ドコモおよびauから発売中のソニー 2018年夏モデルのプレミアムスマートフォン Xperia XZ2 Premium(SO-04K, SOV38)では新しくデュアルカメラレンズを採用し、従来のXperiaシリーズに比べて綺麗な写真が撮れるようになりました(SO-04Kで撮影した写真例・レビューはこちらから)。

実際にXperia XZ2 Premiumのドコモモデル SO-04Kを入手してたくさんの写真を撮ってみましたが、そこで一つ気になったのは「カメラ利用時の発熱」です。

もちろん数枚の写真を撮るくらいであれば発熱する間もなく撮り終えることが出来ます。しかし、機能が向上したXperiaのカメラを試したくてついついたくさんの写真を長時間に渡って撮り続けると、スマホ本体のディスプレイや背面のカメラ周りに熱を感じることがありました。

これまでにXperia XZ2 Premium SO-04Kのベンチマークアプリを利用して連続動作時の発熱状況のチェックも行いましたので、同じ装置を利用してカメラを連続で使い続けた場合の発熱と、加熱状態になってしまったあとの冷却速度を調べてみることにしました。

関連記事:ドコモXperiaXZ2プレミアム SO-04KのSDM845発熱具合は?30分連続動作超の温度上昇チェック

カメラの発熱実験方法

今回利用したのはドコモモデルのXperia XZ2 Premium SO-04Kです。設定はほぼ購入直後のまま、カメラの動作に影響を及ぼすようなアプリは入れていません。

SO-04Kを下の写真のようにスタンドに立てかけ、最高画質設定の4K HDR動画を撮影し続ける様子を、物質の表面温度を非接触で測定することの出来る「放射温度計」を利用して追跡しました。

測定時の室温は28℃、スマホの周囲はカメラ撮影ボックスで覆うことによって風が入らないような状況になっています。

測定位置はスマホの表面で熱くなりやすい、本体の上部(左隅から3センチくらいの位置)を狙っています。なお、温度計はずっと手で保持しているため、測定位置は時間毎に微妙に移動していますので時間経過毎に若干のブレがあるはご了承下さい(ディスプレイの上の方と下の方だと、5℃以上温度差が生じることがあり、「正確な1点」の温度を測定出来ているわけではありません)。

測定結果

Xperia XZ2 Premiumの動画撮影開始と同時に、15秒おきに温度を記録し続けた結果が以下のものとなります。

経過時間(秒) 表面温度
(℃)
0 30.1
15 30.4
30 30.6
45 30.9
60 31.1
75 31.5
90 31.8
105 32.1
120 32
135 32.5
150 33.5
165 33.5
180 34
195 33.9
210 34.2
225 34.7
240 34.9
255 35.4
270 35.7
285 35.7
300 36.2
315 37.2
330 37.2
345 37.4
360 37.9
375 37.6
390 38
405 39
420 39.8
435 41.2
450 40.5
465 40.4
480 40.2
495 40.4
510 41.2
525 41.3
540 41.6
555 42.3
570 42.4
585 41.6
600 41
615 41.8
630 42
645 42.1
660 42.3
675 43
690 43.2
705 43.4
720 43.1
735 43.2
750 42.5
765 43.8
780 43.8
795 44
810 43.7
825 44.1
840 44
855 43.7
870 44.1
885 43.8
900 44
915 44
930 43.5
945 43.2
960 43
975 42.3
990 42
1005 41.9
1020 41.7
1035 41.4
1050 41.1
1065 40.1
1080 39.7
1095 39.2
1110 39.1
1125 38.9
1140 38.3
1155 37.6
1170 37.6
1185 37
1200 36.8
1215 36.7
1230 36.4
1245 36.2
1260 35.9
1275 35.8
1290 35.5
1305 35.5
1320 35.3
1335 35.2
1350 34.9

15分=900秒まで動画撮影を続けたのちにカメラを停止、その後7.5分=450秒はカメラオフ・スリープ状態(ディスプレイオフ)にして温度を測定しています。

上記のデータをグラフにしたものが以下の図です。

実験中の様子と考察

測定開始時にXperia XZ2 Premiumの表面温度は約30℃であったところから、4K動画を撮影しつづけるとスマホ本体の温度はどんどん上昇していく様子が確認出来ました。

表面温度が40℃を超えるまでにおよそ7分(420秒)が掛かりました。その後13分頃に最高温度44℃に到達し、ほぼ均衡状態になったため撮影を終了することにしました。

ここで、以前測定したベンチマークテスト時の発熱状況のデータを見ると、Antutuベンチマークテストを連続で30分以上行った場合にも最高温度は40℃ほどであったことに比べて、4K HDR動画撮影は非常に発熱がしやすい機能であると言えます。ベンチマークテストは高負荷が必要なゲームアプリに近い動作処理を行いますが、カメラ撮影では本体に掛かる発熱的負荷は並のアプリ動作よりも大きいことは確実です。

動画撮影から15分経過後の停止時、SO-04Kの画面には以下のお知らせ表示が出ました。

「本体の温度が上昇しています。温度が上昇し続けるとカメラは自動で終了します」

さらに、このお知らせの下には「本体の温度が上昇したため、一部のカメラ機能が利用できません」との表示が出ていることも確認出来ました。今回の実験では撮影者が動画を停止するまで自動終了することはありませんでした。

この時点でディスプレイ表面温度は44℃ほどになっていますので、15分以上の4K動画撮影を連続で行い続けるとカメラ機能が一時的に使えなくなる可能性があります。44℃に到達した13分~15分の時間までは終了することなく撮影が出来ており、今回の実験環境ではこれ以上温度が上がらなさそうだったため撮影を止めましたが、スマートフォン本体を手で持っている場合・さらに温度が高い環境で撮影した場合には強制停止されることもありそうです。

スマートフォンの部位別での発熱具合では、ディスプレイの上部ほど温度が高く、下部は発熱しにくい傾向にあります。動画撮影停止直後の状態で、上部は44℃、下部は37℃ほどになっており、手でスマートフォンを触ってみた感触でもかなりの温度差が確認出来ました。カメラ撮影時には一様にスマホ本体が熱くなるわけではないため、手でスマホを保持する場所によっても熱の感じ方が変わることが判りました。

15分経過後の冷却期間では、よく理科の実験イラストに出てくるような冷却曲線を描き、およそ5分で44℃→37℃まで下がりました。37℃だとまだ一般的な人の体温より高いため、手で触れると熱を感じるレベルですが、このくらいであれば「熱い」とは感じないでしょう。冷却の速度は周囲の温度・対流・端末に接触している素材等へ逃げる熱伝導に依存します。

より早く冷やしたい場合に有名な方法としては、ヒートシンクの機能を得るためにコインをスマホ本体にくっ付ける(熱伝導率が高く、表面積が広いほど効果的)などをすれば、もっと早く室温まで下げることも出来るはずです(Xperia XZ2 Premiumは防水・防塵に対応していますので水に付けるくらいなら簡単に壊れることはありませんが、氷に触れさせるなど、過度な冷却をするとスマホ内部が結露し故障する恐れがありますので、過激な冷却方法を試すことはやめましょう)。

今回の実験では44℃を超えても15分の連続撮影を行うことが出来ましたので、通常の利用範囲では過熱による機能停止が起こることは無いはずですが、さらに温度が高くなってしまった場合には冷却・放熱を効果的に行える環境に出来ないか考えてみると良さそうです。

Xperia XZ2 Premiumのカメラ機能を連続で使うと、以上のように40℃を超える温度まで発熱することがありますが、これは異常な動作ではありません。ただし、温度が高くなり続けた状態で端末に手で触れ続けると低温やけどを引き起こす可能性・端末に負荷が掛かり故障・劣化を早める可能性もありますので、連続利用はほどほどにして、休憩を挟みながら利用することをオススメします。

☆「ドコモ公式HP:Xperia XZ2 Premium SO-04Kの価格・スペックを詳しく見る

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