2017年冬モデルのソニー製スマートフォン Xperia XZ1, Xperia XZ1 Compact、そして2017年夏モデルとして発売中(Rossoは10月27日発売)のXperia XZ Premiumがドコモより同時期に販売されることになります。
この3機種はすべて同じCPU(SoC)としてQualcomm Snapdragon 835を搭載し、カメラ性能・処理性能や機能性には類似点も多くなっています。
一方ではそれぞれ4.6インチ・5.2インチ・5.5インチとディスプレイのサイズが異なり、販売価格も同じではありません。それぞれの機種の特長と違いを把握し、自分にあった機種を選べるようにモデルごとの特長・選ぶポイントを解説します。
なお、4.6インチのコンパクト・5.5インチのプレミアムモデルは国内ではドコモのみから販売されており、au/Softbankでは購入できません(5.2インチモデルは3社から買うことが出来ます)。
それぞれの公式ページは以下を参照ください。
☆「ドコモ 5.5インチ Xperia XZ Premium SO-04Jをみる」
☆「ドコモ 5.2インチ Xperia XZ1 SO-01Kをみる」
☆「ドコモ 4.6インチ Xperia XZ1 Compact SO-02Kをみる」
3モデルのスペック比較
機種名 | Compact SO-02K | SO-04J |
|
---|---|---|---|
発売日 | 2017年11月10日 | 2017年11月17日 | 2017年6月16日 |
画面サイズ | 5.2インチ | 4.6インチ | 5.5インチ |
解像度 | 1080×1920 | 720×1280 | 2160×3840 |
重量 | 156g | 143g | 191g |
縦幅 | 148mm | 129mm | 156mm |
横幅 | 73mm | 65mm | 77mm |
厚さ | 7.4mm | 9.3mm | 7.9mm |
電池容量 | 2700mAh | 2700mAh | 3230mAh |
実利用可能時間 | 110時間 | 140時間 | 105時間 |
CPU | MSM8998 スナドラ835 | MSM8998 スナドラ835 | MSM8998 スナドラ835 |
RAM | 4GB | 4GB | 4GB |
ROM | 64GB | 32GB | 64GB |
メインカメラ | 1920万画素 | 1920万画素 | 1920万画素 |
サブカメラ | 1320万画素 | 800万画素 | 1320万画素 |
防水/防塵 | ○/○ | ○/○ | ○/○ |
指紋認証 | ○ | ○ | ○ |
最大通信速度(下り) | 788Mbps | 644Mbps | 788Mbps |
スマートフォンの処理能力を左右するCPU(SoC)と、RAM容量は3機種共通してQualcomm MSM8998 2.45 GHz(クアッドコア)+1.9 GHz、4GBのメモリーを搭載しています。
体感の速度としてはそれぞれの旧モデルから劇的に変わるほど向上しているとまでは言いません(従来機種でも十分ハイスペックだったため)。しかし、スナドラ835+RAM 4GBの処理能力は現行のスマートフォンでトップクラスのハイパフォーマンスを持っています。
2017年夏モデルのXperia XZs(SO-03J)に比べて2割増しのスピードを持っており、ベンチマークのスコアで言えばiPhone 7と同じくらいになります。
Antutu Benchmark Results |
Xperia SO-02J |
Xperia XZ Premium SO-04J |
iPhone7 |
Galaxy S7 edge |
|
トータルスコア | 76878 | 172631 | 172185 | 148678 | |
3D | トータル | 16020 | 71663 | 48985 | 59808 |
3D Garden | 5023 | 28763 | 17232 | 23419 | |
3D Marooned | 10997 | 42900 | 31753 | 36389 | |
UX | トータル | 28493 | 52773 | 56947 | 47956 |
Data Secure | 6296 | 7551 | 9120 | 8733 | |
Process | 4251 | 7712 | 13033 | 5260 | |
Strategy Games | 7790 | 11689 | 23306 | 8809 | |
Image Process | 6463 | 20170 | 5111 | 21194 | |
I/O Performance | 3693 | 5651 | 6377 | 3960 | |
CPU | トータル | 24298 | 37517 | 53449 | 31141 |
Mathematics | 7916 | 9926 | 20593 | 12173 | |
Common Use | 6123 | 12068 | 18062 | 8676 | |
Multi-Core | 10259 | 15523 | 14794 | 10292 | |
RAM | 8067 | 10678 | 12804 | 9768 |
*上記はすべて管理人が測定した実測値です。測定数値にはばらつきがあり、スコアがそのままスマホの性能・快適性を表すわけではありませんが、おおざっぱな処理能力の目安にはなるはずです。
そして以下のデータがSO-01K,SO-02K,SO-04Jで実際にベンチマークテストを行った結果となります。
Ver6.2 | XZ1C SO-02K |
XC SO-02J |
XZ1 SO-01K |
XZP SO-04J |
|
トータルスコア | 163508 | 80758 | 171985 | 172631 | |
3D | トータル | 59618 | 17595 | 69739 | 71663 |
3D Garden | 15587 | 5265 | 27032 | 28763 | |
3D Marooned | 44031 | 12330 | 42707 | 42900 | |
UX | トータル | 56703 | 30817 | 57972 | 52773 |
Data Secure | 7929 | 6798 | 8025 | 7551 | |
Process | 8525 | 4950 | 8547 | 7712 | |
Strategy Games | 12655 | 8624 | 12695 | 11689 | |
Image Process | 23039 | 6075 | 22294 | 20170 | |
I/O Performance | 4555 | 4370 | 6411 | 5651 | |
CPU | トータル | 38871 | 24687 | 36103 | 37517 |
Mathematics | 10195 | 8110 | 10198 | 9926 | |
Common Use | 11623 | 6106 | 11586 | 12068 | |
Multi-Core | 17053 | 10471 | 14319 | 15523 | |
RAM | 8316 | 7659 | 8171 | 10678 |
3機種とも、Xperia X Compact SO-02Jを遥かに凌ぐハイスコアを叩き出しています。
最新モデルのXperiaではありとあらゆるゲームやアプリが快適に動く高性能さを3機種とも持っています(実際の挙動はアプリ自体の出来や相性もあります)ので、ゲームをたっぷり遊びたい人はどれを選んでも満足出来るはずです(ゲームを遊ぶ場合は画面サイズによる操作性の違いのほうが重要でしょう)。
Xperiaシリーズには「TFT(Triluminos Display for Mobile)」という同じシリーズのディスプレイパネルが採用されていますが、上記の3モデルの画面サイズと解像度が全て異なります。
モデル | 画面サイズ | 解像度 | HDR対応 |
Xperia XZ Premium |
5.5インチ | 4K 2160×3840 |
4K HDR |
Xperia XZ1 | 5.2インチ | フルHD 1080×1920 |
フルHD HDR |
Xperia XZ1 Compact |
4.6インチ | HD 720×1280 |
非対応 |
3機種のディスプレイ基本性能は、大きな画面なモデルほど高性能と言っていいでしょう。Premiumシリーズは旧モデルのZ5 Premiumから全スマホの中でも最高レベルの解像度 4Kディスプレイになっており、今回からHDRコンテンツにまで対応することで高画質・高品質な動画を楽しめます。
HDRではコントラストが強く、くっきりとした画像になっています。
5.2インチのXZ1も今回初めてフルHDのHDRコンテンツに対応しました。XZ1 Compactは従来通りのHD解像度のままですが、コントラスト エンハンサーによってHDRのようにインパクトのある色表現が出来るようになっています。
5.5インチサイズのXperia XZ Premiumは一般的なスマホよりも一回り大きいという印象を受けると思います。
大画面のディスプレイは迫力のあるコンテンツを楽しみたいのであれば大きな魅力ですが、持ち易さで言えば4.6インチのコンパクトシリーズの方が格段に優位でもあります。
上記はXperia XZ1 Compactを片手で実際に操作してみた写真です。男性でも女性でも楽に操作出来るのがコンパクトモデルの魅力であり、ディスプレイのサイズと解像度、そして持ち易さを天秤にかけて選んでみるのが良いと思います。
Xperia XZ1とXZ1 Compactの両方を持ってみた写真です。一回り以上サイズが違いますが、XZ1も薄型スマホとなるため5.2インチサイズとしては比較的持ち易いサイズ・形状となっているという印象があります。
*4K HDRの動画はコンテンツ自体がその規格・解像度で提供されている必要があります。一ヶ月間無料で試せるdTVにもいくつかムービー・映画コンテンツがありますので、Xperia XZ Premiumを買ったら是非試してみてください。
参考記事:dTVで4K HDR映画を見よう!dTVの無料期間登録方法
Xperiaの2017年夏以降のモデルには、すべて同じカメラセンサー・パーツが使われています。
ソニーの「Motion Eyeカメラシステム」と呼ばれるモバイル用カメラになっており、1920万画素・F値 2.0・広角25mm相当のワイドなレンズ/メモリー積層型イメージセンサーを搭載しています。
機能面では960fpsのスーパースローモーション・シャッターを押す前の画像を保存しておける先読み撮影・オートフォーカス連写などなど、最新の技術が搭載されているのは4機種(XZs, XZ Premium,XZ1,XZ1 Compact)とも全て同様のはずです。
フルサイズで撮影すると19メガピクセル(3,096×5504)の高画質になります。
上記の写真はXperia XZ Premiumの実機で撮影したものです(画像をクリックすると大きなサイズで表示出来ます)。
中央の絵の具を拡大してみても、くっきりと写っています。
オートモードで撮影しているため、若干色合いが暗めに調整されている感じはします。これは旧モデルのXperiaシリーズでも同じような仕上がりになるので、ソニーの画像処理エンジンの方針なのかも。
なお、Xperia XZ1, XZ1 Compactから搭載された「3Dクリエイター」機能は、SO-04Jにも2017年12月頃のソフトウェアアップデートで利用ができるようになる見込みです。
3Dスキャンによってアバターを作ったりフィギュアを作ったり、いろんな遊び方がどの機種でも出来るようになります。
実際にXZ1を使ってスキャンしてみると、以下のように結構精巧に取り込むことが出来ました。
小さなアイテムをスキャンすると細部はさすがに潰れてしまうところも見られますが、3Dでぐるぐる動くデータを簡単に作れるのは面白かったです。
スマホのディスプレイがある前面のサブカメラ(インカメラ)は、Xperia XZ1とPremiumは同じ1320万画素ですが、XZ1 Compactだけ800万画質に画質が下げられています。
ただし、XZ1 Compactにしても従来機 X Compactに比べると500万画素→800万画素にアップ・80度と120度へ切り替え可能な広角なレンズに変わっており、セルフィーがお手軽に撮れるスマホに進化しました。
広角になったインカメラがあれば自撮り棒を使わなくても複数人や背景の風景を入れて撮ることが可能です。FacebookやInstagramなどのSNSに写真をアップロードしたい人も、どのモデルを選んでも楽しめると思いますが、よりセルフィーを重視するのならXZ1かXZ Premiumが良いでしょう。
XZ1シリーズにあってPremiumにはない機能として、インカメラ撮影時にディスプレイを光らせてフラッシュ代わりにする「ディスプレイフラッシュ」があります。暗い場所でのセルフィーを使う機会が多そうなら、XZ1が良さそうです。
今回比較している3種のXperiaでは、大画面モデルほど大きな電池容量を積んでいるものの、画面サイズが大きく・解像度が高いほど消費電力も増えてしまいます。そのため、搭載した電池容量が一番小さいはずのXperia XZ1 Compactが最も実利用可能時間が長い140時間というデータが出ています。
実際にXpeira XZ1 Compactを1ヶ月使ってみたところ、以下のようにスタンバイ状態ならほとんど電池が減りませんでした(5-6時間に1%程度)。
SO-02Kの約140時間という利用可能時間は過去のXperia機種に比べても長く、少しでも長く電池が持つ方が良い人はXperia XZ1 Compactが良いかもしれません(利用可能な時間・連続待機時間は使用状況によって異なります)。
最後に3機種をドコモで機種変更した場合の負担額を比べてみましょう。加入できるプランや各種割引キャンペーンは基本的に同じものが使えますので、購入時の負担額は本体価格と月々サポートの金額に依存します。
Xperia 機種変価格 |
本体価格 | 月サポ (月額) |
実質価格 (24回払い時) |
Xperia XZ1 SO-01K![]() |
3,591円×24回 総額86,184円 |
-2,295円 | 月額1,296円 (総額31,104円) |
Xperia XZ1 Compact SO-02K ![]() |
3,240円×24回 総額77,760円 |
-2,133円 | 月額1,107円 (総額26,568円) |
Xperia XZ Premium SO-04J ![]() |
3,915円×24回 総額93,960円 |
-2,268円 | 月額1,647円 (総額39,528円) |
Xperia X Compact SO-02J ![]() |
総額63,504円 | — | 一括15,552円 |
*2017年12月16日時点の公式価格より。月々サポートには指定プラン・パケットプラン/2年契約などの加入条件があります。詳しいドコモの料金プラン・割引条件等は「ドコモ 月々サポートの適用機種・条件」を参照ください。
ドコモの機種変更で安く買える旧モデル Xperia X Compact SO-02Jも比較に入れてみました。SO-02Jの場合は月額値引きではなく購入時に一括で割引が適用出来るため、初期負担額・残債無しで買いたい人には今でもオススメできます。SO-02Jと新型 SO-02Kの違いについては以下の記事も参考にどうぞ。
☆「ドコモ2017年冬モデル Xperia XZ1 Compact(SO-02K) 旧モデル SO-02Jからの進化点は?新機能やスペック比較」
ドコモのXZ Premium SO-04Jは発売当時は実質価格45,920円にて販売されていましたが、現在は値下げされています。5.2インチサイズのXZ1に比べて3,240円しか変わりませんので、大画面が好みの人にはSO-04Jがお買い得と言えるかもしれません(→12/16以降はSO-01Kが値下げされ、価格差が広がりました)。
一方では4.6インチサイズのXperia XZ1 Compactは5.2インチモデルより1万円負担額が安くなっていますので、料金と小型さを重視したいのならSO-02Kを選ぶのも良いでしょう。
好みに合わせて選べるのがドコモのXperiaとなりますので、それぞれの魅力と違い・自分自身の好みをよく考えて選んでみましょう。
各機種はドコモの公式サイトから、機種変更手数料無料(Xiプラン同士の場合)・頭金無料(店頭では3,240円~8320円くらい)で予約/購入を受け付けていますので、望みの機種が決まったらすぐに買い替え手続きが可能です。