディスプレイに表示される文字が小さいと感じる場合は「シンプルメニュー」を使えば、ガラケー時代から変わらない「メール」「Web」「カメラ」「設定」などの基本項目だけを表示させ、余計な利用を防ぐことも可能です。

データの引き継ぎも出来ます

これまでに使っていた携帯・スマートフォンから各種データを転送する事もできます。電話帳のデータは「ドコモ電話帳」というクラウドサービス(インターネットを通じてデータを保存しておき、必要な時に呼び出す)もガラホから利用できるようになっています。

ドコモ電話帳サービスでは旧モデルのSH-06G/F-05Gでは利用制限が掛かっていた機能もあるそうですが、XiケータイとなったSH-01J/P-01Jではスマートフォンで利用できるものと同じサービスが利用可能となっています。

関連ページ:https://www.nttdocomo.co.jp/service/phonebook_cloud/

また、SH-01Jには赤外線通信機能/Bluetooth接続機能も付いています。

赤外線センサーは背面のカメラ横に。これを使ってネット回線がない環境下でも古い携帯から電話帳データや画像ファイルを簡単に送受信することも出来ます。

通常の利用方法ではSH-01J, P-01Jを含むドコモのAndroidケータイではユーザーがアプリを自由に追加することは出来ないことになっています。

・・・出来ないことになってはいますが、やろうと思えばアプリを入れて操作することも可能です。

通常の利用方法から外れた使い方になるため運用は自己責任(アプリを入れたことによるバッテリー消費の増加や、アプリの競合による不具合などもあり得なくはない)となりますが、ガラケーの小さな画面でも結構便利に使えるアプリもあると思います。

詳しくは下記の記事を参照ください。

☆「[裏技的]ドコモ AQUOSケータイ SH-01Jでアマゾンビデオを見る方法

ガラホでは料金プランが変わります

高速のLTE通信に対応したSH-01JおよびP-01Jに旧モデルのケータイ(iモードケータイ・FOMA用spモードケータイ)から機種変更を行う場合、必ずプランが変わります。従来のガラケーとは接続の方式が違いますので、利用するSIMカードも変更されます(XiケータイのSIMはXiスマートフォンのものと同じです)。

Xiケータイでは2つの通話プラン(月額1,200円/月額2,200円)を選択出来ます。従来のように「○分間の無料通話付きプラン」というような料金体系は選ぶことが出来ません。

毎月の支払い料金は「通話プラン」+「spモード料金(300円)」+「データプラン」という3つの要素(端末代を分割にする場合は別途)から成り立っています。

データプランはXiケータイ専用の「ケータイパック」を契約する事が出来ます。データの利用量に応じて月額300円~4,200円(ずっと割適用時は上限3900円まで割引あり)まで変動します。

変動性プラン以外にも毎月2GB/5GB/20GB/30GBといった本来スマートフォン向けに用意されていた各種データプランも利用できます。家族が「シェアパック」を契約しているのなら、シェアオプション(月額500円)に加入することでデータ容量を分け合う事もできます。

長通話・インターネットをあまりしない人向け:【カケホーダイライトプラン(1200円)】+【spモード(300円)】+【ケータイパック】=月額1,800円~5,700円

電話をたくさん・家族とデータシェアする場合:【カケホーダイプラン(2200円)】+【spモード(300円)】+【シェアオプション(500円)】=月額3,000円

電話は少なめ、ネットをたくさんする人の定番プラン:【カケホーダイライトプラン(1200円)】+【spモード(300円)】+【データSプラン(2GB)】=月額5,000円

電話・ネットをたくさんする人の定番プラン:【カケホーダイライトプラン(2200円)】+【spモード(300円)】+【データSプラン(2GB)】=月額6,000円

電話オンリーの最安プラン:【カケホーダイライト(1200円)】=月額1,200円

2017年2月より、「カケホーダイライトプラン+2GBプラン」の選択が出来るようになりました(以前はライトプランを選ぶとデータは5GB以上限定だった)。いつもたくさんのデータ通信をしたい(0.137GB以上)人は、ケータイパックの上限に毎月に到達してしまうと料金が却って割高になるので、定額パックへの加入をオススメします。

2018年5月25日よりドコモのスマホ向けにも新しい料金プラン「ベーシックパック」を提供開始することに伴い、ケータイ料金も維持費を安く出来るようにかけ放題無しの「シンプルプラン」とケータイパックを契約できるようになります。

電話をほぼ使わない・ネットは少しだけ使う場合:【シンプルプラン(ケータイ)(980円)】+【spモード(300円)】+【ケータイパック (300円~4200円)】=月額1,580円~月額5,480円(ずっとドコモ割プラス適用時 5,280円)

2018年11月よりドコモケータイ(spモード用)向けに、月々サポート(および端末購入サポート)の適用条件が緩和され、パケットプランを契約しない場合にも月々サポート割引が付くようになりました。

この変更により、ドコモのFOMAガラケーにて「通話だけが出来れば十分で、スマホと同じシステムだとネット料金が高そうで怖い」というユーザーの心配が払底出来ます。spモード・パケットプランをそもそも契約しなければ、携帯のネット接続料金が高くなることはありえません

ただし、spモードも外してしまうとドコモメールも使えなくなりますので、本当に「通話だけで良い」という人以外はspモードとケータイパックを付けて契約することをオススメします。

詳しいドコモケータイの月々サポート改定については以下の記事にまとめています。

☆「SH-012018年11月1日~ドコモのガラケーが更に安く月額1200円~ 月サポ値引き条件緩和 パケットプラン不要へ

iモードサービス → dサービスが使えるようになります

スマートフォンと基本的に同じサービスが使えるSH-01Jでは、従来の「iモードサービス」は使えなくなります。しかし、2017年時点でもうすでにiモードサービスは廃れており、iモード用アプリ・サービスは終了の一途を辿っています。天気情報・ニュース情報をみたいのならiモード向けコンテンツよりもスマートフォン向けサイトの方が情報が豊富なので、旧ガラケーからガラホに買い換えると便利になることのほうが圧倒的に多いはずです。

SH-01Jで対応しているサービスは以下のようなものがあります(一部抜粋)

・dマーケット(dショッピング/dファッション)
・ドコモ地図ナビ(GPSを搭載しています)
・ワンセグテレビ
・マチキャラ/iコンシェル
・デコメール
・バーコードリーダー
・歩数計機能
・ストップウォッチ
・おサイフケータイ
・カメラ(静止画/動画撮影)

この他の詳しいスペック・機能は公式サイトにてチェックしてください。

ここまで紹介してきたアクオスケータイSH-01Jとは使える機能が違ってしまう(VoLTE・Xi通信・WiFi・おサイフケータイ利用不可)のですが、やっぱり昔のFOMAプランのまま使いたいという人には「spモード用FOMAケータイ」のSH-06Gをオススメします。

☆「ドコモケータイ AQUOS SH-06Gをみる」/機種変更一括0円(販売終了)

新型のSH-01Jに比べて利用できる機能はかなり限定されますが、機種変更ても本体価格は無料(端末購入サポート・SPモードケータイ)なので、一切ネットを使うつもりがない・Wi-Fi接続もどうでも良いという人には十分かもしれません。

AQUOSケータイ SH-01Jを安く買う方法

ドコモの携帯電話をドコモショップ店頭で買うと頭金として5,000円~8,000円程度の「本体代金・手数料とは別の上乗せ」代金が生じることがあります。

この頭金を節約できるのが「ドコモオンラインショップ」での注文です。ドコモの公式サイトなので、事務手数料も無料となり実店舗で買うより5000円~1万円くらい安くケータイを購入できます。

購入後の設定・使い方が不安な場合も、オンラインショップの購入で限定の「AQUOSケータイ SH-01J 活用ガイド」が貰えますので、ガイドを参考にしてガラホを使いこなしてみましょう。

この活用ガイドは店頭での購入では貰えない限定品です。今の時代はケータイの使い方もネットで調べることは出来ますが、やっぱり紙の冊子が手元にあったほうが安心・便利だという人こそ、オンラインショップでの購入をオススメします。

☆「オンラインショップ限定 冊子同梱アクオスケータイ SH-01Jの購入はこちら

☆ドコモの簡単オンライン注文手順まとめ

ドコモのガラケーから「ガラホデビュー」SH-01J 変更される料金プランや使えるサービスの仕組み

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