日本で5G通信に対応したスマートフォン・料金プランが一般向けに登場した2020年春以降、国内の新型スマートフォンはほとんどが5Gスマホになりました。

2020年に登場した初期の5Gスマートフォンは各メーカーの威信をかけたフラッグシップ・ハイエンドクラスの機種が中心に作られてきた一方で、2021年から2022年モデルでは割引前の定価でも2万円程度~、割引価格なら一括1円や0円で買える5Gスマホすら登場しています。


(ワイモバイルの最安スマホ Libero 5G II

5Gスマホ=価格が高いスマホというわけではありません。高額な新型スマホを買わなくても、低価格な5Gスマホに買い換えるだけでも通信速度が速い状態でネットを使えるメリットがあります。

ドコモ最安5Gスマホarrows Weと旧型でスピードテスト

高価なスマートフォンでなくても「5Gスマホならスピードが速い」ことを実証するために、NTTドコモから発売中の2021年冬モデル arrows We(F-51B)と1世代前の4Gモデル arrows Be4 (F-41A)を用いて、どちらもドコモの5Gプランを契約した状態で通信速度テストを実行しました。

(左4Gスマホ F-41A/右5Gスマホarrows We)

arrows We F-51Bは2022年1月4日時点のおいて、ドコモのスマートフォンで最も安い5G対応モデルです(割引を考慮しない定価で比較)。通常販売価格21,450円、他社乗り換え時は5Gウェルカム割」が適用されてわずか一括4,950円です。

この2台を4Gエリア・5Gエリアそれぞれの場所で同時に通信速度テストをしてみると、歴然とした速度差が生じていることが判明しました。

まずは4Gエリアでの測定時です。

5Gスマホ arrows We ダウンロード 約17Mbps アップロード 約1.8Mbps
4Gスマホ arrows Be4 ダウンロード 約10Mbps アップロード 約1.9Mbps

*実際の通信速度にはバラツキがあり、複数回通信テストを実施しています。

4Gエリアで通信テストを行うと、5G対応のarrows Weのほうが若干4Gスマホの arrows Be4よりもダウンロードが速い傾向にあります。アップロードの速度はどちらもほぼ差は見られませんでした。この程度の差なら、実用上は特に5Gのメリットは感じられません。

続いて5Gエリア(mmWave/Sub-6どちらもアンテナがある場所)にてテストを行うと・・・

5Gスマホ arrows We ダウンロード 約250Mbps アップロード 約50Mbps
4Gスマホ arrows Be4 ダウンロード 約24Mbps アップロード 約17Mbps

5G通信に対応したエリアで4Gスマホのarrows Be4を使っても、当然ながら5Gには繋がらず4Gでの通信となり、通信速度は20~30Mbps程度でした。

一方、5Gスマホの arrows We F-51Bでは実測で10倍以上の通信速度である200Mbps~300Mbpsを超える通信速度が簡単に出ます(F-51Bの規格上の最高速度は1.9Gbps/DL・218Mbps/UL)。まだこれでも最高速の数分の一しか出ていません。

4Gスマホの速度である20Mbps程度でも、超高画質な動画でも止まること無く再生出来るものの、大容量アプリなどをダウンロードする場合には大きな時間差が出来ます。

具体的に計算してみると、例えばアマゾンビデオの最高画質で2時間の映画がある場合、容量はおよそ3.6GB(1時間あたり約1.8GBが目安/コンテンツにより容量は異なる)ほどになります。この3.6GBをダウンロードするためには、250Mbpsなら約2分で完了します。一方、24Mbpsなら約10倍の20分が掛かる計算です。

3.6GBものデータ容量になるとWi-Fiを経由してダウンロードするのが一般的ながら、5G ギガホプレミアプランで使い放題なら通信容量の消費を気にせず、ゲームも動画も快適にダウンロードが出来るはずです。

*今回実験のために4Gスマホであるarrows Be4にも5Gプランを契約したSIMカードを利用しましたが、ドコモ4G/5Gスマホではそれぞれ専用のプラン加入を推奨します。

ドコモのオンライン手続きで5Gスマートフォンに機種変更する場合には古い4Gプランは継続出来ません。5Gプランへの変更が適用されますので、新料金プランを確認してください。

ドコモの5Gエリアはサービス開始当初には限定的だったものの、2022年もどんどん広がっていきます。いつでも・どこでも5Gに繋がるようになるほどエリアが広がるにはまだ時間が掛かるものの、「5Gスマホなんてまだ必要ない」という時代から、「5Gスマホであることが当たり前」のタイミングが来ています。

これから機種変更するのなら、せっかくなのでそろそろ5G対応モデルへの買い替えを検討してみる価値があるはずです(2022年1月時点でドコモの公式サイトでは4Gスマホの販売はほぼ終了しており、取り寄せも出来ない状態)。

ちなみに旧モデル 4Gスマホ arrows Be4 F-41Aの発売当時の価格(2022年1月時点では公式ストア在庫無し)は23,760でした。arrows Be4 (2020年型4Gスマホ)→ arrows We(2021年型5Gスマホ)は通信規格以外にも性能が大きく向上しているのに、ドコモ価格は値下げされています。

とにかく安いドコモスマホが欲しいなら、下記のarrows We F-51Bのレビューも参照下さい。

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[4Gと5G比較]低価格スマホで5Gの恩恵はある?ドコモプランで5G通信速度テストしてみた