2017年5月24日からドコモの基本プランとして選択可能になった「シンプルプラン」には、スマートフォン機種(iPhone, Android)とケータイ機種用の2種類が用意され、携帯維持費を安くしたいユーザーの注目を集めています。
月額料金は1078円(定期契約時)という安さは魅力的に映ります。しかし、シンプルプランは誰にでもオススメできるというプランでは決してありません。自身の使い方(通話する回数・相手・時間)を理解しなければ節約どころか高額な携帯料金の請求が来る可能性のあるプランです。
今回特に注意を促しておきたいと感じたのは、ドコモガラケー利用者がシンプルプラン(ケータイ)を選ぶ場合です。以下、ケータイ向けの基本料金プランの概要を改めて比較し、本当にシンプルプランで契約・プラン変更するべきかどうか、もう一度考えてみることをオススメしたいです。
シンプルプラン(ケータイ)とは?
まず、ドコモのシンプルプランは「基本プラン」として携帯電話やスマートフォンを契約する場合に必ず選択しなければならない基礎的な料金プランの一つです。シンプルプランの他に選べる基本プランには「カケホーダイ」「カケホーダイ・ライト」があります(XiケータイではFOMAプランの契約は不可能ですので、ここでは旧料金体系についての解説は省略します)。
シンプルプランが選択出来るのは「シェアグループ(代表回線、または子回線)」に加入している回線のみとなり、1回線契約単体では加入不可です(→2018年5月25日より、組み合わせられるプランが拡大されます。詳細は下記で解説しています)。
*ガラケー用の旧プラン「FOMA」シリーズでは、シンプルプラン・カケホーダイ・ライトは選択出来ません(FOMAでは通話定額の「カケホーダイ」の他、従来のバリュープラン等を選ぶことになります)。
シンプルプラン(ケータイ)が契約できる機種は2018年5月時点では以下の2機種のみとなります。
☆「ドコモ Xiケータイ シャープ アクオスケータイ SH-01Jの価格・機能を見る」/機種変更 0円~
☆「ドコモ Xiケータイ パナソニック P-01Jの価格・機能を見る」/機種変更 0円~
Xi契約ができない古いガラケー機種ではシンプルプラン(ケータイ)は選べない点に注意してください。FOMAの場合はシンプルプランという名前ではなく、タイプSS バリュー(2年契約時月額934円・1000円分の無料通話付き)があります。
FOMAケータイとXiケータイでは契約できる料金体系が異なりますが、通話料金に関してはどちらが一方的に高い・安いというものではありません。両者の違いについて詳しくは以下の記事で解説しています。
関連記事:ドコモガラケー FOMAプランからガラホへの機種変更 通話料金のおトク度比較
ドコモケータイ用基本プラン比較
プラン (ケータイ) |
シンプルプラン | カケホーダイ・ライト | カケホーダイ |
月額料金 | 1078円 | 1,320円 | 2,420円 |
家族間通話* | ファミリー割引加入内は無料 |
*2017年6月1日時点。家族間通話は2年契約かつ同一ファミリー割引グループ内相手のみ無料(定額)になります。
ファミリー割引の「家族への国内通話24時間無料(グループ内通話無料)」について教えてください-Q&A
・カケホーダイライトプラン(定期契約あり) + ファミリー割引
・カケホーダイライトプラン(定期契約なし) + ファミリー割引 + ハーティ割引
・シンプルプラン(定期契約あり)+ファミリー割引
・シンプルプラン(定期契約なし)+ファミリー割引+ハーティ割引
5分以内定額通話オプションがわずか220円の差
上記の比較テーブルを見れば、シンプルプラン(ケータイ)をあまりオススメしない理由はひと目でご理解いただけたかと思いますが、ドコモのケータイ向けシンプルプラン→カケホーダイ・ライトの差額はたったの月額220円分しかないのです。
シンプルプランでは家族間通話以外はすべて有料(利用可能なフリーダイヤル・110・119などの緊急電話を除く)であり、1ヶ月で1回でも5分30秒以上の通話や、短い通話をして通話料金が追加で220円を発生させてしまうと、あっという間にカケホーダイ・ライトプランの月額料金より高くなってしまいます。
MVNO(いわゆる格安スマホ・格安SIMサービス)では、これまで音声回線と言えばドコモのシンプルプランのように無料通話が含まれないのが基本で、そこに5分かけ放題オプション・10分かけ放題オプションなどを追加料金を払って契約する方法が取られています。MVNOの場合は5分間の通話オプション料金は850円くらいに設定されていますので、それに比べてもカケホーダイライト→シンプルプラン(ケータイ)へ変更では220円差にしかならず、せっかくの5分定額を手放してしまうのは勿体無いと感じてしまいます。
格安SIMの場合にはシェアオプションに入らなくても基本料金が安いというメリットはありますが、シンプルプランを契約出来るシェア回線があるのなら、格安SIMに比べてドコモのケータイプラン(カケホライト+spモード+シェアオプションで月額2000円~)が特別高いということもないのです。
参考:攻める楽天モバイルの新プラン「5分かけ放題オプション」とSIMフリースマホ半額で携帯料金を節約
もしシンプルプランを検討している電話回線で全く通話発信をすることがない・家族以外には絶対に通話をしないと決めているのなら、毎月220円分と言えど確かに携帯代金が安くなるので、シンプルプランを契約する意味がないとはまで言いませんが、スマートフォンではなくケータイで使い続けているユーザーの場合には、仕事上の電話や各種の生活上で必要な連絡等、無料通話アプリを使うだけでは済まないケースもあるでしょう。そんなとき、それほど頻度が高く無いとしてもせめてカケホーダイ・ライトプランを契約しておけば気軽に連絡を取ることが出来るのではないでしょうか。
電話で頻繁に連絡をとりあう、毎回5分を超える長時間の電話をすることがあるのなら月額2,200円の「カケホーダイ(ケータイ)」を選びましょう。
シンプルプラン(ケータイ)を契約できるSH-01J, P-01JではLINEアプリも入っていますので、知り合いに連絡するだけならLINE経由の通話ですべてを賄うことも出来るかもしれません(データ通信費はもちろん別途掛かります)。そして同一ファミリー割引に加入しているシェアグループ内の家族間は通話無料になりますので、それ以外に一切電話をしない人ならシンプルプラン(ケータイ)に変更して料金節約に挑戦してみましょう。
一方で、これがスマートフォン向けのシンプルプラン(スマホ)→カケホライト(スマホ/タブ)の場合であれば差額が月額720円=年間で8640円分の節約に繋がる可能性があり、ケータイ機種に比べて大きな画面でLINEのメッセージ確認や通話も出来ますので、「スマホはゲームや動画専用・通常の音声通話の無料定額なんていらない・使わない」というユーザーもいるはず。
プラン (スマホ) |
シンプルプラン | カケホーダイ・ライト | カケホーダイ |
月額料金 (定期契約無し) |
980円 (2,480円) |
1,700円 (3,200円) |
2,700円 (4,200円) |
国内通話 料金 |
20円/30秒 | 5分以内無料 超過分:20円/30秒 |
無料 |
家族間通話* | ファミリー割引加入内は無料 |
シンプルプランはスマホ・ケータイの場合で料金は月額980円で同じながら、かように想定される契約者の利用目的と節約効果に大きな意味合いの違いがあると私は考えます。
シンプルプラン(ケータイ)を使う回線をどんな風に使うのか、それをよく考えてプラン選びをしてみましょう。XiケータイはWi-Fi接続やテザリング機能も持っており(SH-01J, P-01Jではソフトウェアアップデートで対応)、単なる通話ができるガラケーにとどまらない活用方法もありえます。
例えばシンプルプラン(ケータイ)の回線を受話専用かつモバイルルーター代わりにするという明確な目的があるのなら、220円分の節約も悪くないです。
☆「ドコモガラホ SH-01J機能アップデート テザリング対応でビジネスマン向きに 新規一括0円~」
従来通りの折りたたみガラケー機種を安く使いたいという狙いでドコモのXiケータイの基本プランを選ぶのなら、しっかりと3つの基本プラン内容(無料通話無し・5分以内無料・完全定額)を理解してから検討することをオススメしたいです。
本ページでは「基本プラン」の部分のみを解説しましたが、実際の契約にはパケットプランもセットで契約するのが通常です(シンプルプランではシェアパックまたはシェアオプションの加入が必須)。ドコモの新型ケータイ向けパケットプランの全体イメージを勉強したい人は、以下の記事も参照下さい。
☆「ドコモのガラケーから「ガラホデビュー」SH-01J 変更される料金プランや使えるサービスの仕組み」
[更新]シンプルプラン+ケータイパックの場合
2018年5月25日より、シンプルプラン(ケータイ)とケータイパックの組み合わせが選べるようになりました(従来は家族とシェアで使う場合・20GB以上の超大容量プラン専用でした)。これにより、ドコモケータイの最安値維持費は1回線だけの維持でも月額1,580円~となります。
ドコモケータイ料金イメージ:シンプルプラン(ケータイ) 980円+ spモード 300円+ケータイパック 300円~=合計1,580円~
ドコモのXiガラケー機種向けのケータイパックは、1ヶ月のデータ使用料が少ない人向けです。ほとんどネットを使わない月(10MB以下)ならば、パケットプラン料金は300円~から利用可能です。
たくさんインターネットを使うユーザーは家族とシェア・ベーシックパックの契約をオススメしますが、携帯を通話・メール専用、ネットはWi-Fi接続環境下に限って使うと決めているのなら、ケータイパックとの併用で最安維持費を実現出来ます。
既存のドコモXiケータイを利用中の方もシンプルプラン+ケータイパックの組み合わせにプラン変更をすることがもちろん出来ます。
[2018年11月改定]通話専用ならますますシンプルプランは勿体無い
2018年11月1日より、ドコモはケータイ(spモード用)の月々サポート・端末購入サポートの適用可能条件を一部緩和させ、spモードおよびパケットプランに加入しなくても機種購入時の割引が使えるようにしました。これは「ドコモのケータイでネットは全く使わず、通話専用に欲しい」という人には朗報となりました。
ただし、ここで注意したいのが「シンプルプラン(ケータイ)」へ加入した場合には、従来どおり月々サポート(機種値引き)を受けるためにパケットプランへの加入が必須となっている点です(改定日前に契約した場合も従来の条件が適用されます)。
これにより、ドコモケータイの最安値プランは「かけ放題無しのシンプルプランよりも、5分かけ放題付きプランのほうが安くなる」という状態になりました。
プラン構成 | シンプルプランの場合 | 新最安プラン 5分間カケホーダイ付き |
機種代金 (例:SH-01JをFOMAガラケーから 買い替えた場合) |
月額1200円(24分割) | 月額1200円(24分割) |
基本プラン | シンプルプラン(ケータイ) 月額980円 |
カケホーダイライト(ケータイ) 月額1200円 |
月々サポート | 毎月1200円引き(24回) | 毎月1200円引き(24回) |
spモード | 300円 | — |
パケットプラン | 300円~(上限4200円) | — |
月額維持費合計 | 税込み月額1,738円~ | 税込み月額1,320円~ |
*別途ユニバーサル料金などが必要です。
spモード・パケットプランに加入しない場合はドコモメールも使えなくなる反面、油断してネットを使ってしまいパケット通信料金が高くなるというリスクともオサラバできます。ネットは他のスマホ・ルーターなどを使い、ドコモケータイを通話専用にして2台持ちをする・Wi-Fi環境のある場所でしかほとんど使わないユーザーは、2018年11月1日以降に購入・契約したのならパケットプランを外してカケホーダイライトプランへ変えることも検討する価値があるでしょう。
関連記事:2018年11月1日~ドコモのガラケーが更に安く月額1200円~ 月サポ値引き条件緩和 パケットプラン不要へ
シンプルプラン(ケータイ)の加入方法
すでにドコモのシェアグループ内で利用中のケータイを持っている場合は、My docomoの契約変更から可能です。
新しく対象のXiケータイへ機種変更・新規契約を行う場合には、オンライン注文時に以下のような携帯プラン選択画面にて選ぶことが出来ます。
詳しい注文方法は以下のページに画像付きで機種変更の流れを解説(プランの選択はステップ16で登場します)していますので、そちらを参照しながら注文手順を確認してみてください。