NTTドコモでは「らくらく」シリーズとして、初めてのスマートフォン・使い方が簡単で誰にでも使いやすい携帯電話機種の提供を行っています。
2019年時点でもドコモではらくらくホンの販売を続けていますが、2020年代に行われるFOMAサービスの提供終了(3G停波)により、古いタイプのガラケーが使えなくなり、「らくらくホン」シリーズの機種の中でも使えなくなる(通話・メールなども一切利用が出来なくなる)モデルがあります。
今後もドコモでガラケータイプのらくらくホンを使い続けたい場合には機種交換が必要となりますので、現在古いタイプのドコモ携帯電話を使い続けている人・ドコモガラケーを使っている家族が居る方は早めに交換手続きを行っておきましょう。
ドコモのガラケーが使えなくなる「2つ」のタイミング
まず、ひとことに”ガラケーが使えなくなる”といっても、らくらくホンの場合には2つの理由によって利用継続が困難になるケースが考えられます。
1つ目は「修理・サポートが打ち切られる」タイミング、そして2つ目は「らくらくホンで使える通信サービス自体が終了する」タイミングです。
前者(修理/サポートの問題)はらくらくホンの中でもいろんな機種があるため、終了時期は一律ではありません。2019年時点でもう修理が出来ないモデルも、今後も修理が出来る機種もあります。
後者(通信サービスの終了)は、ドコモの古いガラケーが一律で使えなくなるタイミングであり、機種変更をしない限り回避不可の、絶対的な終了日となります。
らくらくホンの修理・サポート終了時期
ドコモではこれまでにたくさんの「らくらくホン」という名前がつく携帯電話が作られ、販売されてきました。
らくらくホンの修理やサポートの終了日は型番で判断することが出来ます。
以下は2021年2月28日時点(更新)におけるらくらくホンの型番別サポート終了予定リストです。
モデル名(型番) | 終了受付予定 |
らくらくホン F-01M (Xi対応最新モデル) |
未定 (サービス継続中) |
らくらくホン F-02J (Xi対応2016年モデル) |
2023年8月末で終了 *生産終了/販売終了済み |
らくらくホン ベーシック4 F-01G |
2021年4月末で終了 |
らくらくホン7 F-09B |
2021年8月末で終了 |
らくらくホン8 F-08F |
終了済み |
らくらくホンV F884iES らくらくホンIII F672i らくらくホン シンプル D880SS らくらくホンベーシック(F883i) らくらくホンベーシックII(F-07A) らくらくホンベーシックS(F883iS) らくらくホンプレミアム(F884i) らくらくホン(F880iES) らくらくホンII(F881iES) らくらくホンIII(F882iES) らくらくホンIV(F883iES) らくらくホンV (F884iES) らくらくホン6(F-10A) らくらくホンIVS(F883iESS) |
すでに終了済み |
ドコモのウェブサイトに掲載されている全18種類の「らくらくホン」では、2019年7月時点で修理が可能ならくらく携帯は4モデルのみとなっており、それ以外の古い機種は公式の修理は受け付けていません。
さらに修理可能な4モデルのうち、3モデルまでは終了日が確定しており、今から2年以内に修理ができなくなります。
修理が出来なくても壊れるまでは使うことが出来ます。が、もちろん壊れてしまえばそれまでです。修理が終わっている機種はもう何年も前に販売自体が終了しているモデルですので、さすがに買い替え時です。
交換用のパーツ・電池なども無くなってしまいますので、修理サポートが終わる前には機種変更をしておくべきです。
既に修理サポート終了済みの14種類のうち、すでにサービス提供が終わっているmova(ムーバ)専用モデル・FOMAモデルもありますが、次に解説する「3G/FOMAサービス終了日」までそのまま使うことが出来る機種と、もう使うことが出来ない機種があります。
3G終了によって使えなくなるらくらくホン
2020年1月時点までに発売された「らくらくホン」のうち、2016年に発売された「F-02J」/2019年モデル「F-01M」を除き、すべての古いらくらくホンが3Gサービス終了と同時に使えなくなる見込みです(mova専用モデルは2012年時点で使えなくなっています)。
3G/FOMA専用のらくらくホンを含むドコモガラケーは、そのままだと2020年代半ば~程度に予定されているFOMAサービスの提供時に自動的に解約されてしまいます。
2019年時点ではまだ具体的に「この日に使えなくなる」という予定日はドコモでは決定していません→ ドコモのFOMA/3Gサービスの提供終了日が確定しました。
auの場合は同じく3Gサービスの「CDMA 1X WIN」を使う携帯が2022年3月を以って終了することが確定しています。
詳しい3Gサービス終了日の日程解説は下記を御覧ください。
関連記事:3Gガラケーはいつ使えなくなる?ドコモ・ソフトバンク・エーユー キャリア別終了時期
らくらくホンの場合には、以下のモデルが3Gサービス終了と同時に使えなくなります。
FOMA対応モデル:F884iES、D880SS、F883i、F-07A、F883iS、F884i、F880iES、F881iES、F882iES、F883iES、F884iES、F-10A、F883iESS
mova対応モデル(既に使えない携帯):F672i
上記のFOMA専用らくらくホンを使っている場合、プラン変更をしても3G停波後は使い続ける事はできません(通信の規格自体が最新モデルと違うため)。
3G/FOMA専用携帯を利用中、家族が使っている場合は「らくらくホン F-02J/F-01M」などの新しい携帯電話を買って機種変更するか、スマホデビューをするかのどちらかとなります。
関連記事:ドコモ新料金プラン 一人利用ではガラケー or スマホデビューのどちらが安い?最安値比較
LINEが使えるらくらくホン F-02Jの機能制限について
2016年に発売されたらくらくホン「F-02J」は、らくらくホンでは唯一(2020年時点)、LINEアプリが利用出来るモデルです。
しかし、一部の古いドコモ機種に搭載されているLINEアプリはセキュリティの観点から今後利用出来る機能に制限・LINEアプリ自体が使えなくなることが確定しています。
らくらくホン F-02Jの場合は、2020年3月31日を以って「LINEプッシュ通知機能」が使えなくなる見込みです。
2020年4月以降もLINEアプリを起動する(携帯電話を開き、LINEアイコンを選ぶ)ことで通知を受信することは可能ですが、携帯を閉じているときに届いたメッセージをリアルタイム受信出来なくなります。
ドコモのらくらくホン・ケータイでは、2020年春時点まで新しくLINEアプリを搭載した機種が出ていないため、今後もPUSH通知が必要な場合は、スマホ機種に買い替えてください(らくらくシリーズだと「らくらくスマートフォン me F-01L」ならLINEが使えます)。
らくらくホンF-01Mなら月額1320円~でずっと使える
ドコモの古い(3G専用の)ガラケーはFOMAが終わってしまうと使えなくなりますが、らくらくホン・ガラケーはまだまだ令和時代でも需要があるため、ドコモでは引き続きガラケー・らくらくホンを使いたい利用者向けに新しいモデル・新しい料金プランで提供を継続しています。
古いタイプのらくらくホンをずっと使ってきた場合、FOMAサービス終了前に機種変更が必要となりますが、上記の「らくらくホン F-01M」ならば、これまで使ってきたガラケーとほとんど変わらない簡単操作・大きな文字・数字ボタンによる入力操作が出来ます。
F-01Mには押しやすいボタン・聞こえやすいスピーカーも搭載され、年代を問わず使えるシンプルで使いやすさを最優先した携帯電話です。
ただし、このF-01Mは従来のFOMAプランのままでは契約できず、プランも新しいケータイ用の「ケータイプラン」というもので契約することになります。スマホと同じギガライト/ギガホでも契約出来ますが、そういう使い方をするユーザーはまずいないでしょう。
ドコモの最新携帯向けのプランは「ケータイプラン」という1つのプランのみで、らくらくホン専用プランは存在しません。
ケータイプランは月額1,320円(ユニバーサル料金、オプションサービスなどを追加した場合を除く)で電話・メールも使える(家族間以外の無料通話は基本料金には含まれない)格安プランであり、普段は携帯をあまり使わない・電話を受けるだけ/送られてくるメールを見るだけといった用途なら十分でしょう。
らくらくホン以外のガラケーも何台か存在します。
当サイトではドコモから発売中のすべてのXiケータイ(法人モデルを除く)を実際に買って使い比べをしていますので、らくらくホンではなく普通のガラケーに機種変更したい方はあわせて参考にどうぞ。
参照:ドコモ最新ガラケーF-03Lと他携帯機種の違いを比べる 大きさ・持ちやすい機種は?
F-01Mの購入・ケータイプランへの加入はドコモウェブサイトで受け付けています。公式ウェブ限定の特典としてFOMA携帯・FOMAらくらくホンからの機種変更も事務手数料無料で行うことが出来ます。
当サイトでも実際にらくらくホン F-01Mを使ってみたレビューを掲載していますので、今後もドコモガラケーを使い続けたい・家族の携帯として3G停波後も回線を維持しておきたいのであれば、F-01Mを家族が使えそうかどうか検討用に参照ください。
関連記事:[購入レポート]ドコモらくらくホンF-01Mを購入して家族に渡す前に設定しておきたい項目と利用制限
おまけ:らくらくホンを「アハモ」で使ってみた
2021年春、ドコモは料金プランの値下げ改革の一環として新料金ブランド「アハモ」(ahamo)を発表しました。
アハモプランには「20GBまでのデータ通信容量+5分以内かけ放題」がセットになって月額2,970円の1プランのみ、という極めてシンプルでわかりやすいスマホ料金になっています。
これまでらくらくホンを使ってきていて「そろそろスマホに変えようか、でもスマホ料金プランは複雑で高くなりそうだから・・・」とスマホへの変更を見送ってきたユーザーにとってもアハモが向いている場合もあります。
そして、”スマホで操作が難しい”と感じるけれどahamoプランを使ってみたいという場合にも、”らくらくホンでアハモを使う”事ができるのかどうか、実際に契約して試してみました。
その結果、らくらくホン(F-01M)ならばアハモプランでも通信・通話が可能であることを確認しました。特別な設定も不要で、SIMカードを差し換えるだけで使えています(2021年6月時点、アハモ公式でのらくらくホン動作確認は行われていません)。
アハモの料金は月額2970円、一方でドコモのケータイプランでは月額1,320円~です。”料金を安くする”という目的ではらくらくホンからアハモプランへ変更するメリットはありませんが、スマホデビューをしてから「やっぱりガラケータイプのらくらくホンが使いやすかった」という場合に、一時的にSIMカードを入れ替えるだけで通話やデータ通信も使えるF-01Mがあると便利かもしれません。
当サイトでは他のガラケー機種でもアハモが利用できるかどうか、独自のチェックをしています(ドコモケータイ機種でもアハモで使えないモデルがあることを確認しています)。
関連記事:[検証結果]アハモでガラケー・ガラホは使えるのか?いろんなケータイを試してみた
らくらくシリーズも「スマホ」+「5G化」へ
2022年春、NTTドコモは”らくらくホン”シリーズの最新機種としてスマートフォンタイプの「らくらくスマートフォン F-52B」(元富士通の会社が作ったスマホ)および「あんしんスマホ KY-51B」(京セラが作ったスマホ)を発売しています。
2022年モデルのシニア向けモデルは、その名の通り「スマートフォンタイプ」になりました。ガラケータイプは2019年発売の「F-01M」を最後に、新型は出ていません。F-01Mも引き続き生産されているため折りたたみ携帯タイプ・ボタンタイプが欲しいならF-01Mを買えばOKですが、5G通信の早いインターネット速度をついにシニアモデルでも使えるようになります。
3G時代の通信速度に比べて、まさに桁違いの通信速度が出る5G対応らくらくスマートフォンを使って、大容量のビデオや動画をダウンロード→大画面のテレビに表示させてみるといった高度な使い方も、ご高齢のユーザーでもかんたんに出来るようになります。
スマートフォンタイプのらくらくモデルには5G用の「らくらくスマートフォン F-52B」と4G向けの「らくらくスマートフォン F-42A」というモデルがあり、価格は4Gモデルのほうが1万円ほど安く(2022年2月時点)なっています。
なお、電池持ちに関してはらくらくスマートフォンはあまり良くないため(内蔵されるバッテリー容量が一般的なスマホより小さいから)、電池持ち重視のユーザーは引き続きガラケータイプのF-01Mへの機種変更がオススメです。