2019年モデルのiPhone11/iPhone11 Pro/iPhone11 Pro Maxに搭載された「A13 Bionicチップ」の実力を、発売日購入したiPhone11 Pro実機によるベンチマークテストで確認してみた結果をレポートします(2020年、最新バージョンのアプリで測定した結果も追加しました)。

2019年モデルのiPhone11シリーズでは、すべてのモデルに第3世代のNeural Engine搭載のA13 Bionicチップが採用されました。アップルによればA13チップか過去のiPhone用のチップとして最高性能を持っているということでした。

アップルの新製品発表会で示されたイラストでは、1世代前のA12 Bionicチップを積んだiPhone XRをGPUパフォーマンスで超えており、2019年夏モデルAndroidスマートフォンの最高峰Galaxy S10+(SDM855搭載)・ファーウェイのP30 Pro(Kirin 980)を圧倒する性能を持っているとされていました。

これを確認するため、実際にドコモから購入したiPhone11 ProにてAntutuベンチマークを走らせてみました。

iPhone11 ProのAntutuベンチマークスコア

2019年9月20日時点の最新バージョンのアプリ「Antutu Benchmark(ver 7.2.3)」にて測定をしています。

測定の結果、iPhone11 Proのベンチマークスコアは457,629点でした。

Ver7.2.3 iPhone11 Pro
CPU
A13
トータルスコア 457629
CPU トータル 149973
演算処理 40139
一般使用 26725
マルチコア 83109
GPU トータル 218272
Marooned 53001
Coastline 86065
Refinery 79206
UX トータル 77386
データセキュリティ 36344
データ処理 25603
画像処理 4280
ユーザエクスペリエンス 11159
MEM トータル 11998
RAM 6424
ROM 5574

(ベンチマークスコアはデバイスの状況によってスコアが変動します)

2020年1月 ver 8.0での測定結果

Ver8.0.5 iPhone11 Pro
CPU
A13
トータルスコア 522596
CPU トータル 169662
演算処理 43149
一般使用 36943
マルチコア 89570
GPU トータル 210872
Terracotta 70210
Coastline 88443
Refinery 52219
UX トータル 83431
データセキュリティ 38093
データ処理 25919
画像処理 6366
ユーザエクスペリエンス 13053
MEM トータル 58631
RAM Access 36095
ROM APP IO 9764
ROM Sequencial Read 7343
ROM Sequential
Write
2122
ROM Random
Access
3307

iOS向け Antutuベンチマークのバージョンが変わると旧バージョンの数字とは全く比較が出来なくなることがあります。ver 7→8系統の変更では数字が大きく出るようになっていますので注意してください。

2021年時点、Android向けAntutuアプリはリスクアプリとしてGoogle Playストアから排除されています。利用には注意してください。

過去のiPhoneシリーズと11の比較

Antutuベンチマークアプリによるランキング情報です(https://apps.apple.com/jp/app/antutu-benchmark/id803837129?l=en)。

A13チップ・iPhone 11 Pro (本測定/ver 7.2) 457,000点
A12チップ・iPhone XS 348,000点
A12チップ・iPhone XS Max 347,000点
A12チップ・iPhone XR 336,800点
A11チップ・iPhoone 8 Plus 232,600点
A11チップ・iPhone X 229,600点
A11チップ・iPhone 8 222,900点
A10チップ・iPhone 7 Plus 176,100点
A10チップ・iPhone 7 169,500点
A9チップ・iPhone SE 154,400点
A9チップ・iPhone 6s Plus 148,900点
A9チップ・iPhone 6s 148,600点

2019年モデルのA13チップは、4年前に発売されたiPhone 6sシリーズ・A9チップに比べて3倍ほどのスコアを叩き出します。

参考:AndroidスマートフォンのAntutuベンチスコア

今回テストに使ったAntutuベンチマークは、Android用アプリも配信されています。

Android用とiOS用ではシステムが違うため、直接的な数値の比較をすることが正しいのかどうかは不明ですが、参考用としていくつかのAndroidスマートフォンのAntutuベンチマークスコア(ver 7.0系列)の測定結果を比較してみます。

モデル チップ Antutuスコア
iPhone11 Pro A13 Bionic 457,629
P30 Pro HW-02L Kirin 980 316,379
(パフォーマンスモード時)
Xperia 1 SO-03L SDM855 346,054
Xperia Ace SO-02L SDM630 88,207
Google Pixel 3 SDM845 285,543
AQUOS R2 SH-03K SDM845 259,692

*全機種の価格は「ドコモ iPhone・スマートフォン価格一覧」を参照。

実際にiPhoneを日常的に使う範囲であればiPhone6sシリーズやiPhone 7シリーズでもまだまだ現役で使える・ストレスを感じる場面は少ないと思われます。しかしながら古いiPhoneから最新機種に機種変更すれば、iPhone11シリーズではAR機能を使ったコンテンツや画像・動画の処理なども高速化されており、史上最強のiPhoneを体感出来るはずです。

iPhone 11 Pro/Pro Maxになると本体定価は10万円を超えてしまいますが、iPhone11 64GBモデルであれば比較的安く手に入りますので、最新のAndroidスマホを寄せ付けない圧倒的なAntutuスコアを叩き出すA13チップ搭載のiPhoneに買い換えれば、また長く同じ機種を使い続けてもストレスレスなスマホ利用を出来るようになります

あるいは「45万点」と言われてもそんなに凄いことをiPhoneでやりたいわけではないし、そこそこの処理力があれば十分だという場合には値下げされているiPhone8, iPhone XRを今こそ狙うというのもアリだと思います。

☆「2019年9月~ iPhone 8/iPhoneXR値下げ情報(SIMフリー/ドコモ/au/SB) 型落ちのお買い得モデル

昨今のiPhoneならば1年・2年前のモデルでも十分すぎるほどに高性能であり、すべてのユーザーにとってA13チップの恩恵を最大限に感じられるとは言い切れないため、価格とパフォーマンスのバランスを重視して選ぶことも重要です(ただしiPhone8/XRの安売りが行われるのは9月中が最後になる見込みなので、機種変更をするならお早めにどうぞ)

[実機レビュー]iPhone11ProのAntutuベンチマークスコア A13チップが驚異の数字を叩き出す