2019年10月にMNOとして自社回線サービスの提供を控えた楽天モバイルは2019年8月1日より、楽天モバイル(格安SIMサービスのほう)で提供していた従来の保証サービス・サポートサービスを全面リニューアルした「スマホ交換保証」の提供を開始しました。

従来楽天モバイルでは「スマホ修理・新機種交換保証」・「端末補償」・「端末補償・あんしんリモートサポートパック」という、3つのサービス名で保証サービスとサポートを行ってきましたが、これらを2019年8月1日より統一して「スマホ交換保証」というサービスに移行しています。

自社回線サービスの提供まであと2ヶ月というタイミングで開始したこともあり、楽天の新しい携帯電話サービスでも「安心・信頼のできるサポート」を充実させるための布石なのかな?と思われたのですが・・・これからスマホ交換保証のオプション加入を考えている方は、サービスの提供内容に十分注意して加入するかどうかを検討することを推奨します。

月額500円でスマホの画面割れ・水没保証

スマホ交換保証では、その名の通り「スマホが故障したときの保証」がサービスに含まれます。

従来の楽天モバイルのスマホ交換は最短1~2日程度の時間を要しましたが、新サービスでは最短当日の交換機利用が可能となります。

携帯電話・スマホ端末をたくさん持っている人は1日くらいなら昔使っていた端末に入れ替えて使うなどの回避策が使えるかもしれませんが、MNOとなったあかつきにはスマホをたくさん持っているようなマニアばかりの利用者が多いとは限らなくなりますので、交換機をすぐに手配してもらえるのは安心できるサービスになりそうです。

保証の範囲は、破損・全損・水没を含む故障であり、交換機受取時に故障端末からデータを移動させて、すぐに使い始めることが可能となります(故障の程度による)。交換機は新品同等の同一機種となります(在庫状況による)。

最大年3回まで交換が可能で、サービス利用時の負担額は6,000円となります。機種を問わず一律で6,000円が設定されていますので、低価格なスマホの場合は不要かもしれませんが、高価なスマホの購入時には加入したほうが安心です。

楽天モバイルで購入できる、楽天自社回線にも対応した高額なスマートフォンだと(2019年8月17日時点)、

・AQUOS zero 79,780円
・AQUOS R2 Compact 62,600円
・OPPO Reno 10x Zoom 99,880円
・OPPO Find X 99,880円

などがあり、過去にスマホを壊したことがある・ガラスを割ってしまった苦い経験をお持ちの方は、加入を検討したほうが良いかもしれません。せっかくの「格安スマホサービス」なのに、端末再購入・修理代金が高くなってしまっては残念ですので。

故障時のサービス利用申請はウェブサイト・電話・楽天モバイルのショップ店頭のいずれでも出来るようになり(今までスマホ交換・修理受付は電話連絡不可)、万が一のときのサポートが手厚くなったと言えます。

スマホ交換保証の申込方法

楽天モバイルのスマホ交換保証は、楽天モバイルが公式に販売するスマホ本体を購入する場合にのみ加入することが可能です。

ウェブサイトの場合であれば、契約申込画面にてオプション追加の項目が表示されます。

上記はスマホ交換保証対象のAQUOS zeroの場合、端末を選択した後に端末保証オプションの加入を選択出来るようになっています。

より詳しい楽天モバイルのかんたんな契約方法は「楽天モバイルセール品の注文手順・契約方法・審査&配送日数 全解説」を参照ください。

楽天モバイルスマホ交換保証の注意点

楽天モバイルの新しいスマホ交換保証は過去のサービスよりも使い勝手の良い保証サポートになっているようですが、一方で、ドコモやau・ソフトバンクなどが提供している保証サービスとの違いもあります。

楽天モバイルの交換保証オプションは、楽天モバイルで販売されているスマートフォンの購入時・機種変更時にのみ加入できますが、すべての機種の交換を保証してくれるわけではありません。

日本国内において楽天モバイルにより提供される、移動体通信システムを利用するためのスマートフォン・タブレット・モバイルルータ(以下「製品」といいます。)。ただし、iPhone、対象商品に関するSIM カード、バッテリー(電池パック)およびその他の付属品については、本サービスの対象外とさせていただきます

楽天モバイルが販売するiPhoneの場合はアップルの「AppleCare+」もしくは「AppleCare Protection Plan」に加入することで保証を使えることが可能ですが、購入後30日以内に自分自身でアップルのウェブサイト・アップルストアへ行って手続きが必要です。

また、2019年8月時点では楽天自社回線でiPhoneが使えるかどうか不明です。iPhoneをお使いの方は楽天のMNO回線で利用可能なAPNプロファイルの公開(あるいはプロファイル設定無しで接続できるような仕様)が確認されるまでは自社回線に切り替えないことを推奨します。

参照:楽天モバイル自社回線(MNO)に変わるとスマホが使えなくなる?サービス変更時に注意

楽天モバイルの「スマホ交換保証」は、楽天モバイルのサービス利用者専用のオプションであるため、楽天モバイルの回線を解約してしまうと、同時に保証オプションも解約となることが提供条件に明記されています。

ここで示されている「楽天モバイル」とは、楽天モバイルのMVNO回線サービスのことであり、2019年8月15日の確認時点では楽天自社回線(MNO)サービスが含まれるかどうかは未定との回答をサポートから得ています。

つまり、2019年8月~9月中に楽天モバイルで新しく自社回線でも使えるスマホを事前に買って保証加入契約しておいても、その後に案内される予定の自社回線へ切り替えてしまうとたった1-2ヶ月で保証が強制的に解約されてしまう可能性があるということです。

また、このスマホ交換保証サービスは機種購入時にのみ加入できるという条件があるため、楽天モバイルのMVNO→MNOへ切り替えたタイミングで強制解約されてしまうと、再度保証に入り直すということも不可能になるはずです。もちろんこの場合にもこれまで支払った保証サービス利用料金は返ってこないということになるでしょう。

”このタイミングで開始する保証サービスなのだから当然自社回線でも引き継げるのだろう”という思い込みで先に加入・回線の切り替えをしてしまうと、いざ楽天自社回線に切り替えたあとにスマホが壊れた時に、保証に加入していたつもりが修理代金全額負担になってしまうリスクがあることを確認しておく必要があります。

今後楽天モバイルの「スマホ交換保証」オプションが楽天自社回線でも同じように共通して提供される可能性もゼロではありませんが、自社回線用のスマホ保証は別の仕組みになってしまう可能性も現時点ではあることを覚悟して契約をしてください。

*本ページの情報は2019年8月15日時点で公式サポートに問い合わせた内容およびサービスの提供規定に基づいています。今後サービスの範囲が変更・拡大される可能性があるため(ぜひそうあって欲しいところです)、スマホ交換保証サービスを利用する場合は必ず各自で楽天モバイルへ直接お問い合わせください。

自社回線開始まであと2ヶ月しか無い状況で、この保証サービス提供条件以外にもMVNO回線→MNO回線切替時に発生するさまざまなトラブル・問題点が生じる可能性がありますので、2019年10月楽天自社回線サービス提供開始直後に切り替えを予定している方は、十分にお気をつけください(保証サービスの場合は自社回線へ切り替えを行わなければ、そのまま10月以降も保証サービスが継続できると案内しています)。

中古・SIMフリースマホの保険サービス

楽天モバイルや他社の携帯電話故障に対する保証・保険サービスは、それぞれの会社から購入した端末に限定されることがあります。

一方で、これからの時代はスマホ回線と端末販売の分離が進むことによって、あえて携帯キャリアからスマホを買わなくても、自分の好きなスマホをSIMフリーモデルで購入・SIMカードを差し替えるだけで機種変更をするというスタイルの使い方も増えていきます。

楽天モバイルのスマホ交換保証でも”楽天モバイルから購入した機種”のみが対象となりますが、家電量販店や通販でスマホだけを買った場合にも使うことが出来るスマホ保険サービスも存在します。

有名なのは さくら少額短期保険株式会社が提供している「モバイル保険」というものでは、月額700円の料金で画面割れ・破損・水没・盗難までを年間最大10万円まで全額補償を付ける事が出来ます。

「モバイル保険」はMVNO/楽天モバイルのサービスではありませんので、楽天モバイルで購入した端末にモバイル保険を付けて、楽天自社回線に移行しても保証の範囲・契約は変わることなく継続利用が可能です。

携帯キャリアが提供する保証を包括的に利用できるというのは便利なメリットと言えますが、高いキャリア端末ではなく、SIMフリー機種を買いたい・中古スマホを使いたいのであればモバイル保険を使って安心を得るのも一つの手です(ただし保険に加入できるのは中古・SIMフリースマホの場合販売店の3ヶ月以上の保証があり、日本法人のあるメーカーのものに限る。技適のない海外端末などは保険加入NGです)。

楽天モバイルがスマホ交換保証サービスリニューアル ただし自社回線(MNO)変更には注意