2016年7月29日に発売となるドコモ夏モデル最後の端末、富士通のタブレット arrows Tab F-04Hの実機(デモ用)を触ってきた感想を書いてみたいと思います。
ドコモではarrows Tabシリーズは過去に大文字ロゴ時代を含めて、2011年モデルのF-01DからF-05E,F-02F, F-03Gの4モデルが発売されており、今回の「F-04H」は5世代目ということになるはずです(アローズタブレットはドコモモデル以外にも、富士通から発売されたモデルがあります)。2015年度にはarrowsタブレットは1台も発売されておらず、F-03G以来1年半振りの新モデルとなります。
ちなみにauでは3年前のFJT21を最後に、アローズタブレットの提供は途絶えています。
arrowsタブレットに共通した特徴は「10インチサイズの防水タブレット」であることです。今回のF-04Hもその特徴を受け継いたお風呂用タブレットとして活躍しそうなモデルに仕上がっています。
旧モデルとのスペック比較
現在、ドコモのオンラインショップでは旧モデルは全て販売が終了していますけれど、2年前のF-03G(販売終了)とスペックを比べてみましょう。
アローズタブ |
F-04H |
F-03G |
発売日 | 2016年7月29日 | 2014年11月8日 |
画面 | 10.5インチ WQXGA | |
サイズ | 176× 266 × 6.8 mm |
174× 265 × 8.5 mm |
重さ | 約439グラム | 433グラム |
OS | Android 6.0 | Android 4.4まで |
電池 | 6000 mAh | 7840 mAh |
連続待受(LTE) | 970時間 | 2000時間 |
カメラ (メイン/サブ) |
810万/ 240万画素 |
800万/ 130万画素 |
CPU | Snapdragon 808 1.8+1.4GHz 6コア |
Snapdragon 801 2.3GHz 4コア |
RAM/ROM | 3GB/32GB | 2GB/64GB |
最大通信速度 | 262.5Mbps | 150Mbps |
認証 | 虹彩認証 | 指紋認証 |
防水・防塵 | 対応(MIL規格) | 対応 |
おさいふ機能 | 無し | |
テレビ | フルセグ |
1年半以上ぶりの新機種となるF-04Hでは、外観・サイズはそれほど大きく変更されているわけではありません。ディスプレイは大きさ・解像度ともに全く同じなので、旧モデルから買い換える場合の違和感は少ないでしょう。
スペック表を見て感じる重要な違いを赤・青文字にしてみましたけれど、すべてがグレードアップしているという訳でもありません。しかし、「数値だけでは判らない便利な機能・快適に使うための工夫を凝らしたタブレットを作った」と富士通の中の人がプッシュしていましたので、細かくチェックしていきましょう。
このグリップ機能がF-04Hの最大の特長と言って過言ではないでしょう。新しいarrows Tabには本体ボディのサイドフレームに、縦横両方に対応できる滑り止め(ゴム素材)が6箇所にあります。
実際にこの滑り止めを様々な素材面の上で立て掛けるデモンストレーションを見せてもらいましたが、このグリップの有無で全く摩擦力が異なっており、ガラスや金属、プラスチック素材などあらゆる素材の床面で、スタンド無しで立て掛けることが出来ました。
arrows Tabは従来のモデルも防水仕様だったため、利用場所はやはりキッチンやバスルームで使いたいという需要が多く、その時に別途スタンドを使って立て掛けるスペースが十分に取れないという声があり、そこから生まれたアイデアが「grip edge」なのだそうです。
タブレット機種で同じように滑り止めが付いた機種というのもあるそうなのですが、F-04Hのように縦・横の3サイドに配置したモデルは初めてだと思われます。
この変更は一概に劣化とは言えないものですが、arrows Tab F-04Hに搭載されているCPUは最新モデル・高性能チップではありません。
Qualcomm Snapdragon 808は2015年モデル夏~2016年冬春モデルの、ハイエンドモデルから一歩引いたミドル-ハイとも言うべきスマートフォンシリーズがこぞって採用したCPUとなります。ドコモのモデルだとNexus 5X, arrows NX F-02H, AQUOS ZETA SH-01H, AQUOS Compact SH-02Hなどが同じスナドラ808を使っていました。
最新チップのハイエンドはSnapdragon 820という型番であり、Snapdragon 808と比べると処理能力は2倍くらいに伸びているはずです。つまり、F-04Hは2016年夏モデルのハイエンドに比べて半分程度のCPUパワーということになります。
Antutuのベンチスコアで言うと、Snapdragon 808搭載機は50000~70000点くらいですので、F-04Hもその程度でしょう。
ただ、これでも旧モデルのF-03Gに搭載されていたSnapdragon 801に比べれば数割アップしており、RAM容量が3GBに増えています。一般的なアプリなら何の問題もなく、スムーズに動作することは間違いないです。
現状でドコモタブレットで最強の処理能力を持っているのはiOSではiPadシリーズ(iPad Pro)ということになりますので、極めて高い処理能力が必要とされる3Dゲームをたくさん遊びたいという方はiPadの方がいいかもしれません。
富士通と言えば指紋認証、指紋認証と言えば富士通というほどに富士通製の端末ではお馴染みの機能であった指紋センサー式から、F-04Hは「見つめるだけでロック解除」が出来る虹彩センサー搭載に仕様が変更されたことも大きな特徴となります。
私も実際にデモ機で登録を試しましたが、初回登録に掛かる時間は10秒程度であり、一般的な指紋認証システムの初回登録(繰り返しタッチするあの操作)よりも短時間で出来たように思います。ロック解除は1秒足らずで解除出来ましたが、ロック解除の速さなら最新の0.1秒~0.3秒くらいの指紋認証の方が有利でしょう。
昨今は指紋認証の精度・認証速度も上がっているのでボタンに指を置いた一瞬で起動・ロック解除まで終わってしまうものですが、虹彩認証の場合は「画面をタップ→センサーを見つめる」という2段階のステップによる解除になります。指紋センサーとどちらが便利なのかは、正直良く分かりませんが・・・虹彩認証なら寝ている隙にこっそりと指を使われてロック解除され、中身を見られるというプライバシー的な心配はありません(笑)
この虹彩認証は各種サイトのログインID/パスワードと連携(パスワードマネージャー)させることで、多くの認証を見つめるだけで出来るようになります。会員制サイトへのログインの煩わしさから開放されたい人にオススメです。
F-04HはMIL規格という、米国国防総省が定めた高耐久性を持っています。画面の割れにくさ・傷つき難さ・防水・防塵性能に特化しており、日常生活からアウトドアの非日常環境においても安心して利用できるようになっています。
これは2015年夏モデルあたりからの全体的な傾向ですが、2年くらい前のモデルの方がバッテリーが長持ちなのです。F-04Hでは比較的電池消費の少ないCPUを採用したようですが、F-03Gに比べてバッテリー容量が2割も減っており、LTEでの連続待機可能時間は半分以下になってしまいました。
それでもおよそ1000時間=40日以上の待機が出来る計算なので、それほどバッテリーについて心配する必要もありません。例えばXperia Z4 Tabletも6000mAhで約970時間と同じ電池消費レベル、通常利用の頻度で3日間はたっぷり持つそうです。
バッテリーが小さくなったおかげか、重さは変わらないものの本体が約20%、6.8mmまで薄くて持ちやすさの向上に貢献しています。
その他の点で特筆すべき内容として、F-04HはXperia Z4 Tablet SO-05Gとは異なりVoLTE通話には非対応となります。「タブレットで電話」をしたい人はSO-05GやSH-05Gの在庫を探しましょう。
タブレットのスタンドといえばキーボードが付属した高級品も良いのですが、F-04Hは試供品として軽量な卓上スタンドが同梱されます。4段階に角度を変えることも出来ますので、grip edgeをわざわざ使わなくてもスタンドを置くことが出来る場所で使ってみましょう。
☆「ドコモ arrows Tab F-04Hの価格情報、予約・購入手続きはこちら」
*7月31日までにウェブ購入をすると、オンライン限定の「 買って当てろ!最大5万ポイントキャンペーン」の対象になります。運が良ければ大きな実質値引きになりますので、発売後すぐに手に入れることを考えているのなら7月中がオススメです。
後継機種 F-02K発売
NTTドコモは2018年春モデルとして、F-04Hの性能を大幅にアップさせたarrows Tab F-02Kを発売しました。
新モデルのF-02Kではワコム製の4096段階の筆圧に対応したスタイラスペンが付属します。滑らかな書き味で、タブレット画面に直接ペンで文字や絵を書くようなスムーズな入力が可能になりました。
また、F-04HのCPUには2018年時点から見るとやや処理性能の低いSnapdragon 808を搭載していたのに対し、2018年モデルのSnapdragon 660はハイエンドではないものの、Antutuベンチマークのスコアで言えば1.5倍~2倍近いジャンプアップをしています。ネット閲覧や動画試聴だけでなく、大画面を活かした迫力あるゲームを楽しむことも十分に可能なハイスペックモデルとなりました。
☆「ドコモ arrows Tab F-02K スペックと価格をみる」