2021年4月29日~2021年5月5日までの期間限定で値下げされているApple AirPods Proと「ノイズキャンセリング対応の完全ワイヤレスイヤホン」のライバル機種 Bose Quietcomfort Earbuds, Galaxy Buds Pro, Sony WF-1000XM3をすべて手に入れてみましたので、比較評価していきます。
今回比較する4モデルはすべてケーブルが無い「トゥルーワイヤレス」と呼ばれるタイプのイヤホンであり、Bluetoothで接続できるiPhoneやスマートフォン・パソコンであればほとんどの機種で使うことが出来ます。
いずれもトップメーカーの人気商品ですが、それぞれのイヤホンで機能・仕様がかなり異なり、音質や使い心地・機能性も違います。
ここではそれぞれのモデルを実際にたっぷりと実生活で使い比べた感想を交えた評価と選び方のポイントを解説します。
ノイキャン対応4モデルの仕様比較表
モデル/仕様 | Apple AirPods Pro |
Bose Quiet Comfort Earbuds |
Galaxy Buds Pro |
Sony WF-1000XM3 |
重さ(1個あたり) | 5.4グラム | 8.5グラム | 6.3グラム | 8.5グラム |
最大音楽連続再生(ACN ON) | 4.5時間 | 6時間 | 5時間 | 6時間 |
最大音楽連続再生(ケース込) | 24時間 | 18時間 | 18時間 | 24時間 |
ケースの大きさ* | 高さ 45.2 mm 幅 60.6 mm 厚さ 21.7 mm 重量 45.6 g |
高さ 31.7 mm 幅 89 mm 厚さ 50.8 mm 重量 75 g |
高さ 27.8 mm 幅 50.0 mm 厚さ 50.2 mm 重量 44.9 g |
高さ 53.9 mm 幅 78.9 mm 厚さ 28.7 mm 重量 76 g |
充電方法・規格 | Lightning ワイヤレス対応 |
USB Type C ワイヤレス対応 |
USB Type C ワイヤレス対応 |
USB Type C |
防水 | IPX4 耐水 | IPX4 防滴 | IPX7 防水 | 非対応 |
基礎操作方法 | 感圧センサー | タッチセンサー | タッチセンサー | タッチセンサー |
*それぞれおよその数値、概要のみを記載しています(一部数値は当サイトでの実測値)。電池持ちは利用状況によって大きく差異が出ます。より詳細な仕様はメーカーサイト・販売サイト等を参照ください。
まず、各モデルではイヤホン本体とケースのサイズが大きく異なります。
それぞれのケースは充電器を兼ねており、イヤホンを内部に収納すると自動で充電が始まる仕組みです。
AirPods ProとGalaxy Buds Proのケースは比較的小さく、Bose QuietComfort EarbudsとWF-1000XM3のケースは大きいサイズです。
最も大きな WF-1000XM3のケースでも手のひらに十分乗るサイズです。ケースごとポケットに入れて持ち運ぶことが多いのならAirPods Pro, Galaxy Buds Proのケースはコンパクトで有利です。
AirPods Proと電池持ちの比較
連続利用時間・電池の持ちについては、ソニーの WF-1000XM3がやや優れています。
ソニーのイヤホンはノイズキャンセリングをオンにした状態で単体連続利用時間は6時間、ノイキャンをオフにしておけば8時間ほどの利用が可能となります。
1回の充電で利用できる時間はAirPods Proの約4.5時間が最も短くなっています。連続で長時間の利用頻度が多くなければケースに戻すたびに再充電がされますので、実生活ではAirPods Proの電池持ちでも十分だと感じられる人が大半でしょう。
新幹線や飛行機での長距離移動・長時間利用が多い方は、電池持ち優先でWF-1000XM3かBose QuietComfort Earbudsを選ぶというのも良いでしょう。
AirPods Proと防水・耐水性能の比較
防水の仕様については、Galaxy Buds Proが最も優れています。
Galaxy Buds ProはIPX7相当の防水に対応しています。IPX7はいわゆる「水没」に対する耐性があります。
IPX7は、最大30分間、最大で1メートルの淡水に沈めるテスト条件に基づいています。海やプールでの使用は、推奨されません。充電ケースは耐水性ではありません。
真水ではないプール・石鹸水・海水などに対して保護性能があるわけではないため過信は禁物ながら、「水しぶき」に対するIPX4相当の他社製品より安心感があります。
なお、 WF-1000XM3は防水・防滴に関する規格対応をしていないため、水回りや雨天時の利用は注意が必要です(スポーツ用にはソニーより「WF-SP800N」という防水対応のノイズキャンセリングイヤホンが発売されています)。
ケースの充電方式・接続方式
今回比較する4モデルのうち、AirPods Pro, GalaxyBuds Pro, QuietComfort Earbudsはケースのワイヤレス充電に対応しています。
Qi対応規格の充電器やパワーシェア対応のスマホに載せるだけで充電ができます(ケース用のQi充電器は各別売りとなっています)。スマホのQi対応製品を使っているのなら、セットでイヤホンもワイヤレス充電が出来ると楽です。
AirPods ProはiPhoneと同じLightningケーブル、その他モデルはUSB Type-Cにて接続が出来ます。
イヤホンの形状と操作性
これはモデルによって大きく仕様が違います。
まずApple AirPods Proは密閉型のイヤーチップ(上記はAirPods ProとWF-1000XM3はComplyというメーカーのチップに交換しています。管理人のお気に入りです)に、感圧式のセンサーが埋め込まれた短い棒状のパーツが耳から垂れ下がるデザインです。この形状からAirPodsは「耳からうどん」などと揶揄されることもありますが、AirPods Proでは棒状パーツは短めになりました。
AirPods Proの操作はこの棒部分に感圧式のセンサーがあり、指でグッとつまむような操作を行います。単純なタッチセンサー(触れるだけで操作)ではないため、誤作動が少なく、扱いやすい操作性です。
一方で、残りの3モデルの操作はタッチセンサーによるものであるため、イヤホンの向きや位置調整・髪をかきあげたりするときに意図せず手が触れると誤動作をしやすい傾向にあります。
ユーザーの動作としてはAirPods Proの「つまむ」より「タッチ」のほうが簡単と言えば簡単でもありますが、特に本体の小さいGalaxy Buds Proでは耳に押し込む時に誤タッチが生じやすいデザインになっています。
慣れてしまえばどれでも快適に操作できると思いますので、このあたりは好み次第です。
装着感・安定感の比較
各イヤホンの耳に対する装着感・安定性については個人差が非常に大きな問題であるため、あくまで管理人個人の場合という前提で評価をすると、4つのイヤホンで長時間装着した場合の痛みや、運動時に対するイヤホンの安定性にも差が感じられます。
まず、管理人の場合には長時間着けていても全く痛くならないのはBose QuietComfort Earbudsがダントツです。
Bose QC Earbudsのイヤーチップは特殊な形状で、Boseが特許を持っている「StayHear® Maxイヤーチップデザイン」が採用されています。
QC Earbudsのイヤーチップは「耳に押し込む」という感じではなく、柔らかいシリコンで”耳に蓋をする”という感じです。ウイング(上記写真の左端の部位)が耳のくぼみに引っかかることで安定性が増し、頭を強く振っても外れることはありません。このイヤーチップが耳の形に合わない人を除けば、装着感・安定性ともにBose QuietComfort Earbudsは優れています。
一方で、イヤホン全体を耳に押し込むタイプのGalaxy Buds Proは耳が痛くなりやすく感じます。
Galaxy Buds Proはシリコンのイヤーチップ部分だけでなく、イヤホン本体部分も耳に密着するようなスタイルで固定することを前提にしたデザインです。このため、イヤホンボディの形状が耳のくぼみに上手く合わないと長時間装着時に痛みを感じます。これはAirPods Proも似たような傾向にあります。
ソニーのノイズキャンセリングイヤホンはノズルが長く、イヤーチップ部分だけを耳に差し込むという感じです。装着感としてはイヤーチップのサイズが合っていれば痛くなりづらいものの、イヤホン部分が耳から大きく飛び出すことになるため、安定性は低めです(イヤーチップが適切なら簡単に耳から落ちるようなことはありません)。
以上から、「装着感」(長時間つけていても痛くならないかどうか)を評価するのであれば、
イヤホンの種類 | 装着感 (痛くなりづらい) |
Bose Quietcomfort Earbuds | ◎ |
Apple AirPods Pro | ○ |
Sony WF-1000XM3 | ○~△ |
Galaxy Buds Pro | △ |
といった順位です(あくまで個人の感想です)。Bose, Galaxyのイヤーチップは社外品が選べないことが多いため、耳の形状が特殊(他のイヤホンでサイズが合わないことが多い)な人は、購入前に視聴するのが良いでしょう。
イヤホンの種類 | 安定感 (外れにくい) |
Bose Quietcomfort Earbuds | ○ |
Apple AirPods Pro | ○ |
Sony WF-1000XM3 | △ |
Galaxy Buds Pro | ◎ |
耳にすっぽりとはまり込むGalaxy Buds Proのデザインは、他の「耳から飛び出す」タイプのイヤホンに比べて安定性が高くなっています。
Bose,Sonyのイヤホンはサイズが大きく耳から飛び出したボディ部分があるため、意図せず手や腕が当たってしまうと衝撃で落ちてしまうこともあるでしょう。
*いずれもイヤーチップと個人の耳の大きさ・形状によってかなり感じ方・評価が変わります。上記感想は「こう感じる人もいる」程度の参考に留めておき、各自で購入してご確認ください。
AirPods Proのノイズキャンセリング効果比較
AirPods Pro、Bose Quietcomfort Earbuds、Galaxy Buds Pro、 Sony WF-1000XM3はすべてのアクティブノイズキャンセリング(ACN)に対応しており、周囲の音を低減する機能を有しています。
いずれの機種もノイズキャンセリングに対して強いとしており、
・AirPods Pro:こんな魔法、聞いたことがない
・Bose Quietcomfort Earbuds:世界最高峰のノイズキャンセリング
・Sony WF-1000XM3:業界最高クラスのノイズキャンセリング性能
・Galaxy Buds Pro:周囲の雑音を最大99%まで抑える
などと各社がアピールしています(いずれも各メーカー公式サイトに使われている表現)。
では、実際のところノイズキャンセリングの効果・効き具合はどうなのか?と。
ノイズキャンセリングの効果については具体的な数字で表現することは難しいですが、個人的な評価を下すのであれば、
AirPods Pro≒Bose QC EarBuds>Galaxy Buds Pro≒Sony WF-1000XM3
の順番でノイズの低減を感じました(キッチンの換気扇を回し、ノイズ低減を聴き比べた印象)。
イヤホンのノイズキャンセリングは「音を完全に消す」というものではなく、低音~高音までノイズキャンセリングが効果的に打ち消すことの出来る周波数帯が異なり、人によって聞こえている音域も違うため、聞こえ方・評価は一律ではありません。
また、イヤホン・イヤーチップの形状が個々の耳の形状にぴったりフィットしていないとノイズキャンセリング効果が薄れることもあり、利用したイヤーチップのサイズや視聴環境によって感じ方も変わるでしょう。
例えばSony WF-1000XM3の場合、店頭で視聴したときにはほとんどノイズキャンセリングの効果を実感出来なかったところ、実際に購入後イヤーチップを交換して装着してみると、ノイズキャンセリングが効いていることを体感出来た、なんてこともありました。
その上で、管理人個人が評価するのであれば、AirPods ProとBose QuietComfort Earbudsは明らかに他の2種よりもノイズキャンセリング効果を高く感じています。
ノイズキャンセリングの効果を重要視する場合は、各自店舗でじっくりと視聴してから決めましょう(イヤーチップの交換も試すことを推奨します)
AirPods Proとノイズキャンセリングイヤホン価格比較
今回比較した4モデルの最新価格を比較しておきます。
2021年5月2日時点、ビックカメラでは以下の価格が設定されています。
モデル | 販売価格 |
Apple AirPods Pro | 期間限定値下げ 25,680円(5%ポイント) |
Bose Quietcomfort Earbuds | 33,000円(5%ポイント) |
Galaxy Buds Pro | 21,780円(10%ポイント) |
Sony WF-1000XM3 | 24,230円(10%ポイント) |
*最新価格は販売ページで確認してください。AirPods Proのセールは他店でも開催しています。
いずれも高性能モデルであるため、一般的なワイヤレスイヤホンに比べてお値段は正直高めです。各自で満足できる性能・機能があるのか、お買い得なセールを狙って購入検討をしてみてください。
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