2020年11月モデルのiPhone 12 miniのカメラで発生している、あるトラブルを実感しているユーザーが多いようです。

iPhone 12 miniは顔認証を使うようになった「iPhone X」以降の新デザインモデルで最も小さい5.4インチで持ちやすく、使いやすいサイズになったことで旧型のiPhoneから機種変更をしたユーザーも多いと思います。

そして、iPhone 12 miniはiPhone XS(2018年発売モデル)以前の機種では使えない新機能「ナイトモード/Deep Fusion」により、夜景がキレイに撮れる機能が追加されました(ナイトモードはiPhone11シリーズでも利用可能、iPhone SE2は利用不可)。

(iPhoneのナイトモードで撮影した夜景。タップで拡大出来ます)

iPhone 12 miniではナイトモードを使うと、従来のiPhoneに比べて格段に明るく、ノイズが少ないキレイな写真を撮れるようになったのですが・・・夜景やライトアップの写真を撮ると、青~緑色の斑点や電光掲示板などの文字が反転して中空に浮かんでいる、事象が発生することがあります。

実は上の夜景写真にも、中央やや上に「UFOのような光」が写っています。

上記の矢印で示した光のようなものは、もちろんUFOでもなければ飛行機でもなく、窓ガラスに写り込んだ光でもありません。

一般的にこのような現象は「フレア」「ゴースト」と呼ばれ、カメラのレンズ・センサー内部で起きる光の反射が原因で発生する映り込み現象です。フレア・ゴースト発生の度合いにもよりますが、多くの場合は不具合・不良品ではなく、そのiPhone(カメラ)の仕様の範疇です。

iPhoneでフレア・ゴーストが発生する理由・原因

まず、フレア・ゴーストが発生した状況を思い出してみると、多くの場合は夜景やライトアップなどで明るい光を発する光源が写真の中に写り込んでいるはずです。

スマホパーツは内部にいくつものレンズを重ねた構造になっており、ここに光が入り込むことで画像データを読み取るセンサーに到達し、写真を撮っています。

しかし、このときに強い光がカメラのレンズ・センサーおよびカメラパーツの内部で複雑に再反射することで、本来の風景には存在しない部分に斑点や帯・半透明な分身像として写り込んでしまうことがゴースト・フレア発生の原因です。

スマホの場合だとカメラレンズに保護フィルムを貼っている場合・スマホのケースに光が当たり反射して発生することもありえます。

フレア・ゴーストはiPhoneに特有の現象ではなく、強い光源がある場合には他のスマートフォン、普通のデジタルカメラでも発生します。

iPhone 12シリーズの場合はデュアルカメラ・トリプルカメラ仕様になっていますが、残念ながらどのカメラレンズでもほぼ同じようにゴースト・フレアが発生することが確認されています。

以下、iPhone 12miniやiPhone 12 Pro Maxで実際にゴースト・フレアを発生させてみた事例と比較してみてください。フィルムやケースが原因ではなく、極端にゴースト・フレアが出すぎる場合は個体の不具合・レンズの不良品の可能性もあります。

iPhone 12 miniでフレア・ゴーストが発生

iPhone 12 miniの実機にて、強い光源としてLEDライトが画角に入るようにして撮影をしてみました。


(iPhone 12 miniで撮影したもの)

中央左側に緑・青のゴーストが発生していることが判ります。


(iPhone 12 miniのナイトモードで撮影したもの)

ナイトモードで撮影しても同じようにゴーストが写ります。


(iPhone 12 Pro Maxで撮影したもの)

最上位モデルのiPhone 12 Pro Maxでも強い光源があると、フレア・ゴーストが確認出来ます。

このような強い光がある場合、他のiPhone・スマートフォンでも高確率でゴースト・フレアが出ます。

上記はiPhone 11 Proで撮影した写真です。iPhone 12 miniとほぼ変わらない位置にゴーストが出ました。

このゴーストは写真撮影時に大きく動く(移動の仕方は光源との距離・角度に依存します)ため、よく注意していればゴースト・フレアに気づくはずです。

ゴースト・フレア自体は古いiPhoneでも発生します。iPhone 11・iPhone 12シリーズでよくフレア・ゴーストの発生について不具合・トラブルが気になる理由は、新しくナイトモードが追加されたことで夜景・ライトアップを撮影してみようというユーザーが増え、写真に対する期待度が高くなった反動でしょう。

iPhone12のゴースト・フレアは不良品・不具合か?

前述の通り、ゴースト・フレアが生じるのはカメラ・レンズに依存する現象であり、大抵の場合は不良品・不具合とは認められないでしょう。

一方で、もしあまりにもゴースト・フレアが出すぎる、写真が歪んだり、ゴミが映り込むような場合には、カメラのセンサー・コーティングに問題がある場合も考えられます。この場合は生産レベルでの不具合・個体の不良品が疑われるため、アップルストアにて修理・相談することをオススメします。

iPhoneの不具合レベルではなく、それでもフレア・ゴーストを避けたい場合には、撮影時にフレアが出ないように工夫するしかありません。

デジタルカメラの場合にはフードを使って余分な光を遮る、レンズにコーティングをすることで光の余分な反射を防ぐといった対処が行われますが、iPhoneのカメラにフードをつけたりコーティングをしたりすることは現実的ではないでしょう。

先程の「LEDライトによるゴースト」のような場合は、光源を写真に入れない・撮影する角度を変えることでゴースト部分が移動し、写真に写り込まないようにすることも出来ます。

夜景やライトアップの撮影時には、iPhoneのカメラを上下左右に角度を変えて撮ることで、ゴースト・フレアを目立たない位置に移動させてやることも出来るかもしれません。

iPhone 12・iPhone 11シリーズのナイトモードを使ってきれいな夜景・ライトアップを撮りたい場合には、撮影時に「ゴースト・フレアが出ているかも」ということを念頭に置いて、邪魔な位置に映り込みが出ないように画角を工夫してカメラを楽しみましょう。

iPhone12miniカメラで映り込む謎の光・青緑斑点は不具合? 夜景撮影でゴースト・フレアが発生