docomoから10月27日に発売開始となったXperia XZ Premium SO-04Jの新色と、2016年モデルとして発売されたコンパクトモデルの兄弟機・Xperia X Compact SO-02Jの2機種の両方を実際に使って感じた印象をレビューします。
管理人は4.6インチサイズのXperia X Compact SO-02Jを半年ほどメイン機種として使っており、ドコモのスマホで最小クラスのサイズ・必要十分なスペックには満足していましたが、5.5インチのXperia XZ Premiumと使い比べてみると、やっぱり最上位モデルの魅力も実感出来ます。
もう間もなくXperia X Compact SO-02Jは後継機種「Xperia XZ1 Compact SO-02K」が11月中旬に発売されるため型落ちします。発売当時から高スペックではあるもののところどころのスペックが抑え気味だったSO-02JからSO-02Kではハイエンドモデルに進化します(参考:ドコモ2017年冬モデル Xperia XZ1 Compact(SO-02K) 旧モデル SO-02Jからの進化点は?新機能やスペック比較)。
確かにSO-02J→SO-02Kではいくつかの進化点はありますが、小型スマホもちょっと飽きたかな~という人がXZ Premiumに買い換えるとどんな違いが出て来るのかを実機で紹介していきます。
先にスペック・価格情報を見た人はこちら→「ドコモ Xperia XZ Premium SO-04Jの機能・価格をみる」
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スペックデータの違い
まずはSO-02JとSO-04J,ついでに新機種SO-02Kの機種データを見比べてみましょう。
機種名 | Xperia XZP SO-04J | Xperia XZ1 Compact SO-02K | Xperia X Compact SO-02J |
---|---|---|---|
発売日 | 2017年6月16日 | 2017年11月中旬 | 2016年11月2日 |
画面サイズ | 5.5インチ | 4.6インチ | 4.6インチ |
解像度 | 2160×3840 | 720×1280 | 720×1280 |
重量 | 191g | 143g | 135g |
縦幅 | 156mm | 129mm | 129mm |
横幅 | 77mm | 65mm | 65mm |
厚さ | 7.9mm | 9.3mm | 9.5mm |
電池容量 | 3230mAh | 2700mAh | 2700mAh |
実利用可能時間 | 105時間 | 140時間 | 95時間 |
CPU | MSM8998 スナドラ835 | MSM8998 スナドラ835 | MSM8956 スナドラ650 |
RAM | 4GB | 4GB | 3GB |
ROM | 64GB | 32GB | 32GB |
メインカメラ | 1920万画素 | 1920万画素 | 2300万画素 |
サブカメラ | 1320万画素 | 800万画素 | 510万画素 |
防水/防塵 | ○/○ | ○/○ | ○/○ |
指紋認証 | ○ | ○ | ○ |
最大通信速度(下り) | 788Mbps | 644Mbps | 262.5Mbps |
発売時期としてはXperia XZ1 Compactの方がPremiumより半年分新しいモデルということになります。基本的には「Xperia XZ Premiumの高性能さをXperia X Compactに詰め込んだものがXperia XZ1 Compact SO-02Kである」と思って良いでしょう。SO-04JとSO-02Kでは、CPU/RAM/カメラなどスマホの主要な機能を左右するスペックが共通しています。
一方で、やはり決定的に違うのは本体・ディスプレイのサイズと解像度です。このあたりから詳しく見ていきましょう。
まずは正面から。
5.2インチのXperia XZ SO-01Jも含めて、SO-02JとSO-04Jは統一されたデザインであるため、大きさは全く違いますがぱっと見のデザインは似ています。縦幅は2.7センチ・横幅も1.2センチも差があり、兄弟機種というより親子のような違いがあります。
バックパネルのカメラ・フラッシュの配置までそっくりですが、SO-02Jのボディは樹脂に多重コーティングを行うことによって陶器のような滑らかさを表現したものです。一方のSO-04Jはガラス素材です。質感では断然Premiumの方が高級な雰囲気です。
SO-04Jでは上下の外周部分がメタル素材によるカットデザインになっていますが、SO-02Jは普通の樹脂ボディ。こうしたディティールでもスマホの印象は大きく変わります。本体下にはType-C USBケーブルによるキャップレス接続口があるのは共通しています。
縦横にはSO-02Jの方がコンパクトですが、本体の薄さはSO-04Jの方が手に持って分かるほどに薄くなっています。
本体左側にある物理ボタンの配置が少し変更されており、2017年モデル(SO-01K,SO-02Kを含む)では電源ボタンの上に音量キーが移動しました。SO-04Jでスクリーンショットを撮る場合には「電源ボタン+音量キー下」を同時押しするのですが、SO-02Jの操作になれていたので違いに戸惑ってしまいました。慣れれば問題なくなるでしょう。カメラのショートカット・シャッターボタンは引き続き一番下にあります。
また、XperiaシリーズはSIMカードの抜き差しにはピンが不要で引き抜くことが出来るキャップ方式を採用しており、SO-02JもSO-04Jも同じなのですが、SO-02Jの場合はSIMカードとmicro SDカードを縦に並べて挿すのに対し、SO-04Jは横に配置されます。この構造だとSDカードだけを交換したい場合に便利です。SO-02Jの場合はカードホルダーを引き抜くとSIMカードも必ず取れて再起動するのが少し不便でした。
今回はSO-04Jの新色 Rosso(ロッソ)と比較していますが、ルミナスクロム・ディープシーブラックも格好良く、高級感・所有欲が満たしたいのならPremiumはオススメです。
☆「ドコモXperia XZ Premium SO-04Jを詳しく見る」
ディスプレイ解像度の違い
Xperia XZ Premium SO-04Jの最大の特長とも言える、4K (2160×3840ピクセル)の超高解像度ディスプレイを見ていきましょう。
コンパクトエクスペリアシリーズは歴代モデルからずっとHD (720×1280ピクセル)解像度のままです。日常的に使っていてHDの解像度に不満がある・画像が荒く感じることはないものの、いざ4Kディスプレイと並べて拡大してみると、その違いが明らかです。
上記は4D HDRの高解像度な画像サンプルとしてSO-04Jに最初から入っている画像です。1枚の写真で63MBもあります(一般的なスマホで撮影した写真の10倍くらいのデータ量)。それをSO-02Jに転送して、表示比較をしてみました。
画面に全体を表示して離れて見れば、どちらも同じように見えるかもしれません。しかし、ぐっと近寄って見てみると滑らかさの違いが判ります。
左がSO-02J、右がSO-04Jです。数字や「Pixels」の文字が、HDディスプレイでは少しガタついてしまっています。一方の4KディスプレイであるSO-04Jなら細かい文字が滑らかに表示されています。
続いて画像を拡大(スマホ上で拡大)してみます。
こうしてしまえば、どちらも文字は綺麗に見えると思います。両方とも標準のアルバムアプリで最大の大きさまで拡大したのですが、SO-04Jの方が拡大率は小さく?広い範囲がディスプレイに表示されました。
Xperia XZ PremiumのディスプレイはHDR(ハイダイナミックレンジ)の広い色域に対応していますが、SO-02Jも「高画質モード(X-Reality for mobile)」によってコントラストの強めな表示モード・さらにコントラストが強い「ダイナミックモード」などが選べるため、色の雰囲気は設定次第でどうにでもなる感じです。劇的に色合いがSO-04Jの方が綺麗だとは感じませんが、好みに合わせて色合いの調整は可能です。
処理能力の違い
Xperia X Compactも小型機種としては過去のCompactシリーズよりスペックが高かったものの、XZ Premiumと比べると大きな処理能力に違いもあります。
Antutu Benchmarkのスコアでは以下のような違いになります。
Ver6.2 | Xperia XC SO-02J |
Xperia XZ Premium SO-04J |
|
トータルスコア | 76878 | 172631 | |
3D | トータル | 16020 | 71663 |
3D Garden | 5023 | 28763 | |
3D Marooned | 10997 | 42900 | |
UX | トータル | 28493 | 52773 |
Data Secure | 6296 | 7551 | |
Process | 4251 | 7712 | |
Strategy Games | 7790 | 11689 | |
Image Process | 6463 | 20170 | |
I/O Performance | 3693 | 5651 | |
CPU | トータル | 24298 | 37517 |
Mathematics | 7916 | 9926 | |
Common Use | 6123 | 12068 | |
Multi-Core | 10259 | 15523 | |
RAM | 8067 | 10678 |
単純に体感速度が上記の数値のまま違うというわけではないのですが、ベンチスコアでは2倍以上の差が出ました。
Antutu 3Dテストの最中では、SO-02Jでももたつき・カクツキが目立つほどではないものの、SO-04Jの滑らかさと比べると差を感じる事ができます。RAM/ROM容量もSO-04Jでは4GB/64GBに増えていますので、同時処理能力・たくさんのファイル保存をしたい場合にも有利になっています。
カメラの違い
Xperiaシリーズのカメラは2016年モデルと2017年モデルでは画素数が2300万→1900万に下がっています。しかし、これはカメラ性能が下がったということを意味するのではありません。
SO-02Jのカメラ作例は過去記事「[レビュー]Galaxy Feel SC-04Jのカメラ性能を実機でチェック 逆光・室内・暗い場所で撮り比べ」などを参照ください。ドコモで同じくコンパクトスマホのポジションであるSC-04Jと同じシーンで撮り比べました。
一方でXperia XZs, XZ Premium, XZ1, XZ1 Compactのメインカメラは、「MotionEyeカメラシステム」という積層型メモリーセンサーを搭載し、960fpsの超スローモーションムービーやフォーカス追跡(SO-04Jでは12月のアップデートで対応予定)などが使えるようになっています。従来のセンサーよりもピクセルサイズが大きくなったことで、暗い環境でも比較的明るい写真が撮れるようになっています。
また、12月のOSアップデートと同時にSO-04Jでも3Dクリエイター機能が追加され、3Dスキャン機能が使えるようになります。これらの新機種共通の新機能については「Snapdragon835搭載 Xperia XZ1シリーズ+Premium 異なる3サイズモデルを選ぶポイント」にまとめました。
また、インカメラはSO-02Jでは510万画素と性能の抑えたパーツが使われましたが、SO-04Jでは広角レンズ&1320万画素というメインカメラ並の画質がインカメラでも撮れるようになっています。セルフィーを重視するのならSO-04J、SO-01Kのハイスペックモデルの方が良いでしょう。
電池の持ちはほどほど
まだ数日しか使っていないので実体験としての評価は保留したいところですが、バッテリー容量は確かにコンパクト機種より大きいものの、ディスプレイによる消費が大きいためか、SO-02JとSO-04Jでは実利用可能時間はそれほど大きく変わりません。
高画質な動画を再生すると1時間で10%以上減る感じです。3Dゲームアプリを連続で起動させつづければもっと減ることもあるでしょう。
電池の持ちを重視したいのなら新機種のXperia XZ1 Compact SO-02Kだと実利用可能時間が約140時間に延びているらしいので、そちらを選んだほうが良いかもしれません。SO-04Jの電池の持ちが特別に悪いというわけではないので、バッテリー性能に関しては一般的なスマホと同水準と思っておけば良いでしょう。
機種変更時の価格比較
最後に2017年10月時点のXperia新機種およびSO-02Jの価格を比較しておきましょう。
Xperia 機種変価格 | 本体価格 | 月サポ (月額) | 実質価格 (24回払い時) |
Xperia XZ1 SO-01K | 3,591円×24回 総額86,184円 |
-2,079円 | 月額1,512円 (総額36,288円) |
Xperia XZ1 Compact SO-02K |
3,240円×24回 総額77,760円 |
-2,133円 | 月額1,107円 (総額26,568円) |
Xperia XZ Premium SO-04J |
3,915円×24回 総額93,960円 |
-2,268円 | 月額1,647円 (総額39,528円) |
Xperia X Compact SO-02J |
総額63,504円 | — | 一括15,552円 |
*2017年10月時点。各キャンペーンや値引き施策は基本的にどの機種も同じものが使えます。Xperia XZ Premiumの新色・ロッソだけは「ドコモ大画面スマホ Xperia XZ Premium SO-04Jに赤色「Rosso」追加 先着購入で3,564円の卓上ホルダーが貰えるキャンペーン」の対象となりますので、詳細は注文時に確認してください。
SO-02JとSO-04Jでは、月々の負担にして999円の差があります。ディスプレイサイズの好みの問題が大きいと思いますが、上記で比較したとおりスペック・能力的にはSO-04Jの方が多くの項目で上回っているのは間違いないでしょう。
なお、Xperia X Compact SO-02Jは2017年11月1日より端末購入サポートから外される予定&在庫が終了次第、販売も終わる見込みです。SO-02Jへ機種変更したいのなら10月中がオススメです。