2018年夏モデルとして発売され、その圧倒的なカメラ性能によって他社スマホを圧倒した P20 Proも2019年1月時点ではドコモによる大幅引きのアップにより、実質1万円で買える格安スマホレベルになりました(関連記事:ドコモスマホ値引き 最強カメラスマホP20 Pro HW-01Kが機種変も1万円に 1年で4万円値下げ)。
一方で、2018年後半に登場したGoogle製のスマートフォン Pixel 3およびPixel 3 XLも、ソフトウェアアップデートで追加された「夜景モード(Night Sight)」・AI技術によりどんな状況でも鮮明で綺麗な写真が撮れると評判です。
カメラの品質評価サイト DxOMarkによれば2019年2月1日時点でスマートフォンの最高得点を獲得したのはP20 ProおよびMate20 Proの109点、Google Pixel 3は101点とされており、P20 Proのほうがカメラ性能の総合スコアは上ということになっています。
DxOMarkのスコアは携帯開発メーカー自体も参考にするほど高い評価を得ていますが、とはいえカメラの性能評価基準と「どちらが綺麗に感じるか」というのは人それぞれの感性に依存する部分もあるはずです。
また、「109点と101点の差」と言われても良く違いが分からないと思いますので、当サイトでもP20 ProとPixel3でどのような写真のクオリティに違いが出るのか、試してみることにしました(DxOmarkに作例も掲載されています)。
今回テストに使ったスマートフォンは、
・P20 Pro (ドコモモデル HW-01K)
・Google Pixel 3
・Mate 20 Pro (SIMフリーモデル)
・iPhone X
・iPhone 7
以上の5台です。2018年モデルのiPhoneは物欲が湧かずスルーしたので、代わりに2017年モデルのiPhone X、そろそろ買い替え時期になるであろうiPhone 7を引っ張り出してきました。
Pixel3 vs. P20 Pro 暗所撮影テスト
今回、それぞれのスマートフォンの限界性能を比較しやすくするため、極めて暗い照明のもとで撮影テストを行ってみました。明るい場所でなら、どのスマホでも綺麗に写真が撮れちゃいますので。
撮影には以下のミニチュアハウスを使いました。下の写真が実際に目で見える明るさに近い明度です。
レベルの低いスマホならば、何を撮っているのか分からなくなる暗い暗い部屋で、世界トップクラスのスマートフォンたちがどの程度の画質に仕上げてくるのか、実際にチェックしていきましょう。
それぞれの写真は、iPhone 7とiPhone Xは設定なしの通常モードのみ、P20 Pro, Mate20 Pro, Pixel 3については設定なしの通常モードと夜景モードで撮影を実施しています。
上記の写真がトリミング前の画角です(Pixel3で撮ったままの縦-横比率)。すべてのスマートフォンで同じくらいの距離から撮影していますが、各機種カメラレンズの場所が異なるため、若干位置・角度が変わっている点はご了承下さい。
Androidスマホではマニュアルモードを使えばISO感度・シャッタスピード(SS)を任意の数値で設定することも出来ますが、今回はすべてオート設定です。それぞれ、以下の数値になっていました。
ISO感度 | 夜景モード | 通常モード |
IPhone 7 | — | 1600 |
iPhone X | — | 2000 |
P20 Pro | 200 | 6400 |
Mate20 Pro | 1250 | 6400 |
Pixel 3 | 473 | 2353 |
SS(秒) | 夜景モード | 通常モード |
IPhone 7 | — | 0.25 |
iPhone X | — | 0.25 |
P20 Pro | 4 | 0.06 |
Mate20 Pro | 4 | 0.058 |
Pixel 3 | 0.742 | 0.133 |
(Pixel3の夜景モードではもっと長い時間(3~4秒くらい)カメラを構えていますが、Exifデータをそのまま記載しています)
標準モード・夜景モードのそれぞれで、必ずしも同じ設定で比較しているわけではない点にも注意してください。
では、各写真のデータを御覧ください。
端末 | 夜景モード | 通常モード |
iPhone 7 (12MP) |
— | |
iPhone X (12MP) |
— | |
P20 Pro (通常:40MP 夜景:10MP) |
||
Mate 20 Pro (通常:40MP 夜景:10MP) |
||
Pixel 3 (12MP) |
*それぞれ画像をクリックすると拡大出来ます。容量がやや大きいため、モバイル回線利用時はパケット料金に注意してください。
さて、どれが一番綺麗に見えるでしょうか?
おそらくスマートフォンの画面で拡大表示をしない場合には、それほど大きな違いは感じられないかもしれません。しかし、古いiPhone と最高ランクのPixel3, P20 Pro , Mate20 Proでは、よく見ると劇的な画質の差があります。
まず通常モードでの画質を見比べてみると、Pixel 3のほうがMate20 Pro, P20 Proよりも綺麗に見えます。また、iPhone Xもかなり綺麗です。
通常モードでの画質に順番を付けるのであれば、
1位:Pixel 3 (圧倒的に綺麗)
2位:iPhone X (長めのシャッタースピードで画質を確保)
3位:P20 Pro(モノクロセンサーによる画質補正が効果的)
4位:Mate20 Pro (4000万画素もISOが高すぎてノイズが目立つ)
5位:iPhone 7 (5位でも見た目はそれなりに明るい)
このようなクオリティだと管理人は感じました。
Pixel 3ではオートでHDR+による補正がされており、目視では色が綺麗に判別できないような場所でも、かなりはっきりと写し撮る事が出来ています。夜景モードを使わなくてもここまで綺麗に撮れてしまうのかという驚きがありました。今回の撮影環境ではノイズの少なさ・色の補正ともに、Pixel 3は群を抜いているように見えます。
Mate 20 Pro, P20 Proの通常モードではシャッタスピードが短いため、ISOが6400まで引き上げられてしまっており、ノイズが目立つ結果となりました。シャッタースピードが短い=手ブレが起きにくい条件であるため、必ずしもこれが「悪い写真である・オート設定が良くない」とは言い切れませんが、仕上がってくる写真はISOが小さいPixel 3やiPhone Xに比べてノイズが目立ってしまいました。
続いて、夜景モードを比較してみると、Pixel 3の夜景モードでは最も色合いが強く綺麗に表現される傾向にあります。一方で、ノイズはP20 Pro/Mate20 Proのほうが少なく滑らかです(悪く言えばのっぺりとした仕上がりになっています)。
Pixel3とMate20 Proの夜景モードで撮影したものをさらにズームアップして並べてみました。明るさ・発色はPixel3のほうがどうみても綺麗です。ただ、全体的にはMate 20 Proのほうが綺麗に見えるのです。どちらを重要視するかは、人それぞれだと思います。いずれもまるで明るい照明下で撮ったような画像になり、古いスマホでは到底及ばない高みにあることは間違いありません。
今回のテストでは色合いをいっさい編集せずにアップロードしています。色はあとからフォトショップ・スマホアプリでも調整出来ますし、輝度ノイズもある程度までならば写真加工ソフトウェアを使えば処理できちゃいます。
Pixel 3とP20 Pro, Mate 20 Proの夜景モードはどちらも綺麗だが、仕上がりの傾向は違う(ノイズが少ないのはファーウェイ、色が綺麗なのはPixel 3)、という評価になりました。
機能性・画素数の違い
DxOMarkのカメラ性能テストでは、AI機能によるブーストや標準カメラ以外のレンズ・多機能性は評価の対象外になっています。しかし、実際のユーザー利用時による「便利なカメラだ」と感じるかどうかという評価ならば、さまざまなカメラ機能のトータルで考えるべきでしょう。
今回比較した5種類のスマートフォンでは、それぞれに搭載されているカメラレンズ・センサーは多岐にわたっており、「同じ環境・同じ状態で撮影する」だけでは比較しきれない部分もあります。
各カメラの特徴的な簡易比較表
モデル | レンズ・センサー性能 |
iPhone 7 (2016年秋) |
レンズ数:1個 1200万画素 F/1.8 5倍のデジタルズーム |
iPhone X (2017年冬) |
レンズ数:2個 (望遠・広角) 1200万画素+1200万画素 F/1.8(広角),2.4(望遠) 光学2倍ズーム+最大10倍のデジタルズーム |
P20 Pro (2018年夏) |
レンズ数:3個 (標準・ズーム・モノクロ) 4000万画素+800万画素+2000万画素 F/1.8(広角), 2.4(ズーム),1.6(モノクロ) 光学3倍ズーム |
Mate 20 Pro (2018年冬) |
レンズ数:3個 (超広角・標準・ズーム) 2000万画素+4000万画素+800万画素 F/1.8(標準), 2.2(超広角), 1.8(ズーム) |
Pixel 3 (2018年冬) |
レンズ数:1個 1220万画素 F/1.8 |
iPhone Xは2倍の光学ズーム、P20 ProとMate20 Proは3倍の光学ズームに相当する別のレンズを備えています。さらにMate20 Proは別途 16mm相当に相当する2000万画素の超広角レンズを搭載しており、それぞれ撮影可能が画角が異なっています。
(Mate20 Proのズームテスト:詳細はこちら)
広角~ズームまでの対応可能なレンジは、Mate 20 Proが圧倒的だと言えます。特に広角側のレンズは物理的な問題なので、iPhone XやPixel3では撮影不可能です(同じ範囲を写したければ被写体から遠く離れる、またはパノラマモードで合成写真を作るしかない)。
標準モードを利用した暗所撮影では圧倒的な画質を実現したPixel 3でも、以下のようなダイナミックな写真撮影ではMate20 Proに及びません。
標準モード同士の比較でも、Pixel 3が1220万画素であるのに対してP20 Pro, Mate20 Proは4000万画素という3倍超の画素数を持っているため、”十分に明るい場所で撮影した写真の微細”を比較すると、Pixel3のほうがぼんやりした画質になります。これらの違いは「そういう仕様」なのであって、各機種に得手不得手があるということです。
さらに言えば、Pixel 3にはズーム用のレンズこそありませんが、「超解像ズーム」としてある程度のデジタルズームを利用しても、綺麗な画質を保つ事が出来ます。
P20 ProのズームレンズはF2.2・800万画素となり、画質自体は標準モードに比べてかなり劣ります。そこに対して1220万画素のPixel 3の画像をズームアップして比較すると、仕上がりの差はそれほど大きくはありません。ビルのライトアップを比較するとやはり発色はPixel 3のほうが綺麗だが、画質はP20 Proのほうが若干綺麗という結果です(上記はかなり離れた距離からズーム/部分トリミングで比較しています)。
結局Pixel 3とP20 Proのどっちが良いのか?
上記にアップした写真以外にもたくさんの写真を撮影してみましたが・・・正直、Pixel 3, P20 Pro, Mate 20 Proのどれが「写真が綺麗に撮れるか?」という質問をされたのなら、答えに窮してしまいます。
個別のケースを考えると、以下のようなことなら言えます。
・通常モードのまま夜景を撮ると、Pixel 3の色が綺麗で画質もよい
・通常モードで明るい場所の撮影をすると、P20 ProとPixel3の解像度の差は明らか(40メガと12メガ)
・夜景モードで夜景を撮ると、色の綺麗さはPixel3、画質はP20Pro, Mate20 Proのほうが上
・Pixel3の超解像ズームは、P20 Proの3倍ズームと遜色ないレベル
・Mate20 Proの超広角レンズはP20 Pro, Pixel3, iPhone Xには無い
これらの各項目を、それぞれどの程度重要視するかによって、選ぶべきカメラ/スマートフォンが変わってくるとしか言えないという結果でした。
Pixel 3の「色の鮮やかさ」はAI加工によるものなので、人によっては不自然過ぎる(過度に加工されすぎている)と感じるかもしれません。その場合はHDRをマニュアルでオフにする(詳細設定から変更可能)、あとから色を好みに合わせて変更することも出来ますので、”色が綺麗”であることを評価のポイントに入れないという考え方もあります。
具体的に特徴でそれぞれのスマホを選ぶなら、
・夜景を編集なしで綺麗に撮りたいのなら→Pixel 3
・風景をダイナミックに切り取りたいのなら→Mate20 Pro
・安く性能の良いスマホカメラを手に入れたいのなら→P20 Pro
・iPhoneがほしいなら → iPhone
管理人の結論は、こうなりました。
Mate20 Proはドコモでの取扱はありません(Mate20 Proの価格情報はこちら)。iPhone X, Pixel 3, P20 Proの機種変更価格は以下のように大きく異なります。
モデル | 定価 | 割引後価格* |
iPhone X 64GB | 125,064円 | 実質45,360円 |
Google Pixel 3 | 98,496円 | 【2019年3月値下げ】 一括27,216円 |
P20 Pro HW-01K | 103,680円 | 【2019年1月値下げ】 実質10,368円 |
*2019年3月1日時点、月々サポート24ヶ月分+「OLS スペシャル特典」適用後価格(税込)。
カメラの画質・機能の違いがそれぞれの機種にあることだけでなく、実際の購入時には割引額・負担額が機種選びの重要なポイントになるでしょう。
カメラ性能以外の比較・機能チェックは以下の実機評価・レビューを参照下さい。
☆「[実機レビュー]ドコモP20 Pro HW-01Kのサイズ・カメラ・Antutuベンチマーク評価」
☆「[実機レビュー]ドコモPixel3 Google謹製ハイエンドスマホは他社と何が違うのか?」
以上のカメラ機能と性能、そして機種変更価格の違いをよく理解して、自分にあうスマートフォンを選んでみて下さい。
公式ページ | 期間* | 割引額 |
5Gギガホ割 |
終了未定 | 5Gギガホ契約で 最大6ヶ月間 月額1000円割引 |
5Gウェルカム割 |
終了未定 | 5G機種限定 最大2.2万円相当 機種値引き・還元 |
端末購入割引 |
終了未定 | 対象機種限定 機種変更で 機種値引き・還元 |
ギガホ割 |
~未定 | 新料金プラン 月額1000円引き 最大6ヶ月適用 |
はじめてスマホ割
|
~未定 | 他社利用者OK スマホデビューで 1000円×12ヶ月 値引き上乗せ |
はじめてスマホ購入サポート
|
~未定 | 他社利用者OK スマホデビューで 最大2.2万円還元 |
対象機種購入特典 |
CPに依る | [対象機種限定] 対象機種購入で 各種特典・ プレゼントあり その他特典多数 |
ドコモの下取り プログラム |
指定なし | 最大7.15万円還元 (iPhone7 32GBなら 通常13,000円) |
dカードで決済
|
指定なし | [オンライン限定] dカード決済で ポイント2倍 (付属品も対象) |
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参照:DxOMark