2017年6月に公開された消費者庁「消費者白書」によると、2015年末時点でスマートフォンの所有率は53.1%にも達し、過半数の日本人がスマホを持っているということになっているというデータがあるそうです。
一方、スマートフォンが便利であることはわかっていても、まだまだ従来通りの「ガラケー」が使いたいという人もいると思います。あるいはスマホはスマホ、ガラケーはガラケー、としてスマホとは別途通話専用にガラケーを使いたい人もいるでしょう。かくいう管理人もスマートフォンを毎年で5台も10台も買う一方で、ガラケーを今も契約してもっています。
しかしながら残念なことにもはや従来型の携帯電話・ガラケーを開発するメーカー・製造するメーカーも限られてきてしまっており、新しいモデルが作られることも少なくなりました。ドコモが発表した2017年夏モデルはスマートフォン7機種・タブレット1機種のみで、携帯電話機種は一台もありません。
今後もガラケーを使いたい人はどうするべきなのか、2017年時点のプランやキャンペーン情報を総合しつつ検討してみましょう。
事前知識の確認
これからいくつか「ドコモの携帯」について購入方法や運用方法について解説しますが、その前に「何を求めて携帯を使い続けたいのか?」を明確にしておく必要があります。ただ漠然と「ドコモのケータイが使いたい」だけでは、これからのスマホ時代をガラケー利用でゴリ押しするのは困難になってきますので、何にこだわっているのかを確認しておきましょう。
考えられる従来型の携帯電話を使い続けたい理由はこの5つが主なところかと思います。あとは「面倒だから・よくわからないから変えたくない」、でしょうか(その場合はパターン2に内包されるでしょう)。複数のパターンが当てはまる人もいると思いますが、それぞれのパターンにおいて解決策を考えていきます。
なお、ここでは電話やメールアドレスの変更をせずに「ドコモで使い続ける」ということを前提として解決策を考えていきます。他社ケータイに移る・MVNO(格安SIMサービス)で契約しなおすなどの手法も考えられますが、ここでは取り扱わないこととします。格安SIMが使いたい人は「MVNOの選び方総集編 DMMモバイルを選んだ理由」あたりの記事をどうぞ。DMMは2017年現時点ではあまりオススメできるサービスというわけではないのですが(苦笑)、選び方のポイントは今でも変わっていません。
パターン1:折りたたみ式携帯電話が使いたい
携帯料金プランなどに関係なく、従来通りの折りたたみ式携帯電話を使いたいという目的だけならば解決は容易です。ドコモでは2016年にも折りたたみ式ケータイ SH-01JおよびP-01Jを発売しており、2017年6月時点でも継続して製造・販売を続けています。
ドコモは「FOMA/iモード用ガラケー」の生産・販売を終了させましたが、「LTE/SPモードのガラケー」に切り替えただけですので、ドコモのガラケーが無くなることはありません。(FOMA用のガラケーが欲しい、という意味で解決策を求めている人はパターン2へ)
SH-01J, P-01Jはいわゆる「ガラホ」(上の写真はSH-01J)。インターネットに接続する場合はスマートフォンと同じ接続方式(4G, Xi)を使いますが、使い勝手は従来のガラケーそのものです。機能面でもおサイフケータイ・防水性能・ワンセグ付きとなっており、高音質な通話が出来る 「VoLTE」にも対応した次世代型ガラケーです。
スマートフォンのようにディスプレイがむき出しになっておらず、ポケットの中に入れておいても画面そのものが傷つくことはありません。本体の大きさ・重さも従来通りの携帯であり、タッチパネルが苦手な人でも安心なテンキーによる数字・文字入力方式もガラケーの使い方そのままです。
実際に管理人もSH-01Jを購入して使っています。防水・ワンセグ・おサイフケータイ機能付きの折りたたみ携帯は、やはり操作は簡単です。ウェブサイトを閲覧する場合にはスマートフォンのような大画面・タッチパネルがあったほうが便利だと感じるものの、メール・通話だけが出来れば良いのなら、SH-01Jへ機種変更しておけばFOMAガラケー時代と全く同じ感覚で使い続けられるでしょう。
実機購入レビュー:ドコモガラケー SH-01Jをスマホユーザーが使ってみた感想と評価
【機種変更のポイント】FOMA/iモード → Xi/spモード対応ケータイプランに変更しても同じ電話番号・メールアドレスのまま、折りたたみ型携帯電話機種を使い続けられます。参考記事: docomoの新ガラホ SH-01Jは買いか?新プランでの維持と使い道
SH-01Jはシャープ製、P-01Jはパナソニック製のケータイ機種です。2017年6月時点でドコモの公式ウェブショップで買えるケータイはこの2機種のみですので、「折りたたみ式ケータイであること」のみをガラケーに求めているのなら今後もドコモで機種変更が可能です。
さらに、「折りたたみ携帯」+「簡単に操作出来ること」を求めるのであれば、らくらくホンの販売は継続しています。
最新モデルのらくらくホン(F-02J)は、iモードケータイではなくspモードケータイです。簡易メニューの表示・大きな文字表示モード・登録電話番号へのショートカット機能など、シンプルに電話・メール・カメラ機能を使えれば十分という人も、今後折りたたみ携帯をドコモで使い続けることは可能です。
パターン2:FOMAプラン(iモード)が使いたい
このパターンを重要視する場合は・・・残念ながら、今後もドコモで使い続けるのは少しだけ難易度が高くなります。
ドコモでは2016年秋にFOMA/iモード接続方式による携帯電話機種の開発・生産を終了しており、今後新しいiモード対応FOMA向けケータイが販売されることはありません(キッズ・シニア向けを除く)。ドコモの公式ウェブサイトではすでにiモード対応のFOMAガラケー販売は完全に終了しており、ページ自体が存在しません。店頭にもFOMAケータイの在庫があるショップは少なくなっており、在庫を探すこと自体がやや困難です。
もしFOMAケータイを探すのなら、2015年モデルの「ドコモケータイ AQUOS SH-06G」(spモード)なら比較的見つけやすいかもしれません。
iモード対応のドコモケータイはドコモの公式ショップで買うことは出来ないのですが、携帯電話本体のみを白ロムとして入手し、SIMカードを差し替えることで機種変更することなら今後も可能です。白ロムによるFOMA機種の入手方法・機種変更方法は以下のページを参照下さい。
☆「ドコモガラケー P-01Hに白ロムで機種変更するには?契約プランと価格相場(FOMA, iモード用)」
ドコモから公式にiモード/FOMAガラケーが販売されることはありませんが、サービス自体は今後しばらくは継続して提供されます。FOMAプランから絶対に変えたくない人はこの「白ロムによる機種変更」で粘りましょう。ただし、あまり古い機種だと修理サポートが打ち切られているモデルもあるため、同じ機種を長く使いたいのならやはり新型ケータイへの買い替えをオススメします。
【機種変更のポイント】ドコモショップで在庫が見つけられない場合は白ロム専門店・リサイクルショップへ。通信販売サイトにはまだまだ多数のドコモガラケー在庫があります。参考記事: FOMA機種の在庫が終了したら白ロムで機種変更 ガラケーが買えるショップ
パターン3:安い料金で使いたい
スマートフォンの機種変更すると月額支払が5000円、6000円にもなってしまうと思っていて、今のガラケー料金のほうが安そうだから・・・という理由でガラケーを使っているのなら、最新の料金プランを学び直すところから始めましょう。ドコモでは新しい料金プランを2017年から提供し始めており、最も安いパターンでは月額280円から使えるスマホプラン・割引方式「docomo with(ドコモ・ウィズ)」やシンプルプランが登場しています。
ドコモ・ウィズを使ってスマートフォンに機種変更した場合、家族とデータシェアをした場合は月額280円~(シンプルプラン併用)、1台だけのスマホ契約をする場合では月額4千円~くらいのプラン(かけ放題付き)を組むことも出来ます(料金は継続利用年数・契約する通話プラン・パケット料で変動します)。
関連記事:最安月額280円でスマホ追加契約が可能”docomo with”(ドコモ・ウィズ)割引のお得な運用方法を解説
今使っているガラケーの料金が毎月いくらなのか確認し、それよりも安く運用出来る方法があるのかチェックしてみましょう。60歳以上の名義であればガラケーからスマホ機種へ機種変更する場合は「シニアはじめてスマホ割」も利用可能かもしれません。スマホデビューをすることにより、逆に料金がガラケー時代よりも安くなるケースも考えられます。
数年前に比べてスマートフォンの最低維持費は安く出来るように変わってきています。使い方次第・プランの組み方次第ではガラケー時代よりも安くなる可能性もありますので、「安い料金で使いたい」というだけが目的でガラケーを選んでいたのならスマホデビューも含めて検討しなおすタイミングです。
もし「パターン1:折りたたみ式携帯電話を使いたい」という希望もあるのなら、スマホデビューではなくドコモの新型ガラケー SH-01Jでも月額1,800円~から使えるプランがありますので、無理にスマホデビューをせずに新しいドコモケータイを選ぶこともアリでしょう。家族で使うのではなく、1回線だけ使うのなら新型ケータイプラン(カケ・ホーダイライト+ケータイパックの利用)がオススメです。
→2018年5月25日より、さらに無料通話(かけ放題)が不要な人は「シンプルプラン(ケータイ)」+ケータイパックでの契約が出来るようになります(参照:ドコモ新ガラケー AQUOSケータイSH-01J 機種変更時の維持費シミュレーション)。これにより、最安プランは月額1580円~(機種代コミ)となりました。
【機種変更のポイント】ガラケーであること自体にこだわりが少ないのなら、FOMAプランだけでなく新しいケータイ向け・スマホ向けの低価格プラン・キャンペーンをもう一度確認してみましょう。特に家族がすでにスマホを使っているのなら節約プランを使える可能性があります。関連記事:ドコモのガラケーから「ガラホデビュー」SH-01J 変更される料金プランや使えるサービスの仕組み
パターン4:電池の持ちが良い機種が使いたい
これは少し難問です。従来型の携帯電話は待機状態だけのまま使っていれば1週間以上充電しなくても利用可能な機種が多くありました。他方、スマートフォンの場合はたくさん画面を点灯させて操作・ゲームやインターネットを使い続けると1~2日で充電を使い切ってしまうこともあります。これは2017年時点のどんな新しいスマホ・電池が長持ちであることを謳う機種であっても同じことです。
スマートフォン機種でも全く使わずに待機させるだけであれば1週間以上待機できる機種もたくさんあります。たとえば、管理人の場合は節電設定にしておけばiPhone7は200時間くらいならスタンバイで使えています。
関連記事:[iOS10]iPhone7のバッテリーを長持ちさせる、節電設定まとめ
ただ、節電設定が上手く出来ていない場合・使いすぎてしまった場合はやっぱりスマホ・新型ケータイの充電は早く切れることもあります。これを回避するにはモバイルバッテリー(持ち運びが出来る充電用電源)を使うか、電池交換が可能な一部の旧モデルを使うくらいでしょうか(古いスマホだとバッテリー性能自体は低いものもあるため、やはり一長一短)。
ドコモとは関係なくなってしまいますが、ヤマダ電機が販売している「Every Phone PW(EP-171PW)」というスマホが一般的なモデルのおよそ2倍の6000mAhの電池を搭載しています。この機種は1ヶ月以上充電しなくても待ち受け状態を維持できます(全く使わずに静止させた場合)。
ドコモでもっとも電池が長持ち(ドコモが想定する、日常的な利用状況で使える「実利用可能時間」)するスマートフォン機種は、2017年夏モデル「Galaxy Feel SC-04J」です。この機種の実利用可能時間は約170時間(約7日間)とされており、ドコモが販売する他のスマホの2倍くらいの数値。価格も安く、初心者~中級者向けのスマホとしてオススメです。
関連記事:ドコモ夏モデル Galaxy Feel SC-04J 2年以上使えば実質0円以下 docomo with対応で安く・利便性重視
パターン5:スマホを使うのが怖い場合
多機能なスマートフォンだからこそ起きるトラブルが怖い、と言う理由でシンプルな携帯電話を使い続けたいという人もいるかもしれません。管理人の個人的な意見としては無理にスマートフォンに買い替える必要はないと考えます。セキュリティ・トラブル面で「スマホ=危険、ガラケー=安心」というわけではなく、スマホを利用することでどんな危険・リスクがあるのかを理解できない・理解しようとしない人はスマホを使うべきだとは思えません。
一方、もし「料金が高くなりそうだから怖い」という意味でスマホ・新型ケータイプランへの移行を避けているのであれば、解決策はパターン2(FOMAケータイを使い続ける)・パターン3(スマホ・新型ケータイの安い料金プラン)を見直すという方法に行き着きます。
通話利用金に関してはガラケーでもスマホであっても、かけ放題プラン・従量制プランがありますので使い方次第でどちらが安い・高いというものではありません。おそらく不安なのはインターネットの接続代金(パケット代金)の方でしょう。
(下のパケット料金一覧表はクリックすると拡大出来ます)
割引なしの状態ではスマホ用で最も安いデータSパック(2GB)が月額3,500円となっています。この他に基本料金を加えていくと月額5~6千円となるため、「ケータイに比べてスマホは高い」と感じるかもしれません。
そこでドコモの新型ケータイ向けのケータイパックです(上記のリストでは一番下にあるプラン)。詳しくは「ドコモ新ガラケー AQUOSケータイSH-01J 機種変更時の維持費シミュレーション」を参照して頂きたいのですが、インターネットを殆ど使わないのなら月額料金は2,000円~くらいで使えるプラン運用が可能です。データ通信は設定でオフにしておくことも出来ますし、自宅や仕事場にWi-Fi環境があるのなら、無線LAN接続によって料金を掛けずにネットを楽しむことも可能です。
なんだか使い方が難しそうだ、というのなら「ドコモ らくらくホンF-02J」もあります。F-02Jはシニア向けに限定された機能・わかりやすいメニューに拘ったモデルですので、電話とメールが出来れば良いという人はらくらくホンを選択するという手もあるでしょう。
まとめ
2017年時点ではまだドコモのFOMA/iモードサービスは提供終了予定はありませんが、いずれ終わりが来ます。それまでの間、どうしても旧式携帯電話を使い続けたいというならそれも良いと思います。ですが、2012年に旧時代のmova(ムーバ)が終わったようにいずれは新しい通信方式の規格に対応したケータイ・スマホへの買い替え時期がやってきます。
2018年時点でも続々とiモード向けのサイトは終了しつづけています(ドコモの公式オンラインサイトすら2018年10月末をもって、iモード向けサイトを終了します)。
白ロムで機種変更する場合でもまだ数年程度で在庫がなくなってしまうことは無いとは言え(中古で良ければ5年先、10年先でもあるでしょう)、公式の修理サポートは近い将来終わってしまいます。
新しいケータイ・スマホの使い方やプラン料金が分からないという人は、まずはショップに行って説明だけでも聞いてくると良いかもしれません。ショップに行くと高い料金プランを案内されそう・・・という人は、ウェブサイトから説明を聞くオンラインチャットも利用できます。
ドコモの公式サイト「ドコモオンラインショップ」を開くと、上のように「チャットをはじめる」というボタンが出てきますので、機種選びやプランで不安な点は聞いてみましょう。
欲しい機種が決まったら、あとは注文するだけです。ウェブからの注文なら24時間いつでも受け付けており、店頭で急いで契約内容をチェックするのが怖いという人もじっくりと納得できるまで注意事項・説明書きを読みながら手続きが進められます。