2025年6月5日発売のNTTドコモ/ソニーフラグシップモデル Xperia 1 VII (型番 SO-51F/ASO48747(オンライン限定モスグリーン)/ASO48734(スレートブラック)/ASO48750(オーキッドパープル))の実機レビュー・評価です。

ソニーのスマートフォン高級機「1」シリーズも2025年モデルで第7世代を数え、”長年ずっとXperiaを使っている”というファンも多いことでしょう。最新作のXperia 1 VIIも大幅リニューアルというより歴代モデルのさまざまな機能や特徴を継承しつつ、最新のチップや技術を投入したブラッシュアップモデルとなっており、「旧モデルからの買い替え」をしたいユーザーは、今使っている機種からの進化点・差・比較が気になるところだと思います。

(左 初代Xperia 1、右 Xperia 1 VII)

Xperia 1シリーズは歴代モデルでもそれぞれの発売時点では”最高峰”であったスマホでも、年式の古いモデルと2025年のフラグシップモデルでは大きな差を感じられる部分もあります。新機種の機能に買い替える魅力を感じるかどうか、本ページでは歴代Xperia 1シリーズとの違い・性能アップの大きさ・感じられるメリットに着目しながら実機チェックをしていきます。

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Xperia 1 VIIの主な仕様・スペック

ディスプレイ
(解像度)
6.5インチ
有機EL
(FHD+)
生体認証 指紋認証
(本体横/電源ボタンに内蔵)
サイズ 縦:162 mm
横:74 mm
厚さ:8.2 mm
重さ:197グラム
カメラ 4800万画素
(広角 1/1.3インチセンサー)
+4800万画素
(超広角 1/1.5インチセンサー)
+1200万画素
(望遠 85-170mm)
バッテリー 5000mAh SIMスロット nano SIM+eSIM
充電速度 急速充電
(約100分でフル充電)
おサイフケータイ 対応
CPU Snapdragon 8 Elite 防水/防塵 対応
RAM/ROM 12GB/256GB 価格
docomo:236,830円

*より細かい仕様はドコモ公式サイトを参照ください。割引やキャンペーンの最新情報もドコモ公式サイトで確認出来ます。

上記の通り、スペックの数字上でも旧機種からいろいろと変わっている部分があります。特に2世代以上前(Xperia 1 V以前)から比べると変更点が多くなっています。

続いて実際にXperia 1 VIIと旧機種を使い比べて感じた、主なXperia 1 VIIの新機能・進化点についてみていきましょう。

Xperia1VII進化点:新しいディスプレイ

2世代以上前のXperiaユーザーがXperia 1 VIIに買い替えた場合、一番大きな変化として感じるかもしれないのは「ディスプレイ・画面」の仕様変更です。

Xperia 1シリーズは初代(2019年)から第5世代まで続けてきた「4K HDR・21:9ワイドディスプレイ」を2024年モデルのXperia 1 VIから廃止し、今回のXperia 1 VIIも4K復活はありませんでした。

(左 Xperia 1 VII/右 1 III)

Xperiaの縦長ディスプレイを魅力に感じていた人にとってXperia 1 VIIの横幅が広くなったデザインに違和感を感じるかもしれません。一方で、新しいXperiaのディスプレイは非常に明るく、可変リフレッシュレートを採用することで動画再生時の電池持ちが大幅に改善されているため、縦長/4Kを無理して維持するより、日常使いにとってメリットのある変更であるとも感じます。

また、上記の写真ではちょっと伝わりづらいかもですが、Xperia 1 VIIではディスプレイの最大輝度(明るさ)がアップしており、屋外での視認性が向上しています。

これらのディスプレイ変更点を魅力だと感じるなら、2世代前のXperia 1 V以前のモデルから機種変更するなら大きな違いを感じられるでしょう。同じディスプレイを使っているXperia 1 VIからの機種変更だと差を感じることはないでしょう。

Xperia1VII進化点:CPU/ゲーム性能

Xperia 1 VIIには最新のSoC 「Snapdragon 8 Elite」が採用されており、2025年のハイエンドAndroidらしい高い処理能力を発揮します。

Xperia 1 VIIのAntutuスコアは約200万点(Ver10で測定/発熱・冷却による数字変動は後述)。1世代前のXperia 1 VI (Snapdragon 8 Gen3)のAntutuスコアは160-170万点程度でしたので、1世代分で1-2割ほどのアップとなります。

より古い旧機種との比較をするのであれば、CPU性能は1世代ごとにおよそ20~30%くらいずつアップするため、

・Xperia 1 VI 80%
・Xperia 1 V 74%
・Xperia 1 IV  59%
・Xperia 1 III 47%
・Xperia 1 II  38%
・Xperia 1  30%

ざっくりとこのくらいの性能比になります(Xperia 1 VIIを100%/1世代ごとに20%ずつアップとして。実際のスコアはこの通りではなく、発熱状況等によって大きく数字がブレます)。

具体的な数字で比較するなら、Xperia 1 IIIのAntutuスコアは80-100万点程度(Ver10系統)であるところ、Xperia 1 VIIのスコアは2倍以上の200万点前後になります。この数字は一般的に高ければ高いほどゲームの処理が早く・安定するため、「ゲーム性能を何より重視したい」というのであればXperia 1 VIからの機種変更でも買い替えるメリットがあるかもしれません。

一方で、一般的な範疇でゲームを遊びたいという程度であれば数世代前のハイエンドXperiaでも十分にスムーズに遊べるアプリが多いはず。高画質かつ高フレームレートの3Dゲームを最高状態で楽しみたいという人以外は、2~3世代程度前の機種から買い替えても日常利用で動作に差を感じる場面はほぼないでしょう(Antutuスコアで100万点を超えるような世代で動作が遅いなら、CPUの問題ではなく入れているアプリの相性やシステムの問題である可能性が高いです)。

たくさんのアプリを同時に動かす場合に必要なメモリ(RAM)はXperia 1 IIIの12GBから据え置き(SIMフリー版では異なるRAMのバージョンあり)です。よって、RAM不足を懸念するならXperia 1 II以前のモデルは機種変更を検討しましょう。

Xperia 1 VIIでは発熱対策として本体内部に熱拡散シートとベイパーチャンバーを採用しています。しかし、3Dゲームなど高負荷なアプリを長時間連続利用すると、相応に発熱を感じます。

ベンチマークアプリを連続で30分程度動かし続けた場合、スマホ全体が40℃程度~最も熱くなりやすい本体背面カメラレンズ横あたりは43-45℃近くまで上昇し、手で触れると結構熱く感じます。

今回の評価では30分以上の連続利用でも機能に制限・フリーズや電源が落ちるなどのエラーは起きていません。ただし、ベンチマークテストの結果では発熱が続くと処理性能がやや落ちます

ベンチマーク測定(室温25℃) Antutuスコア
1回目 198万点
2回目 181万点
3回目 177万点
(冷却しながら測定) 242万点

*アプリはVer10系統。オフラインで初期アプリ以外一切導入していない状態で測定。

冷却しながら測定したところ、他社のゲーミング系最新ハイエンドスマートフォンレベルの240万点を叩き出したため、常温(25℃)で1回目の測定時でも性能が制御されていることが明らかです。

40℃以上の発熱状態でも1~2世代前のハイエンド級の処理性能を維持しているため、多くのゲームを快適に遊び続けることはできるはずです(ただし過剰な高負荷状態を連続で行うことは一般的に電子機器よい影響を与えないため、休憩したり・冷却しながら使うことをオススメします)。

Xperia1VII進化点:カメラ性能

Xperia 1 VIIには3つのカメラ(広角(標準)+超広角+望遠)が搭載されています。

このうち、Xperia 1 VIIの超広角レンズは、1世代前のXperia 1 VIから比べてもセンサーサイズが約2.1倍に大きくなり、最大の進化点とされています。

特に明るい超広角レンズによる暗所撮影の性能向上は、旧世代のモデルと比較すると大きな差がありました。オートモードで撮影すると、別次元の仕上がりです。

Xperia 1 IIIの暗所作例
(超広角レンズ/レタッチなし)
Xperia 1 VIIの暗所作例
(超広角レンズ/レタッチなし)

*加工は画像の縮小のみ。

昨今の暗所撮影に強いスマートフォンカメラであれば同じように暗い環境でも驚くほど明るい画像を作り出すことができるメーカーも多いですけれど、Xperia1シリーズでも最新作であればきれいな夜景や星空も撮れます。

一方で、メインカメラは2世代前のXperia 1 Vの4800万画素・1/1.3インチセンサーから進化していません(画像処理技術や調整により、写真の仕上がりには差が出る可能性はあります)。望遠カメラは1世代前のXperia 1 VIと同じです。よって、メインカメラの質を重視するならXperia 1 IV(mk4)以前から/望遠性能を重視するならXperia 1 V(mk5)以前からの買い替えなら差を感じられる可能性があります。

Xperia 1 VIIでは「テレマクロ」モードにも対応しており、マクロに弱かった旧機種から大幅に接写性能がアップしています(1 IIIなどの旧機種でも”マクロ”のシーン判定はあった)。

(Xperia 1 VIIとIIIの最短撮影距離イメージ)

Xperia 1 VIから使えるテレマクロは、”望遠レンズを利用した接写”を専用の特殊設定で行うようで、プロ写真モード(フルマニュアル設定)では絶対にピントが合わない距離の最短約4cmで撮影を可能とします(”テレマクロ”モード以外の標準写真撮影モードで接写をすると超広角レンズが使われる)。

4世代前のXperia 1 IIIのマクロシーンで撮影した写真と、Xperia 1 VIIのテレマクロモードでは画質に格段の差があります。

Xperia 1 IIIのマクロ作例 Xperia 1 VIIのテレマクロ作例
(トリミング無し)
(トリミング前)


(トリミング後)

古いXperia1シリーズでは接写での撮影に対応しておらず、最短でも10センチ程度離れていないとピントが合いませんでした。撮影後の写真から切り取ればそれなりの画質でズームアップすることは可能ですが、Xperia 1 VIIのテレマクロのほうが圧倒的に高画質で拡大した撮影が可能です。

さらにXperia 1 VIIのみ対応する新機能として、AIを利用した「AIカメラワーク」や「オートフレーミング」(動画向け機能)は旧機種では利用できないため、カメラ関連の新機能が気になるならXperia 1 VIからでも買い替えるメリットがありえます。

Xperia1VII進化点:バッテリー性能

Xperia 1 VIIは5000mAhのバッテリーを搭載しています。

電池の容量としてはXperia 1 IVからずっと据え置きですが、前述のとおりディスプレイやCPUなど電池消耗に関わる仕様変更が多数あるため、実際の電池持ちはバッテリー容量以外の部分で変化・進化があります。

ソニーが公開している動画再生時間の比較では、

Xperia 1 VII 36時間
・Xperia 1 VI 36時間

・Xperia 1 V 18時間
・Xperia 1 IV  14時間
・Xperia 1 III 13時間
・Xperia 1 II  13時間
・Xperia 1  11時間

(ソニーが想定した実験条件での比較)

とされており、2世代前のXperia 1 V以前のモデルから機種変更すると、長い動画再生時間を実感できるでしょう。Xperia 1 VIIは平均的なユーザーの利用頻度でおよそ2日間の利用が可能です。

4年前のXperia 1 III以前の機種を長く使っているのなら、電池の劣化も考慮して買い替え時と言えそうです。

なお、Xperia 1 VIIの充電出力は非公開ですが、市販の出力チェッカーで測定したところ、実測で23Wくらいで急速充電ができるようです。

ドコモ公式の表記だと、純正のACアダプタ08を利用時に約100分で充電できるとされています。また、Xperia 1 VIIはワイヤレス充電にも対応しています。Xperia 1 VII SO-51Fには充電器は同梱されていませんので、充電器を購入する場合は30W以上の急速充電に対応したものを買うとよいでしょう。

Xperia1VII進化点:音楽・サウンド性能

Xperia 1 VIIは本体にステレオスピーカーが配置されているほか、有線でのイヤホン利用にも対応します。

Xperia 1 VIIではソニーの音楽プレイヤー「ウォークマン」で使用した高音質部品を利用しているため、有線接続時の高音質化を実現しているとしています。ワイヤレスイヤホン時代にあえて有線接続を好んでいる人であれば、Xperia 1 VIからの買い替えでも差を感じられるのかもしれません。

Xperia 1 VII本体のスピーカーは”フルステージステレオ”で、立体感のあるサウンドを楽しめます。

音の聞こえ方は個人差が大きいため、音質を何よりも重視する人は自分で実機を体験したほうが良いでしょう。

Xperia1VII進化点:サポート/アップデート期間

高級な「1」シリーズを長く愛用したいという場合にも、Xperia 1 VIIへ買い替える価値があるかもしれません。

モデル(初期OS) OSバージョンアップ セキュリティアップデート
Xperia 1 VII
(Android 15)
最大4回 最大6年
Xperia 1 VI
(Android 14)
最大3回 最大4年
Xperia 1 V
(Android 13)
最大2回 最大3年
Xperia 1 IV
(Android 12)
終了
(最終Android 14)
2025年で終了見込み
Xperia 1 III
(Android 11)
終了
(最終Android 13)
終了済み

*キャリア版のサポート期間は異なる可能性があります。詳しくは各社の発表を参照ください。

2025年6月時点の最新Android OSである15に更新できるのは、Xperia 1 V以降のモデルです。1 IV以前のモデルはすでに最新OSにすることは出来ません。

多少OSが古くとも、セキュリティアップデートが提供されなくなっても通常の利用は可能なはずですが、「最新OSにこだわりたい/セキュリティアップデートがないと不安」だというのならば、Xperia 1 IV以前のモデルは機種変更しましょう。

Xperia 1 VIIの割引・キャンペーン

NTTドコモおよびソニーは、Xperia 1 VIIの発売を記念したキャンペーンおよびオンラインショップでの割引を実施しています(2025年6月7日時点)。キャンペーンの適用には条件がありますので、詳しくは申込時に公式サイトで表記を確認してください。

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Xperia1VII(mk7/SO-51F)レビュー評価-進化を感じられる買い替え-機種変更の目安は?