2021年冬モデル、ハイエンド級の高スペックと持ちやすいサイズ感と割安感のあるドコモスマートフォン ソニー Xperia 5 III(えくすぺりあふぁいぶ まーくすりー/型番SO-53B)の実機レビュー・評価です。
Xperia 5 IIIの日本発売日は2021年11月12日です。本機種の存在自体は2021年春に海外で「Xperia 1 III」と同時に発表済みでしたが、ようやく国内での取り扱いが始まりました。
Xperiaの「5」シリーズとしては第三世代となるXperia 5 IIIは、例年通りXperiaの「1」と「10」シリーズの真ん中の性能・価格に設定されたスマートフォンです。
2021年夏ハイエンド Xperia 1 III実機 |
2021年夏ミドルスペック Xperia 10 III実機 |
SO-51Bレビューはこちら | SO-52Bレビューはこちら |
単純な性能・機能だけで言えば2021年夏モデルのXperia 1 IIIが上位互換になるため、Xperia 5 IIIだけの新機能はほぼありません。
しかし「大きすぎる/高すぎるXperia 1 III」と「安いけれどハイスペックとは言えないXperia 10 III」の中間を待っていたユーザーには安く買えるドコモのXperia 5 IIIを比較検討する価値があります。
Xperia 5 IIIの長所は性能と価格、そして大きさのバランスにあると言えるでしょう。
当サイトでは過去のXperia 1、Xperia 10、そしてXperia 5シリーズ、廉価なXperiaAce2もすべて実機を利用した上で、最新のXperia 5 IIIの評価を行っていきます(旧モデルの全レビューはこちら)。
ページの目次
Xperia 5 IIIの機能・スペック
Xperia 5 III SO-53Bの主な機能・対応サービスは以下のとおりです。
項目 | Xperia 5 III (2021) |
ディスプレイ | 6.1インチ 有機EL フルHD+ |
本体サイズ | 縦:157 mm 横:68 mm 厚さ:8.2 mm |
重さ | 168グラム |
バッテリー容量 | 4,500mAh |
CPU | SDM888 |
RAM/ROM | 8GB/128GB |
5G接続 | 対応 |
カメラ | 【メインカメラ】 1220万画素 +1220万画素 +1220万画素 【サブカメラ】 800万画素 |
防水・防塵 |
対応 |
おサイフケータイ |
対応 |
セキュリティ | 指紋認証(本体横) |
*より詳しいスペック・対応する全てのサービスは公式サイトの表記をご確認ください。
☆「ドコモ公式サイト:Xperia 5 III SO-53Bのスペックと価格をみる」
Xperia 5 IIIはドコモモデルのXperia最上位 「Xperia 1 III」よりも発売日は新しいスマートフォンですが、性能・機能面ではXperia 1 IIIよりもいくつかの部分で低くなります。
発表年 | ハイエンドクラス | ミドルスペック | エントリースペック |
2021年 | 最上位Xperia PRO-I 上位 Xperia 1 III Xperia 5 III |
Xperia 10 III Xperia 10 III Lite |
Xperia AceII |
2020年 | Xperia PRO Xperia 1 II Xperia 5II |
Xperia 10 II Xperia 8 Lite |
— |
2019年 | Xperia 1 Xperia 5 |
Xperia 10 Xperia 8 |
Xperia Ace |
2018年 | Xperia XZ3 Xperia XZ2 Premium Xperia XZ2 Xperia XZ2 Compact |
— | — |
*ドコモで発売されていないSONYスマホも含みます。
カテゴリーとしてはXperia 5 IIIもハイエンドクラスとなり、2020年モデル Xperia 5 II・2021年モデル Xperia 5などの正統後継モデルと言えるでしょう。ミドルスペックシリーズやエントリーシリーズのXperia 10/8/AceシリーズからXperia 5 IIIに機種変更するなら、飛躍的なアップグレードとなります。
2019年モデルのXperia 1/5は4Gスマートフォンであったため、そろそろ5G通信を体験したいのなら買い替え時です。
Xperia 5 IIIの大きさ・デザイン
2021年モデルのXperia 5 IIIは、2020年に発売されたXperia 5 II (ドコモ型番SO-52A)の後継モデルです。性能や機能にいくつも変更点はありますが、人気のコンパクトデザインは引き継いでいます。
(2020年型 Xperia 5 II実機)
外観上の違いはカラーラインナップが違うため、色の違いを知っていれば区別できます。
ドコモモデルのXperia 5 IIIは4色(グリーン・フロストシルバー・フロストブラック・ピンク)から選ぶ事ができます。
電池容量がアップした影響か、わずかに本体の厚みが増えているものの、それ以外のデザイン・大きさもXperia 5 IIIとXperia 5 II/Xperia 5 は良く似た3年連続のマイナーチェンジモデルとなっています。
Xperia 5 IIIを選ぶ際に最も重要であるサイズ感・使いやすさはXperia 5II/Xperia 5とほとんど変わりません。Xperia 5からの買い替えなら、全く違和感なく機種変更出来るでしょう。
Xperia 5 IIIのディスプレイは6.1インチ。縦長比率のディスプレイであり、横幅が細い(68mm)ため片手で使いやすいサイズです。
昨今の高性能・ハイエンドスマートフォンでは190グラム~200グラム超えの重量のモデルが多いところ、Xperia 5 IIIは168グラムの比較的軽量なボディです。同じ6.1インチのiPhone 13 Proは203グラムありますので、Xperia 5 IIIは最新のiPhoneに比べてもとても軽いのです。
Xperia 5 IIIの本体右側には音量ボタン・指紋認証センサー内蔵電源ボタン・アシスタントキー・カメラシャッターボタンが並んでいます。
Xperia 5 IIIのグリーンカラーは、背面が鏡面仕上げになっています。明るい緑ではなくシックな深緑。非常に美しいデザインですが、指紋はやや目立ちます。
Xperia 5 IIIより軽い5Gスマートフォンもいくつかありますが(5Gスマホのサイズ・重さ比較一覧はこちら)、ハイエンドクラスで軽くて持ちやすいスマホは希少で、好みであるならサイズ感を優先して購入するメリットがあるほど魅力的な大きさ・デザインという評価です。
Xperia 5 IIIのAntutuスコア
Xperia 5 IIIは2021年モデルの多くのハイエンドスマートフォンと同じQualcomm Snapdragon 888を搭載しています。
スマートフォンの処理性能を数字で比較評価できる有名ベンチマークアプリ Antutu Benchmark(ver8)をXperia 5 III SO-53Bで実行してみました。
Xperia 5 IIIのAntutuスコアはおよそ68~69万点前後です。
同じバージョンのベンチアプリで測定すると、
・Xperia 1 III (SDM888) 約70万点
・Xperia 5 III (SDM888) 約68万点
・Xperia 10 III (SDM690) 約28万点
・Xperia Ace2 (Helio P35) 約10万点
・Xperia 5 II (SDM865) 約55万点
このような結果となり、Xperia 5 IIIは2021年モデルのハイエンドクラスと同等の高処理が可能です。
*すべて当サイトでの実測結果です。Antutu BenchmarkアプリはリスクアプリとしてGoogle Play Storeでは非登録となっているため、テスト用途以外の一般利用は推奨しません(Antutuの現行バージョンは9.xとなり、当サイトの結果とは比較出来ません(新しいバージョンのほうが数字が大きくなるため)、ご注意ください)。
Xperia 5 IIIの処理性能は2021年冬時点でも十分に高い水準です。
一方で、最高峰のXperia 1 IIIに比べてメモリ(RAM)が12GB→8GBに抑えられています。一般的な利用範囲でメモリ8GBで不足になることは滅多に無いと思われますが、”最高のハイエンドクラス/最上級のゲーミングモデル”のスマホに比べるとXperia 5 IIIの性能は少し控えめであるという評価です。
Xperia 5 III SO-53B対応バンド-周波数帯
ドコモモデル Xperia 5 III SO-53Bは5G対応のSIMフリースマートフォンです。
Xperia 5 III SO-53Bの最大通信速度は下り4.2Gbpsに対応します。一方で、Xperia 1 IIIが対応していたミリ波(5G mmWave)には非対応となります。
【5G】 n78、n79
【4G(LTE)】 バンド1、バンド3、バンド19、バンド21、バンド28、バンド42
【3G】 バンド1※
※ドコモでは利用できない周波数帯です。
ドコモNWでは4G, 5Gのみ使用可能。
使用可能周波数
4G: B1,B3,B19,B21,B28,B41,B42
5G: n78, n79,
海外では2G, 3G, 4Gのみ使用可能。
使用可能周波数2G: 850, 900, 1800, 1900, 3G: Band I, Band V
4G: 地域に依存する。
US圏: B1, B3, B4, B5, B7, B12, B13, B17, B21, B28, B39, B41,
それ以外の海外: B1, B3, B4, B5, B7, B12, B13, B17, B19, B21, B28, B38, B39, B40, B41, B42
各キャリアが利用する4G/5Gバンドについては下記を参照ください。
関連記事:キャリアの5G・4G/3G通信周波数帯(Band)一覧まとめ
実際の通信速度として常時1Gbpsを超えるようなスピードは2021年末時点ではまだ実現していないものの、都心部・商業中心都市であれば少しずつ5Gに繋がるエリアは増えています。
上記は実際にXperia 5 III SO-53Bで5Gエリア圏内でスピードテストを実行した様子です。これでもベストエフォート(理論上の最大値)の1/10程度ですが、これでもあらゆるネットデータをあっという間にダウンロード出来る速度と言えます。
Xperia 5 IIIのカメラ評価
Xperia 5 IIIのカメラは歴代のXperia 5シリーズで最高の性能です。
Xperia 5 IIIのカメラは超広角+標準+ズームのトリプルカメラ仕様であり、Xperia 1 IIIでも採用されたズーム倍率可変式レンズを継承しています。
一方で、Xperia 1 IIIに搭載されていた3D iToFセンサーが省略されたため、フォーカスのスピード/暗所でのピント合わせの精度はややXperia 5 IIIのほうが劣る可能性があります(フォーカス性能は場面により変わります)。一般的な環境でテストをした限りでは、特にフォーカスが遅い・ピントが合わないということはありません。
Xperia 5 IIIは旧モデルからイメージセンサーも大きくなっており、より明るく、光学望遠性能が上がったことでズーム時でもキレイな写真が撮れるようになっています。
Xperia 5 IIIのカメラモードには他社の「夜景モード」のように数秒間撮影を続けて画像合成処理をするという専用機能はありません(通常の低照度・AI夜景判定はあり)。しかし、一般的な夜景・ライトアップであれば十分にキレイな写真が撮れます。
(実際にXperia 5 IIIで撮影した夜景)
Xperiaのカメラは極端に明るくしずぎず、白飛びを抑えて自然な色合いに調整する傾向にあります。
写真にこだわりのあるユーザーは、マニュアルモードの利用をおすすめします。
そしてXperiaの上位モデルだけに搭載されたカメラアプリ「PhotoPro」/「Cinema Pro」を使うことで、ソニーのデジタルカメラシリーズと似たようなUI/操作性でこだわりのマニュアル写真撮影も出来ます。
Xperiaのプロカメラでは「瞳オートフォーカス」にも対応し、人だけでなく動物の目にもピタリとフォーカスが合い続けます。
一方で、Xperia 5 IIIのカメラは業界最高峰というほどではなく、2021年最先端モデルで高評価を受けているカメラ機能特化スマートフォンには劣ります。Xperia 1 III/5 IIIのユニークな「70mm↔105mm可変焦点距離ズーム」も、より高倍率な望遠機能を持ったモデルに望遠写真の画質で及ばないことがあります(例えば2年前の光学5倍相当ズーム・P30 Proのほうが望遠写真は断然綺麗)。
ズーム性能、センサーサイズともに、Xperia 5 IIIを遥かに上回るスマホも多数存在します。しかし、カメラ特化モデルの多くはXperia 5 IIIよりも巨大で重いスマホばかりです。
小型でカメラ性能がかなり高いスマホを求めているなら、Xperia 5 IIIの高性能カメラは十分に満足できる水準にアップグレードされているという評価です。
Photo Proを使って月の模様も撮れる
iPhoneや旧モデルのXperia 1 II/Xperia 5 II以前のモデルやではズーム倍率不足によって撮影はほぼ不可能であった月の模様もXperia 5 III/Xperia 1 IIIなら簡単に撮ることが出来ます。
ノーマルカメラで撮影 | PhotoPro マニュアルモード |
標準モード(BASIC)だとXperiaスマホでは月が真っ白になってしまうところ、シャッタースピード・ISOを自由に設定できるPhoto Proのマニュアルモードを利用することで、Xperia 5 IIIでは上記の通り、月の模様まで見ることが出来ます(Xperia 1 IIIも同じ事ができます)。
月の模様の写真はこれまでの古いXperiaスマホでは出来なかったことです。Xperia 5 IIIを買ったのなら、満月の時などに是非試してみてください。
Xperia 5 IIIのスピーカー評価
Xperia 5 IIIにはフロントステレオスピーカーが搭載されています。ボディの下ではなく、ディスプレイの上下に配置されているため、動画閲覧時も自然な方向から音が聞こえてきます。
低価格なXperia 10 IIIはモノラルスピーカーであるため、スピーカーの音質重視ならXperia 5 III/1 IIIをオススメします。
また、ワイヤレスでも高音質な「LDAC」を搭載・立体音響技術「360 Reality Audio3」にも対応しており、スピーカーでもイヤホンでもXperia 5 IIIでは十分な音楽体験が出来るはずです。
Xperia 5 IIIの機種変更価格
ドコモのXperia 5 III SO-53Bの価格は、旧モデル Xperia 5 IIより高くなりました。しかし、2021年モデルのXperia 1 IIIよりずっと安く機種変更出来ます。
モデル | 機種変更負担額 |
Xperia 5 III SO-53B | 68,376円~* |
Xperia 1 III SO-51B | 102,960円~* |
Xperia 10 III SO-52B | 一括51,480円 |
Xperia Ace II SO-41B | 一括22,000円 |
*いつでもカエドキプログラムを利用した場合の最小負担額(23ヶ月分の総額)。
価格・キャンペーンについてはドコモHPの最新情報を参照ください。MNP向けの割引は2021年11月18日で廃止される見込みです。
☆「ドコモ公式サイト:Xperia 5 III SO-53Bの割引・キャンペーン情報」
スマホの大きさ・重さ、そして価格が高くても良いならXperia 1 IIIのほうが性能は上です。しかし、お金を節約したい/でもハイエンドクラスの性能が良いというならXperia 5 IIIが狙い目です。
なお、Xperia 5 IIIを安く使いたいのなら、いつでもカエドキプログラムへの加入を推奨します。2年後にスマホを返却することを前提とした「残価設定型」契約は、ユーザーにとってかなり有利です。せっかくドコモでXperia 5IIIを買うならこのシステムを使わない手はありません(2年を超えて使い続けても罰則金や違約金はありません)。
「コンパクトかつ高性能」なXperia 5 IIIは大変魅力的ですが、もっと性能が低くても良い・普通に使えるなら安いXperiaで良い、というのならXperia 10 III SO-52B/Xperia Ace2 SO-41Bという選択肢もあります。
ドコモの2021年モデルXperia 4機種は、それぞれ大きさ・性能・価格がバラバラであるため、好みと予算に合わせて選ぶことが出来ます。機種代金と基本料金を合わせて、公式の料金シミュレーターを使って最適なスマホを選びましょう。
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