2020年9月発売のApple iPhone 11 Proについて、使用時の発熱具合を2020年6月時点の最新ソフトウェアバージョンにおいて確認してみました。

Apple iPhone 11シリーズではA13 Bionicチップを搭載し、歴代iPhoneで最高の処理性能を手に入れた反面、本体の発熱が気になるというケースが発売直後からありました。

当サイトでは発売日にiPhone 11 Proを入手後、2019年9月末の時点でもiPhone 11 Proの表面温度上昇・過熱についてチェックを行いました。

関連記事:[温度測定してみた]iPhone11 Proの発熱 10分程度の利用でもかなり熱く 新素材/A13チップの影響か

当時はまだ残暑も厳しい環境でした。その後は冬の時期~春のシーズンを迎えたためにあまりiPhone11の発熱に関する問題を感じるユーザーは減っていたようですが、2020年6月半ばあたりから、日本列島では夏日・真夏日を観測するようになり、iPhoneの発熱が気になる利用者が増えているようです。

iPhone・スマートフォンの発熱はソフトウェアの制御によって温度コントロールが変わることもありえますので、2020年6月時点の最新OSにアップデートした上で、再度iPhone 11 Proの表面温度を同じ非接触式の赤外線温度測定器を用いて測定してみました。

iPhone 11 Pro(iOS13.5.1)の発熱状況

前回の測定時と同じく、iPhone 11 Proで「スマホを使用している状況」を作り出すため、Antutu Benchmarkアプリを連続で動作させ、そのときの表面温度変化とベンチマークスコアをチェックしました。

その結果、以下のような発熱・ベンチマークスコアの変動が確認出来ました。

測定前:表面温度26.4℃(室温 約25℃)
7分後:表面温度35.0℃ (ベンチマークスコア 503,151点)
15分後:表面温度37.8℃(ベンチマークスコア 499,110点)
20分後:表面温度 39.9℃/ 背面温度 上部 43.9℃・中央部 43.4℃・下部 36.8℃

測定の結果、高負荷なゲームアプリなどを動かす場合において、15分~20分が経過した時点でiPhone 11 Proの本体温度が40℃を超え、かなり熱く感じられる程度まで発熱することが再度確認出来ました。

本結果は、2019年9月時点の測定時とほぼ同じ傾向です。管理人はiPhone 11 Proを発売日からずっとメイン携帯電話として使っていますが、2020年6月時点のソフトウェアに更新したからといって特に発熱が酷くなる・エラーが増えるという印象はありません。

しかしながら、iPhone 11 Proの発熱具合は同じA13チップを積んだ iPhone SE(第2世代)よりも、明確に熱くなりやすく感じています。

iPhone SE2で全く同じように表面温度を測定したところでは、30分以上使い続けても表面温度は37℃程度、背面温度も38度程度までの上昇であり、40℃を大きく超えることはありませんでした。

参照: [実機検証]iPhone SE2(第2世代,2020)の発熱・過熱・連続ゲームプレイ時のパフォーマンス低下について

iPhone 11 Proはボディの素材にテクスチャードマットガラスとステンレススチールのボディを採用しており、高級感がある反面で熱が伝達しやすく、皮膚で触れると熱く感じます。

上記の実験結果でも示した通り、特に背面にあるカメラレンズの下あたりの発熱は大きく、44℃程度になると手で長くは触っていられないほどの熱を感じます。

通常、短時間であればiPhoneが40℃を超えた状態になっても故障することはありません。しかし、AppleによればiPhone/iPadなどのデバイスは0℃~35℃程度の環境での利用が想定されており、熱が上がりすぎるとバッテリーの消耗が早くなったり・電源が切れたりすることがありえます。


iPhoneの温度が上昇すると、上記のように「高温注意 – iphoneの本体温度が下がるまでお待ち下さい」というアラートが出て、緊急連絡以外の利用が出来なくなります。この表示が出た場合は本体を涼しい場所に移して、しばらく待ちましょう。

この表示が出ていなくても発熱しすぎると一部機能が正常に動かなくなる(ディスプレイがつかなくなる/充電が出来なくなる/カメラのフラッシュが動作しない/アプリ動作が遅くなる)ことがあるため、体温を大きく超える熱を感じた場合はしばらく利用を控えることを推奨します。

iPhoneはゲームやカメラを使っている場合以外にも、バックグラウンドでアプリが動作・ソフトウェア更新のためにデータ通信などを連続して行っている場合にも熱くなることがあります。iPhoneがまれに熱くなる・ゲームプレイ時のみ熱くなる場合は、正常の動作範囲内の可能性が高いでしょう。

一方で、何もしていないのに常に熱を持つ・ごく短時間の利用だけでもiPhoneが持てなくなるほど熱くなることが頻発する場合は個体としての不具合・故障の可能性もありますので、キャリア・アップルのサポートで修理依頼を検討すべきかもしれません。

参照:https://support.apple.com/ja-jp/HT201678

[40℃超えも]2020年夏本番でiPhone 11が熱くなりやすく?最新バージョンで表面温度を確認