「最大4割値下げの新料金プラン」として登場したドコモの新しい料金システム「ギガホ/ギガライト」、皆さんはもう新プランへの変更は済んだ頃でしょうか?それともまだ旧プランを維持したまま、迷っているところでしょうか。

ドコモの新料金プランでは確かに”特定の利用条件を想定し、割引を最大に効かせた場合”には従来よりも料金が下がるケースもありますが、他方では新料金プランに変えてもメリットが小さい・むしろ料金が値上がるというパターンもあります。

ドコモの新料金プランで維持費を下げるためには、”家族で一緒に使う”+”ネット回線とのセット割引”が大きな節約効果を担っており、【1人(1回線)だけの利用者】および【ドコモ光を使っていない(使えない)利用者】では、上記図のような割安な料金を実現することは困難です。

ドコモに限りませんが、最近の携帯料金プランはサービスの囲い込みを強める目的で家族・複数回線での利用時/ネットサービスとのセット割に重点が置かれており、それらを使えない「1人だけの利用」では、なかなか3大キャリア(docomo/au/SB)の回線を安く維持する方法は実行できません。

そういった場合には格安スマホサービス(格安SIM、MVNO)へ移動する・定期的にMNPによる転入出を繰り返すという手もあるのですが・・・ドコモの本家回線をどうしても1本は維持しておきたいうという目的がある場合(ドコモ口座の維持や、アマゾンのd払い(合算払)を使う場合など)には、ドコモの新料金プランにおけるサービスの穴を突いた、格安維持の裏技が使えるようになっています。

*以下の格安維持テクニックは2019年7月時点に確認したものです。利用方法自体はルールの範囲内であることは公式に確認済みですが、推奨される使い方ではありません(詳しい注意点は後述します)。また、今後ずっと同じ手法が使えるかどうかは判りませんので自己判断にてお願いします。

ドコモのスマホを月額1320円で使う方法

まず、ドコモのスマホ向け新料金プランを契約する場合、一番安い「ギガライト」プランは月額3千円程度から使うことが出来ます。

 

ここから、「ドコモ回線を使う家族が3人以上居る」+「スマホデビューをする」という条件を満たすと、月額1078円(1年目のみ)からスマホを持つことが出来る方法があります。

参照:NTTドコモ-はじめてスマホ割(2019年6月1日~)

ドコモのはじめてスマホ割を使った1078円維持の条件を満たせるのならお得なのですが、1078円で維持できるのは最初の1年のみ・ドコモ回線を複数持っていなければ980円にはなりません。

ドコモで使っているのが1人だけ・スマホデビューではない(FOMAからの切り替え・他社ケータイからのMNP)場合には、新料金プランでは最安月額2,980円よりも基本料金自体の維持費を下げることは不可能です(旧プランで月々サポートを受けている場合・docomo withの280円回線・パケットシェアによる大量回線運用を維持したほうがお得な場合もあるので、旧プランで激安維持をしている人はまだ新プランに変更しないほうが良いです:ドコモ2019新料金プラン 違約金発生・割引解除になる「まだ変更してはいけない」ユーザーは?)。

一方で、今から解説する手法を使うと、1人(1回線のみ)だけの利用・2年目以降もずっと月額1320円~にて維持が可能になるという長所があります。

その方法とは・・・

「月額1320円」という時点で気づく方も多いかもしれませんが、月額1,320円で契約出来るプランは、ドコモが2019年6月1日から提供を開始した「ケータイプラン」があります。

ドコモのケータイプランはその名の通り、本来はガラケー・携帯電話機種向けのプランとなっています。

料金プラン(ケータイプラン (Xi))お申込時に指定デバイスの購入を伴う場合、またはドコモ販売店(ドコモオンラインショップ含む)における直近の購入端末(ドコモに登録されている最新購入端末)が指定デバイスである場合は、対象の料金プランをお申込みいただけます

しかし、ケータイプランで契約した回線を”スマホで使ってはいけない”という制約はありません(2019年7月時点の提供規約による)。

2019年7月時点でドコモ公式サポートに確認した情報では、相互利用が可能な端末同士(Xiサービスに対応し、同じSIMカードの規格のもの)であれば、スマホプラン・ケータイプランの契約状況に関わらず、自由に差し替えて利用が可能となっています。

なお、ドコモでは2019年新料金プランにおいて料金プランと機種代値引きが分離されており、現在は以前のような”0円で買えるスマホ/ケータイ”は存在しません。機種購入代金は別途必要です。

この「ケータイプランをスマホで使う」という裏技に関して、過去のドコモの契約プランに詳しい人だと違和感を覚えるかもしれない点として、「指定外デバイス」の問題がありました。

ドコモでは旧プラン(カケホーダイ&パケあえる系)の携帯電話向けプランを契約している回線(SIMカード)を、スマートフォン・タブレット端末などに入れて使うと「指定外デバイス料金」という追加料金が発生するケースがありました。

今回の裏技はまさに「携帯電話プランを契約して、スマホで使う」という、従来であれば指定外デバイス料金の発生により意味のない(むしろ損な)使い方になってしまうかのように思われるかもしれませんが、2019年6月の新料金プランには「利用デバイス区分」が無くなっています。そのため、新プラン「ケータイプラン」で契約したSIMカードをスマホに入れ替えても問題はありません。このような運用は、過去(2019/05/31まで)のドコモ料金システムでは出来なかったことです。

実際に新料金プランの運用が始まるまで指定デバイス区分やSIM入れ替えの利用制限などがどうなるのか不明瞭でしたが、「新料金プランに関しては指定外デバイス料金の発生はしない」+「同じ規格同士ならSIMカード入れ替えに関する端末制限はない」ことが確認できましたので、この裏技的運用が可能となっています。

(従来プランのままSIMカードを入れ替えると今でも指定外デバイス制度が生きています。”指定外デバイス料金自体が完全に無くなった”わけではない点に注意してください)

関連記事:ドコモ回線運用 シンプルプランの契約区分と指定外デバイス料金発生条件について

1200円ケータイプランで使える内容

ドコモのケータイプランの基本料金は月額1320円(2年定期契約時)と、本来のスマホ向けプラン(3千円~)に比べて安くなっていますが、使えるサービス内容はスマホプランよりも少なくなっています。

利用できるサービスはケータイでもスマホでも変わりませんが、使い方によってはスマホで運用すると不便になるかもしれませんので、良く内容を確認上で裏技プランを使うかどうか考えてください。

ケータイプラン(Xi)の月額料金1,200円には、無料通話はありません(ドコモの家族間通話は無料)。かけ放題/5分以内のかけ放題をオプションで追加することは可能です(通常国内通話は20円/30秒)。

データ通信容量は月間100MBまで、超過後は128kbpsに速度低下が起こります。追加容量は1GB:1000円でスピードモードを使うことも出来ます。

注意点:スマホのパケット節約術は必須に

ケータイプランで使える”100MB”というデータ容量は、一般的なスマホユーザーの平均利用量よりも大幅に小さなパケット量です。基本容量プランの料金内では長時間の動画を見たり、大容量のアプリをダウンロードすることはまず出来ません。

最近の高性能なゲームアプリだと容量が1GB(1000MB)以上あるものも少なくなく、ガラケーに比べて超高速な通信が出来る最新スマホだと、100MBの容量はほんの数秒で終わってしまうことすらあります。

スマホのデータ通信量の節約術を身に着けていないユーザーだと一瞬で100MBの容量を使い切って速度低下を引き起こす可能性があります。

100MBあればメールアプリやLINE/TwitterなどのSNSアプリ、マップアプリ・ニュース情報アプリもある程度まで使うことは出来ますが、アプリ本体のインストール・アプリ内の動画や画像を大量に見たりすると、100MBでは足りなくなるでしょう。

アプリのダウンロード/インストール・それ以外でも、普段は無線LAN環境・Wi-Fi環境での接続によってモバイル回線のパケット消費を極力使わないような運用法が必要となります。自宅・勤務先などにWi-Fi環境がない場合は、スマホのデータ利用はかなり制限が掛かるはずです。

100MB超過後に1GBあたり1000円で高速通信状態に戻すことは出来ますが、毎月のように追加容量を1回・2回と課金購入するようであれば、最初からスマホプランを契約したほうが良いでしょう。

この説明の意味が良く分からない人には、ケータイプランをスマホで使う手法はおすすめ出来ません(スマホでほとんどモバイル通信を必要としないユーザーならば良いですが)。

この「ケータイプランをスマホで使う」という裏技運用は、1GBもデータ容量が必要ないと理解出来ている人向け・他にデータ通信が出来る方法(別の回線を契約・モバイルルーター)を持っている人、あるいは全くモバイルデータ通信を必要としていないけどドコモ回線は保持したいとった、やや上級向け運用とも言えます。

ケータイプランのSIMで使えるスマホ

ドコモのケータイプラン(Xi)向けの端末では nano UIM(nano SIM)サイズのSIMカードが一般的に使われています。このSIMカードは基本的にドコモから発売される他のAndroidスマホ・iPhoneと共通であるため、同じSIMの規格のものであれば入れ替えて使うことが可能です。

ただし、SIMカードの入れ替え利用はドコモが推奨している使い方ではありませんので、他のスマホ機種で使える保証は一切出来ません

「ケータイプラン」はドコモのXiケータイ向けのプランであり、それ以外での端末での利用は想定されていませんので、ドコモに尋ねると「スマホで使う場合はスマホ用のプラン変更してください」と言われます。

・・・といっても、実際には同じnanoサイズのスマホ・ガラケー同士で実際に管理人はSIMを入れ替えて使っていますので、実用上は特に問題ないはずです。

2019年7月時点でドコモのケータイ・スマホ用SIMにはIMEI制限のような仕組みはありません。

ドコモが直近で販売しているほとんどのスマートフォン・iPhoneは同じnano SIMサイズになっていますので入れ替え利用が可能です。

利用できるスマホはドコモが販売したモデルに限らず、ドコモのネットワークで利用できる端末であればSIMフリー・他社が販売するSIMロック解除済みスマホ・ケータイでも、どれでも使えるはずです(ドコモ以外が販売する端末での利用には対応周波数帯の関係で繋がりにくいものなどがある可能性・APN設定の必要がある場合があります)。端末によって利用できるドコモサービスに制限がある可能性も(ドコモが提供する有料オプションコンテンツを契約していても、使えない可能性も)ありますのでドコモが販売するモデル以外を使いたい場合は注意が必要です。

ドコモでスマホを直接買ってしまうとケータイプランには加入できませんので、”ケータイプランで契約したSIMカードを使うスマホ端末を自分で用意できること”も、この裏技プランテクニックの運用には必須知識です。

ケータイプランの契約方法

「ケータイプラン」はスマホ購入時には加入できませんので、以下のいずれかの機種を購入する必要があります(対応機種を購入していない場合、ケータイプランにプランだけを変更することはウェブでは出来ません)。

モデル
折りたたみ携帯
シャープ製 SH-02L
折りたたみ携帯
シャープ製 SH-03L
(カメラレス法人仕様)
折りたたみ携帯
富士通製 F-03L
折りたたみ携帯
パナソニック製 P-01J
カード型携帯 KY-01L
らくらくホン F-02J

(2019年7月18日時点)

ガラケー大好き人間の管理人は法人モデルを除き上記機種のすべてで利用経験があります。それぞれの使い勝手・評価を見たい方は下記ページのリスト一覧を参照ください(F-03Lは7月19日の発売日以降に追加します)。

関連記事:ドコモスマホ・ケータイ実機レビューリスト

ケータイプランをスマホで使うことを前提にした場合には購入したガラケー端末は不要かもしれませんが、保守用に保存しておくか、ガラケーを使いたい家族にわたすなど手放してしまっても問題ありません。

スマホプラン利用中のユーザーがウェブでケータイプラン・ケータイ機種を購入すると、通常は翌月から1320円維持が始まります

プラン変更が完了するまでは現プランのまま運用することになりますので、プラン変更のタイミングにも注意してください。

参考記事:2019年ドコモ新料金プラン 月の途中でスマホ↔ガラケープランを切り替えた場合の請求はどうなる?

ドコモからケータイ端末が届き、ケータイプラン変更予定のタイミングを待ちます。SIMカードの種別が変わる場合は、新しいSIMカードが同梱されていますので、SIMカードを取り出して開通/切り替え手続きをします。使いたいスマホに入れて通信が可能などうか確認しましょう。

SIMカードが入っていない場合は今使っているSIMカードがそのまま使いたいスマホで使えます。この場合も何もしなくても予定日になればケータイプランに切り替わり(変更前の契約プランによっては即日切り替えになることがあります)、月額1320円の裏技運用が自動で始まるはずです。

ドコモのケータイプランはドコモの公式オンラインショップから申込むと、事務手数料で機種変更が出来てお得です。

(本稿で解説した”ケータイプランで契約したSIMをスマホで使う”方法は、2019年7月時点で確認したものです。これはドコモが推奨する使い方ではないため、すべて自己責任にて行ってください。今後提供条件やサービスシステムの変更によって利用に制限が掛かったり、想定外の料金が掛かるようなケースも考えられなくはないため、各自最新情報を公式サポート・問い合わせ窓口等で確認してからご利用ください)

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