2018年6月29日から始まったソフトバンクのスマートフォンを安く使うことが出来る新プラン-「おてがるプラン」の料金システムと激安な購入情報を紹介します。
新しく契約できるようになったソフトバンクの「おてがるプラン」は、auのピタットプランに類似した”利用量に応じて料金が変化する”タイプのシステムを導入しており、従来の「月額数千円で1ヶ月間に○GBまで使える”定額”データプラン」とは大きく異なる部分があります。
新プランのおてがるプランに加入すると安い料金でスマートフォンを使えるようになる人がいる一方で、おてがるプランはあくまで”おてがる”に使いたい人向け専用に設定されているため、スマートフォンを良く使う・使いたい機種が決まっている・最新機種を使いたい場合には向かないことがあります。
そんなおてがるプランのメリット・デメリット、システムの罠を細かく紹介し、さらに新プラン契約でもお得に買える一括0円スマホ販売情報をチェックしていきます。
おてがるプランの料金構成
従来ソフトバンクのスマートフォン利用者向けプランでは「通話プラン」+「データ通信容量プラン」+「ISP料金」(+オプションなど)、といった要素を組み合わせて料金が決まっていましたが、新料金のおてがるプランは”料金が3段階で変わる”ところがポイントです。
おてがるプランでは5分以内のかけ放題プラン付きで月額最安2178円~の料金になります。これは従来のスマ放題ライト+1GB(データ定額ミニ)の月額料金見積もり(おうち割適用後)に比べて、半額以下の維持費となります。
ネットを少しだけ使う人の新旧プラン料金イメージ比較
おてがるプランで1GB以下:スマ放題ライト2,000円+専用データプラン 1480円 – 専用割引 1,000円 – おうち割光セット 500円=月額2178円~
(比較)旧プランで1GBまで:スマ放題ライト1,700円(+ネット使用料 300円)+ データ定額ミニ 1GB 2900円 -おうち割光セット 500円=月額4,840円~
あまりたくさんスマホを使うことのない(またはネットはWi-Fiを使う、他のスマホ回線と併用するサブ機種を持っている)ライトユーザーにとっては、おてがるプランのほうが圧倒的に料金が安くなります。
ただし、新料金の「おてがるプラン」は旧プランに比べて良いことばかりでもないのです。
続いて、おてがるプランを契約すべきではない、他のプランを選んだほうが便利・安く使えるケースを紹介しますので、自分がどちらに当てはまるのかよく考えてください。
おてがるプランを契約すべきでない人の例
3GB以上のデータ容量が必要な場合
ソフトバンクでは通常向けのデータ容量として5GBプラン・20GBプラン・50GBプランといった、たくさんスマホでインターネット接続(パケット通信)を利用するユーザー向けのプランがあります。
おてがるプランの料金では1GB~3GBまでのデータ通信を上限3,480円(割引前のデータプラン部分のみの料金)で利用することが可能となりますが、3GBまで到達すると接続速度が低下します(追加容量は「快適モード」などとして1GB1000円で購入することも可能)。
ソフトバンクで人気のギガモンスター・ウルトラギガモンスタープランでは、通常の5GBプラン5000円に比べて、+1000円で4倍(20GB)・+2000円で10倍(50GB)ものデータ通信が出来るようになります。
スマホでゲームをたくさん遊んだり、動画を見る人は3GBでは足りないケースも出てきます。3GBで足りないと分かっているユーザーは、おてがるプランではない通常のギガモンスタープランを選んだほうが快適に利用が出来るでしょう。おてがるプランを契約したのに快適モードで1GB/1000円で毎月追加するような使い方は勿体無いので、よく使い方を考えてプランを選んでください。
iPhone Xや8/8 Plus、最新のハイスペックスマホを使いたい人
おてがるプランは契約できる機種が限定されています(詳しくは後述)。2018年7月10日時点では最新のiPhone Xを始めとして、iPhone 8, iPhone 8 Plus, さらに旧モデルのiPhone 7や7 Plusなどはすべておてがるプランの対象外機種です。
また、2018年夏モデルとして発売中のXperia XZ2, AQUOS R2といった機種も対象外であり、予め使いたい・購入機種が決まっている場合は、おてがるプランの対象かどうかを確認してください(対象機種は次項で解説します)。
おてがるプランの対象機種
おてがるプランはスマホ初心者向け・ライトユーザー向けのプランを想定して作られているため、契約時に購入できるスマホ・iPhoneが限定されています。
2018年8月28日時点では、以下のモデルが対象となります。
モデル名 | 発売時期 | 機種代金(48回割賦) |
Apple iPhone SE(32GB) | 2016年3月31日 | 1,350円/月 |
Apple iPhone SE(128GB) | 2016年3月31日 | 1,620円/月 |
Xperia XZ1 | 2017年11月10日 | 1,940円/月 |
HTC U11 | 2017年7月7日 | 1,465円/月 |
Android One S3 | 2018年1月26日 | 640円/月 |
Huawei nova lite2 | 2018年7月6日 | 640円/月 →下記に一括0円 キャンペーン情報あり |
DIGNO J | 2018年7月6日 | 640円/月 →下記に一括0円 キャンペーン情報あり |
*税込価格、機種代金を48分割する「半額サポート」加入時。半額サポートを利用する場合は次回機種変更時に端末を返却しなくてはいけなくなりますので、十分に注意して選択してください(2018年7月時点でauのアップグレードプログラムと共に独占禁止法違反の恐れがあるとして話題になっています。関連記事:au新プランの罠 「4年縛り」アップグレードプログラムEXは加入するべきか?)。
おてがるプランの対象には2018年夏モデルとして発売された新機種 Android One S3やHuawei nova lite2といった最新スマートフォンも含まれますが、どちらも低価格スマートフォンであり、性能は控え気味です。
U11は2017年夏モデルのハイエンドスマートフォンであるため、このラインナップの中では最も性能が高くなっています。
iPhone SEもiPhone 6sと同じCPUチップを搭載しているため比較的高性能で高い人気が続いています。
ただ、高性能なiPhone, U11は機種代負担額が高く、せっかく基本料金プランが安いおてがるプランなのに、機種代金との合計額が高くなってしまうことになります。機種代金を4年間で分割して表示させると何となく安く見えますが、月月割が適用されていないため、実質負担額はiPhone Xの機種変更価格(月月割適用時、24分割で2,650円/月)よりiPhone SEの機種代が高くなっています。
・iPhone X 64GBを月月割ありで買った場合=2,650円×24ヶ月=63,600円
・iPhone SE 32GBを月月割なしで買った場合=1,350円×48ヶ月=64,800円
(半額サポートを使わず、残債を自己負担として計算した場合)
月月割が適用できる通常プランはおてがるプランより基本料金は高くなりますが、最新モデル・高性能モデルを安く買えるというメリットがあります。使うスマホ・iPhoneにこだわりが無いのなら安い機種をおてがるプランで購入すれば毎月のスマホ料金を安く使えることには違いありませんが、高性能な新モデルが使いたいのなら、おてがるプランより通常プランを選択したほうが良いケースもあることを理解しておきましょう。
今後おてがるプランで契約できる機種は順次追加されていく(2018年7月下旬より「シンプルスマホ4」が発売・対象となります)と予想されますが、現時点では5機種・6モデルしか選べないため、上記以外のスマホ・新しいiPhoneを使いたいのならおてがるプラン以外のプランで契約・購入する必要があります。
おてがるプランとauピタットプランの違い
auピタットプランも利用するデータ容量に応じて料金が変わるため、上記のように階段状になった料金イメージを見たことがあると思います。
ソフトバンクのおてがるプランは、auのピタットプランに良く似た部分と、大きく異なる部分があります。
まず類似点を挙げると、
・利用したデータ通信量に応じて、料金が変化する変動型プランであること
・5分の通話かけ放題、通常のかけ放題プランとセットで契約する必要があること
・自宅向けネット回線とのセット割引が使えること
・データ通信容量(パケット容量)の繰り越しが出来ないこと
・月額タイプの機種割引(月々割/毎月割)が適用できないこと
上記のように、料金システム・販売方法の重要なポイントで似た点が多くなっています。
5分間の通話かけ放題はソフトバンクでは「スマ放題ライト」、auでは「スーパーカケホ」、かけ放題プランは「スマ放題(SB)」、「カケホ(au)」プランと名前こそ違えど、サービスの内容はほぼ同等です。
ただし、auの場合は通話かけ放題の無い「auピタットプラン(シンプル)」も選べますので、全くの同一というわけでもありません。
auピタット/フラットプランについての概要は以下のページを参照下さい。
☆「auピタットプランを契約する前に必ず理解しておくべき10個のポイント」
続いて、おてがるプランのユニークな点を列挙します。
・料金の上限が最安値3980円(3GB)と安めに設定されている
・契約できる機種が限定されている
・特定の条件を満たすとおてがるプラン特別割引はずっと続く(auと同様に1年間のみ適用される場合もあり)
auのピタットプランでは、最安側の料金はソフトバンクと同じ1980円~という表示になりますが、価格の上限は20GB ・5,480円まで設定されています。
一方のソフトバンク おてがるプランは上限が3GB 3,980円と低めです。ソフトバンクでは最高負担額時に使える容量はauピタットプランよりも大幅に少なくなりますが、スマホを使いすぎて料金が高くなることを防いでくれる、と考えることも出来ます。どちらが良いかは、人それぞれの考え方次第でしょう。
契約できる機種の限定については前項にて解説したとおり、ソフトバンクのおてがるプランでは2018年7月10日時点において5機種しか選べません。一方のauピタット/フラットプランでは、基本的に現在販売されているすべてのiPhone, 4G LTE対応スマートフォン機種購入時に加入が可能です(ケータイ機種ではAQUOS K SHF31でも可)。
ソフトバンクのおてがるプランは初心者のみを対象にしているのに対し、auピタットプランは全ユーザーを対象にしているという違いがありますので、利用対象機種にも差があるというわけです。
auのピタットプランでは最初の1年間はコマーシャルで良く見るように最安値プランで月額1,980円~(スマートバリュー適用必須)にて契約することが可能ですが、スマホ応援割(2018年5月31日まではビッグニュースキャンペーン)が終了する2年目からは支払い額が値上がりします。
ソフトバンクのおてがるプランでは、はじめてスマートフォンを契約するユーザー(機種変更、MNPも対応)の場合は、次の機種変更をおこなうまでずっと専用割引が適用され続けます。
一方、すでにスマートフォンを利用中のユーザーがおてがるプランのスマホを購入、契約した場合にはauと同様に1年間で毎月1,000円の割引は終了しますので注意して下さい。
おてがるプラン契約 一括0円で買えるスマホ
ソフトバンクの公式定価では月額640円(×48回払い、総額30,720円)で販売されている2018年夏モデル DIGNO Jは、安売りキャンペーンを適用すると他社から乗り換え時には一括0円(分割残債無し)で購入が可能です。
本体代金が0円ならおてがるプランの表示通り、基本料金を月額1,980円からの低価格で維持し、さらに下取りキャンペーンを適用すればもっと安い維持費にすることも不可能ではありません。
-料金シミュレーション
項目 | 月額料金内訳(税込) |
DIGNO J 本体価格 | 0円/月額(一括0円) |
5分以内通話し放題 | スマ放題ライト 1,836円/月額 |
WEB使用料 | 324円/月額 |
おてがるプラン料金 (使った分だけ) |
1GBまで:1,598円 2GBまで:2,678円 3GBまで:3,758円 |
おてがるプラン専用割引 | 毎月-1,080円割引 (12ヶ月 or 機種変更まで) |
ネットセット割引 | おうち割光セット 毎月-540円割引 |
下取りプログラム | -200円×24ヶ月 (ガラケー機種の場合) |
合計 | 機種代コミで 月額負担 1,938円~ |
*一括0円にする条件は以下の3点を満たすことが必要です。
販売価格・提供条件は変更されることもありますので必ず各自で問い合わせて最新情報を確認してから申し込みを行って下さい。
Softbank Air契約で現金2万円キャッシュバック
おてがるプランの月額料金を安くすることが出来るインターネットセット割引「おうち割光セット」の対象である、ワイヤレスタイプの自宅用ネットサービス Softbank Airでは、2018年7月時点において新規加入で現金20,000円が貰えるキャッシュバックキャンペーンを実施しています。
おてがるプランのセット割引は月額550円の基本料金値引きがずっと続く(ADSL回線のホワイトBB/YahooBBバリュータイプは2年間)というものですが、加入特典での割引も大きな節約効果があります。
2万円のキャッシュバックキャンペーンはYahoo BBのウェブサイトにて実施しています。
☆「SoftBank Air」
ソフトバンクエアーの詳しいウェブ申込み方法、利用手順については「 [実体験]Softbank Airの申し込み方法・必要な準備・日数 利用方法まとめ」の記事を御覧ください。
ソフトバンクエアー・ソフトバンク光では、おてがるプラン以外の契約プランに対しても最大10回線(固定回線1契約に対し、ソフトバンク・ワイモバイルそれぞれ)までおうち割 ひかりセットを適用できますので、ライトユーザーの家族だけでなく大容量プランで契約したい家族がいる場合は、ネットセット割引が利用できる固定回線に切替検討をオススメします。
[追記]おてがるプラン、わずか2ヶ月で廃止決定
2018年8月28日、ソフトバンクはまだ作ったばかりのおてがるプランの新規受付を終了させることを発表しました。これは、2018年9月6日からスマートフォン向けに新たに通話基本プランなどを導入する新しい料金体系に移行するためです。
おてがるプランに変わる新プラン名は「ミニモンスター」となります。
ミニモンスタープランではおてがるプランと同じく「使ったパケット容量によって料金が変わる」というシステムを採用しています。おてがるプランでは上限が3GBだったところ、ミニモンスターでは最大50GBまで使うことが出来るようになります。
たくさんの容量を使う可能性があるユーザーにとっては新プランのほうが快適に使えると言える反面で、パケット通信を使いすぎてしまうとおてがるプランよりも高いスマホ料金の請求が来てしまう可能性が出てきます。通信容量をしっかりと管理できる自身があれば新プランでの運用のほうが便利で安くなり得るケースがあるものの、使いすぎが心配・パケットの節約方法が理解できないユーザーはおてがるプランがあるうちに契約したほうが安心です。
新プランの基本料金に関する詳しい解説は「ソフトバンク新料金「通話基本プラン」 従来のスマ放題との違い」を参照下さい。
おてがるプランの受付は新規契約の場合2018年9月5日まで、スマ放題/スマ放題ライトからの機種変更時には2018年10月31日まで継続しますが、それ以降はおてがるプランを選ぶことが出来なくなります。すでに契約中のユーザーであれば受付終了予定日以降も継続利用が可能です。
また、おてがるプランを継続したまま将来機種変更を行なった場合、2019年1月31日以降は月月割が適用されなくなる予定です。それまでにまたプランやサービスに変更がある可能性もありますが、現状のままならば来年2月以降は新プランへの移行を余儀なくされると思っておいたほうが良さそうです。