ドコモより発表・発売される2021年夏モデルスマートフォン ソニー Xperia Ace II(えくすぺりあえーす まーくつー/型番 SO-41B)について、発売日情報・対応機能やスペックとサービス、実際にXperia Ace2を購入して使ってみて感じた性能についての評価や価格情報をレポートします。

Xperia Ace II SO-41Bは、2021年5月19日にドコモの新商品・新サービス発表会にて初めて登場したスマートフォンです。現時点ではNTTドコモモデルだけが発表されています。

すでにソニーは2021年夏モデルとしてハイエンドモデルのXperia 1 III(日本発売日2021年6月中旬~7月以降)とXperia 5 III(日本向け未発表)、ミッドレンジモデル Xperia 10 III(日本発売日2021年6月)の3モデルを発表しています。発表済みのモデルを含めて2021年4モデルのうち、Xperia Ace2は最も安いエントリーモデルというポジションです。

30代以下のユーザーに人気の新料金プラン「ahamo」(アハモ)でもXperia Ace2は購入可能・利用可能です。

(ahamoのサイト内ではSO-41Bの販売は行われません。購入手続きは「ドコモ公式オンラインショップ」にて受け付けています)

ただ、Xperia Ace2は値段が安い代わりに同時期に発売されるXperiaシリーズ・旧シリーズに比べて対応機能や低い性能が気になります

本稿では歴代Xperiaシリーズ各種を使ってきた印象と、Xperia Ace2に機種変更した場合に感じるであろうメリットとデメリットを細かくレビュー・評価していきます。

Xperia Ace2の購入レポート・同梱品開封

ドコモモデル Xperia Ace IIのパッケージは、格安スマホらしいシンプルなものです。

同梱品は取扱説明書以外、一切ありません。ケースや保護フィルムはもちろん、充電用ケーブルやアダプタも付いていませんので、必要に応じてセット購入することをオススメします。

Xperia AceIIのスペックとサービス評価

スペックとサービス Xperia Ace IIの仕様
メーカー ソニー株式会社
発売日 2021年5月28日
サイズ 140×69×8.9mm
本体重さ 159グラム
電池容量 4500mAh
ディスプレイ 5.5インチ HD+ TFT
CPU Helio P35
RAM 4GB
ROM 64GB
外部ストレージ 最大 1TB対応
通信最大速度 4G 下り262.5Mbps
通信対応 5G:非対応/4G・3G対応
防水防塵 IPX5/IPX8・IP6X
ワンセグ/フルセグ 非対応
おサイフケータイ 対応
カメラ 1300万画素+深度測定センサー
ワイヤレス充電 非対応
有線イヤホン 3.5mmイヤホンジャックあり
生体認証 指紋センサー(本体横)

より詳細なスペック・対応機能はドコモ公式ページ「NTTドコモ-Xperia Ace II (SO-41B)」を参照ください。

Xperia AceIIのメリット評価

Xperia Ace IIを選ぶメリットの一つは大きさです。

Xperia Ace IIは最近のシリーズの中ではコンパクトな5.5インチサイズです。昨今のXperia1/Xperia 5/Xperia 10シリーズはいずれも6インチを超える長大な画面・ボディばかりになっていたため、片手で持ちやすい小さなサイズを求めていたユーザーには、Xperia Ace IIが比較的小さいスマホとして機種変更候補になります。

他のXperiaシリーズではユニークな「21:9」のシネマワイドと呼ばれるディスプレイ比率を頑固に継承しつづけていますが、Xperia Ace 2では一般的な画面比率に戻りました。シネマワイドパネルはワイドな動画や縦長のブラウザ画面などを見る時には便利ですが、特殊な縦長比率に非対応なアプリ・画面表示モードも多いのが現状です。

Xperiaシリーズではディスプレイ面にノッチ(凹み)やホールを開けずにインカメラを搭載してきましたが、Xperia Ace2はインカメラを水滴型の凹み部分に配置しています。これにより、ボディの縦長を短くするデザインを実現しています。

”とにかく小さいスマホが欲しい”というのであれば、Xperia Ace IIよりさらに小さなiPhone 12 miniもあります。

iPhone 12 miniの重量は133グラムですので、Xperia Ace2よりさらに26グラムも軽量です。しかし、iPhone12シリーズの値段はXperia Ace2の約4倍~。電池持ちもXperia Ace2のほうが優れていますので、「安くてお手軽に買える」機種が欲しい人にはXperia Ace2のほうが向いています。

Xperia Ace 2はボディ側面に指紋センサーが搭載されています。そのため、withコロナ時代でもマスクをしたままロック解除が出来る安心機能と言えます。

Xperia Ace2の有利な点として、2021年モデルの上位モデル Xperia 1 IIIと同じ4500mAhの大容量バッテリーを積んでいます。

「4500mAh」という電池容量自体は他社のスマホに比べて特別に大きいわけではないものの、Xperia Ace2は画面サイズが比較的小さいこと+5G非対応で消費電力が低いこと期待できるCPUの組み合わせに対して十分な電池容量と言えます。

また、日本人がスマホに求める機種として、おサイフケータイ・防水防塵・3.5mmオーディオジャックも搭載しており、便利な機能は一通り対応しています。

ahamoで使える低価格な海外メーカーSIMフリースマホはいくらでもありますが、海外の安い機種にはおサイフケータイ・防水機能が付いていないモデルも多いため、価格が安いのに安心して長く使えるのがXperia Ace 2の最大の利点といえるでしょう。

一方で、「価格相応~使っていて不満を感じる」部分もXperia Ace2には多く見られます。

Xperia AceIIの欠点・不満点

Xperia AceII(えくすぺりあえーすまーくつー)を使って感じる最大の懸念点は、処理性能の低さです。

Xperia Ace2に搭載されたCPUは「MediaTek Helio P35」(MT6765)と呼ばれるチップセットです。他の多くのスマホで採用されるQualcomm製ではありません。

MediaTek Helio P35は非常に低価格な海外スマホに採用されることの多いシリーズのひとつであり、他社モデルだとOPPO A35、Xiaomi Mi Play、Galaxy A12、LG Stylo6、moto g8 power Liteなどに搭載されています。

Xperia Ace 2のAntutuスコアは約10万点前後(アプリver 8系)であり、ゲームのプレイはかなり厳しい水準です。3Dアニメーションが多用されたゲームだと動作が遅延し、まともにプレイできない可能性が高いです(ゲームの動作可否はアプリごとに異なります)。

実際にXperia Ace2でAntutuベンチマークを動かしてみたところ、総合スコアは102,279点でした。測定中のアニメーションはカクカクと処理落ちしている様子が見て取れました。

比較として、Snapdragon 888を搭載したXperia 1 IIIのベンチスコアは70万点前後、型落ちのXperia 10 II Snapdragon 665ではベンチスコア18万点前後であったことを考えても、Xperia Ace2の処理性能はスマホとして動作する最低限クラスです。

2年前に発売された旧モデル Xperia Ace SO-02LではSnapdragon 630を搭載していました。初代Aceに比べてXperia Ace 2の性能は同程度~若干劣化しています。初代Aceに比べてSO-41Bは価格も安くなっているものの、処理性能は2年前の低性能スマホレベルに留まっていると覚悟しておくべきです。

価格的に仕方がないとはいえ、Helio P35の性能は4~5年前のハイスペックモデルにすら劣りますので、いろんなアプリを使うには向きません。

ただ、Xperia Ace2でゲームが全然出来ないということではありません。

実際に音楽リズムゲームをインストールしてプレイしてみたところ、表示の滑らかさは高性能モデルに若干劣るものの、最高画質の3Dリッチモードでもゲームを遊ぶには支障のないレベルで動作をします。高い処理性能を必要とするゲーム以外・画質や動作を簡略化出来るモード・設定が出来るアプリであれば、Xperia Ace2でもプレイすることは出来るでしょう。

ゲームを思い切り快適に遊びたい、いろんなアプリを導入して使う予定のユーザーは予算を上げて最新モデルのXperia 10 IIIを買うか、ソニーブランドにこだわりが無いなら高コスパスマホで人気のシャープのAQUOS senseシリーズ、OPPOのRenoAあたりを選ぶことを推奨します。

関連記事:AQUOS sense5GとAQUOS sense4の違い 5G対応以外の差・SDM690 5Gの性能

Xperia Ace II (SO-41B)は4Gスマートフォンであるため、ドコモの5Gプラン料金を支払っていても4Gの通信速度までしか出ません。受信最大速度は262.5Mbpsであり、5G対応最新モデル Xperia 1 IIIの最大速度の10分の1以下のネット速度ということになります。ただ、5Gエリア自体が限定的な現時点において、一般的な利用範囲では4G通信速度でも十分ウェブ閲覧やインターネットを楽しむ事ができるため、「5Gをすぐに体験したい」というユーザー以外には特に気にならない点です。

また、Xperia Ace2ではカメラ性能も低めです。

Xperia Ace 2には2つのカメラが搭載されており、1つは標準レンズ1300万画素のカメラ、もう一つは深度測定センサー用です。他モデルにある望遠用・超広角用レンズがありません。

「レンズの数」が少なくてもAQUOS R6のようにカメラレンズ品質とセンサーサイズに振り切った最強カメラを積んだスマホも存在しますが、Xperia  Ace2のセンサーは1/3.0″と小さく、ハイエンドモデルに比べて画質はどうしても劣るでしょう。

ただ、Xperia Ace2でもAIによりシーン判定機能は搭載されているため、スマホ・カメラ初心者でもかんたんに撮影を楽しむことは出来ます。

カメラ機能に拘るユーザーにはZEISSレンズを採用したXperia 1 II・Xperia 1 III以上のハイエンドモデルを選ぶことをオススメします。

関連記事:[SO-51Aレビュー]Xperia1 II実機 ソニー初5Gスマホ/Zeiss-αカメラ評価-新機能やスペックレポート

Xperia AceIIの価格

Xperia Ace IIの価格は、他のXperiaよりも圧倒的に安く設定されています。上記で挙げた「Xperia Ace2のデメリット・不満点」も許せるお値段設定です。

Xperia Ace II SO-41Bの公式価格は一括22,000円です。割引無しでこの価格です。歴代のXperiaシリーズでも最安クラスです。

最新機種のXperia 1 IIIは10万円以上、ミドルレンジのXperia 10 IIIでもXperia Ace2の倍以上の値段であることが予想されるため、「とにかく安いスマホなら何でも良い」というユーザー向けのモデルらしい価格設定を実現しました。

ドコモのオンライン購入であれば機種購入の事務手数料や送料も一切掛かりませんので、22,000円の支払いだけで最新のXperiaを買うことが可能です。

ドコモユーザーはもちろん、アハモユーザーも予約・購入ができます。

☆「NTTドコモ公式サイト-Xperia Ace II (SO-41B)の価格・値引き情報

ドコモ料金プラン・アハモ料金プランについては各公式サイトを参照ください。

Xpeia AceIIのキャンペーン情報

ソニーはXperia Ace 2の発売を記念し、ドコモモデル Xperia Ace II(SO-41B)と専用ケース 「Xperia Ace II Style Cover with Stand XQZ-CBBD 」を購入すると、3,000円相当のポイントがもれなく貰えるキャンペーンを実施します。

[対象製品]docomo SO-41B,  Style Cover with Stand XQZ-CBBD (参考価格3,830円)
[実施期間]Xperia Ace2発売日~ 2021年7月31日まで
[応募方法]Xperia Lounge Japanアプリからエントリー

本キャンペーンはソニー主催です。詳しくは公式キャンペーンページを参照ください。

☆「ソニー Xperia Ace II Style Cover with Stand XQZ-CBBD icon

“大きさも価格もコンパクト” アハモでも使えるXperiaAce2(SO-41B) 価格と性能・購入レビュー/評価・発売日