auは2017年7月10日10時、ドコモの新料金プラン(docomo with , シンプルプラン)に対抗する新しい料金プラン体系を発表し、2017年7月14日から提供開始するとしています。

auの新料金プランでは音声・データプランセットで月額1,980円(2年目から2,980円)から利用が可能になる、格安SIM対抗プランと言える低価格運用が可能になるキャンペーンを同時に発表しています。ここではau新プランへの切り替え・契約時の注意点とドコモの低価格プランとの違いをチェックしてみたいと思います。

新料金プランは2017年7月14日より、auショップ・オンラインショップでの機種購入時・既存ユーザーの場合はマイページから変更を受け付けを開始します。

使った分に応じて料金が変化する「ピタットプラン」

ここ数年のスマートフォンのパケット料金と言えば「○GBまで使えて幾ら」というパケット定額制を採ってきましたが、auの新プランは「使ったデータ量に応じて料金が変化」する、多段階料金プランになります。

この点はドコモの新料金プランプランとは全く違う、新しい試みと言えます。このような多段階料金プランはこれまで格安スマホサービスに見られたものですが、auがこれを取り入れるとは・・・たしかにビッグニュースでした。

スーパーカケホ(5分以内の通話定額)のピタットプランでは、誰でも割(2年契約)・スマートバリュー(auの提携ネット回線とのセット割)・ビッグニュースキャンペーン(1年間)を適用することで月額1,980円で利用出来るということになり、ライトユーザーは従来の1GBプランよりも安い月額料金で利用が可能になります。

auの新プランは音声込みで1年限定で1,980円~という価格になりましたが、ドコモの場合は月額280円から契約できる家族向けスマホプランがあります。

auでは「家族でデータをシェアする」というプランが今回も作られなかったため、ドコモの家族向け料金とは全く料金体系が異なると言えます。ドコモのシンプルプランは家族専用(シェアグループでのみ契約可能)ながら、3回線分で5GB(上記イラストだとU25のパケットボーナス1GBがあり6GBの表記)を使えて1人あたり月額2,013円(永年~、主回線が15年超えであることが条件)です。

この点で見るとスマートバリューを併用して1年限定でようやく月額1980円~になるauのピッタトプランより「docomo with + シンプルプラン」のほうが長く家族で使う場合には運用が簡単かもしれません(ただし後述するようにプランが使える対象機種はauの方が豊富)。

auスマートバリューを適用しない場合はピタットプラン(スーパーカケホ)でも月額2,480円~となり割安感が減ってしまいますので、auのスマホを使うのであれば自宅のネット回線の見直しも重要です(auスマートバリューに使えるネット回線・必須契約サービスを調べる方法)。

ドコモウィズを使ったスマホ代節約運用は下記の記事を参照下さい。

関連記事:最安月額280円でスマホ追加契約が可能”docomo with”(ドコモ・ウィズ)割引のお得な運用方法を解説

かけ放題なしの「シンプル」を追加

ドコモが5月24日から提供を開始した通話定額無しの「シンプルプラン」に対抗し、auでもほぼ同じシステムとなる「ピタットプラン(シンプル)」が追加されました。

データの容量が1GB以下の場合にスマートバリューを組んでいても割引が適用されない料金帯がある点に注意が必要ですが、格安SIMに多い3GBプランで月額2,980円~を実現出来るのは割安感があります。

毎月割の扱い

auの新プラン「auピタットプラン」・「auフラットプラン」は毎月割・購入サポート割引は非適用となります(2017年7月10日時点の適用条件には変更が行われていない)。既存回線で毎月割を受けている場合に新プランへ変更すると機種代金の割引は終了していまいますので注意してください。

*毎月割がなくなるため、現行プランよりトータルで安く契約できるかどうかは7月10日時点では未知数です(端末代金割引とセットで考える従来の契約方法とは比較が困難であり、一概にどちらが高い・安いという議論は出来ません)。毎月割で大きな割引を受けている場合はプラン変更によって逆に負担が高くなる可能性もありますので、各自の契約状態を確認してから切り替えて続きを行って下さい。

ヘビーユーザー向け「auフラットプラン」

こちらは以前の料金プランに似ていますが、月間に20GB・30GBという大容量のパケットデータ通信を行う人向けのプラン名が「auフラットプラン」として新しくなりました。こちらも従来のように「基本料金(カケホ・スーパーカケホ)+データプラン」という考え方ではなく、通話とデータがセットになったプランでの提供ということになります。

auフラットプランでもビッグニュースキャンペーンにより1年間は1000円引きが適用され、通話定額無しの(シンプル)が追加されました。一方でauスマートバリューの割引が永年20GB 1,410円/ 30GB 2,000円→1,000円に減っています(カケホ・スーパーカケホでもスマバリ割引額は一律1000円に)。

機種代を24ヶ月→48ヶ月分割も可能に

上記の通り新プランでは毎月割が使えなくなりますので、「基本料金プラン」の維持費は安くなっても端末代金の負担が増える可能性があります。その対策として新しく「アップグレードプログラム EX」というシステムが登場しました。

機種購入時から月額390円×24回(合計9360円)の支払いが追加されますが、48ヶ月分に分割した機種代金の支払いを2年間だけで終了し、端末を下取りに出すことで残債半額分を支払わずに新しい機種に変更出来るようになります。

条件1:対象機種を12カ月間ご利用後、機種変更
条件2:機種変更後も「アップグレードプログラムEX」に再加入
条件3: 3機種変更した際、旧機種を回収させていただくこと

上記の3つを適用出来ます。ただ、条件3にあるように使っていた機種は回収されてしまいますので、価値の高い機種であれば2年後に下取りプログラム・白ロムとして売却したほうが高値で売れる可能性もあるため、必ずしもお得になるとは限らない気がします。また、本プログラムはiPhoneシリーズには使えません。

テザリングは将来有料化?新プランの無料期間は限定

携帯回線を仲介してパソコンやゲーム機器などをインターネットに繋ぐことが出来る「テザリング」機能についてauピタットプラン・フラットプラン加入を検討しているのなら要注意なポイントがあります。


現在スマートフォン用の各種パケットプランでは無料に設定されているテザリングオプション料金が新プランではそれぞれ2018年4月以降に有料化(月額500円)される予定となっています。

これまでにauのテザリングオプション料金については有料化の予定時期変更が繰り返され、ここ数年はスマホユーザーには実質的にずっと無料で提供されています。ピタットプラン・フラットプランについても無料キャンペーン期間が延長される可能性もありますが、テザリング機能が必須であるユーザーは旧プランのまま維持・テザリング不要な人で新プランを契約する予定ならば2018年3月までオプション解約を忘れないようにしましょう。

加入対象

上記のプランは2017年7月14日より、4Gスマートフォンの購入時に適用できるほか、既存ユーザーの場合もプラン変更が可能です。ただし、新プランスタート後の購入において、2018年2月以降はピタット/フラットプランとその他の旧料金プラン間との変更が出来なくなります

 2017年7月14日以降に端末を購入した場合、2018年2月以降、「auピタットプラン/auフラットプラン」とその他の料金プランとの間のプラン変更はできません (端末購入を伴う変更を除く)

つまり、来年の2月からはピタット・フラットプランで契約した回線において持ち込み機種変更によるスマホプラン外への変更は塞がれるということのようです。

また、1年間月額料金が1000円割引される「ビッグニュースキャンペーン」は2017年12月31日まで新規・機種変更時に適用されます(機種購入を伴わない契約時は対象外)。

ただし例外があり、

iPhone 7/iPhone 7 Plus/iPhone 6s/iPhone 6s Plus/iPhone SE/iPhone 6/iPhone 6 Plus/iPhone 5s/iPhone 5c/iPhone 5の購入を伴う新規契約および機種変更時にはご加入いただけません。
ただし、上記iPhoneを既にご利用のお客さまは、料金プランの変更でご加入いただけます。

というように、iPhoneの購入時には使えないという制限があります。iPhone関連のキャンペーンは今後調整・追加される見込みです。

逆に言えば他の人気Androidスマートフォンには新規・機種変更時に使えるということですので、ドコモの「docomo with」が2017年7月時点で2機種にしか適用できないことに比べると広い適用範囲と考えることも出来ます。もちろん2017年夏モデルのGalaxy S8 SCV36, Galaxy S8+ SCV35、発売したばかりのAQUOS R SHV39, HTC U11などにも使えますので、価格を確認して格安運用を狙ってみましょう。

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au 7月14日から新料金プラン「ピタットプラン」スタート docomo withとの比較/契約時の注意点