ソニーのフラグシップモデルスマートフォンのカメラで使えるズーム機能「超解像AI」の実力を2022年最新機種 Xperia 1 IV (SO-51C)でチェックしてみました。

ソニーの新型スマホ Xperia 1 IVでは、世界初*となる「望遠ズーム用の内部レンズが物理的に駆動してズーム倍率(焦点距離)が変わる」という特殊なレンズを採用しており、歴代Xperiaスマホでは最大のズーム性能を誇ります。

一方で、一般的にスマートフォンの写真機能は”レンズの性能”だけでなく、画像の処理技術で見た目の画質を向上させています。

Xperiaスマートフォンの場合はズーム(拡大)利用時に、「デジタルズーム」と「AI超解像ズーム」という2つのズーム方式を選ぶ事ができます。

デジタルズーム:標準の拡大方式
AI超解像ズーム:AI技術で画質を現実に近づける

とされており、超解像ズームを選ぶと画質がアップしそうな説明があります。

Xperia AI超解像ズームの設定方法

Xperia 1 IVのカメラ機能を使う場合、初期設定(デフォルト)では標準のデジタルズームが選択されているはずです。

AI超解像ズームを使うためには、カメラアプリを立ち上げて「menu」→「デジタルズーム設定」→「AI超解像ズーム」にチェックを入れることで使用可能となります。

AI超解像ズームが機能している場合は、画面上に「AI+🔍(虫眼鏡)」のアイコンが出ます。標準デジタルズームが有効になっている場合は「D+虫眼鏡」のアイコンになります。

なお、設定画面の説明にもあるとおり連続撮影設定になっているとAI超解像ズームではなく強制的にデジタルズームになるため、同じく設定画面の「menu」→「ドライブモード」→「1枚撮影」を選んでおきましょう(カメラのUIでもドライブモード変更は可能)。

Xperia 1 IVのAI超解像ズーム比較

では実際にXperia 1 IVを用いてAI超解像ズームモードと標準デジタルズームモードで撮り比べた写真を見てみましょう。

上記は望遠レンズで最大ズーム(15.6倍)の状態です。

続けてもう一枚見てみましょう。

どちらも三脚にスマートフォンをセットし、手ぶれが起きないようにして撮影したものです。はっきり言って、AI超解像ズームでもデジタルズームでも、ほとんど差がわかりませんでした。文字サンプルを撮影した場合は、超解像モードより標準デジタルズームのほうがむしろクッキリしてみえた場合もあります。

超広角レンズ・標準レンズ・望遠レンズ、それぞれでAI超解像/デジタルズームのモードを変更して比較撮影をしてみましたが、いずれの場合でも大きく解像度が変わる・見えない部分が見えるようになる、といった劇的な差はありません(2022年7月時点の最新ソフトウェアの場合)。

ソニーのイメージセンサーに関わる技術ページには、

ソニーのインテリジェントビジョンセンサーは、デジタルズーム使用時にAI を応用して被写体の特徴に合わせた高精度な超解像処理を行うことによって、将来的には光学ズームに迫る鮮明な映像の撮影を可能にします – https://www.sony-semicon.co.jp/products/IS/mobile/intelligence.html より

とあります。”被写体の特徴に合わせた”とあるため、今回の撮影テストのようにAIによる補正が効きにくい場合もあるのかもしれません。

一方で、AI超解像ズームを利用時には保存に時間がかかる場合があるため、必要を感じない場合は標準デジタルズームの設定にしておくほうが無難かもしれません。

以上、Xperia 1 IVのAI超解像ズームは”解像度が劇的に上がって、細かい部分までクッキリ見えるようになる”ような魔法の機能ではなく、状況によって”現実の画質に近づく場合もある”程度に考えておくのが良さそうです。

Xperia 1 IVではズーム性能が旧モデルから向上したため、デジタルズームを使うと月面の模様まで見るようになりました(マニュアルモードで適切な設定を行う必要あり)。

今回のテストではあまり差を感じられなかったものの、超解像モードで画質が良くなったという評判もありますので、Xperiaで撮影した写真のスマホで解像度不足を感じたらAI超解像モードを試してみるのもよいでしょう。

Xperia 1 IV全体の実機レビュー・評価は下記も参照ください。

関連記事:Xperia 1 IV 実機レビュー・使ってみた感想

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