auが提供する新料金プラン「auピタットプラン」および「auフラットプラン」を契約する前に必ず知っておくべき注意点を紹介したいと思います。
auの新プランでは「スマホが月額1980円~!」・「格安スマホ並の料金に安くなる!」といった甘言ばかりが目立ちますが、現在auで月額5000円や6000円払っている人がプランを変更するだけで全員が月額2000円まで安くなる、という単純なものではありません。
この”月額1980円”というのは「スマホ本体代金を含まず・自宅インターネット回線のセット割引を含み・データ通信を殆ど行わず・長電話もしない・オプションも一切つけない」という極めて限られた条件下でのみ達成できる料金です。
現状で無駄に大きなデータパック・通話定額プランに加入している人が新プランに変更することで節約出来る可能性は確かに存在しますので、賢いプラン選択が行えるように新プラン・旧プランのメリット/デメリットを正しく把握しておきましょう。
今回はこのような見た目の安さだけに騙されないために、新プランを契約する前に知っておくべき注意点を見ていくことで、新プランで契約した方がいいのか・旧プランのままのほうが便利で安く契約出来るのかを検討する参考にしてみて下さい。
ポイント 1. iPhone購入時には新プランは契約不可
【追記】2017年9月22日より、iPhone8, iPhone8 Plus発売に合わせて予想通りiPhone向けにもピタット/フラットプランが解禁されることになりました。これにより、新型iPhoneを最安月額2178円~から(本体代金別途)契約可能になっています。
日本で最大のシェアを誇るアップル・iPhoneシリーズ(最新モデルから旧モデルまでauから販売されたモデルすべて)を購入する場合には、2017年7月時点では新プランを選ぶことは出来ません。
iPhone 7/iPhone 7 Plus/iPhone 6s/iPhone 6s Plus/iPhone SE/iPhone 6/iPhone 6 Plus/iPhone 5s/iPhone 5c/iPhone 5の購入を伴う新規契約および機種変更時にはご加入いただけません。
ただし、現時点ではiPhoneを契約している回線のプランを新プランに変更することなら可能です(機種変更時には不可、プランだけを変更する場合に限り受け付けています)。
将来的にiPhoneにも適用できる・あるいは新しい別の料金プランが出てくる可能性はありますが、今すぐiPhoneの購入をしたい人は従来のデータ定額プランを選択してください。
ポイント 2. たくさんネット・電話をする場合のプラン選択
auの新プランは基本料金(通話に関する)とデータプランの組み合わせで9種類のパターンがあります。また、「auピタットプラン」は使ったデータ容量によって5段階で料金が変動しますので、「旧プラン→新プランを選べば今より安くなる」とは限らない点から目をそむけてはいけません。
9つのパターンの基本料金を全て書き出してみましょう。
基本料金 | パケット プラン |
カケホ | ピタット |
フラット20 | |
フラット30 | |
スーパー カケホ |
ピタット |
フラット20 | |
フラット30 | |
シンプル | ピタット |
フラット20 | |
フラット30 |
*誰でも割・auスマートバリューを適用・ビッグニュース割引(2018年6月1日以降はスマホ応援割)を適用した場合。プラン料金ついては「au 7月14日から新料金プラン「ピタットプラン」スタート docomo withとの比較/契約時の注意点」の記事を参照ください。2年目の料金は上記にそれぞれ+1100円です。
9パターンの中で月額2178円で維持出るのは「auピタットプラン(スーパーカケホ)」または「auピタットプラン(シンプル)」において1GB以下のデータ通信を利用したケースとなります。たくさんのネット通信を使うと自動的に料金が高くなっていきますので使いすぎには要注意です。
カケホーダイの場合は国内他社携帯・一般電話への通話も制限なく追加料金が掛かることはありません(対象外番号もあり)が、スーパーカケホでは5分以上・シンプルでは家族間以外の通話が従量制で有料になります。
ちなみに、auでは「シンプルコース」という3Gケータイ・スマホ向けの旧料金プランもまだ存在しています。もしお店で契約する場合にはこのシンプルコースとスマホ向けの「シンプル」を取り違えないように注意して下さい(契約できる端末が異なるため店員さんが勘違いすることはまず無いと思いますけれど)。
関連記事:au 持ち込み機種変更では「シンプルプラン」は選べないのか?
ポイント 3. 毎月割は付かない&プラン変更で消滅
従来のプランでスマートフォンを契約すると「毎月割」と呼ばれる、機種ごとに設定された月額料金割引が適用されました。しかし、新プラン契約時には毎月割は付きません。
新プラン契約時にスマートフォンを購入するのであれば、本来の代金を全額支払う必要がある点に注意してください。
また、現在毎月割を適用中の契約を新プランへ変更すると、毎月割が消えてしまいます。
「auピタットプラン」は毎月割の適用対象外です。毎月割適用中に「auピタットプラン」に変更した場合、毎月割は終了となります。
現在販売中のAndroidスマホの毎月割金額は「au Online shop」にて最新情報が確認出来ます。
毎月割が無くなってしまうと契約状況によって維持費が上がる可能性があります。一度新プラン変更をしてから、もう一度旧プランに戻しても毎月割は復活しませんので十分注意して下さい。
ポイント4. スマートパスの割引が無くなります
これは「ポイント3」にも関わる内容です。auスマートパスは加入すると日替わりのクーポンや割引、修理代金補償・各種サービスの優待利用が出来る人気のサービスです。
旧プランではauスマートパスを契約することで毎月割が増額するため、実質的に割引価格でPontaパスを使うことが出来ました。
例:Galaxy S8+ SCV35契約時なら、毎月割 1,901円 → スマートパス加入で 2,225円に増額
このように機種代金が300円相当×24ヶ月割引が増えるため、旧プランの毎月割利用中はauスマートパスを実質72円で使うことが出来ます。
auピタットプラン/auフラットプランでもauスマートパスに加入することは可能ですが、加入の有無にかかわらず基本料金の増減はありませんので、auスマートパスを付けたままの回線で新プラン変更した場合に増額された毎月割が消えてしまう=auスマートパス分も全額負担が生じることになります。スマートパスの特典を使っていない場合は新プラン変更時に解約をしておくべきでしょう。
ポイント5. スマホ本体価格は「月額2178円~」に含まず
auの新プランは「2年経ってスマホを買い換えなくても月額料金が以前より安い」というコンセプトで作られているため、先述のとおり機種代金割引の毎月割がありません。そして、この料金自体にはスマホ・ケータイの本体代金が含まれていませんので、新しくスマートフォンを買う場合は月額2178円には絶対になりません(端末代金を全額先払いすれば「維持費」は2178円になると言えなくはありません)。
auのAndroidスマートフォンで最も高いGalaxy S8+ SCV35の場合、本体代金が別途10万円掛かることになります。24分割にして月額4,450円・アップグレードプログラムEX(月額390円)を適用して48分割2,225円の支払いが基本料金に上乗せされて請求されます。
Galaxy S8+の高さはちょっと他機種からも突出していますので、もっと安い機種を選べば負担は小さくなります。端末の月額料金負担がキツイと感じる場合は古めのスマホを白ロムで買ってプランだけピタットプラン/フラットプランに変更すれば安上がりになりますので、端末代金を節約したい人は白ロム購入にチャレンジしてみるのもありかもしれません。白ロムは通販サイト等で簡単に入手出来ます。
関連記事:携帯電話のおすすめオンラインショップ一覧
ポイント6. 最安1980円で使えるのはau系ネットサービスの利用者だけ
「ポイント2」では9つの基本料金パターンを紹介しました。あの料金にはそれぞれ通話基本料金・データ通信料金が含まれているわけですが、auの提携インターネットサービスとのセット割引・auスマートバリューの値引き分が含まれています。
auスマートバリューを適用出来ない場合は1GB以下でも料金が上がります。auでは新プランでも旧プランでもネット回線とのセット割引が節約の決め手になりますので、auスマホを今後も使い続けるのならネット回線はauひかりおよび系列サービスに変えておきましょう。
auスマートバリューが使えるネット契約でキャッシュバックも貰えます。
☆「auひかり乗り換えキャンペーン オプション無しでも必ずキャッシュバック33,000円」
☆「eo光 WEB申込キャンペーン 15,000円分相当プレゼント」/関西地方向け
☆「ピカラ光新規申込で25,000円キャッシュバック!」/四国地方向け
☆「コミュファ光新規申込で25,000円キャッシュバック!」/東海地方向け
ポイント7. スマートバリュー値引きが最大2000円→1000円に減額
auスマートバリューは従来のスマホプラン契約時には最大2,000円の割引が適用されましたが、新プランでは0円~1,000円に減額されます。大容量プランを契約しているのならスマバリ減額分により、新プランに変えても節約効果が小さくなる可能性がある点に注意が必要です。
特にauピタットプラン(シンプル)契約時に1GB以下になるとスマートバリューのセット割引効果が発揮されませんので、常に1GB以下しか使わないのならau系列のネットを使う意味はなくなってしまうかもしれません。
ポイント8.ビッグニュース割引は2017年末まで→(延長)
auの新料金プラン発表にあわせて、月額1,100円の割引が1年続く「ビッグニュース割引」が始まっています。
機種変更(機種購入を伴なう場合のみ)・新規契約(他社からお乗りかえ含む、機種購入を伴わない場合も対象)と同時に「auピタットプラン」もしくは「auフラットプラン」にお申し込みの場合、翌月から1年間ご利用料金から毎月1,000円を割引致します。
この割引は現時点では2017年7月14日~2017年12月31日までの申し込みが行われた場合の期間限定となっていますので、来年以降は月額1980円~の料金で契約することが出来ない可能性があります(おそらく何か別のキャンペーン・延長があると予想されます)。
→ ビッグニュース割引は2018年5月まで延長の後、次項の「スマホ応援割」に引き継がれました。
ポイント8.5 スマホ応援割で1100円/月引き
auのピタット/フラットプラン提供開始から1年近く提供されてきたビッグニュース割引と同様の割引内容のまま、2018年6月1日より「スマホ応援割」としてリニューアルされることになりました。
機種変更・新規契約(MNP含む)と同時に「auピタットプラン(スーパーカケホ/カケホ)」、「auフラットプラン(スーパーカケホ/カケホ)」にご加入の場合、翌月から1年間、ご利用料金から毎月1,000円(1年間合計12,000円)を割引致します。
スマホ応援割の提供終了予定は現時点ではなく、実質的にビッグニュース割引が無期限で延長されたようなものです。
ポイント9. 2018年4月からテザリング料金有料化
2017年7月時点では、au新プラン契約時のテザリングオプション料金が2018年4月以降は有料化される予定となっています。テザリングが必要な人にとって事実上料金値上げになりますので注意してください。テザリングを使わない人は3月までに解約しておくことを忘れないでください。
→実際に延長されることなく、auのピタット・フラットプランでテザリングを使う場合は550円の有料オプションとなりました。
ポイント10. 新旧プラン同士の変更に制限
7月14日から受付の始まった新プランへ、旧プランから変更が出来るようになっています。現時点では新プラン↔旧プランの変更が可能(機種変更と同時でない場合は翌月から適用のはず)ですが、2018年2月以降は一部条件時に変更が出来なくなります。
2017年7月14日以降に端末を購入した場合、2018年2月以降、「auピタットプラン/auフラットプラン」とその他の料金プランとの間のプラン変更はできません (端末購入を伴う変更を除く)
将来的にまだこれから条件が変更される可能性もありますが、プラン変更の予定がある場合にはこの制限も忘れずに計画的な運用が必要となります。
[追加]ポイント11. キャッシュバック還元の条件になることも
2018年5月時点において、auのスマートフォンを安く買うために使える「auクーポン」の利用条件に、auピタットプラン/フラットプランが設定されることが増えてきました。
auクーポンの多くは機種購入時に指定加入プランがあり、iPhone や Androidスマートフォンの購入時には以下の条件が記載されています。
[4G LTE スマートフォンの場合] ①②両方を満たすこと。
①新規契約・機種変更時に「auピタットプラン/auフラットプラン」+「2年契約(誰でも割)★1/2年契約(誰でも割ライト・自動更新なし)★2/スマイルハート割引」にご加入。
②新規契約・機種変更の翌日までにau WALLET プリペイドカードをお申し込み。
この場合は旧プランのLTEフラットを選ぶとキャッシュバック還元が貰えなくなってしまうことがあるため、実質auピタット/フラットプランが必須となり始めています。
auピタット/フラットプランでは毎月割がない代わりにクーポン値引きが増強される傾向にあるため、新機種買い換え時にはauクーポンを上手く活用して節約すると効果的です。
以上、これからauの新プランで新規契約・プラン変更をか検討しているのなら必ず知っておくべきポイント10個(+α)でした。「注意点の列挙で10個も多すぎる!もっと簡潔に!」とも思ったのですが、まだまだ書き足りないくらいです。
毎月割がなくなる・スマートバリューのセット割引が大前提・スマートパス、テザリングの料金など、今までは気にせず契約していたな・・・という方は安易に新プランに変えるべきではないと個人的には思っています。
上記ではなるべく簡潔に記載するため省略した部分もありますので、人によってはもっと注意すべき変更もあるかもしれません。旧プランから大きくシステムが変わりましたのでauスマホの契約に慣れている人でも思わぬトラップに引っかかる可能性があります。各自隅々まで注意事項を読んでから、本当に新プランで節約になるのかどうか考えてみましょう。
キャッシュバッククーポンを使うことで多少は機種代金も安くなりますので、トータルの節約効果を考慮して、お得に回線運用が出来るようにプラン調整を行ってください。