NTTドコモが2019年6月より提供を始まる新しいスマホ料金プラン「ギガホ/ギガライト」では、従来の料金プランに比べて最大で4割の値下げをするとして発表されました。

さらに2019年10月、ドコモは携帯契約に関わるルール改定に合わせて「ギガホ2/ギガライト2」プランを、2020年3月25日より5G向けの「5Gギガホ」「5Gギガライト」の提供も開始しています。

実際に「今のドコモ携帯料金が4割安くなるかどうか」はドコモユーザーの利用状況・環境・適用可能な割引の範囲に依存するため、場合によっては新料金プランに切り替えることで料金負担が安くなることも高くなることもありえますので、プランの変更には十分な検証・検討が必要です。

一方で、現行の料金プランですでに大きな割引や特典値引きを使ったドコモ利用者の場合は、新料金プランに変更することで”基本料金以外”の部分で損をしてしまうことがありえます。

旧プランから新料金プランへ切り替えることはいつでも出来ますが、一旦料金プランを切り替えてしまうと後戻りはできないため、以下のパターンに当てはまる人は特に注意して新料金プランへの切替のタイミングを間違えないようにしてください。

新料金プランで安くなるかすぐに調べる方法現在のスマホ料金と新しいドコモ料金のどちらが安くなるのかまだよく判っていないユーザーは、ドコモショップ等へ行って相談しても良いですが、ほんの数分で判るはずの「安いか高いか」を聞くだけに何時間も待たされたあげく、無駄足に終わる可能性があります。時間とお金を無駄にしたくないユーザーはドコモが公式に提供しているオンライン料金計算ツールを事前に使うことで、3分で新プランの金額を調べられます → ドコモ公式:新料金プラン料金シミュレーター(機種代金込みバージョン)】/ 現在の利用状況から詳しく料金をシミュレートしたい場合(機種代は別)は「しっかりシミュレーターの利用方法」を参照

パターン1. 端末購入サポートを利用してスマホを安く買ったばかりの人

今ドコモで使っているiPhone・Android スマートフォン・ケータイ・タブレット・iPadなどを購入したときに、「端末購入サポート」という割引を使って一括割引を適用したユーザーは、新プランに切り替えてしまうと最大6万円の請求が発生するケースがありえます。

現在の「端末購入サポート」割引は、上記のイラストのとおり「12ヶ月の継続契約」を条件にしてスマホ代金を値引きしています。この”継続契約”には指定の対象プランがあり、ドコモの新料金プラン(ギガホ/5Gギガホなど)は端末購入サポートの対象外となっています。

「端末購入サポート」の解除料発生期間に「料金プラン(ギガホなど)」へ変更した場合も、指定の解除料が発生します

この”指定の解除料”は、購入した機種・時期(割引利用時の解除料設定額)によって異なります

2019年2月時点で最大の値引き額が適用された JOJO L-02K(現在は販売終了済み)の場合、購入時に12.5万円の値引きが適用されていましたが、すぐに新プランに切り替えると62,532円の割引解除料が発生してしまいます。

2019年1月~3月頃にはiPhoneや最新Androidスマホの多くが端末購入サポート機種に指定されており、大幅値引きで購入できるチャンスがありました。その頃に機種変更を行ったユーザーは、端末購入サポートの利用規定期間が過ぎるまでは新料金プランに買えないほうが良いでしょう(解除料を支払ってでもプランを変えたほうが良いケースは極めて稀だと思われます)。

端末購入サポートの解除料発生期間の定義は、

購入日もしくは開通日の翌月1日から起算して12か月

です。朔日購入の場合は購入月を含み、1年と考えて下さい。

具体的に例を挙げると、

・2018年6月1日以前に端末購入サポートを適用した回線 → ○2019年6月1日に新プランに切り替えても解除料無し
・2018年6月2日~2019年7月1日に購入サポを適用した回線 → ○2019年7月1日以降の変更なら解除料無し
・2019年3月2日に購入サポを適用した回線 → × 2020年3月31日までに変更すると解除料発生

このように利用期間が計算されます。この春(2019年)の端末購入サポート追加ラッシュ時に機種変更・新規購入契約した場合は、新料金プランに切り替えても良いタイミングはまだしばらく先です。

現在のドコモ機種利用期間はMy docomoにて確認できます。最後の購入から何ヶ月経過したか忘れてしまった方は各自でチェックしましょう。

より詳しい端末購入サポートの適用条件・解除料発生の考え方は下記公式HPを参照下さい。

☆「ドコモ 端末購入サポート」(端末購入サポートは2019年5月31日を持って廃止されました)

パターン2. 月々サポートの割引が残っている場合

現在利用しているドコモ端末の購入時に月々サポートを適用して購入したユーザーの場合には、月々サポート適用期間(最大24ヶ月)が終わるまでは新料金プランに切り替えるタイミングではありません。

「ギガホ」「ギガライト」「ケータイプラン」「データプラス」または「キッズケータイプラン」(以下、「料金プラン(ギガホなど)」)は「月々サポート」の対象外です。すでに割引適用中の回線が「料金プラン(ギガホなど)」に変更する場合、割引は廃止となります

前項の端末購入サポートを使わず最新のiPhoneやスマホの機種購入を行ったほとんどのドコモユーザーは、スマホや携帯電話購入時に月々サポートを使っているはずです。

月々サポートの利用期間もMy docomoから確認できます。

月々サポートを適用中の回線を新料金プランに切り替えても違約金・解除料は発生しませんが、本来適用されるはずだった端末購入補助を受けることが出来なくなり、機種購入時に”月々サポートを使って実質○○円”と説明されていた金額よりも高い負担が残ってしまうことになるため、十分に注意して下さい。

月サポの適用期間が残っている間は旧プランを維持して、割引が終わってから新プランに切り替えたほうが総合的にお得になるはずです(月々サポートの割引額は機種/購入時期によって異なるため、必ずしも維持することが有利とは限りません)。

パターン3. docomo withを使っている場合

docomo withの対象機種を購入してdocomo with割引(1500円/月)を適用している場合、新料金プランに切り替えた時点で割引が終了します。

docomo with割引を2019年5月31日までに適用して、6月1日以降もずっとプラン変更をしなければdocomo withの値引きは永続しますので、新料金プランとdocomo with+現行プランを比較してdocomo withのほうが有利であると判断したユーザーは、状況が変わるまで今後もずっと現行プランを維持することをオススメします。

*2019年6月以降も、割引を適用せず・料金プランも変えずに新機種に機種変更(端末購入)をすることは可能です。詳しくは公式HP「docomo with」の欄を参照。2019年夏モデル~もそのまま買えますので、Xperia 1やGalaxy S10, Pixel 3aなどの注目モデルの端末だけ買いたい方は予約しておきましょう。→ 5Gスマートフォンを契約と同時に購入する場合、料金プランの変更が必須となるためdocomo withの対象外となる点に注意してください(料金プランを変更しない場合はwith継続可能)。

パターン4. ドコモ学割を使っている場合

2018年12月~2019年5月31日まで実施されているドコモの学割(2019年版)を適用している回線では、月々の利用料金に対して1,500円×最大13ヶ月(加入月から適用)の値引きが使えます。しかし、この学割値引きも新料金プランに変更してしまうと消滅します。

学割適用中の回線を新料金プランに切り替えても違約金が生じることはありませんが、1500円×13=最大で19,500円の損をしてしまうことになりますので、学割期間が終わる1年間は現行プランを続けたほうが有利な可能性が高いです。

*2019年12月より提供されている新しいドコモ学割は新料金プランも含めて割引対象になっています。”2019年5月以前に学割に加入した回線”の場合はプラン変更で割引が終了し、それ以降の学割とは適用条件が変更されています。

参考記事:「5月31日で2019年版ドコモ学割終了 新料金プランは料金値引き対象外のトラップあり

2019年末~2020年春期間に提供される「ドコモの学割」(2020)では、新料金プランもキャンペーンの対象に追加されています(*2019年5月までに提供されていた学割については、現在も対象外です)。

2020年版のドコモ学割は、2019年以前に提供されていた学割に比べて割引額がやや減りましたが、前述の通り「新料金プランは違約金が安くなっている/基本料金自体が値下げされている」ため、学生が新たに契約する場合には比較的安くスマホを持つことが出来るようになりました。

また、学生に圧倒的な人気を誇るiPhoneを新規購入、FOMAガラケーから買い換える時には「はじめてスマホ購入サポート/端末購入割引」という新しいタイプの値引き・還元が学割と併用できるようになったため、新料金プラン+学割+購入割引をうまく活用して学生のスマホ購入代金を節約出来ます。

続きを読む →ドコモ2019-2020年版学割はiPhone8で決まり!型落ち効果で大幅値下げOKに 機種代3.6万円~&月々980円から

パターン5. 2年契約途中の場合(新プランで定期契約をしない)

現在ドコモで定期契約、いわゆる”2年縛り”の状態である場合、新料金プランに切り替える際に引き続き定期契約を維持した場合は問題ありませんが、新料金プランを定期契約なしで使いたい場合は、更新月以外だと違約金が発生します。

2年間同一回線の継続ご利用が条件となり、料金プランの変更、契約変更または解約のお申出がない場合には2年単位での自動更新となります。ただし、「自動更新なし」を選択された場合は、契約満了月の翌月から自動で定期契約なしの料金プランへ変更となります。契約期間内であれば、自動更新ありへの変更が可能です

現行プランから新料金プランへ切り替える場合は、今の定期契約の期間を引き継ぐことになります。

変更前に定期契約型基本プランや定期契約型割引サービスを契約している場合は、契約期間を引継ぎます

つまり、新料金プランに切り替えても「2年縛り」はリセットされません。現在ドコモの一般的な2年定期契約の更新月は「3ヶ月」になっていますので、新料金プランに変更と同時に定期契約を解除したい場合は、更新月のタイミングまで待つことをオススメします。

更新月以外に定期契約を解除・回線解約をした場合には、9,500円の違約金*が発生します。これは従来プランと新料金プランでも2年縛りの考え方は変わりません(*2019年10月以降に提供開始された「ギガホ2/ギガライト2」の定期契約違約金は1,000円に変更されています。契約時の条件が適用されますので、契約したタイミングをよく確認してください)。


以上のようなポイントを考慮して、ドコモの現行プランを利用中のユーザーは、いつ新料金プランに切り替えるとお得か・あるいはずっと今のプランを続けるべきか、良く考えてから行動することをオススメします。上記のような解除料発生・割引解除をしてでも新料金プランに切り替えたほうがお得になるユーザーが居ないとも限りませんので ”自分の使い方に合わせたプラン選び”をしてください。

ドコモユーザーの場合は公式サイトで、直近の利用状況を分析して新料金プランに切り替えると月々の支払いがいくら安くなる・高くなるのか計算できるツールが提供されています。

関連記事:2019ドコモ新料金プランシミュレーターにドコモ契約者専用で安く・高くなるか「しっかり」計算機能追加

まだ新料金プランのイメージが掴めていない方は、一度公式の料金シミュレーションを使ってみるのも良いでしょう。

2019年6月1日~ プラン変更しなくても新機種へ機種変更出来ます

前項までに解説したとおり、すでにドコモで月々サポートや端末購入サポートを適用して機種変更したばかりのユーザー、今後ずっとドコモで旧プランを使い続けるなら割引が続くdocomo with回線を作った人でも、ドコモが発売する2019年新機種を、旧プランのままで購入することは可能です。

新料金プランに変えてしまうと料金が高くなる・今の割引が終わるまでは旧プランを継続したいユーザーも、オンラインで機種追加購入が出来るようにドコモ公式サイトのシステムが変更されています(2019年6月1日8時メンテナンス終了以降)。

旧プランを維持したまま・かつクーポン値引きを使わない場合はdocomo with値引きも継続できます(クーポンを使うとdocomo withの割引が消滅するため、十分に気をつけて下さい)ので、新しい機種・ドコモ限定機種を買いたい場合は下記公式サイトのガイドを参照ください。

☆「ドコモオンライン手続き(2019年6月リニューアル後)解説

2020年3月25日~ 5Gプラン始動

NTTドコモは2020年3月25日より、5Gプランおよび5G対応スマートフォンの販売を開始しました。

5G契約には5G端末のご利用が必要です。また、契約回線における5G端末のご購入には5G契約が必要です。5GからXiへ契約変更する場合、Xi端末のご利用が必要です

とされており、従来の4G向け旧料金プランから5Gプランへの変更は「契約変更」扱いとなります。旧プランで適用されていた割引の多くは適用外となりますが、新しく5G用に「5Gギガホ割」/「5G WELCOME割」などのキャンペーンも始まりました。

ドコモの公式ウェブサイトで5G対応スマートフォンへ機種変更する場合には5G用料金プランの変更が必須となりますので、新しい料金プランをよく確認してください。

参考:2019年7月 新料金プラン利用者はすでに375万回線に

NTTドコモは2019年7月26日に開催した第1四半期決算説明会において、新料金プラン(ギガホ/ギガライト)の申し込みが375万件に到達していることを公表しました。

事前受付から数えてたったの2ヶ月で、スマホ/タブ利用者のおよそ1割弱が新プランに切り替えているということになります。

前項までに解説した通り、旧プランを維持したほうが月々サポート/端末購入サポートの規定期間の影響でまだ有利なドコモユーザーも少なくないでしょうから、必ずしもすぐに新プランに切り替えることが正解ではないものの、多くの利用者にとっては「新しい料金プラの家族割=みんなドコモ割」の節約効果が大きかったようです。

みんなドコモ割(家族で2人以上が対象のドコモケータイ・スマホを使っていれば適用できる)を利用しているユーザーは85%程度にもなるということです。

ドコモのギガホ・ギガライトプランを安く維持するためには家族で使う「みんなドコモ割」がほぼ必須のような状態です。逆に言うと、みんなドコモ割を使えないユーザーはあまりドコモでスマホを使い続けるメリットが小さくなってしまっているのですが・・・家族割を使えない利用者は[1回線でも可能]ドコモ新料金プランを使ってスマホ利用最安2980円→1200円へ安くする裏技」などを試すのもありかもしれません(これも新プランを使うため、旧プランからの切り替えのタイミングには気をつけてください)。

みんなドコモ割を使える(ドコモ回線を家族で複数契約している)ユーザーは、今一度現行プランと新料金プランの割引適用後価格を比較し、違約金・古い割引の終了を無視してでも切り替えるべきか否か、検討してみる価値があるでしょう。

参考2:新プランが”新プラン”じゃなくなるかも?

2019年秋、総務省の指導により従来の定期契約の解除料金(いわゆる2年縛りの違約金)が「解除料上限を1000円」へと強制減額される可能性が出てきています。

本記事では2019年6月1日よりスタートした「ギガホ/ギガライトなど」を総称して”新プラン”として呼んでいますが、現在のプラン料金は2年定期契約を前提とした基本料金・割引のもとに考えられた仕組みであるため、解除料金の上限が下げられることによって、将来ドコモを始めとする各サービスの基本料金プランが総値上げされる可能性が出てきました。

その場合、早ければ2019年6月に登場したばかりのギガホ・ギガライト等の新プランが2019年秋以降に廃止される可能性もあります。

このような国が作ったルールに振り回されて短期間で消えていった料金プランというのは過去にも存在します(名称を忘れてしまいましたが、確かソフトバンクに3~4ヶ月位で打ち切りになったスマホデビュー向けの低価格プランがあったはず)。

2019年秋以降に新ルールで作られる(かもしれない)料金プランが、ギガホ・ギガライトプランよりも悪化する可能性は十分にあるため、今後ギガホ・ギガライトが終了して別の新しいプランが浮上したときには、よく違いを理解してプラン変更をするかどうかの決断をすべき時が来ることも覚悟した方が良さそうです。

料金プラン・最新の割引について不明な点は、公式のチャットサポートを利用して相談するのがオススメです。

(5Gプランも対応)ドコモ2020新料金プラン 違約金発生・割引解除になる「まだ変更してはいけない」ユーザーは?