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2018年春~夏モデル以降のハイエンドスマートフォンの多くに利用されているSoC、Qualcomm Snapdragon 845(SDM845、スナドラ845)は、連続で稼働させつづけると端末の温度上昇があるのかどうか、ドコモから発売中のソニー Xperia XZ2 SO-03Kを用いて実験してみました(→ 追加としてAQUOS R2 SH-03Kでもやってみました)。

最近のスマートフォンではあまり聞くことはありませんが、スマートフォンの黎明期に登場した古い端末だと、ゲームを連続で遊ぶ・カメラで写真・ムービーを取り続ける・充電しながら操作をするといった、高負荷・長時間スマートフォンを使い続けるとスマートフォンの本体が発熱・過熱状態となり、スマホの操作が出来なくなる・フリーズする・充電が止まるといった制御・トラブルが発生することもありました。

スマホ端末の発熱の有無は個々のモデル・個体ごとによっても状況が変わることもあり、発熱の原因は一つだけとは限りません。しかし、過去のモデルの状況では発熱をしやすいSoC/CPUの傾向もあるようです。

スマホ本体で火傷をするような温度になることはまずありませんが、長時間に渡って皮膚に体温以上の物体を接触させ続けると低温やけどを引き起こしたり、処理能力・パフォーマンスの低下を意図的に制御するスマホもありますので、実際にXperia XZ2 SO-03Kを使って確認した結果を参考情報として掲載しておきます。

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テスト方法

今回は非接触で物体の表面温度を測定することの出来るオモシロアイテム、ハンディタイプの放射温度計を利用してスマートフォンの表面温度を測定しています。

放射温度計については過去の記事を参照ください。

本来であれば放射温度計の測定時には、測定したい物体に応じて「放射率」を設定することでより正しい温度を表示させることが出来るのですが、今回はデフォルトの「0.95」で測定しています。Xperia XZ2の表面は特殊なコーティングがされたガラスパネルのはずですので、0.95でも大きな差はないはずながら、必ずしも正確な温度ではない点にご留意ください(個人が簡単に買えるおもちゃのような装置です。数値はあくまで「どのくらい温度が変わるか」くらいの大雑把な参考にのみご利用ください)。

スマホ本体を連続で稼働させるために、ベンチマークアプリ「Antutu Benchmark」を利用して、スコアテストを5回連続で行いました。1回のテストで掛かる時間はおよそ7.5分程度で、スコア表示後に間髪入れずすぐに次のベンチマークを走らせています。

測定はスマホスタンドに立てかけたまま、室温23度の条件で行いました。

SO-03Kはほぼ購入直後の設定のまま、Antutuベンチマーク以外のアプリはデフォルトのものしか入れていない状態でチェックしています。

連続稼働時の温度とパフォーマンス変化

5回のベンチマークテスト結果と、テスト終了後のディスプレイの表面温度変化は以下の通りとなりました。

SO-03Kのテスト 表面温度 Antutuスコア
0回(テスト前) 24.5℃
1回目 33.0℃ 264,796
2回目 34.5℃ 255,672
3回目 36.3℃ 249,196
4回目 36.5℃ 243,360
5回目 37.8℃ 244,554

5回のテストでおよそ40分間連続で動作させつづけたところ、Xperia XZ2の本体表面温度は36~38℃程度まで上昇するという結果になりました。

40分間の連続駆動後に実際にスマートフォン本体を手にとって触ってみたところ、数値の通り人肌よりは高い温度を感じ、相応の熱さに感じられました。熱くて持てないというほどではありません。

温度の数値的にはXZ1の発熱テスト時とそれほど大きな差はないはずなのですが、ガラスパネルの質感の影響もありXZ1のテスト時よりも熱く感じました

Antutuベンチマークスコアは1回め→5回めの差は8%弱の減少となり、発熱によるパフォーマンスの低下は軽微であると言えるでしょう。ある程度数値は落ちましたが、アプリ自体の測定にもかなりの誤差が出るため、1割前後の数値変化は誤差範囲のレベルです。

1回めと5回めの測定において、目に見えてアニメーションや各種操作シミュレーションの動作が遅くなるということはなく、長時間ゲームをプレイしてもパフォーマンスの低下により動きが遅くなることは無さそうです。1回めのテスト時点で室温よりも10℃ほど一気に上昇しているため、短時間のゲームプレイでもある程度の温度上昇は発生します。

連続で動画を撮影する場合には、カメラレンズの周辺を中心として、もう少し温度上昇が早くなります。10分以上の4K動画撮影を行ったところ、本体前面の温度は36~37℃、レンズ周りは38℃くらいまで上昇しています。この程度の温度なら過熱状態によるカメラ機能利用不可にはならず、連続撮影が可能でした。

なお、スマートフォンを充電しながら利用する・データ送受信を行いながら利用するとより発熱が早まる・温度が高くなることも考えられます。XZ2の取扱説明書によれば、通常動作が行える温度は40℃程度までとされています。

極端な高温、低温は避けてください。 温度は 5 °C~ 40 °C(ただし、 36 °C以上は風呂 場などでの一時的な使用に限る)、湿度は 45% ~ 85% の範囲でご使用ください

今回のベンチマークテストのような状況ならば、Xperia XZ2の連続動作をやめるとすぐに温度が下がります。もし本体の温度が熱くなっていると感じた場合には操作を一旦中止して、端末を休ませてあげましょう。今回30分以上の連続動作でもエラーやフリーズは発生していませんが、長時間負荷を掛け続けると本体の故障・バッテリーの劣化を早める可能性があります。

ご注意Antutuベンチマークテストは通常のアプリ・ゲームよりも高い負荷が掛かる操作のはずです。今回は実験のために連続操作を行っていますが、長時間負荷を掛け続けることはスマホにとって宜しくないことですので、良い子は真似しないでください。特に充電しながら利用すると上記テストより発熱が酷くなる可能性もありますのでご注意ください。

SH-03Kの発熱テスト結果

Xperia XZ2の場合と同様の条件で、AQUOS R2 SH-03Kでベンチマークテストを行った結果は以下のとおりです。

SH-03Kのテスト 表面温度 Antutuスコア
0回(テスト前) 27.1℃
1回目 34.1℃ 261,323
2回目 36.5℃ 258,727
3回目 37.8℃ 248,011
4回目 38.1℃ 241,530
5回目 37.9℃ 215,268

シャープの新機種 AQUOS R2では新しいハイスピードIGZOディスプレイを採用し、応答速度がアップした滑らかなアニメーション表示が一つのウリとなっています。今回のベンチマーク連続テストにおいても30分以上の連続再生時にも、非常にスムーズな動作をしていました。

連続稼働させるにつれて温度は38℃くらいまで上昇しましたが、今回の測定環境では40℃までは上がりませんでした。

実際に本体を手で触ってみた感触は、ボディ全体が均一に温かくなっているようでした。AQUOS R2のボディは前面・背面が共にガラスパネルであり、フレーム部分はメタル素材になっています。特別にどこかの箇所が熱くなりやすいということはないものの、38℃まで上がった状態だと結構熱く感じます。

ベンチマークスコアは1回目~4回目まではXperia XZ2とほぼ同等の24万~26万点ほどのスコアを記録していましたが、5回目だけ21.5万点まで下がりました。

同テストに続いて測定した6回目では38.0℃・218,566点となっています。パフィーマンスに大きな影響が出るほどではありませんが、SH-03Kでは連続動作によって15%ほどの処理能力低下が起こったということになり、Xperia XZ2よりもやや発熱時の制御が強めに起こるのかもしれません。

また、動画の連続測定テストも行ってみたところ、最高画質(15M)に設定して10分以上の撮影を実施したところ、カメラ周囲は42℃前後まで上昇し、それなりの熱を持ちます。ただ、それでも動作には一切問題なく、AIオートシャッターもそのまま充電も通常通りの機能をしています。

結論・まとめ

Snapdragon 845を搭載したXperia XZ2 SO-03Kでは、30分以上の連続動作を行ってもパフォーマンスはほとんど変わらず、Antutuベンチマークで24万点以上をキープしつづけることが出来ました。

本体の発熱は10分足らずの動作でも24℃→33℃程度まで急激に上がり、その後は36~40℃程度まで上がることもあります。ガラスパネルによって放熱も早いようですが、温まりやすくもあり、やや発熱を感じやすいボディであるという印象でした。

今回の実験では30分以上の連続動作でも過熱によるパフォーマンスの低下・処理落ち・フリーズなどのトラブルは起きませんでした。もし通常利用の範囲で頻繁に40℃を大きく超えるような発熱をする・過熱によってトラブルが生じる場合は端末個体の不具合・不良品の可能性も疑われますので、修理・交換を検討したほうが良いかも知れません。

一般利用としてはXperia XZ2 SO-03Kにおいて動作が不安定になるような発熱状態になることはありません。40℃程度まで上がるとそれなりに熱くは感じますが、高い処理性能は維持・フリーズすることもありませんでしたので、Xperia XZ2でたくさんゲームを楽しみたい人も問題なく遊べると思われます。

AQUOS R2 SH-03Kにおいても連続で数十分動作を箚せ続けてもエラーやフリーズが起こることなく、Antutuベンチマークスコアで20万点を超え続けるハイパフォーマンスを維持しつづけることが確認出来ました。同じくSnapdragon 845搭載のAQUOS R2 SH-03Kでは30分を超えたあたりでのパフォーマンスが2割ほど落ちたものの、Antutuベンチマークでは21~22万点程度で落ち着くようです。

発熱の度合いとしてはややXperia XZ2よりも熱くなりやすいと感じますが、過熱によりエラー・トラブル・パフォーマンスの異常な低下は観測されていません。ベンチマークテストを5~6回続けた時点の22万点というスコアは、1世代前のSnapdragon 835の最高パフォーマンス状態と同等です(ベンチマークのスコアが動作の快適性をすべて決めるわけではありません)。

また、Xperia XZ2では新しく動画撮影において4K HDRムービーを撮影できるようになっています。カメラを使い続けると背面レンズの上あたりが熱くなり、高画質動画の撮影時にも発熱をしやすい傾向にあるため、通常温度より高い環境での連続撮影時には注意が必要です。それでも4K HDR設定で10分間の撮影もしてみましたが(ファイル容量は2.8GBも!)、発熱で終了することなく正常に動作していますので、SO-03Kの発熱制御には問題は無さそうです。

☆「ドコモ Xperia XZ2 SO-03Kの価格・スペックをみる

SO-03KやSH-03Kと同じSnapdragon 845(SDM845)を搭載したスマホシリーズは以下のページにまとめています。

[実機チェック]スナドラ845は発熱しやすい?Xperia XZ2 SO-03Kで連続動作時のパフォーマンス・温度変化を分析
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