2019年モデルのGoogle Pixel 4を用いて、有名なベンチマークアプリ「Antutu」のスコアを測定してみました。
Google Pixel 4には、最新のAndroidスマートフォン向けチップ Qualcomm Snapdragon 855が搭載されています(Pixel 4 XLも全く同じチップを搭載)。同じチップは2019年春~冬モデルの多くのハイエンドモデルに使われており、非常に高い処理能力を持っています。
これは2018年モデルのPixel 3, Pixel 3 XLに使われていたSnapdragon 845よりも性能が高く、ありとあらゆるゲームやツールアプリが快適に動く水準だと考えて良いでしょう。
とは言え、「アプリが快適に動く」という範囲では2018年モデルのPixel 3シリーズでも十分に高い性能を誇っていましたので”Pixel3とPixel 4ではどのくらいの違いがあるのか?”という処理性能力差を数字で確認するために、Antutuベンチマークアプリアプリを使ってスコアを出してみることにしましょう。
Pixel 4のAntutuスコア
Pixel 4のAntutuベンチマークアプリ(ver.8.0.2-OB)の総合スコアはおよそ40万点です。なお、このスコアはAntutuベンチマークアプリの旧バージョン(ver7系統以前)とは大きく測定基準が変わっていますので、比較時には注意をしてください。
測定環境(バックグラウンドで動いているアプリや設定状況)によって多少測定の誤差がありますが、複数回測定しても40万点前後のスコアを繰り返し出しています。
詳細なベンチマークスコアは以下の通りです。
ver.8.0 | Pixel 4 |
SoC | SDM855 |
総合スコア | 403,573 |
CPU | 126,664 |
CPU数学演算 | 35,906 |
CPU共通アルゴリズム | 23,432 |
CPUマルチコア | 67,326 |
GPU | 168,060 |
Terracotta | 41,353 |
Coastline | 59,170 |
Refinery | 67,357 |
MEM | 56,807 |
RAMアクセス | 27,434 |
ROM APP IO | 5,762 |
ROMシーケンシャル読み込み | 9,518 |
ROMシーケンシャル書き込み | 3,721 |
ROMランダムアクセス | 10,372 |
UX | 52,042 |
データセキュリティ | 10,070 |
データ処理 | 9,110 |
画像処理 | 12,840 |
ユーザーエクスペリエンス | 20,022 |
スコアの測定中に表示されるアニメーションは非常にスムーズに動いていました。カクツキ・フリーズなどは発生せず、Pixel 4は十分に高い処理能力を持っていると言えます。
一般のシーンでPixel 3とPixel 4に処理能力の差が体感として現れるケースは稀かもしれませんが、総合で2割近くアップしていると考えて良さそうです。
一方で、同じSnapdragon 855を搭載したライバル機種ではAntutuベンチマークアプリのバージョン8系統のスコアは50万点近く出る機種もあるため、Pixel 4の処理能力は他の類似機種に比べて特別に高いわけでもありません。
例えば、最新のiPhone 11に搭載されたA13チップにはPixel 4でも単純な処理能力では及ばないでしょう。
アップルがiPhone11の発表イベントで紹介していたGPUパフォーマンスでは、SDM845搭載機もSDM855搭載機にもiPhoneは圧勝しています。
参考記事:[実機レビュー]iPhone11ProのAntutuベンチマークスコア A13チップが驚異の数字を叩き出す
Pixel 4はゲーミング特化スマホではありませんので、RAM(メモリー)やROM(ストレージ)は他社のハイエンドモデルのほうが上回っていることがあります。例えば、ドコモ・auから2019年10月18日より発売中のGalaxy Note10+ (SC-01M/SCV45)はRAM 12GB+ROM256GBという仕様ですので、ゲームをとことん遊びたいのならGalaxy Note10+がオススメです。
関連記事:[SC-01M/SCV45]2019年Galaxy Note10+ 6.8インチとは思えない使いやすさレビュー 進化したベゼルレスデザイン・スペック比較
Antutuベンチマークアプリのスコアはあくまで「処理能力の目安」であり、アプリとの相性やユーザーインターフェイスの作り込み・操作性のほうが実際のユーザー体験には重要ですので、”快適に使えるスマホ”を探しているのであれば、Antutuベンチマークスコアで20万点を超えるレベル(SDM670やSDM710以上)あたりなら十分に快適な利用が可能ですので、目的と予算に合わせてスマホを選んでみるのが良いと思います。