猫の最高にリラックスをした表情をスマホで撮りたいなら、スマホの「カメラ性能」をしっかりと把握してモデルを選びましょう。
最新のスマートフォンは「通話やメール」といった基本的な電話としての機能よりも、いつでもすぐに使えるカメラとしての役割を期待するユーザーが増え、多くのメーカーがカメラ機能・性能の向上に心血を注いでいます。
新しいスマートフォンになるとカメラのレンズが2つも3つも付いています。カメラがたくさん付いていれば良いというわけではありませんけれど、最高峰のモデルになると中途半端なコンパクトデジタルカメラでは太刀打ちが出来ないほどクオリティの高い画質の写真が撮れるように進化しています。
スマホのカメラをちょっとした記録用・明るい屋外での撮影だけに使っている場合は、カメラ性能にそこまで拘って機種を選ばなくても、比較的新しいスマホであれば十分に昔のガラケー・初期のスマホより綺麗な写真を撮れる機種が増えていますが、暗い環境(室内・街頭の少ない屋外・ライトアップやイルミネーションなどの夜間撮影)において、スマホのカメラ性能による画質に大きな違いが出ます。
ここでは暗い環境で写真が撮りたくなる場面の例として、こたつの中でリラックスしながら寝ているネコを撮影する場合を想定して、フラッシュ・明かりを付けずにスマホの性能だけでどのくらい綺麗な写真が撮れるのか、低価格スマホから2019年時点で世界最高レベルの評価を得ているスマホまで、いろんな機種で撮り比べをしてみた結果を公開します。
1万円~10万円超えのスマホまで取り揃えました
今回テストに使ったスマートフォンは全9モデルです。
・Huawei nova lite(2017年春の格安スマホ)
・Huawei P20 lite(2018年夏の格安スマホ)
・富士通 arrows Be F-04K (2018年夏の格安スマホ)
・Apple iPhone 7 (2016年秋モデル)
・HTC U11 (2017年夏のハイエンドモデル)
・Apple iPhone X (2017年秋のハイエンドモデル)
・Huawei P20 Pro HW-01K (2018年夏ハイエンドモデル)
・Huawei Mate20 Pro (2018年冬ハイエンドモデル)
・Google Pixel 3 (2018年冬ののハイエンドモデル)
2019年2月時点の価格相場で1万円程度で買えるエントリーモデルから、12万円もする超ハイエンドモデルのスマホを用意し、全く同じ状況で撮影比較をしています。
こたつのネコ撮り比べ画像
では早速、こたつの中で寝ているネコ(の実物大模型)の写真をご覧ください。特記無き場合は、切り抜き(トリミング)以外の画像加工は一切行っていません。
*以下、画像をクリックすると大きな写真が表示されます。データ容量が大きめですので、モバイル回線利用時のパケット消耗にはご注意下さい。
まず、用意したスマホの中で一番カメラ性能が低い、nova lite(2017年春モデル)から。
(nova lite, オートモード)
ぼんやりと「ネコが居る」ことくらいなら判るでしょうか。このネコの実寸大模型は顔の中央が白い「八割れ」です。
鼻からおでこのあたり、丸まって密集している手足の白い部分がほんのり映っています。
Huawei nova liteのカメラは1200万画素です。画素数は普通ですが、発売当時の購入価格も1.6万円の低価格モデルであるため、カメラ性能もそれなりと言わざるを得ません。
こたつ布団を透して入ってくる光だけでは、nova liteのカメラの通常モード撮影はちょっと厳しいようです。
ここで、nova liteに搭載されている「HDRモード(ハイダイナミックレンジ)」で撮影したものを比較してみてください。
(nova lite, HDRモード)
どうでしょうか。nova liteのスマホカメラで撮影していますが、先程よりも背景のこたつ布団の緑色が鮮やかになり、ネコの白い部分も少しくっきりと見えるようになりました。これがHDRモードの効果です。
HDRモードは最新のスマートフォンでは多くのモデルで対応しています。設定でHDRモードが選べるスマホならば、こたつのネコを撮影する場合にはオンにしてみましょう(初期設定でHDR設定がオートになっている機種も多いです)。
続いてもう一台、2018年モデルの格安スマホとして人気があった、P20 liteです。
(P20 lite, オートモード)
上記はP20 liteの通常モードで撮影した写真です。先程のnova liteに比べて、くっきりとネコの顔・手足が見えるようになりました。
さらにP20 liteには「夜景モード」という、暗い環境で撮影するための専用モードがありますので、こちらも使ってみましょう。
(P20 lite, 夜景モード)
P20 liteの夜景モードを使うと、さらにくっきりと色が見えるようになりました。ネコの黒色の体と、ネコが乗っている茶色の毛布の境目が見えるようになったはずです。
ただし、P20 liteの夜景モードでは手ブレが激しく、画像全体がややぼやけやすいという傾向があります。三脚等を利用して完全にスマホを固定して撮影すれば手ブレを抑えられますが、今回は「すべて手持ちで撮る」という条件にしているため、このような結果になりました。
P20 liteでは手ブレ補正が弱く、夜景モードの使い所はやや難しいです。
次はドコモ専売の格安スマホ 富士通アローズシリーズの最新作 arrows Be F-04Kです。
(arrows Be F-04K オートモード撮影)
F-04Kでは、従来のarrows低価格スマホシリーズに比べて「一眼レフのカメラ技術」を採用した新しいカメラが使われています。1200万画素というnova liteと同じ画素数ですが、通常モードの撮影でもネコの顔がくっきりと写りました。
画質(微細な表現)としてはやや弱く、ネコの毛並み・毛布の繊維が少し潰れてしまう印象がありますが、代わりに明るさを重視したバランスの写真が出来上がります。
F-04Kのドコモでの販売価格は実質0円以下(docomo with割引を24ヶ月分適用した場合、31,200円-1500×24回=マイナス4800円相当)という低価格モデルでありながら、カメラには結構力が入っています。
関連記事:2018年夏ドコモウィズ アローズビー F-04Kを買って判った人気上位をキープしている理由
ここまでの3機種は「発売時点で低価格なモデルのスマホ」でした。次からは発売時点ではハイスペック~ハイエンドなスマートフォンのカメラ写真に突入していきます。
次は、2016年9月に発売されたApple iPhone 7です。
(iPhone 7, オートモード撮影)
iPhone 7のカメラは旧モデルのiPhone 6sと同じく12メガピクセルという画素数したが、カメラレンズが明るくなったことで暗い場所の撮影にも強くなったという印象がありました。
F-04Kまでの低価格スマホでは分かりづらかった、ネコの毛並みがiPhone 7のカメラなら判別可能になってきました。すでに発売から2年以上の前のモデルながら、これがiPhone 7の、アップルのスマホカメラ技術です。
NTTドコモでは2019年2月27日よりiPhone 7(32GBモデル)を大幅値下げして再販売します。このあと紹介するさらに最新モデルのスマホに比べるとiPhone 7のカメラは若干劣ってきますが、安いiPhoneでも他社の格安スマホとはレベルの違う画質を期待してOKです。
最高峰の機能、最先端の性能に拘らず、価格が安くてバランスの良いスマホがほしいというのならiPhone 7は2019年時点でもオススメです。
関連記事:[ひとり利用のスマホ料金]2019年ドコモウィズiPhone 7 本体価格・初期費用や維持費を安くする方法
続いて、カメラ性能には比較的高い評価を得ている、HTCのハイエンドモデル U11です。
(U11,オートモード撮影)
U11の場合、こたつ布団のみどり色が強調されすぎ、肝心のネコが綺麗に写りませんでした。これはU11のカメラの性能が低いという問題ではなく、HTCのカメラが「色合いの強調を重視した画像処理」を行っている結果です。
ネコの体部分にフォーカスをあわせても上記のような仕上がりになります。
オートモードではなく明るさをマニュアルで上げてやればもう少し毛並みの分かる写真も撮れます。
U11ではarrows Be F-04Kとは逆に、色の明るさよりも画質を優先するような設定が行われているようです。上記のように白い部分ならネコの毛並みまでくっきり見える、マニュアルで調整すれば、低価格スマホとはレベルの違う高画質な撮影が可能となります。
続いて、Face ID/ノッチデザインを初採用したアップルスマホ iPhone 7(2017年モデル)です。
iPhone 7に比べて、さらに鮮明にネコの黒い部分の毛並み・乗っている茶色の毛布の状態まで見分けられます。一番最初に掲載したnova liteと同じ明るさで撮影したとは思えない、別次元のクオリティがiPhone Xのカメラ性能です。
iPhone Xの発売当時の価格は12万円という超高額でしたが、2018年モデルのiPhone XSによって型落ちモデルとなり、2019年時点で乗り換えならドコモでは一括1.5万円にまで値下がりしています。
関連記事:ドコモiPhone X 64GBを88%オフで販売 MNP限定11万円値引きで在庫処分本格化 割引併用で0円以下も
次は2018年モデルのスマホカメラで革新的と言われ、最高峰の評価を得た最強スマホカメラ搭載機種 P20 Proです。
iPhone Xよりもさらに明るく、極少ない光がネコの毛に反射した様子まで見て取れるようになりました。これが2018年~2019年春時点でスマホ業界最強と言われるP20 Proの実力です。
さらに、P20 ProではP20 liteと同じく、暗い環境用で使える夜景モードがあります。
(P20 Pro, 夜景モードで撮影したもの)
写真をズームアップして比較しないと判らないかもしれませんが、通常モードに比べてノイズが少なく、さらにくっきりとした写真になります。P20 liteではどうしても発生してしまう手ブレがP20 Proでは起こりづらく、夜景・ライトアップ撮影などでもP20 Proは抜群の描写力を誇ります。
P20 Pro HW-01Kは現在ドコモでは機種変更価格1万円にまで値下げされており、カメラ重視のユーザーにはお買い得過ぎる端末になっています。
関連記事:ドコモスマホ値引き 最強カメラスマホP20 Pro HW-01Kが機種変も1万円に 1年で4万円値下げ
続いて、P20 Proと並んでDxOmark 最高評価の109点を記録したトリプルカメラスマホ搭載 Mate20 Proの写真です。
(Mate20 Pro、オートモード(夜景モードではない)
Mate20 ProとP20 Proは同じメーカー・同じ4000万画素のメインカメラを使っていることもあり、仕上がりは非常によく似ています。
Mate20 Proの本領は広角側(35mm換算で焦点距離16mm)の2000万画素のカメラの威力ですので、今回の比較条件ではP20 Proと大差ない結果になりますが、Mate20 ProとP20 Proのトリプルカメラの違いを理解して比較検討をすると良いです。
関連記事:SIMフリー DSDV対応のMate20 ProとP20 Pro(HW-01K)の違い スペックや取扱価格情報まとめ
最後はGoogle製の最新スマートフォン Pixel 3です。
Pixel3のカメラは12メガピクセルという画素数はやや少なめであるため、暗い環境でオートモードのまま撮影するとノイスが少し多めに出ます。色合いの調整はHDRが効いている(オート設定)ため、背後の緑色・下の茶色い毛布の色も判別可能です。
そしてPixel 3にも夜景モード(Night Sight)があり、これがこたつのネコ撮影にものすごい威力を発揮します。
オートモード時とは全くレベルの違う、ノイズが少ない・明るい写真が撮れます。ネコの黒い毛並みの部分まで、まるで明るい照明下・フラッシュでも焚いたかのような明るさに調整がされます(もちろん上記はフラッシュは使っていません)。
P20 Pro, Mate20 Pro, Pixel 3の3機種の夜景モードは、こたつの中のネコを撮るのに大活躍します。
低価格なP20 liteと、Pixel 3で撮影したものを並べて見てみれば、歴然とした差がもっと実感できるはずです。
P20 liteには2つのカメラレンズが付いているのに対して、Pixel 3はシングルレンズカメラです。スマホカメラの性能は、カメラレンズの数で決まるものでは無いことが良く判ります。
低価格なスマートフォンには「安く買える」というメリットがありますし、今回の「暗いこたつの中で撮る」というような厳しい環境を想定しなければ、それなりに綺麗に写真が撮れるスマホもあります。
必ずしもカメラ性能の高いスマホを買えば幸せになれるということが言いたいのではありません。たくさんあるスマホのラインナップの中で、以上のように大きくカメラ性能には差があることも理解して、かわいい猫やペットの眠りを妨げないようにフラッシュや照明を使うこと無く綺麗な写真が撮れるモデルを選んでみてください。
価格とスマホ性能のバランスも大切
こたつの中のネコを綺麗に撮りたいのなら、最新型のiPhone, P20 pro,Pixel 3などが良いことは上記の作例の通りです。
しかし、いくら性能が高くても高いスマホは買えない・・・という場合には、実売価格も考慮して機種選びが必要です。
以下は2019年2月時点の値引きやキャンペーンを考慮したスマホ価格です。カメラ性能と価格の両方に納得できるモデルをチョイスしてみてください。
モデル | 販売/契約種別 | 実質価格・キャンペーン |
nova lite | 「イオシス」/ SIMフリー |
美品中古で11,800円~ |
P20 lite | OCN 音声SIMセット |
SIMフリーモデル 本体一括 14,904円~ (オプション加入割引適用後) |
arrows Be F-04K | ドコモ公式/ 機種変更 |
docomo with適用後 実質マイナス5,184円~ |
iPhone 7 32GB | ドコモ公式/ 機種変更 |
docomo with適用後 実質3,888円~ |
HTC U11 | 「イオシス」/ 本体のみ販売 |
ソフトバンク版 36,800円 SIMフリー版 39,800円 au版 45,800円 |
iPhone X | ドコモ公式/ MNP(乗り換え) |
64GBモデル 一括15,552円~ |
P20 Pro | ドコモ公式/ 機種変更 |
月々サポート適用後 実質10,368円~ |
Mate20 Pro | OCN/ 音声SIMセット |
SIMフリーモデル 一括86,184円~ (オプション加入割引適用後) |
Pixel 3 | ドコモ公式/ MNP(乗り換え) |
64GBモデル 実質27,216円~ |
(*8%税込み計算。販売価格、在庫状況は2019年2月26日確認時点のものです)