ドコモから発売中のトリプルカメラレンズ搭載、史上最強と名高い2018年夏モデルスマートフォン P20 Pro(型番 HW-01K)の夜間モード撮影を試してみました。
近年のスマートフォン機種では、一定以上のハイスペックモデル向けに搭載されたカメラであれば、よほどのこだわり派でなければ日中の明るい環境では綺麗な写真が撮れるようになっています。一方で、暗い室内・夜景撮影ではカメラの性能・各社の画像処理技術により、写真の仕上がり具合が全く違うものになります。
スマートフォン向けに搭載される小さなカメラセンサーで暗い環境の写真を綺麗に撮影することは一般的に困難なことなはずですが、P20 Proの「夜間」モード撮影を使うと「本当にこれはスマホの写真なのか?!」と驚くほどの高いクオリティの写真が撮れます。
管理人は普段暗い環境での撮影時には、高感度撮影に機能を特化させたカメラ「SONY α7S II 」を利用していますが、P20 Proの夜間モードは使い方・利用シーン次第でハイアマチュアカメラにも負けないくらい綺麗な写真が撮れます。
手持ちのままでもきれいな写真が撮りたいと考えてα7SIIを買ったのですが…P20 Proがあれば通常カメラの出番が減ってしまうかも・・・という危機感を覚えるくらい、ヤバイことになっています。
P20 Pro vs. P20 lite夜間モード撮影
P20 Proと同時に発売された廉価モデルスマートフォン P20 liteにも夜間モード機能が搭載されています。
P20 liteも販売価格帯(メーカー定価34,538円)から考えると高性能なカメラを搭載しているということですが、ハイエンドのP20 Proとどれくらい差があるのか試して見たくて一緒に購入していますので、実際に同じ環境で撮り比べたデータを公開します。
以下の写真はトリミング(切り取り)のみで、明るさ・画質については加工していません(画像をクリックすると、オリジナルサイズに拡大出来ます)。撮影は三脚・スタンドを使わず全て手持ちで、端末・端末を持っている手・腕もすべて宙に浮かせた状態にわざとしています。
まず、P20 Proにて撮影ボックスの明かりを点けず、薄暗い環境で通常モードの撮影をしてみました。
P20 Proの最大撮影サイズ 40メガピクセルの効果で、細かい部分までくっきりと写っています。照明を付けていないため「日中の薄暗い室内」くらいの明るさならば、夜間モードを使わずとも綺麗に撮れます。通常モードではシャッタースピード 1/20秒、ISO 500という設定になっています。
次の写真は廉価モデル P20 liteで同じ距離・同じ環境で撮影をしたものです。
P20 liteでも、薄暗い程度のレベルなら通常モードで十分に綺麗な写真に仕上がっていると思います。一般的なスマートフォンの画面で見る程度ならば、P20 Proとliteの写真に大きな差は感じられないでしょう(後ほどそれぞれの画像を拡大して比較したものをご覧に入れます)。
P20 liteの最大画質は16メガピクセル、通常モードで条件設定はシャッタースピード1/17秒、ISO 640となっていました。
続いて、暗幕を使って室内を真っ暗にして、間接的にわずかなライトのみを当てた環境に変更して比較を行います。
今度は先にP20 liteの通常モードで撮影したものを見てください。
目視でもほとんど絵の具の色が判別できないほどに暗い環境にしたため、通常モードでは薄っすらと絵の具のチューブの輪郭が見える程度になりました。このときの設定条件はシャッタースピード1/13秒、ISO 3200まで上げられています。
次はP20 Proの通常モードで、暗い環境で撮影したものです。
どうでしょうか。一つ上のP20 liteで撮影したものより、明らかに絵の具の色が判別できるくらい、画質と色合いがうまく調整されており、チューブに書かれた文字まで読むことが出来ます。
撮影設定はシャッタースピードは1/17秒、ISOは6400になっていました。高感度にしているため拡大するとさすがにノイスが目立つようになっていますが、このような厳しい撮影環境では低価格なP20 liteより格段に綺麗な写真を撮ることが出来ると言えます。
いよいよ次は夜間モードを使った写真です。
今回も先にP20 liteの夜間モードで撮影したものから行きます。撮影環境は上記と全く同じ、暗幕を使って暗い状況のままモードだけを変更しています。
思いっきり、ブレてしまいました・・・三脚を使ったりスマホを持った手をぴったりと机や壁に固定して撮影すればもう少しブレずに撮ることも出来たのですが、今回はあえて腕を一切固定せずに撮ってみました。
しかしながら、これはP20 liteが悪いわけでも、管理人がわざとブレさせてわけでもありません。P20 liteの夜間撮影モードでは15秒もの長時間に渡って写真を取り続けて合成するような技術を使っています(夜間撮影の撮影時間は、周囲の明るさによって自動で最適な長さに変更されます)。15秒間も手をまったく動かさずに居ることなど不可能です。
一眼レフ・ミラーレスカメラでマニュアル撮影をしたことがある人なら分かると思いますが、一般的なカメラでは各種手ぶれ補正機能があったとしても、手持ち撮影では1秒ですら写真をブレさせずカメラを維持することは困難です。
しかし、そんな困難な手持ち撮影を可能にするのがP20 Proの夜間モードです。
P20 Proではノーマルモードを使った場合にも絵の具の色が分かる程度に写すことが出来ていましたが、夜間モードではノイズが大きく減っていることが分かると思います。チューブの文字までくっきり写っており、まるでフラッシュを使ったかのような明るさですが、実際には真っ暗と言っていいほど暗いままです。
夜間モード撮影時の設定はシャッタースピード5秒、ISO 3200という数値になっていました。
5秒の手持ち撮影でまったくと言っていいほどぶれないなど、通常カメラの常識では考えられないことです。P20 Proの夜間モードでは普通のカメラの長時間露光とは違う仕組み*になっています。通常カメラと夜間モードを直接比べられるものではありませんけれど、効果としてはほぼ同じといえるでしょう。
もちろんP20 Proの夜間モードでも思いっきり手を動かしてしまうとブレますが、高度な合成処理によってブレのないまま明るい写真を作ってくれます。
*一眼レフカメラで行う長時間露出では、シャッターが開いている時間のすべての光を均等に取り入れますが、P20 Proの場合は”最初に撮影した画像の、光量が足りない部分を補う”といった感じの合成をするようです。例えば、カメラの前に手をかざし、シャッターを押す→すぐに手を引っ込め、そのまま撮影を完了すると、一般のカメラでは手が半透明になったように、手とその背景が重なって写ります。しかし、P20 Proでは手は透けません。このことから2者はまったく違う原理で撮影していることが判ります(一般カメラでいう長時間露光をP20 Proで行う場合は、「プロ」モードを使います)。
拡大写真比較
上記で掲載した6枚の写真の中央部分(赤と紫の絵の具)を拡大して切り出したものを並べて比較してみます。
P20 Pro | P20 lite | |
薄暗い環境 通常写真モード |
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極めて暗い環境 通常写真モード |
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極めて暗い環境 夜間モード |
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P20 Proとlite、薄暗い場所ととても暗い場所、そして通常モードと夜間モードで撮った写真の画質の違いがよく分かると思います。
ある程度の明るさが確保されている場所であれば、P20 Proでもliteでも、画像を大きく拡大してもそこまでの違いはありません。しかし、暗い場所・夜間モードでの写真には比べ物にならないほど、P20 Proの高性能っぷりが反映された結果になっています。
DxOMARKで最高得点 109(2018年6月時点)を獲得したP20 Proのカメラの評判の良さは、カメラにこだわりのある人でなくても感じられると思います。
P20 Proにはこの他にも3倍光学ズーム(望遠レンズ撮影)、スーパースローモーション、AI機能によるシーン判別、綺麗なボケが撮影出来るポートレートモードなど、最先端のカメラ性能が盛り込まれています。
今のスマホで撮影した写真の仕上がりに不満を持っているのなら、P20 Pro HW-01Kへの機種変更をオススメします。誇張無く、P20 Proのカメラは今までのスマホとは別格でした。
☆「NTTドコモ P20 Pro HW-01Kの価格・スペックをみる」
より細かいP20 Proのレビューは以下の記事も参照下さい。
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